JPS6225028Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はビデオカメラ若しくはモニタテレビ等
の静止画映像信号を入力しインク滴を飛翔せしめ
てハードコピーを得るインクジエツトハードコピ
ー装置に関する。

インク滴を印画紙に向つて飛翔せしめるインク
ジエツトプリンタに映像信号を給電しハードコピ
ーを撮る場合、予め該映像信号を垂直走査方向の
１走査線毎に１個の画素信号をサンプリングしこ
れ等画素信号を走査線分一旦記憶回路に貯えてお
き、然る後該記憶回路から上記画素信号を順次読
み出し乍らインクヘツドに印加せしめていた。

一方、通常の映像信号は１フレームを奇数フイ
ールド、偶数フイールドに分けて走査せしめる所
謂飛び越し走査に依つて伝送されている。例えば
NTSC方式に於ける１フレームの走査時間は奇
数・偶数各フイールド1/60秒づつの1/30秒であ
る。

この様に１フレーム1/30秒で伝送されている映
像信号を入力し記憶回路への書き込みに要する時
間は、例えば上記映像信号の有効走査線数を480
本とした場合、 １／３０秒×480本×４／３＝21１／３秒 かかり、ハードコピーの高速化を図るうえで大き
な障害となつていた。ただし、480本×４／３は走査線 数と映像の縦：横の比との積で記憶回路に書き込
まれる列数を表わす。

本考案は斯るインジエツトプリンタに於いてハ
ードコピーの解像度をあまり害う事無くコピー速
度の倍増を実現するものである。以下に図面を参
照しつつ詳述する。

第１図は本考案のプリンタ部を司どるインジエ
ツトプリンタを示す斜視図で、１はインクオンデ
マンド型と称せられ１個のパルス信号の給電に依
つて１個のインク滴を噴射せしめるインクヘツド
で、該インクヘツド１は上記パルス信号の大きさ
に応じた径のインク滴を形成する。２は上記イン
クヘツド１に印画紙３を対向走査せしめるドラ
ム、４は該ドラム２に回転力を付与する駆動モー
タ、５は該駆動モータ４の回転を減速し上記イン
クヘツド１をドラム２と平行に移動せしめる移動
機構である。

第２図は本考案装置の構成を示すブロツク図
で、１０は被写体（静止画）を撮映するビデオカ
メラ、１１は該ビデオカメラ１０の撮映を監視す
るモニタテレビで、該モニタテレビ１１の画面は
第３図に於いて実線及び破線で示す如く飛び越し
走査されている。１２は上記飛び越し走査される
１フイールドの映像信号を１走査線毎に１個の画
素信号としてサンプリングするサンプリング回
路、１３は該サンプリング回路１２の出力画素信
号を階調に応じたデイジタル信号に変換せしめる
Ａ／Ｄ変換器、１４は該変換器１３からの出力デ
イジタル画素信号を一旦記憶保持するシフトレジ
スタ等の記憶回路で、該記憶回路１４は１フイー
ルドの走査線数分の容量を有している。１５は上
記記憶回路１４から順次読み出される画素信号と
次に読み出される画素信号との平均値を採り疑似
画素信号を形成する平均値回路、１６は該平均値
回路１５と記憶回路１４とから夫々出力される画
素信号を交互に出力するマルチプレクサ、１７は
上記デイジタル画素信号をその信号を応じた大き
さのインク滴を噴射させるアナログ信号に変換せ
しめるＤ／Ａ変換器、１８はこのＤ・Ａ変換器１
７でアナログ信号に戻された画素信号をインクヘ
ツド１が動作する高電圧領域まで増幅せしめるヘ
ツド駆動回路、１９は第１図に示したインクジエ
ツトプリンタから成るプリンタ部で、これ等サン
プリング回路１２、記憶回路１４、マルチプレク
サ１６、ヘツド駆動回路１７及びプリンタ部１９
は制御回路２０から発せられる制御パルスに依つ
て制御される。

