JPS6225537B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は、車体に取付けられる自動車用部品
の取付構造に関するものである。

（従来の技術） 従来から、自動車用部品の取付構造には、第１
図〜第３図に示すものが知られている。このもの
では、自動車の車体に形成されたセンタピラー１
は、インナパネル２とアウタパネル３とを溶接し
て形成され、車室内側に配設されるインナパネル
２は、自動車用部品としてのピラーガーニツシユ
４が取付けられる取付部位とされている。ピラー
ガーニツシユ４は、ハウジングとしての本体５を
有しており、本体５には一対の係止部としての突
起６と支承部としての高さ保持用突起７とが形成
されている。インナパネル２には被係止部として
の孔２ａが開口され、突起６の先端部に形成され
た係止爪６ａと高さ保持用突起７との間で孔２ａ
の開口縁部を挟持し、これによつて、ピラーガー
ニツシユ４がインナパネル２に取付けられてい
る。尚、６ｂは突起６に一体に形成された補強用
リブ、９，１０はそれぞれフロントドア、リアド
アである。１１，１２，１３はそれぞれフロント
ドア９及びリアドア１０を構成するドアサツシ
ユ、ウエザストリツプ、ウインドガラスである。

（発明が解決しようとする問題点） しかしながら、このような自動車用部品の取付
構造にあつては、乗員が乗降する際ににピラーガ
ーニツシユ４に接触することなどによつて、ピラ
ーガーニツシユ４がインナパネル２に沿つてずれ
る方向に力が加わることがある。このような場
合、突起６に対して折り曲げるように力が加わる
こととなり、弾性復帰可能な範囲内では突起６は
原形に復帰するが、この弾性復帰が不可能な範囲
まで突起６が折り曲げられると、突起６が第３図
中２点鎖線で示す位置で復帰不能に変形したり、
突起６が基部から折れてピラーガーニツシユ４が
インナパネル２から脱落してしまうという問題が
あつた。

（発明の目的） この発明は、従来技術の有する上記問題点に着
目してなされたものであり、自動車用部品に形成
された一対の係止部に対して、この一対の係止部
を折り曲げる方向に外力が加わるとき、一対の係
止部が容易に折れて自動車用部品が車体の取付部
位から脱落することを極力防止し、併せてこの防
止手段を形成する使用材料を極力少なくして自動
車用部品の重量増加を極力少なくすることを目的
とする。

（問題点を解決するための手段） このような目的を達成するために、この発明に
かかる自動車用部品の取付構造は、車体の自動車
用部品の取付部位に被係止部を設け、前記自動車
用部品を形成するハウジングに、該ハウジングを
前記取付部位から間隔を開けて支承する支承部を
突設すると共に、前記ハウジングの該支承部の突
設箇所近傍に、互いに対向し且つ可撓性を有する
一対の係止部を突設し、該一対の係止部の先端部
に前記被係止部を前記ハウジング側に位置させて
係止する係止爪を形成し、前記被係止部の係止時
に前記一対の係止部が前記被係止部に押されて撓
んだ後原形復帰し、該係止爪と前記支承部との協
働により前記被係止部を係止する自動車用部品の
取付構造において、 前記ハウジングの前記一対の係止部が撓む側の
部位に、前記一対の係止部が撓む時に前記一対の
係止部を支承して此と共に撓む一対の補強板部
を、前記一対の係止部から間隔を開けて形成した
ことを特徴とする。

（作 用） この発明にかかる自動車用部品の取付構造で
は、車体の取付部位に自動車用部品を取付ける場
合、一対の係止部を被係止部に向かつて押圧する
と、係止爪が被係止部に押されて一対の係止部が
撓むと共に、一対の係止部と間隔を開けて形成さ
れた一対の補強板部も一対の係止部に押されて撓
む。一対の係止部の係止爪と被係止部との圧入が
完了すると、一対の係止部と一対の補強板部の両
者が共に、原形に復帰して一対の係止部の係止爪
と支承部との間に被取付部が支承され、ハウジン
グが被係止部に固定される。ハウジングに対して
一対の係止部を横方向から折り曲げる外力が働く
場合には、一対の補強板部が一対の係止部を支承
して一対の係止部と一対の補強板部とが共に撓む
ので、一対の係止部の強度が増強されることとな
り、一対の係止部が容易に折れることが防止され
る。

（実施例） 以下、この発明にかかる自動車用部品の実施例
を図面を参照にして説明する。尚、図中、従来例
を同様な部材には同一の符号を付して重複した説
明を省略する。

