JPS6223370Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、スライド式のパフ皿を備えた化粧用
コンパクトに関するものである。

手持ちの化粧用コンパクトは小形であり、従つ
て当然に止め金部も極く小形となり、このため解
錠操作に不便する例が多く、特に施錠の固い場合
には指先や爪を傷める程である。

本考案はパフ皿と蓋との間に止め金の解錠機構
を形成し、該パフ皿の逆方向スライドにより止め
金を解錠できる構造として解錠操作の簡便さと安
全を意図したパフ皿付きコンパクトを提供するこ
とを目的とする。

以下添付図面を参照して本考案実施例を説明す
る。各図において、１は上面凹所に化粧品２を充
填収容した容器体、３は該容器体１後部にヒンジ
４で開閉自在に係止された蓋、５が内部にパフ６
を収納して前記容器体１下面部に前後方向スライ
ド自在に装着されたパフ皿である。

容器体１は、前部壁前面中央部に止め金の係合
突起７を突設し、また左右両側壁外面には前後方
向の案内溝８，８を凹設しており、そして底面か
らは、第４図に示すように後部中央にコ字形の切
欠き孔９で上方に撓む弾性突条１０、該弾性突条
１０より稍々後部寄りの左右両側にカギ形の係止
部材１１，１１を夫々垂設している。

蓋３は、裏面中央に鏡１２を取付け、また前部
裏面から係合部材１３を垂設し、該係合部材１３
の下部内面に前記係合突起７と係合する止め金の
他方の係合突起１４を突設し、そして左右の両縁
部下面の前部を斜め後下方向の斜面イ，イの段形
部１５，１５に形成している。

パフ皿５は、左右両側壁１６，１６上部内面に
前記案内溝８，８を係合する前後方向のレール１
７，１７を突設し、また前記蓋３の両縁部下面と
上下に衝合する両側壁１６，１６の前部上面を、
蓋側段形部１５，１５に対応した形状、つまり斜
め後下方向の斜面イ′，イ′の段形部１８，１８に
形成しており、そして底壁後部上面中央部から弾
性障壁１９を立設している。この障壁１９は第５
図に示すようにＴ形のもので、左右の張出し片２
０，２０を肉薄とし、これらに前後方向に撓む弾
性を付与している。

上記構造で、パフ皿５は、レール１７，１７を
後部側から容器体１の案内溝８，８にその前部側
から係合しスライドさせて第２図、第３図の規定
位置に装着されるが、その過程で、弾性障壁１９
が後部突条１０を押上げこれを乗越えて規定装着
位置となり、この状態で障壁１９の弾性片２０，
２０遊端が係止部材１１，１１で係止される。即
ち、この規定装着位置で障壁１９はその前後面を
突条１０と係止部材１１，１１で挾まれ、これに
よりパフ皿５は規定装着位置で安定的に保持され
る。そして、この状態で、蓋側の段形部１５，１
５とパフ皿側の段形部１８，１８とは上下に係合
し、互いの係合斜面イ，イとイ′，イ′は接面して
いる。

この規定装着状態から、パフ６を取出すには、
パフ皿５を容器本体側に対し前方に、つまりＡ矢
方向にスライドさせて引出せばよい。この場合、
障壁１９は突条１０を乗越える。

次に化粧に際し止め金を解錠するには、第２
図、第３図の規定装着状態にてパフ皿５を前記パ
フ取出しと反対方向、つまりＢ矢方向にスライド
させる。障壁１９の後面は係止部材１１，１１で
係止されており、従つてこの方向へのスライドは
できない筈であるが、係止部材１１，１１は障壁
１９の弾性片２０，２０の遊端を係止しており、
従つて該弾性片２０，２０に抗しこれを撓ませる
ことで幾分Ｂ矢方向へスライドできる。このスラ
イドにより係合斜面イ′，イ′が第２図、第３図で
図示右方（後方）に移動し、これに伴ない係合斜
面イ，イを介し蓋３を徐々に上方に押上げるの
で、係合突起７と１４との係合を外し、止め金が
解錠できる。この後蓋３を上方に開けばよい。

上記本考案では、パフ皿５を規定装着位置に保
持する障壁１９に弾性を付与してパフ取出しと逆
方向のスライドを可能とし、一方上下に衝合する
蓋３の左右両縁部下面とパフ皿５の両側壁１６，
１６上面の前部を段形係合構造とし、その段部を
斜め後下方向の斜面イ，イとイ′，イ′としたの
で、パフ皿５をパフ取出しの場合と逆方向にスラ
イドさせることにより止め金の解錠ができる。し
かも係合斜面は両側に形成したので、蓋押上げ力
は大きく、従つて簡単かつ円滑に止め金の解錠が
可能である。

しかして、このための操作は、パフ皿５を下側
にしてコンパクトを片方の手、例えば左手の掌に
後部を指先側に向けて乗せ、この状態で親指は前
部側から回して蓋３前部上面を押え、一方残りの
指は後部側から回して蓋３後部上面を押え、この
後部上面を押えた残りの指により容器本体側を前
方に押出す、つまりパフ皿５を容器本体に対し後
方にスライドさせることにより可能であり、その
操作は極く簡便であつて、しかも５本の指を蓋３
の広い上面に当てて操作するものであるから、従
来のように指先や爪を傷める気遺いは全くなく安
全である。尚、パフ取出しの場合も同じ把持状態
で、逆に親指により容器本体を後部側に押出す、
つまりパフ皿５を前方にスライドさせることで可
能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案パフ皿付きコンパクトの一実施
例の蓋、パフ皿を開いた場合の斜視図、第２図と
第３図は同実施例の側面図と側縦断面図、第４図
は同実施例の容器体の底面図、第５図は同実施例
のパフ皿の弾性障壁の斜視図である。 １……容器体、３……蓋、５……パフ皿、イ，
イとイ′，イ′……係合斜面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前面に止め金用の係合突起７を突設し、かつ左
   右両側壁外面に前後方向の案内溝８，８を凹設
   し、そして底面の後部左右から係止部材１１，１
   １を垂設した容器体１と、該容器体１後部に後端
   をヒンジ４で枢支され、前部裏面から垂設した係
   合部材１３に前記係合突起７と係合する止め金の
   他方の係合突起１４を突設し、そして左右両縁部
   下面の前部を斜め後下方向の斜面イ，イの段形部
   １５，１５に形成した蓋３と、左右両側壁１６，
   １６内面に前記案内溝８，８を係合するレール１
   ７，１７を突設し、かつ底壁後部上面から、前記
   容器体１下面部に規定状態に装着されたとき前記
   係止部材１１，１１に後面が当接する弾性障壁１
   ９を立設し、さらに前記両側壁１６，１６前部上
   面を、規定装着状態で前記蓋側段形部１５，１５
   に上下に係合する対応した斜面イ′，イ′の段形部
   １８，１８に形成したパフ皿５とからなり、該パ
   フ皿５を、パフ取出し時には前方に、とめ金解錠
   時には弾性障壁１９に抗して後方にスライドさ
   せ、このスライドで移動する斜面イ′，イ′により
   斜面イ，イを介し蓋３を上方に押上げて止め金解
   錠を行なうことを特徴としたパフ皿付きコンパク
   ト。