JPS62238097A

JPS62238097A - セルフシ−ルドア−ク溶接用複合ワイヤ

Info

Publication number: JPS62238097A
Application number: JP8108786A
Authority: JP
Inventors: Kozo Yamashita; 山下　砿三; Motohiro Otawa; 太田和　基弘; Tsukasa Yoshimura; 司吉村; Takeo Adachi; 足立　武夫
Original assignee: Nippon Steel Corp
Current assignee: Nippon Steel Corp
Priority date: 1986-04-10
Filing date: 1986-04-10
Publication date: 1987-10-19

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】（並架上の利用分野）本発明は造船・橋梁・清祥構造物等の屋外全姿勢溶接に
適用されるセルフシールドアーク溶接用複合ワイヤに関
する。

（従来の技術）セルフシールドアーク浴接用複合ワイヤ（以下セルフシ
ールドワイヤという）は、他の溶接材料と異なり、自己
シールド機構が強化されているため、風による溶接欠陥
の発生が少ないことから、特に屋外現場施工に好んで採
用されてきた。

しかし、従来のセルフシールドワイヤには、−虞金属中
の気孔の発生を防止するために、Ａｌ、’ＦＶｆｇ等の
脱酸剤、脱望剤が多量に添加されており、この人ｔが溶
着金属に多量に残留し、結晶粒が粗大化し、良好な低温
靭性が得られなかった。

さらに、　ＣａＦ２を主たる金属ぶつ化物として使用し
てきた従来のセルフシールドワイヤでは、ＣａＦ２はス
ラブの流動性を著しく大きくするため、立向妥勢や上向
姿勢におけるビード形成性に問題があり、全姿勢浴接性
が要求される現場施工への適用は困難であった。

これらの欠点を解消するために、例えば特開昭５８−１
４８０９５号、特開昭５９−４２１９８号、特公昭６０
−４５９９６号公報に示されるように、ワイヤを細径化
して全姿勢溶接での良好な使用特性と、耐気孔性および
低温靭性の向上を図ったセルフシールドワイヤがある。

そこに示されたワイヤは、金属ぶつ化物としてＢ　ａＦ
２を用い、さらに細径化することで、確かに従来ワイヤ
よりも低温靭性および全姿勢溶接性が向上しているが、
アーク安定剤およびスラグ生成剤としてＮａ、Ｋを含有
するぶつ化物、炭酸塩、酸化物等が利用されており、こ
れらは吸湿し易く、溶接時に発生するヒユーム量を多く
するとともに、溶接金属中にＨ２を持ち込んで耐割れ性
を劣化させたり、ブローホールやピット等の溶接欠陥を
生じる。

Ｎａ、Ｋを含有するぶつ化物の中でも、難吸湿性のＮａ
ｚＺｒＦａ、Ｋ２　Ｓ　ｉ　Ｆａや、Ｋ２ＺｒＦ６等は
、アーク雰囲気中で分解され、大気中の信素と結びつき
ＮａｔＯｌＫ、Ｏとなって、ヒユーム発生量を助長する
等の問題があり、特にヒユーム発生量、狭開先内でのス
ラグはくり性およびビード外観、形状の点で、必ずしも
満足できるものではない。

（発明が解決しようとする問題点）本発明は上記従来ワイヤの欠点を解消し、適用分野を拡
大することを目的とするもので、良好な全姿勢溶接性お
よび低温靭性を有すると共に、ヒユーム発生量が少なく
、かつ狭開先内でのスラグはくり性およびビード外観、
形状の優れたセルフシールドワイヤを提供するものであ
る。

（問題点を解決するための手段）本発明に係るセルフシールドアーク譜接用複合ワイヤの
特徴とするところは、ＢａＦ２：２５〜７０ｗｔ９６（
以下係と略記する）、ＬｉＦ　：　２〜２０％、鉄敵化
物：４〜３５係、Ａｌ：　２〜１３％、Ｍｇ：２〜１３
％、Ｍｎ　：　０．５〜８％である成分範囲で、かつＮ
ａ、に含有量が実質的に零である粉粒状フラックスな、
金属鞘内にワイヤ全重量に対して、１３〜３０係充填す
る点にあり、溶接時に発生するヒユーム量が少なく、狭
開先内でのスラグは（り性。

