JPH0127929B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、部品、特に小型の平板状部品を振動
により移送するようにした振動部品供給機におけ
る部品移送路高さ調整装置に関する。

〔従来の技術及び問題点〕

第８図はリニアパーツフイーダの一部の断面図
であるが、ブロツク１に直線的な溝状の移送路２
が形成されている。この路面上を部品３（平板状
のチツプ抵抗）が振動により移送されるのである
が、その姿勢を保持するために移送路２の上方に
は移送路高さ規制装置４が設けられている。すな
わち、この移送路２の上流側には図示せずとも公
知の種々の部品整送手段が設けられており、これ
により部品３は所望の姿勢に矯正される。あるい
は所望の姿勢にない部品は側方に排除される。そ
して所望の姿勢の部品３だけが下流側の移送路２
へと導かれるのであるが、こゝではこの所望の姿
勢を保持して移送しなければならない。あるい
は、部品同志が重ならないように移送しなければ
ならない。このために、移送路高さ規制装置４が
設けられるのであるが、この従来例では移送路２
に沿つて平行に延びる高さ規制板５、スペーサ７
及び取付ねじ９から成つている。取付ねじ９は高
さ規制板５の長孔６、スペーサ７の孔を挿通して
ブロツク１の側壁部８に螺着されている。

第８図において、部品３の上面と高さ規制板５
の下縁との間にはわずかな隙間Ｓが残されている
が、これにより部品３は振動によりおどり上るこ
とを防止され、よつて姿勢を変えることなく、か
つ移送路２の両側壁部ででも規制されながら振動
により移送される。厚さの異なつた部品を移送す
る場合には、隙間Ｓを調整しなければならない。
このためには、取付ねじ９をゆるめ、高さ規制板
５を上下にスペーサ７に沿つて移動させ、隙間Ｓ
を得べく調整しなければならない。然るに、部品
がチツプ抵抗のような場合、非常に小さいので、
また隙間Ｓも非常に小さいので、この調整作業は
非常に面倒である。

第９図は移送路高さ規制装置の他従来例を示す
ものであるが、ブロツク１１には直線的な溝状の
移送路１２が形成され、この上方に本従来例の移
送路高さ規制装置１４が設けられている。移送路
１２上を部品１３が振動により移送されるのであ
るが、この上面からわずかな隙間Ｓをおいて高さ
規制板５が設けられ、これは取付ねじ１８により
ブロツク１１の側壁部１６に螺着される。高さ規
制板１５と側壁部１６との間には３枚のスペーサ
１７が介在しているが、これにより隙間Ｓが調整
されている。この場合には移送すべき部品が変わ
ると、取付ねじ１８をゆるめてスペーサ１７の枚
数を変えるが、他の厚さのスペーサを用いなけれ
ばならない。この場合の調整作業においては薄い
各種のスペーサを用意しておかねばならない上
に、やはり第８図の場合と同様に調整が面倒であ
る。

〔発明の目的及び構成〕

本発明は上記問題に鑑みてなされ、部品移送路
高さを移送すべき部品に応じて簡単に調整するこ
とができる振動部品供給機における部品移送路高
さ調整装置を提供することを目的とする。この目
的は本発明によれば、振動により部品を移送する
ようにした振動部品供給機において、部品移送路
の上方に設けられ、該部品移送路の高さを規制す
る上壁形成部材と、前記部品移送路の路面と平行
な面を有する部位との間に移送すべき部品と同一
の部品を高さ方向に挾持させることにより、前記
部品移送路の高さを調整するようにしたことを特
徴とする部品移送路高さ調整装置、によつて達成
される。

〔実施例〕

以下、本発明の実施例による循環式の振動部品
供給機もしくはパーツフイーダについて図面を参
照して説明する。

第１図〜第５図は本発明の第１実施例を示し、
図において振動部品供給装置は全体として２０で
示され、返還トラフ２１及び供給トラフ２２はわ
ずかな距離をおいて並列しており、返還トラフ２
１には部品排出部２４が連設している。

返還トラフ２１及び供給トラフ２２はそれぞれ
前後一対の駆動用板ばね３２，３１により共通の
板ばね支持部３３に結合される。板ばね３１，３
２は相反する方向に傾斜して配設され、両端部が
ボルトによりトラフ２２，２１及び板ばね支持部
３３に固定されている。

