JPS6223600B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は撹拌翼と共に駆動されるポンプ手段に
よつてリントの強制捕獲作用と注水と同時のすす
ぎ排水作用とを得るようにした洗濯機に関する。

従来、二槽式洗濯機においては洗い槽の所定高
さ位置に溢水口を設けて注水と同時のすすぎ排水
作用即ち溢水作用を得るようにしている。しかし
ながらこの構成のものによれば、洗い時の撹拌に
よつて水が溢水口から不必要に排出されてしまう
ことがあり、従つて洗い時の運転水位よりも相当
高い位置に溢水口を位置させる必要がある。しか
しながらこのようにするとすすぎ水位が不必要に
高くなつてしまい節水性が低下してしまう。一
方、水面部分で溢水する方式によれば上層部のき
れいな水が溢出され勝ちとなりすすぎ効率を低下
させる欠点があつた。

本発明は上記の欠点を除去すべくなされたもの
であり、その目的はリントを強制捕獲するための
ポンプ手段によつて注水と同時のすすぎ排水作用
を得る構成とすることにより、すすぎ水位を洗い
水位とは無関係に独自に設定できると共にすすぎ
効率の向上も期待でき、更にはこれを実現するの
に専用のポンプを新たに設ける必要がない洗濯機
を提供することにある。

