JPS6220966Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はセラミツクからなる１枚の絶縁基板上
に複数の可変抵抗器を並設した回転形可変抵抗器
ブロツクに関する。

〔従来の技術〕

可変抵抗器の抵抗体は、通常、フエノール樹脂
やガラス布エポキシ樹脂等の絶縁基板上に形成さ
れるが、この種の材料は放熱性に乏しいため、発
熱によつて抵抗値が変化し、抵抗値特性に難点が
ある。

〔考案が解決しようとする問題点〕

そこで、近年、放熱性に優れたセラミツクを絶
縁基板の材料として用いたものが提案されている
が、かかるセラミツク基板は脆く、特に、同一基
板上に複数の抵抗体を並設した場合、抵抗体に接
続する端子を含めていくつかの部品をセラミツク
基板に組込む必要があるため、組立時にセラミツ
ク基板が割れるという欠点がある。

従つて、本願の目的は、上記従来技術の欠点を
解消し、構造が簡単でセラミツク基板が破損しに
くい回転形可変抵抗器ブロツクを提供するにあ
る。

〔問題点を解決するための手段〕

上記した本考案の目的は、セラミツク基板上に
複数の抵抗体が並設され、これら抵抗体上を摺動
する摺動子が回転体に設けられ、かつ各抵抗体毎
に端子が接続された回転形可変抵抗器ブロツクに
おいて、前記セラミツク基板の一方側に複数の前
記端子を、他方側に１枚の金属取付板をそれぞれ
配置し、該金属取付板には複数の係止片と複数の
取付足とを互いに反対方向に突出して、その取付
足を前記端子と同一方向に延ばし、かつこられ複
数の係止片の一部を前記セラミツク基板の取付穴
に挿通して半田固定すると共に、係止片のうちで
セラミツク基板に固定されない係止片を、前記回
転体の外周部に設けたストツパー用突起に結合さ
せるように構成することで概略達成される。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面について説明す
る。

第１図は本考案の一実施例に係る回転形可変抵
抗器ブロツクの分解斜視図、第２図はその組立状
態を示す外観側面図である。

第１図において、１は１枚の方形セラミツク基
板で、１ａ，１ｂは該基板１の一方の側縁に沿つ
て所定数穿設された角穴であり、穴１ａの周囲に
は銀ペーストの皮膜２が付着されているが、他方
の穴１ｂはこれがない。１ｃはセラミツク基板１
の他方の側縁に沿つて所定の間隔をおいて所定数
穿設された端子挿通孔で、１ｄは１ａ，１ｂの角
穴列と１ｄの端子挿通孔列との中間位置に所定の
間隔をおいて穿設された複数の軸穴である。３は
各軸穴１ｄの径方向外側に所定の間隔をおいて印
刷形成された半弧状の抵抗体で、３ａは該抵抗体
３の両端部に接続された端子接続電極で、それぞ
れ端子挿通孔１ｃの外周部まで延びている。４は
軸穴１ｄの外周線と抵抗体３との間に同心円状に
形成された銀ペーストの集電体で、その端子接続
電極が抵抗体３と同様に端子入通孔１ｃの外周部
まで延びている。

５は１枚の金属板で形成された端子で、接続部
５ｃと、板状部５ｄと、板状部５ｄから略直角に
折曲されてセラミツク基板１の下面に密接する平
坦な肩部５ａと、この肩部５ａから略直角に折曲
されてセラミツク基板１の端子挿通孔１ｃに挿通
される１個の係止耳片５ｂより構成されている。
この係止耳片５ｂは前記端子挿通孔１ｃに挿通さ
れてセラミツク基板１面上に突出した状態で半田
によりセラミツク基板１に固定される。この端子
５が各可変抵抗器毎に複数個（実施例では３個）
所定のピツチを以つてセラミツク基板１の一方向
側に取付けられる。

６は１枚の比較的に長い金属板を略直角に折曲
した条片６ａ，６ｂより成る取付板で、一方の条
片６ｂからは切欠き６ｃにより複数の取付足６ｄ
が端子５と同一方向に延び、他方の条片６ａから
は所定の間隔をおいて複数の係止片６ｅが折曲形
成されている。前記条片６ａはセラミツク基板１
の下面に密接され、条片６ｂはセラミツク基板１
の側端１ｅに密接配置され、各係止片６ｅはセラ
ミツク基板１の角穴１ａ，１ｂに挿入される。角
穴１ａ，１ｂよりセラミツク基板１面上に突出さ
れた係止片６ｅの角穴１ａに挿入された方は、半
田を皮膜２と係止片６間に供給することでセラミ
ツク基板１に固定されるが、角穴１ｂに挿入され
た方は半田で固定されず、当該係止片６ｅ、は後
述するストツパとなる。

７は絶縁体より成る回転軸で、作動部７ａと、
軸体７ｂと、キヤツプ状のカバー７ｃとから成
り、カバー７ｃの底面７ｄには支軸７ｇを間にし
て１対の小突子７ｅ（図は一方を省略してある）
が、またカバー７ｃの外周面にはストツパー用突
起７ｆがそれぞれ一体に形成されている。

