JPS6221987Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は携帯時計側に関するものであり、主に
りゆうず・ボタン等の外部操作部材構造に関する
ものである。

従来は第１図に示すとおり、合成樹脂よりなる
内胴１の上部に突部１ａが設けてあり、この部分
を介してガラス２と金属よりなる外胴３が圧線係
止されており、固定力・防水性を保持している。
さらに前記内胴１の下部にも突部１ｂが設けてあ
り、この部分を介して裏ぶた４と外胴３が圧縮係
止されており、固定力・防水性を保持している。

このように構成された携帯時計側において、前
記内胴１にはボタン５の配設される穴に、ボタン
軸外周に溝を設け防水パツキン６を装着したボタ
ン５を挿入し、内胴１の穴内周とボタン５の溝と
の間で防水パツキン６が締め代をもつ構造であ
る。この構造によると、内胴１の穴において、ボ
タン５に装着されたパツキン６より内側には、ボ
タン操作によるボタン移動量以上のスペースを確
保しなければならず、外側にもボタン操作による
ボタン移動量以上のスペースを確保しなければな
らない。したがい自然に内胴内形部から外胴外形
部までの長さは大きくなり、最近のモデル薄肉
化・小型化の傾向に反するものとなる。また外胴
外形部からガラス外形部までの肉厚を薄くする
と、パネル見切部からガラス外形部までのスペー
スが広くなりデザイン的にまとまらないものとな
る。

しかしながら、パネル見切部からガラス外形部
までを小さくすると、当然のことながら外胴の肉
が厚くなる。これはデザイン的に不利であると同
時に、落下等の衝撃により内胴から外周が浮いて
くる等の重大欠陥の基となる。

本考案は上記欠点を除去し、小型でデザイン的
にも優れ、コスト的にも有利な、組み込み易い携
帯時計の外部操作部材構造をもたらすものであ
る。

本考案の要旨は、上方突部１１ｃと下方突部１
１ｄと外部操作部材が挿入される横穴１１ａとを
有し合成樹脂よりなる内胴１１と、内胴１１の外
周側に装着され前記横穴１１ａに対向した位置に
外部操作部材が挿入される外胴穴１３ａが設けら
れ金属からなる外胴１３と、内胴１１の上方突部
１１ｃ内周面に挿入されるガラス１２と、内胴１
１の下方突部１１ｄ内周面に挿入される裏ぶた１
４と、内胴１１の前記横穴１１ａに配置されるパ
ツキン１６と、パツキン１６内に挿入される外部
操作部材１５とを有し、前記上方突出部１１ｃは
外胴１３内周面とガラス１２外周面とにより圧縮
係止され、前記下方突出部１１ｄは外胴１３内周
面と裏ぶた１４外周面とにより圧縮係止され、内
胴１１の前記横穴１１ａの外方側に径大な溝穴１
１ｂが設けられ、且つ外胴１３における前記外胴
穴１３ａの径が溝穴１１ｂより径小に設けられて
前記溝穴１１ｂと前記外胴１３における外胴穴１
３ａ周囲の内周面とによりパツキン１６が装着さ
れるパツキンボツクス１７が形成されてなること
を特徴とする携帯時計の外部操作部材構造であ
る。

以下第２図により本考案の詳細な説明をする。
１１は内胴、１２はガラス、１３は外胴、１４は
裏ぶた、１５はボタン、１６はパツキンである。
側の構造としては前記第１図で示した如く、合成
樹脂よりなる内胴１１を介して上方突部１１ｃは
無機質のガラス１２外周面と金属の外胴１３内周
面、下方突部１１ｄは金属の裏ぶた１４外周面と
外胴１３内周面とで圧縮係止されて防水性・固定
力を保持している。ボタン部について説明する
と、内胴１１にはボタンが挿入される横穴１１ａ
が１ケ所以上設けられており、前記横穴１１ａの
外方側には横穴１１ａより径大な溝穴１１ｂが設
けてある。この溝穴１１ｂは内胴１１の成形型に
て成形されるため、加工性・加工精度を出すのも
容易である。内胴１１の外側には外胴１３が装着
され、外胴１３には前記内胴１１の横穴１１ａと
対向する位置に前記溝穴１１ｂより径小の内径を
有する外胴穴１３ａが設けられている。この外胴
穴１３ａは段付ドリルであれば容易である。前記
外胴における外胴穴１３ａ周辺の内周面と前記溝
穴１１ａとによりパツキン１６の配設されるパツ
キンボツクス１７を形成し、前記ボツクス１７に
パツキン１６を装着する。これは最初に内胴１１
の溝穴１１ｂにパツキン１６を装着しておき、そ
の後外胴１３をかぶせると容易にできる。その後
ボタン１５を挿入しその内端を止め輪で止める。
ボタン１５には溝も切つておらず角にパツキン切
れ防止の面が設けてあるだけで、コスト的にも有
利であり加工精度を出すのも容易である。また全
長が短かい為、自動機へかけたときの加工サイク
ルも短かく多量生産に向いている。従来はパツキ
ンを装着する溝を加工するのにかなりの工数とか
えり等によるパツキン切れ、それに付随する防水
不良等さまぢまな問題があつた。またボタンの溝
にパツキンを装着する作業が容易でなく、かなり
の工数・時間を費やしていた。本考案によると溝
を不要とする効果は優れたものである。

