JPS6224709Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は建物用ドアの気密装置に係り、特に
下枠とドアとの間のマグネツトを利用した気密材
を使用する気密装置に関するものである。

従来のこの種の建物用ドアの気密装置として、
実開昭55−40181号公報に開示の建物用ドアの遮
音用シール構造が知られている。

この従来の遮音シール構造の第１実施例のもの
は、第４図に示すようにマグネツト入りシール材
の基部と先端部との間に圧縮自在にした弾性胴体
部を設けているもので、マグネツト入りの先端部
がドアの框面で押された時にのみ一時的にその先
端部がドア取付枠のシール材取付け溝内に押込ま
れる構造にしており、ドアで押していない時、例
えばドアを開いている時はシール材の先端部がド
ア取付け枠の溝から外に突出しているものであ
る。

また第２実施例のものは、第５図に示すように
マグネツト入りシール材が室内外方向にドア取付
枠のシール材取付溝内を移動自在にしたもので、
マグネツト入りシール材の先端部が取付け溝から
突出している状態にあることが多い。特に、ドア
取付枠の下枠において、上述の状態にあると人の
出入りによつてシール材が踏み付けられて変形・
損傷を招いたり、あるいは、土・砂またはごみ等
が取付溝内に入つてシール材の移動が困難になつ
たり、強いては移動不能になつて初期の目的が得
られなくなる恐れが多分にある。

この考案は前記従来のマグネツトを利用した気
密装置をさらに改良したものであつて、気密材を
保護するとともにごみが詰まつて気密材が移動し
なくなるのを防止し、長期間の使用に耐えうる気
密装置を提供することを目的とするものである。

以下この考案を図面に示す実施例に基づいて説
明する。

符号Ａは開きドア、符号１は下枠を示す。該下
枠１には基板２の室外端より垂下する水返し片３
が形成されている。また基板２の室内端からは上
方に立上がる立上がり戸当り部４が形成され、か
つその上部には室外側に向かつて開口を有するリ
ツプ５，５付き取付け溝６が形成されている。

さらに立上がり戸当り部４の上端からは室内側
に折曲する上片７が形成されている。

符号８は前記取付溝６に取付けられる気密材を
示す。該気密材８は基部９と摺動部１０とからな
る取付片１１と、該取付片１１に連続する気密片
１２とから構成され、断面がＨ状をなすように形
成されている。そして取付片１１は硬質の樹脂
で、気密片１２は軟質の樹脂で形成するのが好ま
しい。さらに先端部の気密片１２の内部にはマグ
ネツト１３が内蔵されている。

また前記取付片１１の基部９は取付溝６内にお
いて空隙を形成して嵌装してあるので室内外方向
に摺動可能となつている。しかもその空隙を形成
している取付溝６の上部に当該部から室外側に向
かつて突出して気密材８の先端部をその上面で覆
う保護片１４が上片７と一体に形成している。

符号１５はドアを示し、このドア１５の下框１
６には室内側に向かつて開口するリツプ５，５付
き取付け溝６が形成されており、該取付溝６内に
気密材１７が固定的に取付けられている。そして
この気密材１７の内部にはマグネツト１３が内蔵
されている。よつてドア１５の下框１６に取付け
られた気密材１７と下枠１に取付けられた気密材
８とはマグネツト１３の磁力により密接すること
になる。

しかして、この開きドアＡにおいては、下枠部
のみならず、上枠部及び竪枠部においてもほぼ同
様の構成を採用している。即ち、保護片１４を備
えてないほかは同様の構造であり、上枠１８はそ
の垂下壁１９に取付溝６を設け、該取付溝６内に
室内外方向に摺動可能で、かつマグネツト１３を
内蔵した気密材８を取付けてあると共に、建具１
５の上框２０に固定的に気密材１７を取付けてあ
る。

また、竪枠２１はその戸当り部２２に取付溝６
を設け、該取付溝６内に摺動可能で、かつマグネ
ツト１３を内蔵した気密材８を取付けてあると共
に、ドア１５の竪框２３に気密材１７を固定的に
取付けてある。

かくして本考案は以上の構成よりなり、先端部
をマグネツト入り気密片に形成してある気密材を
下枠の立上り戸当り部に室内外方向に移動可能に
嵌装するとともに気密材取付溝部の上部に室外側
に突出する保護片を設けてあるので気密材を保護
して気密材の変形・損傷を防止すると共に、取付
溝に土・砂あるいはごみ等が詰まる恐れがない。

従つて建物用ドアの気密装置において、気密材
の磁力による室内外方向の対応作動と確実な密着
作用による優れた気密効果を長期に渡つて常に的
確に発揮できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は開きドアの正面図、第２図はその縦断
面図、第３図はその横断面図、第４図、第５図は
従来例の断面図である。 Ａ……開きドア、１……下枠、２……基板、３
……水返し片、４……立上がり戸当り部、５……
リツプ、６……取付溝、７……上片、８……気密
材、９……基部、１０……摺動部、１１……取付
片、１２……気密片、１３……マグネツト、１４
……保護片、１５……ドア、１６……建具の下
框、１７……気密材、１８……上枠、１９……垂
下壁、２０……上框、２１……縦枠、２２……戸
当り部、２３……竪框。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ドア取付枠の気密材がドアを閉じる際に磁力に
   よつて、ドアのシール面に移動吸着して密着する
   ようにした建物用ドアの気密装置において、 ドア取付枠の下枠１の立上り戸当り部４に、室
   外側に向つて開口するリツプ片５，５付きの取付
   溝６を形成し、その取付溝６に、先端部をマグネ
   ツト入り気密片１２に形成している気密材８の基
   部９を室内外方向に移動可能に空隙を形成して嵌
   装していると共に、その空隙を形成している取付
   溝６の上部に当該部から室外側に向つて突出して
   気密材先端部をその上面で覆う保護片１４を設け
   てあることを特徴とする建物用ドアの気密装置。