JPS62207397A - 自動車の等速ジョイント用グリース - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、極圧グリース組成物、特に自動車の等速ジヨ
イント（ＣＶＪ）　、同ユリバーサルジヨイント、同変
速ギヤ、産業機械のギヤカプリング、ギヤートモ−ター
の変速ギヤ等のような高面圧であり、摩耗し易くかつ異
常振動トルクが発生し易い潤滑個所に適用して効率よく
潤滑し、有効に摩耗を防止し更に振動を防止し得る極圧
グリース組成物に関するものである。

（従来の技術） 従来、かような高面圧であり、摩耗し易く、かつ振動し
易い潤滑個所には硫黄−リン系極圧添加剤を含有するリ
チウム系極圧グリース、二硫化モリブデンを含有するリ
チウム系極圧グリース等が使用されている。

（発明が解決しようとする問題点） かような潤滑条件においては、潤滑面において油切れを
生じ易く、その結果摩耗が生じ、ついで異常摩耗振動を
起こし、これが更に摩耗を促進して潤滑部品の寿命を短
くする事が問題となっていた。そのためかような潤滑条
件で使用するグリースにおいては二硫化モリブデンのよ
うな固体潤滑剤を添加して油切れを防ぐ等の対策がとら
れているものの充分ではなく、とかく潤滑不良を起こし
摩耗が進行し早期の部品の交換等に至っているような現
状である。

なかでも自動車の等速ジヨイント（ＣＶＪ）においては
グリースには耐摩耗性の向上、振動の防止と共にＣＶＪ
の小型軽量化およびエンジンルームの高温化の傾向に起
因する耐熱性の増強も必要となっているのである。

（問題点を解決するための手段） かような高面圧であり摩耗し易（、かつ振動し易い潤滑
条件で使用するグリースとして耐摩耗性の良好なグリー
スについて先ず研究を進め、各種の極圧添加剤および固
体潤滑剤につき、またそれらの組合せ効果について検討
を重ねた。一方耐摩耗性の評価方法として低荷重より高
荷重に至る各荷重における摩耗係数を測定して、上述の
各添加剤の添加効果の評価について検討を行った。この
結果、従来使用されていた二硫化モリブデンや硫黄−リ
ン系極圧添加剤を含有するグリースは低荷重では摩擦係
数が小さいが、高荷重、すなわち曽田式４球試験機にお
ける３ｋｇ（油圧）のような高荷重（高面圧）の条件に
なると摩擦係数が大きくなる。かようなグリースは実機
試験で耐摩耗性に問題があることが判った。

次にこの問題を解決するため添加剤を改良して各種のも
のを試みた中で予期せぬことには、固体潤滑剤として（
Ａ）硫化ジアルキルジチオカルバミン酸モリブデンを用
い、硫黄−リン系極圧添加剤として（Ｂ）硫化油脂、硫
化オレフィン、トリクレジルフォスフェート、トリアル
キルチオフォスフェート、ジアルキルジチオリン酸亜鉛
を用い、この（Ａ）　、　（Ｂ）両成分をグリース中に
特定量含有させたことにより、得られたグリースが前記
の高荷重において低荷重とほとんど変わりのない小さい
摩擦係数である事を確かめ、また組成のグリースが実機
試験でも耐摩耗性が優れている事、その結果、異常摩耗
振動の発生を防止し得る事を見出し、本発明を完成した
のである。なお更に高荷重において摩擦係数が小さく、
耐摩耗性が優れ、振動を防止でき、かつ耐熱性も優れた
グリースについても検討を進め、各種のグリースを試験
したが、その結果基グリースとしてウレアグリースを用
いるとＣＶＪ用グリグリースて要求される特性がすべて
満足され、かようなグリースがＣＶＪ用としては適切な
ものである事も知り得た。

すなわち本発明は基グリースに、（Ａ）硫化ジアルキル
ジチオカルバミン酸モリブデンと、（Ｂ）硫化油脂、硫
化オレフィン、トリクレジルフォスフェート、トリアル
キルチオフォスフニート、ジアルキルジチオリン酸亜鉛
からなる群から選択された１種または２種以上の組合せ
よりなる硫黄−リン系極圧添加剤が必須成分として含有
され、かつ（Ａ）成分の含有量が０．５〜ｌＯ重量％、
（Ｂ）成分の含有量が０．５〜１０重量％であることを
特徴とする極圧グリース組成物に関するものである。

