JPS6221490Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車屋根に取付けるルーフキヤリヤ
ーに関し、特に、キヤリヤー上に載せる搬送物の
保持機構に特徴を有するルーフキヤリヤーに関す
る。

本考案の目的とするところは、この種の搬送物
のキヤリヤーへの取付けを容易且つ確実に行うこ
とが出来る極く簡便な操作で取付可能なルーフキ
ヤリヤーを提供することにある。

以下、図示の実施例に付いて詳述する。

第１図は本考案キヤリヤーの装着使用状態を示
す正面図及び第２図は本考案キヤリヤーにおける
支腕部分を示す側面図である。車体屋根１の側縁
雨樋２，２に、これを挾込むようにして取付ける
固定金具３を有す一対の支腕４，４を中継杆５で
接続して、屋根１上に橋架状に取付けるようにし
てある。この支腕４は、前記固定金具３を備えた
脚部材６と、その上端部に取付けた支杆７と、該
支杆７の先端に被せる角筒部材８及び前記脚部材
６と角筒部材８とに夫々設けた掛止片９及び１０
間に張渡した弾性バンド１１とからなり、更に支
杆７には前記弾性バンド１１の中間部を係架状態
に通した中間係止部材１２を騎乗状態で嵌着せし
めるようにしてある。

即ち、この中間係止部材１２は、第３図に示す
如く、前記弾性バンド１１を通す係架孔１３を構
成する周壁１４の上部から一体に延びる板状体を
上方で左右に彎曲させ、その先端を下方に垂下さ
せて開脚片１５，１５となし且つこの開脚片１
５，１５の先端は互に内側に突出した係止爪１
６，１６となしてある。この中間係止部材１２は
合成樹脂等の弾性素材で構成され、前記彎曲垂下
片構造の開脚片１５，１５が素材弾力による弾性
作用片となしてある。従つて、この中間係止部材
１２を前記支杆７にその上方から押当てて、開脚
片１５，１５を支杆７の側縁に沿わせて押下げる
と、該開脚片１５，１５は支杆７の側縁を滑りな
がら押広げられて、その先端の係止爪１６，１６
が支杆７の側壁を一旦乗越えた状態で、第３図示
の如く、この支杆７を開脚片１５，１５で挾込ん
で嵌着する。しかも弾力を有す開脚片１５，１５
での嵌着は、この中間係止部材１２を支杆７に対
してその軸方向に摺動させることが出来る程度
に、適度の密着嵌合状態にあり、且つ先端の係止
爪１６，１６で容易には抜けないが、これ等両開
脚片１５，１５を支杆７の側縁で拗るようにして
広げることによつて抜取ることも出来る。

尚、図示していないが、本考案キヤリヤーの他
の実施例として、前記中間係止部材１２の取外し
を容易にするために、前記開脚片１５，１５と一
体にこれと逆方向（第３図において上方）に延び
る摘片を設け、これを指先で挾込んで押さえるこ
とにより反対側の開脚片１５，１５を開くように
構成した中間係止部材を用いても良い。

その他、第１図において１７は載置物としての
スキー、第２図において１８は前記固定金具３の
締付け用アジヤストボルト、又、第３図において
１９は前記支杆７の上面化粧板、２０は支杆７に
差込み接続される中継杆５を固定する押え金具、
２１は前記押え金具２０の締付用ボルトを夫々示
す。

このような構成よりなる本考案キヤリヤーによ
れば、中継杆５の接続下に両端の支腕４，４を、
その固定金具３，３で車体の雨樋２，２に第１図
示の如く夫々固定する。このとき、前記中継杆５
は両支腕４，４又はそのいづれか一方に対して支
杆７に嵌合挿入した状態のままで末だ締付けられ
ていないので、取付ける屋根巾に応じて、この接
続部における中継杆５の差入れ状態を加減しなが
ら行うことが出来、両固定金具３，３の取付け後
に、支杆７の裏面から工具を用いてボルト２１を
締付けることにより、該中継杆５の下面壁が押え
金具２０と支杆７の下面壁との間に挾込まれて、
該中継杆５を固定することが出来る。

