JPS6224329B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ボルトなどの部品を振動する略弧状
の移送路に沿つて移送する曲進フイーダに関する
ものである。

頭部およびこの頭部より小径の軸部を有するボ
ルトなどの部品（被移送物）を、振動する移送路
に載せて移送するフイーダ（部品供給装置）が従
来よりある。しかし従来のフイーダは直線状に被
移送物を移動させるものであつたため、（以下直
進フイーダという）工場内の配置スペースとの関
係で直進フイーダの配置に無理が生じたり、希望
の場所に部品を送れなかつたりすることがあつ
た。また部品を収容する碗型のボウルを多層に重
ね、各ボウルを振動させて部品を送出する多重ボ
ウルフイーダが従来よりあるが、このような多重
ボウルフイーダから組立ラインの異なる複数の場
所へ部品を送出する場合には、従来の直進フイー
ダが複数必要になり、所定の位置へ部品を送るの
が一層困難になる。さらに従来の直線フイーダは
大型でスペースを大きくとるため、特に多重フイ
ーダの場合には直線フイーダの組付けスペースを
確保するのがむづかしくなるという不都合もあつ
た。

本発明はこのような事情に鑑みなされたもので
あり、略弧状の移送路で部品を送ることにより、
工場内の障害物を避けて望みの位置に無理なく部
品を送出でき、また特に多重フイーダと組合めて
用いる場合には全体をコンパクトにまとめること
が可能な曲進フイーダを提供することを目的とす
る。

本発明はこの目的を達成するため、頭部および
この頭部より小径の軸部を有する被移送物を、振
動する移送路に載せて移送する曲進フイーダにお
いて、前記移送路を互いに逆位相で移送方向斜め
上方を指向して振動される一対の略弧状のレール
で形成し、各レール間に前記被移送物の軸部を垂
下させかつ頭部を各レールの上縁に支持させて移
送するように構成した。以下図示の実施例に基づ
き、本発明を詳細に説明する。

第１図は本発明の一実施例の平面図、第２図は
その正面図、第３図と第４図は第１図における
―線断面図と―線断面図、第５図は第３図
の―線断面図である。

第１，２図で符号１０はボウルフイーダであ
り、軸部１２に板ばね（図示せず）を介して取付
けられた部品皿１４は円周方向に加振されて、ボ
ルトなどの被移送物を整列させて送出する。ここ
に部品皿１４は部品の移送方向に向つて斜め上方
を指向する方向が主な振動方向となるように弾性
体で支持され、電磁石などによつて加振される。

２０は曲進フイーダである。２２はこのフイー
ダ２０全体を支える基台であり、前記軸部１２に
固定されている。２４，２４ａ，２４ｂ、２６，
２６ａ，２６ｂは板ばねであり、２４と２６は交
互に半径方向へ突出するように基台２２に固定さ
れている。板ばね２４，２６の先端にはそれぞれ
ブロツク２８，２８ａ，２８ｂ、３０，３０ａ，
３０ｂが固定され、これらブロツク２８，３０の
上面には下方へ垂下する逆Ｌ字型のアングル３
２，３２ａ，３２ｂ、３４，３４ａ，３４ｂが固
定されている。各アングル３２，３４の下端には
円弧状の一対のレール３６，３６ａ，３６ｂが固
定され、これらのレール３６により移送路３８が
形成される。外側のレール３６ａには４個の逆Ｌ
字型の小アングル４０が固定され、この小アング
ル４０にはレール３６ａ，３６ｂ間の上方に位置
するガイド４２が固着されている。このガイド４
２は、後記するようにレール３６ａ，３６ｂ間を
移送されるボルトが飛び躍ねるのを規制する作用
を持つ。