以下本発明を各実施例によつて具体的に説明す
る。先ず、第一実施例について第１図乃至第３図
を参照しながら説明する。１は洗い槽２と脱水か
ご３を内設する脱水槽４とを形成した槽体であ
り、その洗い槽２の内底部には裏面にポンプ用の
翼片５をポンプ手段として突設した撹拌翼６を配
設するための凹陥状のポンプ室７を形成している
と共に、洗い槽２の側壁部には下端がポンプ室７
に連通するよう上下方向に延び且つ外方に膨出す
る形状の水排出室８を形成している。９は水排出
室８の槽内を臨む開放口１０を塞ぐように着脱可
能に設けたストレーナ部材で、これは排水ストレ
ーナ１１及び溢水ストレーナ１２から成り、特に
排水ストレーナ１１の下端中ポンプ室７を臨む部
位に吐出口部１３を形成している。１４は水排出
室８内に配設された送水ホースであり、その下端
を吐出口部１３に連通するように排水ストレーナ
１１に保持させている。１５は水排出室８の底部
に形成した排水口で、これに排水ホース１６を連
結している。１７は管支持体で、水排出室８内に
上下動可能に設けられていると共に常には圧縮コ
イルばね１８により下方に移動付勢されており、
その上下端には短筒部１９ａ，１９ｂを一体に形
成している。そして下方の短筒部１９ｂの下端に
は排水口１５の周縁に接離する環状の中空弁体２
０を取着している。２１は管路部材の一部をなす
排出ホースであり、これの上下端を上方の短筒部
１９ａの下端と下方の短筒部１９ｂの上端とに
夫々連結している。２２は操作箱２３に設けられ
た排水切換機構で、これは操作パネル２３ａに設
けた操作摘み２４とこれの回動操作によつて引張
り変位されて管支持体１７を圧縮コイルばね１８
の弾発力によつて上昇させる索条２４ａとから成
る。そしてこのように管支持体１７が上昇される
と中空弁体２０が排水口１５の周縁から離れるた
め洗い槽２内の水は水排出室８内から排水口１５
を介して機外に排出され、また弁体２０が排水口
１５の周縁に当接するとその排水が停止される。
２５は槽体１の上面部に形成した嵌合凹部２６，
２７に嵌合して配置された流水ケースで、これに
形成した突起２８を槽体１に形成した係合孔２９
に挿入することによつて固定化している。この流
水ケース２５には洗い槽２内を臨む給水口３０及
び水量確認口３０ａを前面に形成した洗い槽用注
水路３１と脱水槽４の脱水かご３内を臨む給水口
３２を有する脱水槽用注水路３３とを相互に区分
して形成している。３４はリント捕獲器３５を着
脱可能に収容する収容室で、洗い槽２の運転水位
よりも高い位置をとるように流水ケース２５の脱
水槽用注水路３３の前面で且つ洗い槽２に臨む位
置に一体に形成され、その前面部に着脱口３４ａ
を形成していると共に内底面に二体のリブ３６，
３７を突設している。３８は流水ケース２５に洗
い槽用注水路３１とその右側で隣接するように形
成した貫通路、３９はこの貫通路３８とはその右
側で隣接するように流水ケース２５に形成した吐
出水受室で、これの下部、即ち底部には放水筒部
３９ａを下方に向けて一体に突設している。４０
は前記索条２４ａを通すべく前記脱水槽用注水路
３３に貫通状に突設された案内筒部である。前記
操作箱２３の前記流水ケース２５を上方から覆う
底板部４１上には注水手段としての周知構造の注
水器４２を有し、これは切換レバー４３を操作す
ることによつて給水ホース４４からの水道水を、
洗いまたは注水すすぎ時には洗い槽用注水路３１
に供給して洗い槽２内に給水し、また脱水すすぎ
時には脱水槽用注水路３３に供給して脱水槽４内
の脱水かご３に給水することを選択的に行ない得
るようになつている。さて、４５は送水切換装置
としての三方弁、４６は操作箱２３の底板部４１
に突設したボス部４７ａ，４７ｂにねじ４８ａ，
４８ｂによつて取着された支持金具であり、この
支持金具４６に前記三方弁４５をこれに形成した
一対のねじ孔４９ａ，４９ｂと支持金具４６に形
成した一対の透孔５０ａ，５０ｂとの間をねじ４
８ｃ，４８ｄによつて締結することによつて取付
けている。このような三方弁４５の入水口部５１
には前記流水ケース２５の貫通路３８及び底板部
４１に形成した透孔４１ａを介して操作箱２３内
に導入された前記送水ホース１４の上端を接続し
ている。５２は底板部４１に注水ケース２５の収
容室３４と上方から対向する位置に突設した第一
の連通筒部、５３は底板部４１に注水ケース２５
の吐出水受室３９と上方から対向する位置に突設
した第二の連通筒部であり、前記三方弁４５の第
一の出水口部５４ａと第一の連通筒部５２との間
をホース５５によつて連結し、第二の出水口部５
４ｂと第二の連通筒部５３との間をホース５６に
よつて連結している。５７は弁切換摘みで、操作
箱２３の操作パネル２３ａの凹部５８内に位置し
てその軸部５７ａが支持金具４６の開口部５９を
介して三方弁４５の切換用孔部６０に着脱可能に
挿入連結され、弁切換えを行ない得るようになつ
ている。尚、４１ｂは前記案内筒部４０の上端を
貫通状に挿入させるように前記操作箱２３の底板
部４１に形成した開口部である。そして組立て完
成状態では前記吐出水受室３９の放水筒部３９ａ
の下端が前記管支持体１７の上端に形成した短筒
部１９ａの上端開口部内に遊挿される。以上の構
成において、三方弁４５の第一の出水口部５４ａ
から流水ケース２５の収容室３４に到るまでの水
路が槽内送水路手段Ａに相当し、第二の出水口部
５４ｂから吐出水受室３９を経由して前記中空弁
体２０に到るまでの送水路が機外送水路手段Ｂに
相当する。従つて中空弁体２０を連結した前記短
筒部１９ｂは機外送水路手段Ｂの出口端に相当す
る。

次に上記構成の作用について説明する。先ず、
洗いに際して、弁切換摘み５７を操作してその入
水口部５１と第一の出水口部５４ａとの間を連通
状態に設定し、且つ注水器４２の切換レバー４３
を洗い槽側に回動設定して給水ホース４４からの
水道水を洗い槽用注水路３１に供給し、ここから
洗い槽２内に給水する。そして給水完了に伴つて
撹拌翼６の回転による洗い運転を開始させる。こ
の洗い運転において、撹拌翼６の翼片５によつて
ポンプ作用を生じ、洗い槽２内の水（洗剤液）は
ポンプ室７内に撹拌翼６の周囲から吸引され、そ
して吐出口部１３から送水ホース１４に送水され
る。この送水ホース１４に送水された水は三方弁
４５の入水口部５１と第一の出水口部５４ａとの
間を通り、更にホース５５及び第一の連通筒部５
２を介して収容室３４内のリント捕獲器３５内に
供給される。そしてこのリント捕獲器３５を通過
した水は収容室３４のリブ３６，３７によつて形
成された間隙３４ｂ及び着脱口３４ａの下縁部３
４ｃを介して第３図矢印の如く洗い槽２内に放出
され、以てリントの強制捕獲がなされる。