（作　用） 本発明に使用する基グリースは本質的にはすべてのグリ
ースを適用し得る。例えばリチウムグリース、カルシウ
ムグリース、ナトリウムグリース、アルミニウムグリー
ス、複合カルシウムグリース、複合リチウムグリース、
複合アルミニウムグリース等の石けん基グリース、ベン
トナイトグリース、シリカグリース等の無機質グリース
、ウレアグリース、テレフタラメ−トゲリース、フタロ
シアニングリース等の合成グリースで、基油に精製鉱油
、合成油またはこれらの混合油を用いたちのすべてにつ
いて本発明の範囲である。しかしＣＶＪの様に耐熱性も
必要とする用途についてはウレアグリースが特に好まし
い。

次に本発明に使用する（Ａ）成分である硫化ジアルキル
ジチオカルバミン酸モリブデンは、次式（１）（式中の
Ｒ１＋　Ｒｚは炭素数１〜２４のアルキル基を表し、ま
たｍ　＋　ｎ　＝　４で、かつｍは０〜３．ｎは４〜１
である。）で示される化合物で公知の固体潤滑剤でる。

式（１）の化合物は例えば特公昭４５−２４５６２号に
開示されているが、これはｍは２．３５〜３、ｎは１．
６５〜１であり、特公昭５１−９６４号に開示されてい
るものはｍはＯ，ｎは４であり、また特公昭５３−３１
６４６号にはｍは０．５〜２．３．　ｎは３．５〜１．
７のもが開示されている。

本発明において使用する式（１）の化合物は上述の開示
されたもののすべてを含むものである。すなわち弐［１
）の化合物はｎの数値の大きいつまり硫黄分の多いもの
は極圧性が大きいが金属に対する腐食性も大きくなる。

ｎの小さいものはその逆である。本発明においては潤滑
条件に応じて、より苛酷なものは極圧性を優先させ、比
較的温和なものは腐食性を主に考え、適宜選択して効果
をあげるものである。

更に本発明において使用する硫黄−リン系極圧添加剤は
硫化油脂、硫化オレフィン、トリクレジルフォスフェー
ト、トリアルキルチオフォスフニート、ジアルキルジチ
オリン酸亜鉛からなる群から選択された１種または２種
以上の組合せよりなる硫黄−リン系極圧添加剤であって
、硫黄とリンとを共に含有する極圧添加剤である。従っ
て硫黄のみを含有する硫黄系極圧添加剤でる硫化油脂、
硫化オレフィン、リンのみを含有するリン系極圧添加剤
でるトリクレジルフォスフェートを使用する場合は両者
を併用する必要がある。トリアルキルチオフォスフェー
ト、ジアルキルジチオリン酸亜鉛はいずれも硫黄−リン
系極圧添加剤であるから単独でも使用し得る。

本発明においては（八）成分の硫化ジアルキルジチオカ
ルバミン酸モリブデンと（Ｂ）成分の特定の硫黄−リン
系極圧添加剤を特定量比に組合せグリース中に含有させ
る事が特徴であって、これによって（Ａ）成分、（Ｂ）
成分単独含有の場合より格段の優れた効果を発揮して目
的を達成するものである。

この（Ａ）　、　（Ｂ）両成分を共存して含有する場合
にのみ得られる特異な効果については、繰返し実験の結
果確認されたものであって第１表に示される様に後述の
試験方法による耐摩耗性評価試験における摩擦係数およ
び振動試験における振動加速度またＣＶＪ振動試験にお
ける振動および摩耗が全く感知されない効果を得ている
。

これは（Ａ）　、　（Ｂ）両成分共存の場合にのみ得ら
れる特異な効果であって本発明が研究の結果初めて見出
したものであるが、何故かような効果が得られるのかと
いう理由については確証を得た訳ではないが概ね次の様
に考えている。

本発明で使用する（Ａ）成分の硫化シアルキシジチオカ
ルバミン酸モリブデンは従来よりゴムのジチオカルバミ
ン酸系加硫促進剤として知られているシアルキシジチオ
カルバミン酸亜鉛等のジチオカルバミン酸塩と同じく分
子中にジチオカルバミン酸構造を有しかつ分子中の金属
部分を潤滑に有効なモリブデンとしたものであるから加
硫促進剤効果も有する事は当然考えられる。ここで加硫
促進剤効果とは硫黄およびゴム炭化水素を活性化して炭
化水素分子間の硫黄による架橋反応を促進する効果であ
る。