９は１枚の弾性金属板より成る摺動子で、板状
部９ａから内方に湾曲状に延びる１対の接触子９
ｂと、別の複数の接触子９ｄとを有している。板
状部９ａの対向側に形成した１対の小孔９ｃには
前述したカバー７ｃの１対の小突子７ｅが挿入さ
れ、かしめることにより摺動子９が回転軸７に直
接取付けられる。８はスピードナツトで、周縁部
８ａの中央に開設された穴８ｃの外周には複数の
係合片８ｂが内側に向けて延びている。

前述のようにして摺動子９を収納した回転軸７
は、支軸７ｇをセラミツク基板１の表側から軸穴
１ｄに挿通したあと、セラミツク基板１の裏側か
ら支軸７ｇにスピードナツト８を係止片８ｂの弾
性に抗して圧入することで、カバー７ｃと軸体７
ｂとがセラミツク基板１に回転可能に枢着され
る。これにより、可変抵抗器ブロツクの組込が終
了する。

第２図はこの組込が終了した可変抵抗器ブロツ
クを取付板６側から見た側面図である。軸体７ｂ
を矢印方向またはその反対方向に回転させると、
カバー７ｃと摺動子９もこれに追従してセラミツ
ク基板１上を回転し、一方の接触子９ｂは集電体
４上を、また他方の接触子９ｄは抵抗体３上をそ
れぞれ摺接し、それぞれの摺接位置によつて抵抗
値が変化する。この場合、取付板６からセラミツ
ク基板１上に突出した半田６ｆで固定されない方
の係止片６e′が、カバー７ｃの突起７ｆと係合す
ることによりカバー７ｃの回転角度が規制され、
該係止片６e′はストツパとして機能する。そし
て、このように組込が終了したセラミツク基板１
自体は、前記した複数の端子５と取付板６の各取
付足６ｄにより、プリント板（図示せず）に半田
付けされる。

このように構成された一実施例にあつては、絶
縁基板として放熱性の良いセラミツクを用いてい
るため、発熱に伴う抵抗値の変化は少なく、抵抗
値特性の優れた可変抵抗器を提供できる。また、
抵抗体３と集電体４に共通の端子５を用いること
ができるため、部品管理が簡単でトータルコスト
を下げることが可能となり、しかも端子５と取付
板６のセラミツク基板１への固定にかしめ工程が
不要となるため、組立中にセラミツク基板１が割
れることもない。また、取付板６に形成された各
係止片６ｅのうち、ストツパとして機能する係止
片６e′は、セラミツク基板１に半田固定されるこ
となく、単に角穴１ｂに挿入されるだけであるた
め、半田によつて当該係止片６e′が変形する惧れ
はなく、回転規制角度の安定した回転形可変抵抗
器を提供できる。さらに、軸体７ｂとカバー７ｃ
とストツパー７ｆと支軸７ｇがすべて一体化さ
れ、カバー７ｃに摺動子９が直接取付けられてカ
バー７ｃと共に回転し、カバー７ｃと軸体７ｂと
は支軸７ｇにスピードナツト８を圧入するのみで
セラミツク基板１上に枢着されるため、部品点数
が削減され、かつ組立作業性も向上する。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案によれば、セラミ
ツク基板は、ストツパ用の係止片を一体形成した
金属取付板によつて補強され、しかも金属取付板
と各端子はかしめ工程でなく半田工程でセラミツ
ク基板に取付けられるため、構造が簡単でセラミ
ツク基板の破損の少ない回転形可変抵抗器ブロツ
クを提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係る回転形可変抵
抗器ブロツクの分解斜視図、第２図はその回転形
可変抵抗器ブロツクの外観側面図である。 １……セラミツク基板、１ａ，１ｂ……角穴、
１ｃ……端子挿通孔、１ｄ……軸穴、２……銀ペ
ースト皮膜、３……抵抗体、４……集電体、５…
…端子、５ａ……肩部、５ｂ……耳片、６……取
付板、６ａ，６ｂ……条片、６ｄ……取付足、６
ｅ，６e′……係止片、７……回転軸、７ｂ……軸
体、７ｃ……カバー、７ｇ……支軸、７ｆ……ス
トツパー用突起、８……スピードナツト、９……
摺動子、９ｂ，９ｄ……接触子。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. セラミツク基板上に複数の抵抗体が並設され、
   これら抵抗体上を摺動する摺動子が回転体に設け
   られ、かつ各抵抗体毎に端子が接続された回転形
   可変抵抗器ブロツクにおいて、前記セラミツク基
   板の一方側に複数の前記端子を、他方側に１枚の
   金属取付板をそれぞれ配置し、該金属取付板には
   複数の係止片と複数の取付足とを互いに反対方向
   に突出して、その取付足を前記端子と同一方向に
   延ばし、かつこれら複数の係止片の一部を前記セ
   ラミツク基板の取付穴に挿通して半田固定すると
   共に、係止片のうちでセラミツク基板に固定され
   ない係止片を、前記回転体の外周部に設けたスト
   ツパー用突起に結合させるように構成したことを
   特徴とする回転形可変抵抗器ブロツク。