ブロツク３０ａには電磁石４４が固定され、ま
たブロツク２８ａにはこの電磁石４４に吸引され
る鉄片４６が固定されている。なお前記板ばね２
４，２６は、第５図に示すようにその振動方向が
ボルトの移送方向（第１図で反時計方向）に向つ
て斜め上方を指向するように取付けられている。
このため電磁石４４を交流で間欠的に励磁する
と、各レール３６ａ，３６ｂは互いに逆位相でか
つ移送方向斜め上方を指向して振動する。すなわ
ちレール３６ａ，３６ｂは逆方向に加振され、そ
の主な振動方向は板ばね３６ａ，３６ｂにより移
送方向が高い斜めの方向に規制される。このため
両レール３６ａ，３６ｂにより交互に移送路３８
の出口に向つて第１図反時計方向へ送られる。

前記基台２２には、移送路３８の出口方向に延
びる断面Ｌ型の腕４８が固定され、この腕４８の
先端に固定された取付板５０にはエスケープ５２
が移送路３８の出口に臨むように取付けられてい
る。このエスケープ５２は圧縮空気によりボルト
を１個づつ組立ロボツトの作業台（図示せず）へ
搬送チユーブ５４を介して送る作用を持つ。

今部品皿１４から整列して送出されたボルト５
６は、その頭部５６ａの下面を各レール３６の上
縁に係止され、頭部５６ａより小径の軸部５６ｂ
をレール３６ａ，３６ｂ間に垂下させた状態で移
送路３８に入る。電磁石４４の励磁によりボルト
５６は第１図で反時計方向へ送られ、エスケープ
５２により組立ラインの動作に同期してボルト５
６が１個づつ作業台へ送られる。また各レール３
６ａ，３６ｂは逆位相で振動するので、ボルト５
６は移送路３８の半径方向に振動しつつ送られる
ことになり、ボルト５６同志のからみつきをほぐ
しつつ円滑に移送できる。

第６図と第７図はこの実施例の使用状態を示す
平面図である。第６図は碗状のボウルフイーダ１
０に直接曲進フイーダ２０を接続し、また第７図
はボウルフイーダ１０に直進フイーダ６０を介し
て曲進フイーダ２０を接続したものである。

第６図のように使用すれば、ボウルフイーダ１
０を移動させたり広いスペースを用いることな
く、曲進フイーダ２０により部品の送出方向を変
更できる。第７図のように使用すれば、工場内の
障害物６２を避けて部品を送ることが容易にな
り、工場内のレイアウト上都合がよい。

またこの曲進フイーダ２０は第２図に示すよう
に上下方向の幅が小さくなり、小型になるから取
付けが容易で、特に部品皿１４を多層に積み重ね
た多重フイーダにもコンパクトに組付けることが
可能になる。

この実施例においては電磁石４４と鉄片４６と
で各レール３６ａ，３６ｂを加振するので、一方
のレールの加振力の反作用で他方のレールを加振
することになり、基台２２に伝わる振動が互いに
打ち消される。このため軸部１２に伝わる振動が
弱められるという効果もある。

なお本実施例では円弧状に移送路３８を形成し
たが、本発明は移送路をら旋の一部で形成しても
よい。

本発明は以上のように、互いに逆位相で振動す
る略弧状の一対のレールで移送路を形成し、各レ
ール間に被移送物の軸部を垂下させかつ頭部を各
レールの上縁に支持させて移送するように構成し
た。このため被移送物の移送方向を変えて円滑に
移送でき、大きなスペースを使うことなく工場内
の障害物を避けて所定の位置に移送できる。特に
多重フイーダにこの曲進フイーダを使用すれば全
体をコンパクトにまとめることが可能になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の平面図、第２図は
同じく正面図、第３，４図は第１図における―
線断面図と―線断面図、第５図は第３図に
おける―線断面図、また第６，７図はこの実
施例の使用状態を示す平面図である。 ２０…曲進フイーダ、３６…レール、３８…移
送路、５６…被移送物としてのボルト、５６ａ…
頭部、５６ｂ…軸部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 頭部およびこの頭部より小径の軸部を有する
   被移送物を、振動する移送路に載せて移送する曲
   進フイーダにおいて、前記移送路を互いに逆位相
   で移送方向斜め上方を指向して振動される一対の
   略弧状のレールで形成し、各レール間に前記被移
   送物の軸部を垂下させかつ頭部を各レールの上縁
   に支持させて移送することを特徴とする曲進フイ
   ーダ。