JPS6221483Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、自動車の荷止めバーの保持装置に
関する。

自動車では、後部シートを前方に倒してその上
に荷物を積むことができるようにしたものがあ
る。その場合、急制動時等に荷物が前方に慣性で
移動してくるのを防止するため、後部シートの背
当て裏面に荷止めバーを設ける。荷止めバーは、
一般に、後部シートの背当ての裏面に蝶番で起倒
自在に設け、通常は倒しておき荷物を積む場合だ
け起して荷止めにする。荷止めバーは蝶番と別に
掛止片等を設けて起した位置を保つようにしてお
り、部品点数が多くて製造コストが高くつく。

この考案は、かかる点に鑑み、安価にできるよ
うに改善したもので、以下図面に示す本考案の実
施例について説明する。

自動車の後部シート１は、背当て２を蝶番３で
起倒自在に車体４に装着し、乗員が乗るときは、
背当て２を第１図に二点鎖線で示すように起して
使用し、荷物を積むときは前方に倒して荷台５に
連ね、荷台５が背当て２の裏面まで広く使用でき
るようにしてある。荷止めバー１０は、鋼管を〓
字状に屈曲形成し、さらにその両端部を互いに対
向方向に屈曲形成して軸支部１０ａを設けたもの
で、その軸支部１０ａに押圧により断面三日月状
部１１が形成してある。そして、荷止めバー１０
の軸支部１０ａを背当て２の裏面に所定間隔を設
けて装着した左右の軸受９の支持孔６に挿入軸支
する。一方、上記両軸受９の支持孔６の内面に
は、上記荷止めバー１０が起立時に軸支部１０ａ
の三日月状部の下端部が当接するストツパー突起
８、およびそのとき三日月状部の上端部に係合す
る可撓性の舌片７が合成樹脂による一体成形によ
り形成されている。そして、この左右の軸受９
は、背当て２の裏面上部にビス１２によつて締着
する。

作用について説明する。

荷止めバー１０を起すときは、倒れた位置から
起す方向に回動していくと、軸支部１０ａの三日
月状部１１の下端部がストツパー突起８に当つて
止る。この位置では、外側に押し曲げられていた
舌片７が、荷止めバー１０の軸支部１０ａの三日
月状部の上端部に当り、荷止めバー１０を起した
位置に保持する。荷止めバー１０を起した位置か
ら倒すときは、荷止めバー１０を強く倒す方向に
回動させると、舌片７が荷止めバー１０の軸支部
の三日月状部分の上端部で外側に押し上げて曲げ
られ、保持が外れて荷止めバー１０が倒せる。

以上説明したように、この考案は、鋼管を〓字
状に屈曲形成した荷止めバーの左右両端に、その
パイプ端を押圧して断面三日月状にした軸支部を
屈曲成形せしめ、その軸支部を左右一対の合成樹
脂製の軸受の支持孔内にそれぞれ挿入軸支すると
ともに、上記支持孔内には、荷止めバーの起立時
に軸支部の三日月状部の一端部が当接するストツ
パー突起およびそのとき上記三日月状部の他端部
に係合する可撓性舌片を形成したので、荷止めバ
ーを起した位置では、軸支部の断面三日月状部分
の両端を、ストツパー突起と舌片方で挾むように
なつて起した位置を保持できる。そして、荷受け
バーを倒すときはこれを強く回動すると、舌片が
外側に可撓して逃げ、倒す位置まで移動できる。
こうして、荷止めバーを起した位置を保つ掛止片
等を、別個に設ける必要がなくなり、製造コスト
が安価にできる。又、組付け作業の手間も簡単に
できる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示し、第１図は全体側
面図、第２図は分解斜視図、第３図は荷止めバー
端部の拡大図、第４図は軸受の拡大図である。 ６……支持孔、７……舌片、８……ストツパー
突起、９……軸受、１０……荷止めバー、１０ａ
……軸支部、１１……三日月状部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 鋼管を〓字状に屈曲形成した荷止めバーの左右
   両端に、そのパイプ端を押圧して断面三日月状に
   した軸支部を屈曲形成せしめ、その軸支部を左右
   一対の合成樹脂製の軸受の支持孔内にそれぞれ挿
   入軸支するとともに、上記支持孔内には、荷止め
   バーの起立時に軸支部の三日月状部の一端部が当
   接するストツパー突起およびそのとき上記三日月
   状部の他端部に係合する可撓性舌片を形成したこ
   とを特徴とする、自動車の荷止めバー保持装置。