一方のトラフ２２にはボルトにより可動コア３
４が固定され、同様に他方のトラフ２１にもボル
トにより可動コア３５が固定されている。そして
これら可動コア３４，３５の間に位置して電磁石
コア３６が板ばね支持部３３に固定されている。
電磁石コア３６の両側に形成されたヨーク部には
互いに独立したコイル３７，３８が巻装され、同
一の交流電源で励磁される。従つて可動コア３
４，３５に対する交流吸引力の方向は相反する方
向にある。本実施例による加振部は以上のように
電磁石コア３６、コイル３７，３８及び可動コア
３４，３５によつて構成され、このような加振部
及び図示するように配設された板ばね３１，３２
により、両トラフ２２，２１は逆位相の、かつ矢
印Ａ及びＢで示すように互いに相反する方向に傾
斜した振動を行なう。

本実施例では、部品排出部２４を含む返還トラ
フ２１側可動部と供給トラフ２２側可動部とほゞ
同質量であつて、ばね支持部３３の質量は、ほゞ
これらの和に等しく構成されている。従つて、返
還トラフ２１及び供給トラフ２２はそれぞれ矢印
Ｂ及びＡの方向に同一の振巾で振動し、供給トラ
フ２２内の部品は矢印に示す方向に移送され、傾
斜した移送面２２を上昇して平面部２５に至る。
こゝでガイド部２８のガイド作用を受けて、返還
トラフ２１側に移行する。返還トラフ２１の各移
送面２６，２９は水平であるが段差があり、一方
の移送面２９は低く供給トラフ２２の移送面２２
の左側端部とほゞ同一のレベルにある。他方の移
送面２６は外方に若干下向きに傾斜しており、部
品は側壁部２３ａに片寄つて移送される。また、
この移送面２６の上方には部品整送部２３が設け
られるが、本発明には特に関係がないので簡略化
して図示する。部品整送部２３で姿勢を矯正され
た部品は排出部２４を通つて一個宛外部に排出さ
れる。姿勢を矯正されなかつた部品又はオーバフ
ローした部品は移送面２９上に落下し、更に返還
トラフ２１及び供給トラフ２２を循環する。３０
はトラフ２１に固定された隔壁である。また、上
述のばね支持部３３は、その下方に配設された基
台４０に防振用板ばね４３ａ，４３ｂ，４４ａ，
４４ｂにより結合される。板ばね４３ａ，４３
ｂ，４４ａ，４４ｂは両端部でそれぞれボルト４
５，４６，４７，４８によりばね支持部３３及び
基台４０に固定されている。基台４０は設置台に
ボルトにより固定される。防振用板ばね４３ａと
４３ｂ、及び４４ａと４４ｂとの間にはスペーサ
４９，５０及び５１，５２を介在させており、こ
れによりこれら上下板ばね間には所定の距離が保
たれる。このような板ばねの配置によつて、板ば
ね４３ａ，４３ｂ及び４４ａ，４４ｂの長手方向
（図の左右方向）に対し、横方向の曲げ剛性を充
分に大きくとることができる。基台４０の両端部
には貫通孔４１，４２が形成され、防振用板ばね
４３ａ，４３ｂ，４４ａ，４４ｂをばね支持部３
３にボルト４５〜４８により固定する際に利用さ
れる。

電磁石コイル３７，３８を励磁すると供給トラ
フ２２及び返還トラフ２１は上述のように振動す
るのであるが、これらの反力が駆動用板ばね３
１，３２を介してばね支持部３３に加えられる。
然るに供給トラフ２２及び返還トラフ２１の振巾
は同一であるが、振動が逆位相であるので、水平
成分は打ち消し合い、垂直成分は相加算される。
防振用板ばね４３ａ，４３ｂ，４４ａ，４４ｂは
このような垂直成分反力により、ボルト４６，４
７による固定端部を支点として曲げ運動を行な
い、これにより設置台への防振が行われる。

次に、部品排出部２４に設けられる部品移送路
高さ調整装置９０について説明する。

部品排出部２４は返還トラフ２１に一体的に固
定された移送路形成用ブロツク６３から成るが、
これに第３図〜第５図に示すように直線的な溝状
の移送路６７が形成される。この移送路６７の上
方に部品移送路高さ調整装置９０が配設される。
調整装置９０は主として移送路６７に沿つて直線
的に延びる高さ規制板６２、これに一体化される
高さ調整部６０，６１及び調整用取付ねじ６４，
６５，６６から成つている。