特にビード表面への薄（・スラグの焼付きを防止し、ビ
ード外観、形状を改善することができる。

以下に、本発明に係るセルフシールドワイヤを上記構成
にした理由を詳細に説明する。

セル７シールドワイヤに多量に使用する金属ぶつ化物の
役割は、スラグ剤として溶接金属な被包しビード形状を
良好にすること、ガス発生物質としてアークおよび溶融
池を大気よりシールドし、脱ガス性元素の効果を十分発
揮させることである。

本発明ではＢａＦ２を２５〜７０％含有させるが、その
理由は、従来使用されていたＣａＦ２等に比べて、Ｂａ
Ｆ２はシールド性および溶接移行性が良好であると共に
、立向や上向妥勢でのスラグ被包性とビード形成性に優
れた特性を有するからである。ＢａＦ。

が２５係未満では、これらの特徴が十分発揮されず、一
方７０％を超えると、アークが不安定になる他、スラグ
生成量が過剰になって、スラグ巻込み等の欠陥を生じ易
い。よってＢａＦ２の適正範囲は２５〜７０係とする。

本発明ではさらにＬｉＦを２〜２０％添加するが、この
目的は浴着金属の耐気孔性および低温靭性の向上である
。ＬｉＦは溶接アーク熱により容易に気化して、高圧の
雰囲気を形成し、これが溶接を外気から効果的にシール
ドする。また熱解離によって生じたＬｉイオンが、アー
クを極めて安定とし、溶接移行をなめらかにするため、
溶接や溶融池の外気吸収を最小限とし、溶着金属中の窒
素量が減少する。

さらに上記効果によって、脱酸、脱窒剤であるＡｌの添
加量を低減でき、溶着金属中のＡｌ量が減少し、低温靭
性な向上させることができる。ＬｉＦが２％未満では上
記効果がなく、一方２０％を超えると、過度の高圧蒸気
のため、かえってアークが不安定になり、スパッターも
多発して好ましくない。よってＬｉＦの適正範囲は２〜
２０％とする。

本発明では鉄酸化物を必須成分とするが、その理由は、
第１にＡｌ、Ｍｇにより過剰に脱酸された溶接金属に、
酸素を補給してフェライトの核生成を促進させて、溶接
金属の靭性を向上させるためである。第２に鉄酸化物は
低融点であるため、Ａｌ、Ｍｇの脱酸反応により、生成
された高融点のＡｂＯｓやＭｇＯをスラグとして浮上さ
せ、スラグ巻込み等の溶接欠陥を防止することができる
ためである。

さらに第３に鉄酸化物を添加することにより、全姿勢溶
接用として適度のスラグ流動性が得られるため、ビード
外観、形状を改善すると共に、スラグシールドを高める
作用を有しているためである。鉄酸化物が４％未満では
、上記の効果がなく、一方３５係を鹸えると溶滴移行性
が劣化する他、スラグ過多によるスラグ巻込み等の欠陥
が発生し易（なるので好ましくない。よって鉄酸化物の
適正範囲は４〜３５％とする。

なお、鉄酸化物としては、ＦｅｘＯｙで表わされる酸化
鉄、例えばＦｅＯ、Ｆｅ、０３、Ｆｅ５０＋などの形態
で添加し℃もよ（、あるいはＭｘＦｅｙＯｚで表わせる
Ｌｉもしくはアルカリ土類金属の酸化物との複合ヅ化物
（例えばＬｉＦｅ０ｔ　、　５ｒｔＦｅＯ＋、５ｒｚＦ
ｅｚＯｓ、・Ｓｒｖ　Ｆｅｔｏ　Ｏｎ、ＢａＦｅｔＯ４
、ＢａＦｅｘｔ　Ｏｗｅなど）の形態でも添加できる。