第４図、第５図はこの発明にかかる自動車用部
品の取付構造の第１実施例を示しており、１は自
動車の車体パネルを形成するセンタピラー、２は
自動車部品の取付部位であるインナパネルであ
り、インナパネル２には、被係止部としての孔２
ａが開口されている。１４は自動車部品としての
ピラーガーニツシユであり、ピラーガーニツシユ
１４はハウジングとしてのガーニツシユ本体１５
を有している。ガーニツシユ本体１５は、車室内
側に若干膨らんでインナパネル２に配設されるよ
うに、若干湾曲した断面形状を有している。ガー
ニツシユ本体１５のインナパネル２に臨む側の面
には、一対の係止部としての突起１６と、支承部
としての高さ保持用突起１７と、一対の補強板部
としてのストツパ１８とが形成され、ガーニツシ
ユ本体１５は高さ保持用突起１７によりインナパ
ネル２から間隔を開けて支承されるようになつて
いる。一対の係止部としての突起１６は、ガーニ
ツシユ本体１５の高さ保持用突起１７の近傍に突
設されている。この突起１６の先端部には、イン
ナパネル２の孔２ａの開口縁部を係止する係止爪
１６ａが形成されている。この係止爪１６ａは、
本実施例では、互いに対向するように形成された
突起１６の外側方向に向かつて延びている。突起
１６は、横方向から外力が作用しても一時的に撓
んだ後原形に復帰するように可撓性を有してい
る。

一対の補強板部としてのストツパ１８は、本実
施例では、互いに対向するように形成された突起
１６の内側に設けられ、突起１６とストツパ１８
とは間隔を開けて形成されており、ガーニツシユ
本体１５を孔２ａに係止するときに突起１６が撓
む可撓空間Ｃが設けられている。この可撓空間Ｃ
は、ガーニツシユ本体１５をインナパネル２に沿
つてずらすような横方向の衝撃力がかかつたとき
に、突起１６が撓んでストツパ１８に当接し、ス
トツパ１８が突起１６を支承するために設けられ
ているものであり、突起１６が弾性復帰可能な域
内で撓むときに、突起１６が折れる前にストツパ
１８で突起１６を支承し、ストツパ１８と突起１
６とを共に撓ませる空間とされている。ストツパ
１８は、このように突起１６に近傍して設けら
れ、突起１６の弾性復帰可能な可撓空間Ｃ内で突
起１６を支承し得るように、突起１６と略同じ高
さで突出しており、容易にストツパ１８が折れな
いように補強用リブ１８ａを有している。

このようなピラーガーニツシユ１４は、インナ
パネル２の孔２ａに一対の係止部としての突起１
６を挿入し、突起１６の係止爪１６ａと支承部と
しての高さ保持用突起１７とで孔２ａの開口縁部
を挟持することにより、インナパネル２に組み付
けらる。

上記のようにピラーガーニツシユ１４がセンタ
ピラー１に取り付けられているときに、ピラーガ
ーニツシユ１４に対してインナパネル２に沿つて
ずれる方向に強い衝撃力が加わると、突起１６を
横方向に折り曲げる力が作用する。この場合、突
起１６は変形して第５図２点鎖線で示すようにス
トツパ１８と当接する。突起１６がストツパ１８
に当接すると、突起１６が恰も二重構造とされて
いるようにストツパ１８により支承され、ストツ
パ１８が突起１６を支承して撓むので、突起１６
を折り曲げる方向に加わつた衝撃力がストツパ１
８に吸収される。突起１６とストツパ１８との間
の可撓空間Ｃは、突起１６が弾性復帰可能な間隔
とされているので、上記のような衝撃力が作用し
ても、突起１６が折れたり、原形復帰不能に変形
することがない。この衝撃力が解除されると突起
１６とストツパ１８とは、その可撓性により原形
に復帰する。従つて強い衝撃力が加わつても、ピ
ラーガーニツシユ１４がインナパネル２から脱落
することが極力防止される。

第６図、第７図は、この発明の第２実施例を示
しており、この実施例では、ドアトリム３１のア
ームレスト３２が車体の一部を構成しており、ア
ームレスト３２上に、自動車部品の取付部位とし
てのパワーウインドスイツチ３３を配設する凹部
３４が形成され、凹部３４にはこの凹部３４を覆
うための自動車用部品としてのパワーウインドウ
スイツチ用フイニツシヤ３５が取り付けられてい
る。この第２実施例では、第７図に示すように、
ストツパ３６が、第１実施例の高さ保持用突起１
７とストツパ１８との両者の機能を有しており、
この点で第１実施例とは異なつている。