而して、ビデオカメラ１０に依つて撮影されモ
ニタテレビ１１に映し出された飛び越し走査され
ている映像信号は同じタイミングで１走査線毎に
１個づつ画素信号としてサンプリングされる。こ
のサンプリングは１フイールド具体的には奇数フ
イールドのみ行なわれ順次Ａ／Ｄ変換器１３を介
して記憶回路１４に書き込まれる。一旦記憶回路
１４に書き込まれた階調を有する画素信号は制御
回路２０の制御パルスに依つてマルチプレクサ１
６に出力されると同時に平均値回路１５へも導出
される。マルチプレクサ１６に出力された画素信
号は該マルチプレクサ１６の入力端が記憶回路１
４側に制御パルスに依つて切替えられている場
合、Ｄ／Ａ変換器１７へ出力される。このＤ／Ａ
変換器１７は上記画素信号をその階調に応じたア
ナログ信号に変換しヘツド駆動回路１８に加え
る。この駆動回路１８では画素信号を例えば200
ボルト程度の高電圧領域まで増幅する。因みに
Ｄ／Ａ変換器１７から出力される画素信号は０〜
10ボルト程度の範囲で変動する。即ち、ヘツド駆
動回路１８はインクヘツド１の入力電圧と噴射さ
れるインク滴の大きさとの関係に基づいて入力画
素信号を増幅する。この様に増幅された画素信号
はインクヘツド１に給電され所望の大きさのイン
ク滴を１滴印画紙３に向つて噴射せしめる。

次にマルチプレクサ１６に制御パルスが印加さ
れ、その入力端が記憶回路１４側から平均値回路
１５側に切替る。平均値回路１５には先の制御パ
ルスに依つて読み出された画素信号と、該画素信
号の直前の画素信号との平均値が採られた疑似画
素信号が保持されている。尚、この一つ目の画素
信号については直前の画素信号が存在しないので
疑似画素信号は1/2階調となる。然し、次の疑似
画素信号からは隣接する画素信号の平均値が採ら
れ本来の偶数フイールドの画素信号とあまり差異
のないものが形成される。この疑似画素信号はマ
ルチプレクサ１６を介してＤ／Ａ変換器１７に導
出されヘツド駆動回路１８で階調に応じた高電圧
領域まで増幅される。そして、プリンタ部１９の
インクヘツド１８に給電されその信号に応じたイ
ンク滴を形成する。このインク滴はドラム２の回
転に依つて僅かに移動した印画紙３の上記インク
滴の直下に付着する。

このインク滴の付着が終了すると、マルチプレ
クサ１６の入力端は再度記憶回路１４側に切替り
該記憶回路１４の出力である奇数フイールドの画
素信号をインクヘツド１に給電する。この様に記
憶回路１４から出力される奇数フイールドの画素
信号と、平均値回路１５で形成される偶数フイー
ルドに相当する疑似画素信号とがマルチプレクサ
１６から交互にインクヘツド１に給電される事に
依つて１フレームの映像のハードコピーが得られ
る。

本考案インジエツトハードコピー装置は、飛び
越し走査されている映像信号の１フイールドのみ
を画素信号としてサンプリングし記憶回路に一旦
記憶すると共に、互いに隣接する画素信号の平均
値を採りこれをサンプリングしないフイールドの
画素信号に充当する疑似画素信号としてマルチプ
レクサを介して交互にインクヘツドに給電せしめ
ているので、大幅な解像度の低下を招く事なく従
来のものに比べ記憶回路への書き込み時間を1/2
にする事が出来、コピー速度の倍増を実現する事
が出来る。更に１フイールド分の容量の記憶回路
を省略する事が出来、装置の簡略化及びコストダ
ウンが図れる等、本考案の得るところは大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案インクジエツトハードコピー装
置のプリンタ部を司どるインクジエツトプリンタ
を示す斜視図、第２図は本考案装置の構造を示す
ブロツク図、第３図は飛び越し走査を説明する為
の横式図で、１はインクヘツド、２はドラム、１
２はサンプリング回路、１４は記憶回路、１５は
平均値回路、１６はマルチプレクサ、１８はヘツ
ド駆動回路、１９はプリンタ部、１８はヘツド駆
動回路、１９はプリンタ部、２０は制御回路を
夫々示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 飛び越し走査される映像信号を入力しそのハー
   ドコピーをインクヘツドから飛翔するインク滴の
   付着で得るインクジエツトハードコピー装置に於
   いて、上記映像信号の１フイールド１走査線毎に
   １個の画素信号をサンプリングするサンプリング
   回路と、該サンプリング回路の出力画素信号を１
   フイールド分記憶する記憶回路と、該記憶回路か
   ら順次読み出される隣接した画素信号の平均値を
   採り疑似画素信号を形成する平均値回路と、該平
   均値回路と記憶回路とから夫々出力される画素信
   号を交互に上記インクヘツドに給電せしめるマル
   チプレクサと、から成るインクジエツトハードコ
   ピー装置。