JPS62223318A - 消臭性ポリエステル繊維およびその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は消臭機能を有するポリエステル繊維およびその
製造方法に関するものである。

〔従来の技術〕

ポリエステル繊維はその優れた風合１強度。

耐久性などの点から、衣料用途をはじめ各種産業資材用
途ｔこも広く用いられている。近年、ふトンの詰め綿、
シーツ、カーテン、カーペット、および各種フィルター
用などＱこ使用されるポリエステル繊維として消臭機能
を付与した消臭性ポリエステル繊維の出現が強く要望さ
れている。

従来、人間に不快を感じさせる悪臭成分の消臭方法とし
て、香料などで悪臭成分をマスキングする方法、悪臭成
分を臭いのしない物質、又は不揮発性物質に変えてしま
う化学的方法、活性成などに悪臭成分を吸着させる物理
的方法、あるいは抗菌剤の殺菌作用を利用し悪臭物質の
発生を未然に防止する方法などがある。

近年、植物に含まれる成分を精油として得た消臭剤を繊
維に付与し商品化することが試みられている。しかしな
がら、これらの商品は消臭効果が不十分てあり、また洗
濯により消臭剤が脱落して消臭効果が著しく低下するな
どの欠点があった。また繊維に抗菌剤を付与した繊維も
商品化されているが、消臭効果の点で不十分であり、一
旦発生した悪臭を消臭する効果は全くない。

一方、特開昭５９−１５２９５７号公報ｔこはＬ−アス
コルビン酸と鉄（ＩＩ）化合物を脱臭剤として、これを
布に付与させた脱臭布帛が開示されている。しかしなが
ら、これは単に布帛を脱臭剤の担持体として利用してい
るために、洗濯により脱臭剤が脱落するばかりか、消臭
効果の永続性に問題があった。

このほか、消臭剤として知られている硫酸第一鉄でポリ
エステル布帛を処理し、布帛に吸尽固着する方法もある
が、ポリエステルは疎水性であるため硫酸第一鉄が繊維
内部に十分吸尽固着されず、そのため消臭効果を発揮す
る量の硫酸第一鉄を含有させることは到底困難であった
。

〔発明が解決しようとする問題点〕

本発明は前記従来技術の問題点を克服し鉄化合物を安定
に、かつ容易に繊維に含有させ、愛れた消臭機能を有す
るとともｔこ、洗濯しても消臭機能が低下しない耐久性
の良好な消臭性ポリエステル繊維を提供することにある
。

〔問題点を解決するための手段〕

前記した本発明の目的は、鉄化合物を鉄金属として０．
３重量％以上５．０重、Ｑ％以下含有してなる消臭性ポ
リエステル繊維によって達成できる。

以下本発明について詳述する。

本発明のポリエステル繊維とは織物２編物。

不織布またはその加工製品すべての形態をいうが、ポリ
エステル繊維以外の繊維、例えば木綿。

麻、羊毛などの天然繊維、一般のポリエステル。

ナイロン、アクリルなどの合成繊維、およびアセテート
、レーヨンなどの半合成繊維などの混繊、混紡、交編織
したものであっても良い。この場合、本発明のポリエス
テル繊維の含有比率は消臭効果の点で３０％以上が好ま
しく、より好ましくは５０係以上である。

本発明における鉄化合物は無機酸又は有機酸の鉄塩が好
ましく、無機酸の鉄塩として例えば硫酸第一鉄、硝酸第
一鉄、塩酸第一鉄などが例示される。又有機酸の鉄塩と
しては、乳酸鉄。

