JPS6223720Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は従来一般に使用されているPTP包装
体の改良に関するもので、その目的とするところ
は省資源および包装作業の安定化と高能率化を計
るとともに包装形態の美しい包装品を得んとする
にある。

従来一般に使用されているPTP包装体は、第
１図示の如く、プラスチツクフイルムシート等よ
りなる稍々硬質で厚手のベースフイルム１に２列
並列状に所定数、所定形状の凹部２を形成し、該
凹部２内に錠剤３を収納し、アルミ箔等よりなる
平面状蓋用フイルム４を被せて前記凹部２以外の
平坦面５と熱接着し、さらに各錠剤３毎に分離可
能に、ミシン目６を各錠剤３間に設けたものであ
つて、錠剤３の取り出しに際しては、指先にて凹
部２の底部を蓋用フイルム４側に向けて押圧する
ことにより、錠剤３自体にて蓋用フイルム４を突
き破つて取り出す所謂プレススルー方式であるた
め、錠剤３が小粒の場合は仲々錠剤３の取り出し
がうまくいかないばかりでなく、急を要する場合
には、往々にして取り出し時に錠剤３を取り落し
てしまう等の欠点があつたものであるとともに上
記包装体は通常250μ程度の厚手のフイルムが用
いられており、材料費の点でコスト高となるばか
りでなく、片面にアルミ箔が使用されているた
め、上記厚手のフイルムの使用と併せて省資源の
面から好ましくなく、さらにシートが硬質である
ため病院、薬局等で薬袋に入れた時、薬袋が破れ
易く、然もミシン目の切り口で取り扱い時に指先
等を切創する惧れもあつたものである。

さらに上記包装体は図示のように、通常10枚く
らいを一組として重合し、これをプラスチツクフ
イルムテーブル７等でバンド掛けして束ねたもの
を包装機、凾詰機等へ送り、フイルム包装あるい
は凾詰め包装等を行つていたものであるが、前記
重合状態の包装体はバンド掛けの際に、強くバン
ド掛けすると、包装体の形状が変形してしまい、
錠剤３によつて蓋用フイルム４を突き破つてしま
う惧れもあつて、ほどほどの強さでバンド掛けし
なければならず、そのためバンドが作業中に振動
等によりずれ動いて包装体の重合形態が崩れ、安
定した包装、凾詰め作業を高能率に行うことがで
きない等の欠点があつた。

また上記欠点を改良する目的をもつて、第２図
示のようにベースフイルム１′を薄手の柔軟なも
のとなすとともにパツク体（包装体）A′の長手
方向の両側縁に、連続するギザ刃状の切込部
２′，２′を設けた錠剤のパツク体（実願昭55−
64417号）も本出願人によつて開発されたが、こ
のものはパツク体A′の長手方向の両側全縁に亘
つて連続的にギザ刃状の切込部２′，２′が設けら
れているため、これが包装体の体裁を著しく損ね
商品価値を低下せしめる虞れがあつた。

さらにまた第３図示のようにベースフイルム
１″を薄手の柔軟なものとなすとともにパツク体
（包装体）A″の各錠剤収納部７″の両側縁に錠剤
取出用切裂ノツチ８″を設けたものも本出願人に
よつて開発されたが、このものは第２図示のもの
と同様、ノツチ８″の角部がパツク体A″の両側縁
より外方へ突出していないので、バンド９″の両
側縁の引掛りが不充分であつたと同時に製造に際
してはフイルムロスが多く、甚だ不経済なる欠点
があつた。

本考案はベースフイルムを薄手の柔軟なものと
なすとともにパツク体の各錠剤収納部の外側縁に
略Ｖ字状の錠剤取出用切裂ノツチを１個づつ設け
るとともに、前記ノツチの片側一辺を延長して外
側縁より突出させてこの延長線を一辺とする略逆
Ｖ字状のバンド引掛用突片を該ノツチに連接して
１個づつ設けることにより、従来の欠点を除去す
るとともに上記先願の不充分なる点をさらに充足
するようにしたものである。