勿論、このキヤリヤー取付けは、車体屋根の前
後位置で夫々行われ、それ等一対のキヤリヤーが
互に平行する状態で取付けられる。

このようにして取付けたキヤリヤーの支杆７に
は、中間係止部材１２の開脚片１５，１５を支杆
７の軸方向と交差する上方から押圧してそれらの
弾性に抗して拡開させて密着嵌合し、掛止片１０
に一端を係架した弾性バンド１１を前記中間係止
部材１２の係架孔１３に通して、その他端を他方
の掛止片９に係架しておく。

そして搬送物、例えば、スキー１７を取付ける
場合には、一組のスキーの滑面を互に合せた状態
で第１図示の如く支杆７上に載置するが、このと
き、支杆７の中間係止部材１２を予め一方端、例
えば、第１図上右側端に寄せておき、その中間係
止部材１２の左側に位置する弾性バンド１１を摘
上げるようにして、該バンド１１と支杆７との間
にスキー１７を差入れるように行う。次いで、先
に片寄せた中間係止部材１２をスキー１７の載置
側に強く引寄せる。この操作で、該中間係止部材
１２の係架孔１３に通された弾性バンド１１がス
キー１７を支杆７と間に強く押付けるように締付
けると共に、この弾性バンド１１の緊張で中間係
止部材１２に引上げる向きの力が働き、この引上
げ力で該部材１２が支杆７に対して、より密着嵌
合するので、再び該部材１２を強制的に移動させ
ない限り、このスキー１７側寄せ状態が保たれ、
その結果、スキー１７を強固安定して取付けるこ
とが出来る。

しかも本考案キヤリヤーによれば、このスキー
等の前記載置取付けが、中間係止部材１２の移動
操作と弾性バンド１１を摘上げる極めて単純な操
作で良いので、その操作自体が簡便である。

このように、本考案キヤリヤーでは、スキー等
の長尺物を載置する支腕部分に沿わせて張設した
弾性バンドと該バンドの中間部を係架しながら支
腕部分を移動可能な中間係止部材とを設け、該中
間係止部材の載置物側への移動で弾性バンドと支
腕との間に挾込んだ載置物の締付け固定が出来る
ことは勿論、特に中間係止部材は、これを弾性部
材で作り、支腕にその軸方向と交差する上方から
の押圧で密着嵌合する開脚片を設けてあるから、
ルーフキヤリヤーを組立て車体屋根に取付けた状
態でも中間係止部材を極めて容易に取付けること
が出来ると共に、その取付けた状態では開脚片に
設けた係止爪が支腕の下面に弾性的に係合するか
ら、車体の振動等に妄りに移動したり、ガタガタ
音を発したり、抜脱したりする虞がない。又、中
間係止部材は、弾性バンドを通す係架孔を有し、
しかもその係架孔は完全な孔または輪となつてい
るから、これに通した弾性バンドが緩んだ場合で
もその係止孔から離脱する虞もない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案キヤリヤーの使用状態を示す正
面図、第２図は本考案キヤリヤーにおける支腕部
の側面図、第３図は第２図上Ａ−Ａ線部分で縦断
して示す側面図である。 ３……固定金具、４……支腕、５……中継杆、
６……脚部材、７……支杆、８……角頭部材、９
及び１０……掛止片、１１……弾性バンド、１２
……中間係止部材、１３……係架孔、１５……開
脚片、１６……係止爪。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一端に固定金具を有する支腕の両端間に弾性バ
   ンドを張設すると共に、前記支腕に中間係止部材
   をその軸方向に移動可能に嵌合してある自動車用
   ルーフキヤリヤーにおいて、前記中間係止部材は
   弾性部材からなり、該部材の頂部に前記バンドを
   通す係架孔と、該部材の下部に前記支腕の軸方向
   と交差する上方から該部材を押圧して前記支腕の
   少なくとも上面および両側面を被うように密着嵌
   合する開脚片とを有し、且つ前記開脚片はその下
   端に前記支腕の下面に係合する係止爪を有するこ
   とを特徴とする前記ルーフキヤリヤー。