酢酸第一鉄、グルコン酸鉄などのカルボン酸の鉄塩など
が例示しうる。中でも硫酸第一鉄が特に好ましく使用し
うる。

鉄化合物のポリエステル繊維中への配合量は鉄金属とし
て０．３重皿係以上５．０重量係以下であり、好ましく
は１．０〜３．０重量％である。

０．３重量％未満では消臭効果の点て不十分であり、５
．０重量％を越えると消臭効果が飽和するばかりか、紡
糸、延伸が困難となり、極端に繊維物性が低下する。

本発明におけるポリエステルとは、Ｊｌ　常ＯｌｉＡ状
ポリエステルを意味し、特に限定されないが、例工ばテ
レフタル酸あるいはそのエステルを主たるジカルボン酸
成分とし、グリコール成分として、エチレングリコール
もしくはテトラメチレングリコールを主たるグリコール
成分とするポリエチレンテレフタレートおよびポリブチ
レンテレフタレートが好ましい。

このジカルボン酸成分の一部を、例えばアジピン酸、セ
バシン酸、ドデカンニ酸等のジカルボン酸またはそのエ
ステル、ｐ−オキシ安息香酸、ｐ−β−オキシエトキシ
安息香酸等のオキシカルボン酸またはそのエステルで置
き換えても良く、また脂肪族グリコールの一部を例えば
１．４−ビス（β−オキシエトキシ）ベンゼン、ビスフ
ェノールＡのビスクリコールエーテル、ポリアルキレン
グリコール等の主グリコール成分以外のグリコールで鷹
き換えても良い。

サラに、ペンタエリスリトール、トリメチロ−ルプロパ
ン、トリメリット酸、トリメシン酸等の鎖分岐剤を少割
合使用することも可能である。

また、通常のポリエステルと同様に酸化チタン、カーボ
ンブラック等の顔料のほか従来公知の抗酸化剤１着色防
止剤、耐光剤、帯電防止剤等が含有されていても勿論良
い。

本発明ｔこおいて鉄化、金物をポリエステル繊維中に配
合させる方法は、ポリエステルの配合時における劣化を
抑制する目的からポリエステルより軟化点の低い熱可塑
性重合体に鉄化合物を配合分散させた後、該鉄化合物含
有熱可塑性重合体をポリエステルに配合する方法が好ま
しく、ポリエステルの重合開始時点からポリエステルが
紡糸口金から吐出されるまでの任意の段階で鉄化合物含
有熱可塑性重合体を配合すれば良い。

本発明でいう熱可塑性重合体とは特に限定されるもので
ないが、具体的にはオレフィン系重合体としてポリエチ
レン、ポリプロピレン、ビニル系重合体としてポリスチ
レン、ポリエステル系重合体としてポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド系
重合体としてナイロン−６、ナイロン−６６、その他ポ
リカーボネート系重合体などが例示される。このほか、
アイオノマ樹脂％ＡＳ樹脂（スチレンとアクリロニトリ
ルの共重合体）などをあげることができる。また、これ
ら重合体は、例えば軟化点を低下させる目的で共重合し
たものであってもよい。

これら熱可塑性重合体の中でも、ポリエステルとの相溶
性の点からポリブチレンテレフタレートが最も好ましい
。

本発明においてポリエステル繊維の繊維形態は特に限定
されないが、好ましくは芯部と鞘部を同心円状に配置さ
せた芯鞘複合繊維、又はサイド・パイ・サイド型複合繊
維ヲ例示しうる。

複合繊維の一成分として使用する前記鉄化合物含有熱可
塑性重合体又は該熱可塑性重合体を配合したポリエステ
ルと、鉄化合物を実質的に含有りないポリエステルとの
複合比は繊維強度と消臭性の効果の点から体積比で２：
１から１＝１０が好ましい。

前記複合繊維において鉄化合物含有熱可塑性重合体又は
該熱可塑性重合体を配合したポリエステルと鉄化合物を
実質的に含有しないポリエステルとの繊維形態は消臭性
ポリエステＪＬ繊Ｍ１の使用用途により適宜選択すれば
良く、例えば即効性の消臭性が必要な用途には、鞘成分
に鉄化合物含有熱可塑性重合体又は該熱可塑性重合体を
配合したポリエステル、芯成分に鉄化合物を実質的に含
有しないポリエステルからなる°芯鞘複合繊維、またサ
イド・パイ・サイド型複合繊維においては鉄化合物含有
熱可塑性重合体又は該熱可塑性重合体を配合したポリエ
ステル成分の繊維表面への露出面積が鉄化合物を実質的
に含有しないポリエステル成分より大きくすれば良い。

