JPS62256950A - 伸線加工性のすぐれた高強度鋼線材 - Google Patents

伸線加工性のすぐれた高強度鋼線材

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JPS62256950A
JPS62256950A JP10023586A JP10023586A JPS62256950A JP S62256950 A JPS62256950 A JP S62256950A JP 10023586 A JP10023586 A JP 10023586A JP 10023586 A JP10023586 A JP 10023586A JP S62256950 A JPS62256950 A JP S62256950A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はワイヤロープ、pcH線、ばね、スチールコー
ト等の高強度鋼線の製造に供せうれる高強度鋼線材に係
り、特に連続鋳造法による伸線加工性のすぐれた高強度
IN1線材に関するものである。
(従来の技術) 高炭素鋼線材は各種のパテンティング、すなわち圧延熱
利用の直接パテンティング、鉛パテンテイングあるいは
空気パテンティングの後、伸線加工等の冷間加工を施さ
れ、その後、ブルーイング処理あるいは焼入焼戻処理工
程を経てワイヤロープ、PC鋼線、ばね、スチールコー
ド等の高強度鋼線の製造に供されている。
高炭素鋼線材の強化手段としては特公昭55−460号
公報や特公昭55−9044号公報等に公表されている
ように、合金元素を添加することによりパーライトのラ
メラ間隔を微細化するか、あるいはパーライトを構成す
るフェライトを固溶強化する方法が一般に行なわれてい
る。
一方、伸線加工性を向上させるための手段としては、特
公昭47−51684号公報、特開昭50−61488
号公報、特開昭52−12611号公報等に示されてい
るように、炭化物あるいは窒化物を微細析出させること
によりパテンティング時のオーステナイト粒を微細化す
ることが広(行なわれている。
近年、線材の製造プロセスが鋼塊法から連続鋳造法に転
換するにともない、上述のmm因子に加えて線材の中心
偏析が高炭素鋼線材の伸線加工性に支配的な影響をおよ
ぼすことが明らかとなりつつある。このため、例えば、
ワイヤジャーナルインターナショナル第15巻(198
2年)、第1号、66ページに示されているように、線
材断面のマクロエツチング像ないしはサルファプリント
にもとづいて中心偏析を定性的に評価するか、あるいは
、同誌第17巻(1984年)、第4号。
66ページに示されているように、線材の中心部と半径
の2部の硬度差を測定するか、あるいは、同誌第10巻
(1977年)、第7号、64ページに示されているよ
うに、ビレットの中心部と対角線長さのA部の化学成分
差を測定するか、いずれかの方法により中心偏析を評価
し、その結果にもとづいて鋳造条件の改善を行なうと同
時に、検査工程で高度の加工に耐えうる高強度線材を選
別していた。
(発明が解決しようとする問題点) このような従来の技術の問題点は、線材の中心偏析評価
方法や評価基準があいまいであったため、中心偏析部の
早期破壊に起因する伸線中の断線、あるいは最終製品の
延性不足等の品質事故が多く、このため工程管理上のト
ラブルや歩留りの低下をまねいたのみならず、中心偏析
改善のための必要かつ十分な鋳造技術の開発を実行する
ことが困難であったことである。
さらに、中心偏析の評価方法や評価基準が特定の製造設
備、あるいは製造プロセスに立脚した経験的なものであ
ったために、線材の製造工程や製造設備が異なった場合
には技術の移転が困難であり、普遍性を持った技術とは
なり得ていなかった。
前述の状況に鑑み、本発明は、中心偏析に起因する加工
性の劣化が小さい高炭素高強度鋼線材を提供することを
目的とする。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、C:0,6〜1.0%、Si:0.1〜2.