本考案での構造によると、パツキンが内胴と外
胴により得られるパツキンボツクスに装着されて
いることにより、ボタンを押込、引抜き等作動し
てもパツキンが内胴や外胴から外ねることがない
ことになり内胴の溝穴内方の肉は内胴が合成樹脂
でできていることにより成形可能な最小限の肉を
設けるだけでよい。以上の理由から内胴内径部か
ら外胴外形部まではかなりの薄肉となり、それに
つれてパネル見切部から外胴外形部までもスペー
ス的にも条件の良いものとなる。尚、りゆうずを
使用した構造についても上記で示した内容と全く
同様の事がいえる。

以上の如く、まず内胴１１が合成樹脂で形成さ
れ、外方に金属からなる外胴１３が配置され、内
胴１１の上方突部１１ｃが圧縮されてガラス１２
と外胴１３とが支持され、下方突部１１ｄが圧縮
されて裏ぶた１４と外胴１３とが係止されること
から、ガラス１２と裏ぶた１４の係止を別々の樹
脂パツキンを用いて行なう場合に対し一部品でよ
く部品の削除が可能となり、又内胴が合成樹脂の
ため内方形状が複雑であつても射出成形等で容易
に行なうことができ、又外部操作部材挿入用穴の
形成も容易となる。又、外胴が金属であることか
ら内胴を損傷から防ぐ効果も有する。

特に本考案の最大の特徴である内胴の溝穴１１
ａと外胴の外胴穴１３ａ周辺の内周面とによりパ
ツキンボツクス１７が形成され、このパツキンボ
ツクス１７にパツキン１６をセツトすることか
ら、外部操作部材を押込んだり引き出したりして
もパツキン１６はパツキンボツクス１７に装着さ
れたまま移動することがなく、第１図従来例の如
くパツキンが外部操作部材の押込みや引き出しに
沿つて内方に又外方に移動することがなく、従つ
て内胴及び外胴の厚さ寸法はパツキンボツクスが
形成される寸法だけ必要とするもので、総じて内
胴と外胴の厚さ寸法が小さく、つまり薄くなり、
小型化が実現した。しかも上記パツキンボツクス
１７を構成する溝穴１１ｄはその内方の横穴１１
ａに対し径大に構成されているので、内胴の射出
成形時にも金型構造が容単であることから容易と
なり、又外胴の内周面が単に前記溝穴１１ｄにセ
ツトされるのみでよいので、パツキンボツクス１
７の形成が極めて容易となるもので、極めて実用
性の高いものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示す断面図。第２図は本考案
を示す断面図。 １１……内胴、１１ａ……内胴の横穴、１１ｂ
……内胴の溝穴、１１ｃ……内胴の上方突部、１
１ｄ……内胴の下方突部、１２……ガラス、１３
……外胴、１３ａ……外胴の外胴穴、１４……パ
ツキン、１５……ボタン（外部操作部材）１６…
…パツキン、１７……パツキンボツクス。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上方突部１１ｃと下方突部１１ｄと外部操作部
   材が挿入される横穴１１ａとを有し合成樹脂より
   なる内胴１１と、内胴１１の外周側に装着され前
   記横穴１１ａに対向した位置に外部操作部材が挿
   入される外胴穴１３ａが設けられ金属からなる外
   胴１３と、内胴１１の上方突部１１ｃ内周面に挿
   入されるガラス１２と、内胴１１の下方突部１１
   ｄ内周面に挿入される裏ぶた１４と、内胴１１の
   前記横穴１１ａに配置されるパツキン１６と、パ
   ツキン１６内に挿入される外部操作部材１５とを
   有し、前記上方突出部１１ｃは外胴１３内周面と
   ガラス１２外周面とにより圧縮係止され、前記下
   方突出部１１ｄは外胴１３内周面と裏ぶた１４外
   周面とにより圧縮係止され、内胴１１の前記横穴
   １１ａの外方側に径大な溝穴１１ｂが設けられ、
   且つ外胴１３における前記外胴穴１３ａの径が溝
   穴１１ｂより径小に設けられて前記溝穴１１ｂと
   前記外胴１３における外胴穴１３ａ周囲の内周面
   とによりパツキン１６が装着されるパツキンボツ
   クス１７が形成されてなることを特徴とする携帯
   時計の外部操作部材構造。