遅効性の消臭効果が要求される分野へは上記各成分を逆
にすれば良い゛。

本発明において鉄化合物を熱可塑性重合体に分散させる
方法は特に限定されないが、前述の鉄化合物と前述の熱
可塑性重合体を二軸押出機で溶融ブレンドするか、熱可
塑性重合体の重合終了後ｔこ重合色で混練する方法が好
ましい。製糸に際しては上述の鉄化合物含有熱可塑性重
合体をポリエステル繊維に対し鉄化合物が鉄金属として
０．３重量係以上５．０重量％以下ｔこなるようにポリ
エステルとブレンド後紡糸すれば良い。

本発明の消臭性ポリエステル繊維は好適には例えば、次
のようにして製造しうる。すなわち平均粒径１μ以下の
鉄化合物微粒子を１５０〜２５０℃、１履Ｈグ以下で真
空乾燥後、熱可塑性重合体に二軸押出機を使用し１５０
〜３００℃で溶融ブレンドし径３ｙｔａ長さ４履のベレ
ットを調製する。このベレットを熱可塑性重合体の軟化
点以下の温度８０〜２００　Ｃ，ＩＷＨ９以下で真空乾
燥し、あらかじめ常法により真空乾燥したポリエステル
チップと■型プレンダーで１時間かけてブレンド後、紡
糸温度２６０〜３００℃、紡糸速度６００〜３０００ｍ
／分で紡糸・巻取り後、通常の延伸機を使用し、延伸温
度８０〜２００℃、延伸倍率２．５〜４．５倍、巻取り
速度６００〜２０００ｍ／分で延伸し消臭性ポリエステ
明するが、本発明はこれら実施例により限定されるもの
ではない。なお実施例中の分析、評価方法は次の通りで
ある。

Ａ、ポリエステル中の鉄金属含有量 タフタ７９を溶融メルトし円板状とした後、螢光Ｘ線分
析装Ｒ（Ｒｉｌ（ａｋｕ　ｉＪ気工業社製３０６４型）
を使用しＦｅ含有量を測定した。

Ｂ、消臭効果 凍原、鶏糞、下水汚泥各１０９を５００　ｍｌ三ロセパ
ラプルフラスコに入れ、セパラブルフラスコの一方の口
から空気ｉ＋ｏｍｊ’／分の割合で送り、一方の口より
、評価サンプルタフタ１０９を投入した１０１００Ｏ’
　　三角フラスコに６０分間導入し、密栓後４８時間室
温て放課後モニター５人で臭気の程度を評価した。

Ｃ０鉄化合物の脱落試験 （ａ）　　洗濯： ザブ酵素（花王石鹸（株））　　　　’５９／１４０℃
×１０分 （ｂ）　　ソーピング： サンプツト０−２９（三洋化成ニス火製）　　　２９／
１６０℃×１０分 （ｃ）　　還元洗浄： 水酸化ナトリウム　　　　　０．５９７１ハイドロサル
フアイド　　　　　　　　　１２／ｌサンデツド　Ｃ１
−２９１ノ／１ ７０℃×１０分 （ｄ）　　ドライクリーニング： バークロールエチレン　　　５０℃×３０分上記処理サ
ンプルを螢光Ｘ線分析により鉄金属含有量を測定し鉄化
合物の脱落程度を調べた。

実施例１ ５０φ二軸押出機を使用し極限粘ｉ０．９５のポリブチ
レンテレフタレート７０重量部に平均粒子０．３〜０．
５μｍの硫酸第一鉄３０重量部を２６０℃で溶融ブレン
ドし、４７１ａＸ３７ｇφの円柱状チップを得た。

この鉄化合物含有熱可塑性重合体２０に７と極限粘度０
．６３のポリエチレンテレフタレート（以下ＰＩＤＴと
いう）　８０　ｋｇとを回転式真空乾燥機で１５０℃％
１ｔＯｒｒ以下で１５時間乾燥し下記に示す条件で溶融
紡糸１−た。