高さ調整部６０，６１は同一の構成を有するの
で、一方６１については第３図及び第５図を参照
して説明すると、高さ規制板６２を挾んで取付ブ
ロツク６８，６９が配設される。一対のねじ７
２，７２がワツシヤ７３，７３を介して一方の取
付ブロツク６８の孔６８ａ，６８ａ及び高さ規制
板６２の孔６２ａ，６２ａに挿通させられ、他方
の取付ブロツク６９のねじ孔６９ａ，６９ｂに螺
着される。このようにして、取付ブロツク６８，
６９、高さ規制板６２は一体化されるのである
が、移送路６７の深さａ−取付ブロツク６８の下
面６８ｂから高さ規制板６２の下面までの距離ｂ
＝所定の隙間Ｓとなるように構成されている。移
送路６７の路面もしくは底面とブロツク６３の部
品載置面６３ａとは平行である。他方の高さ調整
部６０についても同様である。

取付ブロツク６８，６９、高さ規制板６２から
成る一体化集合物は取付ねじ６４，６５，６６に
よりブロツク６３に対し固定される。すなわち、
第４図及び第５図に示すように取付ねじ６６（他
の取付ねじ６４，６５についても同様）が高さ規
制板６２の長孔６２ｂ及びスペーサ７５の孔７５
ａに挿通させられ、固定ブロツク７０のねじ孔７
０ａに螺着される。固定ブロツク７０はボルト７
１によりブロツク６３に固定される。第３図に示
すように取付ブロツク６９はブロツク６３と一体
的に形成された側壁部７０′の垂直面と当接する
が、必ずしも当接する必要はない。

本発明の第１実施例は以上のように構成される
が、次にこの作用、効果などについて説明する。

まず、本供給機２０の使用に当つては、供給す
べき部品ｍと同一の部品m′が高さ調整部６０，
６１の取付ブロツク６８と移送路形成用のブロツ
ク６３との間に挾持される。すなわち、取付ねじ
６４，６５，６６がゆるめられ、高さ規制板６２
が上下動可能とされる。これと一体的な取付ブロ
ツク６８，６９も上下動可能とされる。供給すべ
き部品ｍと同一の部品m′がブロツク６３の部品
載置面６３ａ上におかれる。この部品m′の上に
取付ブロツク６８の下面６８ｂを当接させ、この
状態で取付ねじ６４，６５，６６を固定ブロツク
７０に対し締めつければ、高さ規制板６２の下面
と移送路６７上の部品ｍとの間に所定の隙間Ｓが
形成される。なお、高さ調整部６０，６１が２ケ
所設けられることにより、より一様な隙間Ｓの形
成が保証される。

図示せずとも、トラフ２１，２２内には多量の
部品ｍが投入されている。電磁石コイル３７，３
８を励磁するとトラフ２１，２２は矢印Ｂ，Ａの
方向に振動し、部品ｍは第２図に示す矢印方向に
移送される。部品整送部２３では、例えば部品ｍ
の重なりが除去されると共に、横向きの部品ｍ
（例えばチツプ抵抗で長方形の板状とする）は谷
底となつている移送面２９へと落下させられる。
移送面２９上の部品ｍは再び供給トラフ２２へと
導かれる。整送された部品ｍは部品排出部２４の
移送路６７へと導かれる。部品ｍは高さ規制板６
２により上方に大きくジヤンプすることが防止さ
れ、かつ移送路６７の両側壁部によつて水平面内
で回動することも防止される。すなわち、所定の
姿勢を保持して振動により移送路６７上を移送さ
れる。また、高さ規制板６２により移送途上、部
品ｍ同志が重なるということも防止される。部品
排出部２４の端部からは所定の姿勢で部品ｍが一
個宛、次工程へと供給される。

供給すべき部品の種類が変わる場合には、取付
ねじ６４〜６６がゆるめられ、部品m′が取り除
かれ、次の部品が代わりにブロツク６３の部品載
置面６３ａ上におかれる。なお、上述の部品ｍの
供給時には、高さ調整後、部品m′を抜き取るよ
うにしてもよい。