以下添附図面に示す本考案の一実施例について
詳細に説明する。

１１は塩化ビニール、スチロール樹脂等からな
る厚さ約100μの柔軟な熱可塑性ベースフイルム
であつて、２列並列状に所定数、所定形状の凹部
１２を形成し、該凹部１２内に錠剤１３を収納し
て塩化ビニール、スチロール樹脂、アルミ箔等か
らなる平面状蓋用フイルム１４を被せ、前記凹部
１２以外の平坦面１５と熱接着し、さらに必要に
応じて前記各錠剤１３毎に分離可能のミシン目１
６を各錠剤１３間のフイルム面に設けてパツク体
Ａに形成されている。そして本考案では、さらに
前記パツク体Ａの各錠剤収納部１７の外側縁１
８，１８の所定位置（例えば中央部、あるいは中
央部を避けた位置）に略Ｖ字状の錠剤取出用切裂
ノツチ１９′，１９′を１個づつ設けるとともに、
該ノツチ１９′，１９′の片側一辺を延長してこの
延長線を一辺とする略逆Ｖ字状のバンド引掛用突
片１９，１９が、該ノツチ１９′，１９′に連接し
て設けられている。

なお図中２０はプラスチツクテープ等のバン
ド、２１，２１は前記バンド２０の両側縁部を示
すものである。

本考案によればパツク体Ａの各錠剤収納部１７
の外側縁１８，１８にはバンド引掛用突片１９，
１９と錠剤取出用ノツチ１９′，１９′が連接して
あるので、錠剤３の取出しに際しては、錠剤取出
用切裂ノツチ１９′，１９′からパツク体Ａを切裂
くと、錠剤収納部１７が切裂かれることとなり、
錠剤１３を容易に取出すことができるものであ
り、またパツク体Ａを第６図示の如く多数重合し
てバンド掛けした場合には、バンド２０の両側縁
部２１，２１がバンド引掛用突片１９，１９に引
掛り、バンド２０がすつぽ抜けるようなことがな
いので、バンド掛けを必要以上に強くせずとも束
がずれるようなことがなく、従つて爾後の包装、
凾詰め作業を安定した状態で確実かつ高能率に行
うことができるものであるとともにフイルム自体
も薄い柔軟なものを使用することができるので、
パツク体Ａ全体が軟らかくなり、病院、薬局等で
薬袋に入れた時、薬袋が破れたり、指先を傷付け
けたりすることもなく、また材料を節約すること
もできるので省資源の面からもきわめて有効なも
のである。

さらに本考案は本出願人がさきに開発したギザ
刃状の切込部をパツク体Ａの両側縁に連続して設
けたものに比して錠剤取出用切裂ノツチ１９′，
１９′の数が非常に少なく、そのため包装形態の
美しい商品価値の高いものとなすことができると
ともにバンド引掛用突片１９，１９はパツク体Ａ
の両側縁より外方に突出して設けられているの
で、バンドの引掛りが確実に行われるものであ
り、またパツク体A″をカツト成形する場合にバ
ンド引掛用突片１９，１９と錠剤取出用切裂ノツ
チ１９′，１９′がパツク体Ａの両側縁に一方が凸
状、他方が凹状に形成されているのでこれを連続
カツト成形にて製造することができ、加工が容易
なるものであるとともにフイルムロスがなく、き
わめて経済的なるものであり、これを安価に提供
し得る等、種々の優れた実用的効果を有するもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図、第３図は従来品のパツク体を
重合し、バンド掛けした状態の斜視図、第４図は
本考案の一実施例平面図、第５図は第４図のＡ−
Ａ拡大断面図、第６図は同パツク体を重合し、バ
ンド掛けした状態の斜視図である。 １……ベースフイルム、２……凹部、３……錠
剤、４……蓋用フイルム、５……平坦面、６……
ミシン目、７……プラスチツクフイルムテープ、
１１……熱可塑性ベースフイルム、１２……凹
部、１３……錠剤、１４……蓋用フイルム、１５
……平坦面、１６……ミシン目、７″，１７……
錠剤収納部、１８，１８……外側縁、８″，１
９′，１９′……錠剤取出用切裂ノツチ、１９，１
９……バンド引掛用突片、２０……バンド、２
１，２１……両側縁部、Ａ，A′，A″……パツク
体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. プラスチツクフイルムよりなるベースフイルム
   に、所定形状の凹部を２列に配列して形成し、該
   凹部に錠剤を収納し、平面状蓋用フイルムを被せ
   て前記凹部以外の平坦面と熱接着してなる錠剤の
   パツク体において、前記パツク体の各錠剤収納部
   の外側縁に略Ｖ字状の錠剤取出用切裂ノツチを１
   個づつ設けるとともに、前記ノツチの片側一辺を
   延長して該外側縁より突出させこの延長線を一辺
   とする略逆Ｖ字状のバンド引掛用突片を該ノツチ
   に連接して１個づつ設けてなることを特徴とする
   錠剤のパツク体。