0%、 Mn: 0.50〜1.1%、必要に応じてC
r : 0.05〜1.5%、Ni:0.05〜1.5
%、とo:0.01〜0.5%、V:0.01〜0.5
%の1種または2種以上、Aj!、 Tt+ NJ Z
rの1種または2種以上を0.01〜0.1%含有し、
残余は鉄および不可避的不純物よりなる線材において、
1.2%におけるMn偏析帯の幅を5μm以下としたこ
とを特徴とする伸線加工性のすぐれた高強度鋼線材であ
る。
以下、本発明の詳細な説明する。
本発明者らは前述の問題点を解決するために、高炭素鋼
線材の中心偏析の実態および伸線加工性におよぼす中心
偏析の影響に関して多くの基礎的研究を行なった。その
結果、(1)伸線加工性に支配的な影響をおよぼす偏析
要因はマクロ組織、サルファプリント、硬度差、あるい
はドリル分析値差というようなマクロ的な要因ではなく
、中心偏析部を構成する帯状の偏析元素の濃度ピーク(
以下、偏析帯あるいは偏析ピークという)の高さと幅で
あること、(2)通常のパテンティング条件下では、M
nの偏析ピーク高さが1.2%を超えると、Mn偏析ピ
ーク上にマルテンサイトが生成し、−J’G的には伸線
加工性は劣化するが、1.2%におけるMn偏析ピーク
の幅が5μm以下であればたとえ偏析ピーク上にマルテ
ンサイトが生成しても伸線加工性の劣化が生じないこと
が判明した。
これらは、いずれも従来知られていなかったまったく新
しい知見である。
本発明者らは以上の知見をもとに従来の線材にくらべて
著しく伸線加工性のすぐれた高炭素高強度鋼線材を提供
することに成功した。
次に本発明の構成要件を説明する。
Cは鋼の強化のための必須元素であるため0.6%以上
とするが、1%を越えると粒界初析セメンタイトが発生
して加工性が急激に低下する。
Stは鋼の脱酸と非金属介在物の軟質化のために0.1
%以上添加する。また、Siはパーライトを構成するフ
ェライトの固溶強化作用が強いため添加量は多い方が望
ましいが、2%を越えると延性を確保できなくなるため
2%を上限とする。
MnはSiと共同して鋼の脱酸ならびに非金属介在物の
軟質化に寄与し、また、焼入性を改善して線材断面内に
均一なパーライトを生成させる効果があるため063%
以上添加する。しかし、Mnは偏析しやすい元素である
ため、通常のパテンティング条件では、1.1%を越え
ると中心偏析部のMn偏析ピーク上に大型のマルテンサ
イトが生成し、伸線加工性を著しくそこなうため1.1
%を上限とする。
なお、ここで言う通常のパテンティングとは、線材圧延
後の衝風冷却や温水冷却、空気パテンティング、520
〜600℃の鉛浴中に10〜120sec間浸漬する連
続鉛パテンテイング等の処理を指す。
以上は必須元素であるが、必要に応じて以下の元素を添
加する。Cr、 Ni、 MoおよびVは鋼の強化作用
が大きいため、Crについては0.05〜1.5%。
Niについては0.05〜1.5%、 Moについては
0.01〜0.5%、■については0.01〜0.5%
の範囲内で1種ないしは2種以上添加する。それぞれの
成分の上限は経済性を考慮して決定した。
また、AIl、Ti+ Nb+ およびZrは炭化物あ
るいは窒化物を形成して線材の延性を向上させる効果が
あるため1種ないしは2種以上を0.01%以上添加す
ることが望ましいが、0.1%を越えると効果が飽和す
るため0.1%を上限とした。
高強度鋼線材の伸線加工性と製品である鋼線の延性をよ
り一層向上させるために、上述した鋼の組織制御に加え
て中心偏析の制御を行なうことが本発明の最大の特徴で
ある。
第1図は中心偏析部のMn偏析ピークの模式図である。
ここで、C0は取鍋分析値8 C8は偏析ピーク幅(W
)を規定する濃度レベルで、本発明者らは多くの実験結
果よりこれを1.2%と選ぶことにより偏析ピーク幅と
伸線加工性の関係に関して、最も高い再現性が得られる
ことを見出した。
第2図は濃度CIすなわち1.2%におけるMn偏析ピ
ーク幅(W)の異なる7種類の線材を伸線加工し、各伸
線加工ひずみ(ε)において微小クラックの発生の有無
を顕微鏡により調査した結果である。ここで伸線加工ひ
ずみ(ε)は、線材の直径(do)と伸線後の鋼線直径
(d)より次式で表わすこととする。
g −211n (d o / d )第2図でO印は
たとえ偏析ピーク上にマルテンサイトが存在していても
サイズが小さいためにその周囲にクラックを生じないも
のを示し、必然的に鋼線の延性(絞りや捻回値)もきわ
めて高い。
・印は偏析ピーク上に生成したマルテンサイトが大きい
ために伸線加工の進行とともにその周囲にクラックを生
じるものを示し、鋼線の延性はQ印のものにくらべて低
い。X印はマルテンサイトの周囲に発生したクランクに
より断線したものを示す。
第2図に示すように1.2%におけるMn偏析ピーク幅
を5μm以下とすればたとえ偏析が存在し、偏析ピーク