Ａｌは強力な脱酸、脱窒剤として溶接金属の耐気孔性を
改善する作用を持ち、セルフシールドワイヤには不可欠
の元素である。２％未満では上記効果は不十分で、ピッ
ト、ブローホール等の溶接欠陥が発生し、一方１３％を
超えると浴接金属中のＡｌｆｋが過剰となって、結晶粒
の粗大化を招き、靭性を劣化させるので好ましくない。

従ってＡｌは２〜１３％とする。なおＡｌは単体で用い
てもよいし、Ｆｅ−ＡＬ、　Ａｌ−Ｍｇ　、　Ｚｒ−Ａ
ｌ、　Ｌｉ−ＡＡ、Ｃａ−Ａｌ、　Ｃａ−Ａｌ−Ｍｇ等
の合金形態で添加してもよい。

Ｍｇは強力な脱酸剤である他、浴接の移行性を改善する
元素である。Ｍｇの添加により浴接の粒子が細かくなり
、スプレー状の浴接移行になる。

Ｍｇが２％未満では上記効果は不十分であり、１３％を
超えるとスパッターの多発とヒユームの増加を招（ので
好ましくない。よってｆＶＬｇの適正範囲は２〜１３％
とする。

なお、Ｍｇは単体でもよいし、Ａｌ−鳩、Ｎｉ−淘、Ｌ
ｉ−Ｍｇ、Ｃａ−陶、Ｆｅ−Ｎ信等の淘合金の形態で添
加してもよい。

地の添加量を０．５〜８％にした理由は、溶接継手に適
した必要十分な強度を与えるためである。

０．５％未満では必要強度および良好なビード形状が得
られな（なり、一方８％を超えると強度が高くなりすぎ
て、耐割れ性を劣化させる。従ってＭｎの添加量は０．
５〜８％とする。なお、Ｍｎは単体で用いられる他、Ｆ
ｅ−Ｍｎ等の鉄合金を含む各種合金やＭｎＯの如き酸化
物、ＬｉＭｎ０□の如き複合酸化物の形態でも使用でき
る。

本発明においてＮａ、Ｋを含まない理由は、溶接時に発
生するヒユーム発生量を減少させることにより、溶接作
業環境を改醤すると共に、狭開先内でのスラグはくり性
、特にビード表面への薄いスラグの焼付きを防止し、ビ
ード外観、形状を改善するためである。さらにＮａ、Ｋ
を含有するぶつ化物、炭酸塩、酸化物および複合化合物
は吸湿し易く、溶接時に発生するヒユーム量を多くする
と共に、浴接金属中へＨ２を持ち込んで、耐割れ性を劣
化させたり、ブローホールやピット等の溶接欠陥を生じ
る。従ってＮａ、Ｋを含まないことが、ヒユーム発生量
、スラグは（り性および溶接欠陥を防止することができ
るためである。

以上が本発明のワイヤにおける粉粒状フラックスの必須
成分であるが、本発明ではシールド効果を更に高める意
味で、Ｌｉ２ＣＯｘ、ＢａＣＯ３、ＣａＣＯ５，５ｒＣ
Ｏｓ　、ｉＶＩｇｃＯｘ　、ＭｎＣＯ３等の金属炭酸塩
を、ス、ａツタ多発等の作業性劣化をきたさない範囲内
で添加すること、およびスラグの物性調整剤として、Ｃ
ａＯ１Ａｌ２０ｓ　、　ＭｇＯ、５ｉｆｔ、Ｔｉ０ｚ、
ＺｒＯ２等の酸化物、ＣａＦ２．５ｒＦｚ　、　ＭｇＦ
ｔ　、ＭｎＦ２などのぶつ化物を、必要に応じて添加し
てもよい。

さらに、特に海洋構造物等の低温靭性（−２０℃〜−４
０℃）の要求される分野に適用される場合には、Ｎｉ、
Ｔｉ、Ｚｒ、Ｂなどの元素ケ添加して、低温靭性を更に
向上させてもよい。