口金：ｏ、ｚ７ｍφｘ　Ｃ１，ａ　４　ｒｔｍ　（丸孔
〕単孔当り吐出量：　１．１９９／ｍｉｎ、ｈｏｌｅ紡
糸温度：２８５℃ 紡速：　１１００　ｍ／ｍｉｎ 濾過：＃６０／＃８０サンド使用 さらに得られ念未延伸糸を下記に示す延伸条件でホット
ロール延伸を行い、７５デニール２４フイラメントの延
伸糸を得た。

延伸温度（？５−ホットロール）二８７℃熱処理温度（
第二ホントロール）：　＋　ＳＯ℃延伸速度：　５２０
　ｍ／ｍｉｎ 撚数：　１３　ｚ／ｍ 延伸倍率：残留伸度が３０〜４０％になるように設定 次に上記延伸糸をタテ・ヨコに用いレピア織機によりタ
テ密度１１８本／　１ｎｃｈ、　　ヨコ密度８５本／　
１ｎｃｈのタフタを製織した。

このタフタを次の条件で精練および乾燥した。

糊抜精練（オープンソーパーｍ／ｃ） 非イオン系界面活性剤：２グ／ｌ カセイソーダ：　１９／１３ 温度・時間：９８℃・１分 乾燥（ショードループドライヤー） 温度・時間：１３０℃・１分 上記タフタ中のＦｅ含有量を螢光Ｘ線分析法により測定
したところ、２．５５重重量子あった。

また消臭効果を評価したところモニター５人共全く臭気
を感じなかった。

実施例２〜５・比較例１〜３ 実施例１で示した鉄化合物含有熱可塑性重合体チップを
表１の配合量とした以外、実施例１と同様にして表１に
示すポリエステル原糸を得た。

前記原糸を実施例１と同様ンこしてポリエステルタフタ
を製織し、消臭効果および鉄化合物の脱落性を評価した
。その結果を表２に示す。

各種脱落性テスト結果から本発明は耐久性に優れた消臭
繊維であることがわかる。

実施例６ 鞘部ポリマとして実施例１の鉄化合物含有熱可塑性重合
体を用い、芯部には極限粘度０．６３のポリエチレンテ
レフタレートを用い、鞘部と芯部の吐出量を容ｎ比率で
３０ニア０で紡糸速度＋　５　Ｄ　Ｄ　ｍ／ｍｉｎで複
合紡糸を行ない、巻取後、ホットロール温度８９℃、熱
板温度１３０℃、延伸速度９００　ｍ／ｍｉｎで延伸を
行ない７５デニール２４フイラメントの繊維を得た。

繊維の強度は３．９グ／ｄ１伸度３４％であった。

上記繊維を実施例１と同様にタックを製織し、精練、乾
燥した。このタフタ中のＦｅ含有量は２．６９重ｆｌ捗
であり、消臭効果も良好であった。

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. （１）鉄化合物を鉄金属として０．３重量％以上５．０
   重量％以下含有してなる消臭性ポリエステル繊維。
2. （２）ポリエステル繊維が複合繊維であることを特徴と
   する特許請求の範囲第（１）項記載の消臭性ポリエステ
   ル繊維。
3. （３）鉄化合物が無機酸および／または有機酸の鉄塩で
   あることを特徴とする特許請求の範囲第（１）項または
   第（２）項記載の消臭性ポリエステル繊維。
4. （４）鉄化合物を熱可塑性重合体に分散させた後、該熱
   可塑性重合体をポリエステル繊維に対し、鉄化合物が鉄
   金属として０．３重量％以上５．０重量％以下となるよ
   うポリエステルに混合し製糸することを特徴とする消臭
   性ポリエステル繊維の製造方法。
5. （５）熱可塑性重合体が、ポリテトラメチレンテレフタ
   レートであることを特徴とする特許請求の範囲第（４）
   項記載の消臭性ポリエステル繊維の製造方法。