上にマルテンサイトが生成したとしても高度の伸線加工
に耐え得る高強度鋼線材を製造することが可能である。
このように線材におけるMnの偏析ピーク幅を小さくす
るためには、鋳片サイズをできるだけ太き(とって圧減
比(鋳片断面積/線材断面積)を高めること、中心偏析
を改善するために鋳造時の溶鋼過熱度を低めとすること
、鋳型内電磁攪拌を行なうこと、凝固末期に鋳片に圧下
をかけることなどが有効である。また、鋳片を均熱炉中
で加熱し偏析元素を拡散させることを行なえばMn偏析
ピーク幅を顕著に減らすことが可能である。
(実施例) 第1表に示す化学成分の鋼を250トン転炉で溶製し、
湾曲型連鋳機により300 X 500 am断面の鋳
片(ブルーム)を製造した。この際、中心偏析を改善す
るためにスーパーヒート(タンディツシュ内の溶鋼過熱
度)、モールド内溶鋼の電磁攪拌、および凝固末期の鋳
片圧下条件を制御した。
また、一部の鋳片を均熱炉中で1250℃以上に加熱し
中心偏析を拡散させた(均熱拡散処理)。
均熱拡散処理を行なった鋳片はそのまま、他の鋳片はウ
オーキングビーム型加熱炉で1200”Cに加熱後、1
22mm角断面のビレットに分塊圧延した。線材圧延は
ビレットを1100℃に加熱後、5.5■1から13m
mの各サイズに圧延した。伸線に先立って、線材の鉛パ
テンテイングを実施した。
伸線には単頭伸線機を使用し、伸線速度は60m/mi
nとした。
第1表には鋼組成以外に、鋳造条件、線材および鋼線の
緒特性、鋼線におけるミクロクランクの有無を一括して
示す。線材におけるMn偏析ビーク幅(W)はEPMA
を用いて測定した。マクロ組織は線材の横断面をエメリ
ー紙で研摩(#1000)後、5%硝酸アルコール液に
浸漬する方法で現出し、標準写真と比較して評点化した
。ここで、Aは中心偏析がほとんどみとめられない最も
良好なマクロ組織、Bは中心偏析部がやや黒化している
もの、CおよびDはこの順にさらに偏析は悪くな°る。
従来の偏析評価基準によれば、A以外の偏析標点がつけ
られた線材は伸線中の断線と伸線加工後の鋼線の延性不
足(絞り値が35%未満)の発生頻度が高いとされてい
たために不合格となり高強度鋼線の製造には充当するこ
とができない。
第1表で隘1〜1lh6および寛7〜患12は同一鋼種
の鋳造条件を変えることによって中心偏析の状態を変え
たものである。Mnの偏析帯幅(W)が5μm以下の鋼
はいずれも鋼線の絞り値が35%以上と高く良好な延性
を示し、ミクロクラックはまったくみとめられなかった
。一方、階5およびN11ilのように、従来の偏析評
価方法(マクロ組織判定)ではAと判定されても伸線後
の鋼線にはミクロクラックが観察され、絞り値も30%
未満と低い値を示す場合があり、また、逆に、荀9゜1
k15,11h16のようにマクロ組織判定ではBやC
であるために本来リジェクトされるべきものであ1ても
ミクロクラックの発生や絞り値の下限はずれがなく良好
な伸線加工性を示す場合がある。このように、従来の偏
析評価方法では本来りジェツトさるべきものが後工程に
流れ、逆にすぐれた品質の線材がリジェクトされるため
必然的に歩留りは低下することとなる。これに対して本
発明によれば中心偏析の評価精度が著しく向上したため
にMn偏析帯の幅を5μm以下となるような鋳造条件、
鋳片サイズ、均熱拡散条件を選定することにより伸線加
工性のすぐれた高強度鋼線材を従来より大幅に高い歩留
りで製造することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
第1図は線材の中心偏析部におけるMn偏析ピークの模
式図、第2図はMn偏析ビーク幅とミクロクランク発生
の有無の関係を示す図である。 想スの直径方向の距岡Iμm) 2jp(4+:htybMrtAmピjfJA:tv(
pyt)手続補正書(自発) 昭和61年6月5日

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. C:0.6〜1.0%、Si:0.1〜2.0%、Mn
    :0.50〜1.1%、必要に応じてCr:0.05〜
    1.5%、Ni:0.05〜1.5%、Mo:0.01
    〜0.5%、V:0.01〜0.5%の1種または2種
    以上、Al、Ti、Nb、Zrの1種または2種以上を
    0.01〜0.1%含有し、残余は鉄および不可避的不
    純物よりなる線材において、1.2%におけるMn偏析
    帯の幅を5μm以下としたことを特徴とする伸線加工性
    のすぐれた高強度鋼線材。
JP61100235A 1986-04-30 1986-04-30 伸線加工性のすぐれた高強度鋼線材 Expired - Lifetime JPH0711060B2 (ja)

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