本発明のセルフシールドワイヤにおいては、粉粒状フラ
ックスを金属鞘に充填する割合を１３〜３０％とした。

これは１３％未満ではフラックスの上記各種効果は期待
し得す、浴接金属に気孔が発生したり、′スラグの被包
効果が損われたりし、逆に３０％を超えるとスラグの生
成量が多すぎたり、溶接金属中の合金成分やＡｌ量が増
加する結果、所要の機械的性質が得難く、さらに伸線加
工性が低下して、ワイヤ製造が困難になるためである。

なお、本発明ワイヤの金属鞘の材料は、通常軟鋼を用い
るが、用途に応じて低合金鋼、高合金鋼゛を用いること
ができ、またその断面構造も特に限定されないが、２ｍ
ｄ以下の細径の場合は、比較的単純な円筒状のものが、
また２、４〜３．２順ｍ程度の大径ワイヤの場合は、鞘
材を内部へ複雑に折り込んだ構造のものが一般的である
。

（実施例）第１表に示す成分組成の粉粒状フラックスを、充填（充
填率２０ｗｔ％）して伸線加工し、２龍ダのセルフシー
ルドワイヤを試作した。得られた各ワイヤを用いて、下
記の条件で溶接実験を行なった結果を第２表に示す。

・　浴接条件試該板：　ＪＩＳ　Ｇ３１０６５Ｍ−５０Ｂ板　　厚：
２５ｍ＋＋Ｘ長さ５００１１１１１開先形状：Ｖ開先（
第１図、ａ：２５閣、ｂ及びＣ：　９１１１ｍ、　　０
　：　４５”）溶接電流：２５０（Ａ）、ＤＣ（ワイヤ
（→〕溶接電圧：２１〜２２（Ｖ）溶接速度：１５〜２０（（支）７分）ワイヤ突出長さ：２０〜２５圓溶接姿勢：下向積　ノー　数−８層１５パス試験法引張試捩：　ＪＩＳ　Ｚ　３１１１衝撃試験：　ＪＩＳ　Ｚ　３１１２側曲げ試ｍ　：　　ＪＩＳ　　Ｚ　３１２２放射線透過
試験：ＪＩＳ　　Ｚ　３１０４ヒユ一ム発生童の測定：
ＪＩＳ　　Ｚ　３９３０に準拠した。

第１．２表からも明らかな様に、本発明で規定する要件
を充足するワイヤ（Ａ　１〜７）を用いた場合は、溶接
作業性、特にスラグはくり性が良好で、ピード表面への
薄いスラグの焼付きもなく、ビード外観、形状も良好で
かつ、ヒユーム発生量も少ない。

これに対し本発明の要件を欠く比較ワイヤ（Ａ８〜１５
）を用いた場合は、浴着金属の域械的性質およびＸ線性
能は良好であるにもかかわらず、溶接作業性の点で劣思
であると共に、浴接時に発生するヒユーム量も多く、本
発明の目的を達成することができない。

（発明の効果）本発明は以上の様に構成されており、特に鋼製鞘内へ充
填する成分組成を限定することによって、良好な全姿勢
溶接性および低温靭性を封すると共に、狭開先内でのス
ラグは（り性およびビード外観、形状に優れ、さらに溶
接時に発生するヒユーム量を低減でき１作業環境を改善
できる等の効果が大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は実験で採用した測光形状の説明図である。

Claims

【特許請求の範囲】重量％で、ＢａＦ＿２：２５〜７０％ＬｉＦ：２〜２０％鉄酸化物：４〜３％Ａｌ：２〜１３％Ｍｇ：２〜１３％Ｍｎ：０．５〜８％からなる成分組成で、Ｎａ、Ｋの含有量が実質的に零で
ある粉粒状フラックスを、金属鞘内にワイヤ全重量に対
して、１３〜３０％充填してなることを特徴とするセル
フシールドアーク溶接用複合ワイヤ。