自動車用部品のハウジングとしてのパワーウイ
ンドウスイツチ用フイニツシヤ３５には、一対の
係止部としての突起１６と、支承部及び一対の補
強板部としてのストツパ３６とが互いに平行に突
設されている。ストツパ３６は互いに対向する突
起１６の外側に形成されており、ストツパ体３７
と接触片３８とを有している。接触片３８はスト
ツパ体３７の先端部に設けられ、突起１６に支承
する接触片３８が突起１６の弾性復帰可能な域内
に存在するように突設されている。接触片３８と
突起１６との間には、突起１６の可撓空間Ｃが設
けられている。凹部３４の縦壁面３４ａとストツ
パ体３７との間には、第７図に示すように、隙間
が設けられ、ストツパ体３７が撓むようになつて
いる。パワーウインドウユニツト３３ａには被係
止部としての被係止板部３３ｂが形成されてお
り、突起１６の係止爪１６ａはこの被係止板部３
３ｂの裏面側に係止され、係止爪１６ａとストツ
パ体３７がアームレスト芯材を押し、係止爪１６
ａがパワーウインドウユニツト３６の被係止板部
３３ｂを係止することにより、パワーウインドウ
ユニツト３３ａにパワーウインドウスイツチ用フ
イニツシヤ３５が取り付けられている。

第２実施例の自動車用部品の取付構造では、パ
ワーウインドウスイツチ用フイニツシヤ３５に対
してこれをアームレスト３２に沿つてずれすよう
な横方向への衝撃力が突起１６に作用すると、突
起１６が撓んで接触片３８に当接し、接触片３８
を介してストツパ体３７が撓むことにより、突起
１６に加わるこの衝撃力がストツパ３６に吸収伝
達され、突起１６が復帰不能に変形したり、折れ
たりすることが防止される。尚、３２ａはアーム
レスト芯材、３２ｂはパツド、３２ｃは表皮、３
９はパワーウインドウユニツト３３ａをアームレ
スト芯材３２ａに固定するビスを示す。その他は
第１実施例と同様なので説明を省略する。

この発明にかかる自動車用部品の取付構造は、
以上の説明した構成から明らかなように、ハウジ
ングに対して一対の係止部を横方向から折り曲げ
る外力が働いても、一対の係止部のみが形成され
ている場合に較べて一対の係止部が容易に折れる
ことを極力少なくすることが出来、自動車用部品
が車体の取付部位から脱落することを極力防止で
きる。しかも、一対の補強板部は一対の係止部を
支承して撓むには、一対の係止部と略同大で同じ
厚さに形成することが出来、自動車用部品のハウ
ジングを形成する材料が少なくて済み、ハウジン
グの重量増加を極力少なく済ませることが出来る
という効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、自動車用部品が取り付けられる自動
車の斜視図、第２図及び第３図は従来例を示し、
第２図は第１図の−線断面図、第３図は第２
図の要部拡大図、第４図及び第５図はこの発明の
第１実施例を示し、第４図は第２図と同様な断面
図、第５図は第４図の要部拡大図、第６図及び第
７図はこの発明の第２実施例を示し、第６図は自
動車のドアトリムに自動車用部品としてのパワー
ウインドウスイツチ用フイニツシヤを取り付けた
場合の斜視図、第７図は第６図の−線拡大断
面図である。 ２……インナパネル（取付部位）、１４……ピ
ラーガーニツシユ（自動車用部品）、１５……ガ
ーニツシユ本体（ハウジング）、１６……突起
（一対の係止部）、１６ａ……係止爪、１７……高
さ保持用突起（支承部）、１８……ストツパ（一
対の補強板部）、３６……ストツパ（一対の補強
板部及び支承部）、Ｃ……可撓空間（隙間）。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 車体の自動車用部品の取付部位に被係止部を
   設け、前記自動車用部品を形成するハウジング
   に、該ハウジングを前記取付部位から間隔を開け
   て支承する支承部を突設すると共に、前記ハウジ
   ングの該支承部の突設箇所近傍に、互いに対向し
   且つ可撓性を有する一対の係止部を突設し、該一
   対の係止部の先端部に前記被係止部を前記ハウジ
   ング側に位置させて係止する係止爪を形成し、前
   記被係止部の係止時に前記一対の係止部が前記被
   係止部に押されて撓んだ後原形復帰し、該係止爪
   と前記支承部との協働により前記被係止部を係止
   する自動車用部品の取付構造において、 前記ハウジングの前記一対の係止部が撓む側の
   部位に、前記一対の係止部が撓む時に前記一対の
   係止部を支承して此と共に撓む一対の補強板部
   を、前記一対の係止部から間隔を開けて形成した
   ことを特徴とする自動車用部品の取付構造。