次に注水すすぎ運転について説明するに、この
場合は洗い槽用注水路３１から洗い槽２内への注
水を経続させて撹拌翼６を駆動する一方、弁切換
摘み５７によつて三方弁４５をその入水口部５１
と第二の出水口部５４ｂとの間が連通状態となる
ように切換設定しておく。この結果、翼片５によ
るポンプ作用によつてポンプ室７の吐出口部１３
から送水ホース１４内に吐出された水は三方弁４
５の入水口部５１及び第二の出水口部５４ｂ間を
通り、更にホース５６及び第二の連通筒部５３を
介して吐出水受室３９内に放出される。そしてこ
の吐出水受室３９内に放出された水は放水筒部３
９ａ、短筒部１９ａ、排出ホース２１、短筒部１
９ｂ、中空弁体２０内、排水口１５及び排水ホー
ス１６を順に介して機外に排出される。このよう
にして注水すすぎにおいては洗い槽２内の水の排
出が撹拌翼６のポンプ作用によつて洗い槽２内の
底部から行なわれる。従つて従来のように洗い運
転中に水が溢水口から溢水されることを防止すべ
く溢水口を高所に位置させる結果、すすぎ水位が
過剰になると云つた問題はなく、すすぎ水位を洗
い水位とは無関係な独自の適正値に設定でき、水
の無駄使用を防止できる。また、注水と同時のす
すぎ排水作用は洗い槽２の内底部から行なわれる
から、洗濯物に邪魔されて上層部の水に比し下層
部の水が汚れていると云う事情に合致してその下
層部の水が排出され、従つてすすぎ効率の向上を
期待できる。更に以上のことを実現するのにリン
ト強制捕獲用のポンプ手段を兼用させているので
専用のポンプを設ける必要がなくコスト上昇を抑
制できる。

次に本発明の要旨とは直接関係はないが上記実
施例によれば次のような効果を期待できる。即
ち、送水ホース１４を除き、すべての配管作業を
操作箱２３内で行ない得ること、流水ケース２５
を設置するのみで吐出水受室３９の放水筒部３９
ａが管支持体１７の上方の短筒部１９ａに挿入さ
れてこれと連通状態になること、及び操作箱２３
を設置するのみで第一及び第二の連通筒部５２，
５３が流水ケース２５の収容室３４及び吐出水受
室３９と連通状態になること、のため総じて組立
て作業が容易となる。ところで前述のすすぎ運転
において洗い槽２への注水流量とポンプ作用によ
る排水流量とを調和させねばならないが、この場
合、水量確認口３０ａからの溢水量を目安にして
注水流量を調整すれば便利である。

次に第１図と同一部分に同一符号を付して示す
第４図によつて第二実施例を説明する。この第二
実施例のものは操作箱２３の外底面に前記流水ケ
ースの代りに前記収容室３４と略同形状のフイル
タ収容箱６１を取着してこれにリント捕獲器３５
を着脱自在に収容させ、また、三方弁４５の第二
の出水口部５４ｂに一端を連結したホース６２の
中間部分に蛇腹状部６２ａを形成し且つ他端を操
作箱２３の底板部４１に形成した貫通路６３を介
して水排出室８内に導びきこれを短筒部６４の上
端に連結した構成のものである。この場合蛇腹状
部６２ａは管支持体６５の上下動に伴つて伸縮す
る。尚、第４図において、６６は排出ホースであ
る。