次の部品を介在させて取付ねじ６４〜６６を締
めつければ、移送路６７上の部品と高さ規制板６
２との間には所定の隙間Ｓが形成される。なお、
この種類の部品を供給するに当つては、前の種類
の部品ｍは本供給機２０から完全に取り除かれて
いるものとする。

以上述べたように、本実施例によれば、部品の
種類が変わつても、所定の隙間Ｓを得るための移
送路高さの調整を非常に簡単に行うことができ
る。単に供給すべき部品を取付ブロツク６８とブ
ロツク６３との間に挾着するだけでよい。しかも
部品ｍの種類が変わつても隙間Ｓをほゞ一定とす
ることができる。

第６図及び第７図は本発明の第２実施例を示
す。上述の実施例ではいわゆるリニアパーツフイ
ーダを説明したが、本実施例ではらせん式パーツ
フイーダ、あるいは単にパーツフイーダにおける
ワイパーを説明する。

第６図においてボール８０内にはらせん状のト
ラツク８１が形成されている。ワイパー８２はボ
ルト８４によりボール８０と一体的な部位８３に
固定される。部位８３の部品載置面８３ａとトラ
ツク８１の路面とは平行であるが、部品載置面８
３ａの方がＳの大きさだけ高くなつている。供給
すべき部品ｍと同じ部品m′をワイパ８２と部位
８３との間に挾持してねじ８４を締めつければ、
ワイパー８２とトラツク８１上の部品ｍとの間に
所定の隙間Ｓが形成される。部品ｍはボール８０
のねじり振動を受けて矢印の方向に移送され、重
なつている部品ｍがあればワイパー８２によつて
除去される。すなわち、ワイパー８２によつて部
品ｍは単層状態とされる。

本実施例でも部品の種類が変つた場合には、単
に挾持すべき部品を取り替えるだけでよく、面倒
な調整作業は必要ではない。

以上、本発明の各実施例について説明したが、
本発明は勿論、これらに限定されることなく、本
発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能で
ある。

例えば、以上の実施例では、上壁形成部材は高
さ規制板６２、取付ブロツク６８，６９の複数の
部材から成るが、これらを一体的に形成するよう
にしてもよい。

また、上壁形成部材も第３図に示すような断面
形状（部材６２，６８，６９を合わせて）でなく
てもよく、例えば逆Ｌ字形状の単一部材をブロツ
ク６３にねじにより固定するようにしてもよい。
この場合、水平アーム部分とブロツク６３の載置
面６３ａとの間に部品m′が挾持される。この水
平アーム部分は移送路６７の上方にまで延びてお
り、その先端部を移送路６７の路面に向けて屈曲
させておけばよい。あるいは簡単に第６図及び第
７図に示すような構成を適用してもよい。

〔発明の効果〕

以上述べたように本発明の振動部品供給機にお
ける部品移送路高さ調整装置によれば、取り扱う
部品の種類が変わつても、部品に応じて部品の姿
勢を保持するための、または単層で整送するため
の移送路高さを極めて容易に調整することができ
る。部品が電子部品のように小型である場合に、
この効果は特に顕著である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の第１実施例によるリニアパー
ツフイーダの側面図、第２図は同平面図、第３図
は第１図における−線方向拡大断面図、第４
図は第１図における−線方向拡大断面図、第
５図は第１図における要部の拡大分解斜視図、第
６図は本発明の第２実施例の要部の斜視図、第７
図は同断面図、第８図は従来例の振動部品供給機
における部品移送路高さ調整装置の断面図、及び
第９図は他従来例の振動部品供給機における部品
移送路高さ調整装置の断面図である。 なお図において、２０……リニアパーツフイー
ダ、６０，６１……高さ調整部、６２……高さ規
制板、６３……移送路形成用ブロツク、６４，６
５，６６……取付ねじ、６７……移送路、６８，
６９……取付ブロツク、８１……トラツク、８２
……ワイパー、ｍ，m′……部品、９０……部品
移送路高さ調整装置。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 振動により部品を移送するようにした振動部
   品供給機において、部品移送路の上方に設けら
   れ、該部品移送路の高さを規制する上壁形成部材
   と、前記部品移送路の路面と平行な面を有する部
   位との間に移送すべき部品と同一の部品を高さ方
   向に挾持させることにより、前記部品移送路の高
   さを調整するようにしたことを特徴とする部品移
   送路高さ調整装置。