次に第三実施例について第１図及び第４図と同
一部分に同一符号を付して示す第５図によつて説
明する。即ち、６７は下端が短筒部１９ａに遊挿
されるように底板部４１に貫通状に形成した連結
筒部で、これの上端と三方弁４５の第二の出水口
部５４ｂとの間に、中間部分が機外送水路手段Ｂ
の入口端位置即ち出水口部５４ｂ位置以上の高所
位置をもつ水位調整用ホース部材としての蛇腹ホ
ース６８を連結し、この蛇腹ホース６８の中間部
分を保持した操作部材６９を操作パネル７０に上
下移動可能に設けている。７１はラツチ機構であ
り、これによつて操作部材６７を所望の位置に設
定できるようにしている。尚、排水切換機構２２
の図示は省略した。以上の構成によれば、操作部
材６９を上下に摺動すると蛇腹ホース６８の中間
部分が上下動するもので、もし上方へ移動設定し
たとすれば、ポンプ手段にとつてそれだけ揚程が
増しポンプ吐出流量が低下し、従つてこれにつれ
て水位が上昇する。すると揚程が減少してポンプ
吐出流量が元の状態を回復して高水位に維持す
る。

このようにして操作部材６７の移動によつてす
すぎ水位を調整できる。

本発明は以上述べたように、リント強制捕獲用
のポンプ手段によつて注水と同時のすすぎ排水作
用を得る構成としたことにより、すすぎ水位を洗
い水位とは無関係に独自に設定できて節水を図
れ、且つすすぎ効率の向上も期待できる上にこれ
らを新たなポンプ手段の設置を要することなく実
現できる洗濯機を提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は本発明の第一実施例に関す
るもので、第１図は要部の縦断側面図、第２図は
洗濯機上方部分の分解斜視図、第３図はリント捕
獲器配置部分の縦断側面図、第４図は第二実施例
を示す主要部の縦断側面図、第５図は第三実施例
を示す主要部の縦断側面図である。 図中、２は洗い槽、５は翼片（ポンプ手段）、
６は撹拌翼、８は水排出室、９はストレーナ部
材、１５は排水口、２０は中空弁体、２１は排出
ホース（管路部材）、２３は操作箱、２５は流水
ケース、３４は収容室、３５はリント捕獲器、３
９は吐出水受室、３９ａは放水筒部、４５は三方
弁（送水切換装置）、５２及び５３は第一及び第
二の連通筒部、５４ａ及び５４ｂは第一及び第二
の出水口部、６８は蛇腹ホース（水位調節用ホー
ス部材）である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 撹拌翼と共に駆動されて洗い槽内の水を吸引
   するポンプ手段と、このポンプ手段からの吐出水
   をリント捕獲器を介して前記洗い槽内に戻す槽内
   送水路手段及び最終的に機外に排出する槽外送水
   路手段と、前記吐出水を前記各送水路手段へ選択
   的に送出させる送水切換装置とを具備して成る洗
   濯機。 ２ 洗い槽は内部にストレーナ部材で仕切られた
   水排出室とこの水排出室内に形成された排水口を
   上下動によつて開閉する中空弁体とを備え、槽外
   送水路手段をこれの出口端を前記中空弁体に連結
   することによつて機外に連通させていることを特
   徴とする特許請求の範囲第１項に記載の洗濯機。 ３ 送水切換装置は洗い槽の上方に位置する操作
   箱内に配設されていて、この操作箱の底板部にリ
   ント捕獲器と対向する第一の連通筒部及び最終的
   に中空弁体に連通する第二の連通筒部を夫々形成
   すると共に送水切換装置の第一及び第二の出水口
   部を前記第一及び第二の連通筒部にホースによつ
   て夫々連結したことを特徴とする特許請求の範囲
   第２項に記載の洗濯機。 ４ 洗い槽はその上端開口部分に流水ケースを有
   し、この流水ケースにリント捕獲器を収容すべく
   第一の連通筒部の下端と対向する収容室と第二の
   連通筒部の下端と対向する吐出水受室とを形成す
   ると共に、前記中空弁体に管路部材を連結してこ
   れの上端が連結される放水筒部を前記吐出水受室
   の下部に形成したことを特徴とする特許請求の範
   囲第３項に記載の洗濯機。