よって本発明のグリース中において（Ａ）成分の硫化ジ
ベンジルジチオカルバミン酸モリブデンと（Ｂ）成分の
硫黄−リン系極圧添加剤が共存すると（Ｂ）成分はいず
れも硫黄およびリンを含有しかつ炭化水素基も有するも
のであるから（Ａ）成分の作用によって（Ｂ）成分の硫
黄および炭化水素基が活性化して分子間に架橋反応が起
り高分子を生成し、これが潤滑面金属部分・を被覆して
粘弾性を有する高分子膜を形成し振動を吸収し、また金
属接触を妨げて摩耗を防止する効果を有する事、また一
方υノは潤滑面において摩擦係数を小さくする添加剤で
ある事は知られているので、リンの存在により小さい摩
擦係数が得られる事、従ってこの両成分の組合せによっ
てのみ前記の特異な効果が得られる事は充分考え得る事
である。

前記（Ａ）成分の０．５重量％未満、（Ｂ）成分の０゜
５重量％未満の添加量ではいずれも効果がなく、一方（
八）成分を１０重量％より多く、（Ｂ）成分を１０重量
％より多く添加してもより以上の効果の増大がなく、ま
た（八）成分が過量となると腐食性が増大するというよ
うな副作用も生じ適当でなく、（Ａ）成分０．５〜１０
重量％、（Ｂ）成分０．５〜１０重量％の範囲が必要な
範囲である。

なお（Ａ）　、　（Ｂ）両成分のほか、必要に応じて二
硫化モリブデン、グラファイト等の固体潤滑剤、Ｎ。

Ｎ’−１−リメチレンジアミンジオレエート、ソルビダ
ンモノオレエート等の防錆剤、フェニルアルファナフチ
ルアミン、２．６−ジターシャリブチルパラクレゾール
等の酸化防止剤を任意成分として含有させる事もできる
。

（実施例） 第１表に示した実施例、比較例により問題点を解決する
ために用いた技術的手段を具体的に説明する。

■、第１表の組成欄に示した基グリースの成分は次の通
りである。

＾、ウレアグリース 基油に１００℃の粘度１０ｃｓｔの精製鉱油を用い、基
油中でジフェニルメタン−４，４’　−ジイソシアネー
トとステアリルアミンを反応させ、生成したウレア化合
物を含有量が２０重量％になる様にして基油中に均一に
分散させてなるウレアグリース Ｂ、リチウムグリース Ａ項と同じ基油中で１２−ヒドロキシステアリン酸と水
酸化リチウムを加熱反応させ、生成したリチウム−１２
−ヒドロキシステアレートを含有量が８重量％になる様
にして基油中に均一に分散させてなるリチウムグリース Ｃ，カルシウムグリース Ａ項と同じ基油中で１２−ヒドロキシステアリン酸と水
酸化カルシウムを加熱反応させ、生成したカルシウム−
１２−ヒドロキシステアレートを含有量が８重量％にな
る様にして基油中に均一に分散させてなるカルシウムグ
リース ２、実施例１〜１０．比較例１〜２の試料の作成方法は
次の通りである。

基グリースに硫化ジアルキルジチオカルバミン酸モリブ
デンおよび硫黄−リン系極圧添加剤を第１表に示す割合
（ｆｆｉｆＪ％）に加え混練して均一な組成物とし試料
とした。

３、第１表に示した試験方法は次の通りである。

Ａ、耐摩耗性評価試験方法 曽田式４球試験機の試験球摩擦面に各試料を適用しステ
ップ・パイ・ステップ （Ｓｔｅｐ　ｂｙ　５ｔｅｐ）法で荷重を増加し油圧３
ｋｇ／−の時の摩擦係数を測定した。

Ｂ、振動試験 下記型式のギヤートモ−ターの変速ギヤ面に各側の試料
を適用しギヤケース上部に加速度型センサーをとりつけ
振動の加速度Ｇを測定した。

記 モーター　　　　　０．７５ＫＷ　　４Ｐ大入力転数　
　　　１　、８００ｒｐｎ＋出力回転数　　　　６Ｏｒ
ｐｍ 減速比　　　　　　１／３０ Ｃ，ＣＶＪ振勅試験 １、振動の有無 ＣＶＪの潤滑部に各試料を適用し下記条件で８時間運転
した。振動の有無は運転開始１時間５分後に手触により
判定した。

記 ＣＶＪ型式　　　　＃９５バーフィールド型ジヨイント
回転数　　　　　１．８０Ｏｒｐｍ ジヨイント角度　１０度 トルク　　　　　　　２０　ｋｇｆ−＋ａ２、摩耗状態 ＣＶＪの潤滑部に各試料を適用し前項と同一条件で８時
間運転し、その後の潤滑面の摩耗状態を目視により判定
した。

（発明の効果） 第１表に示した様に硫化ジアルキルジチオカルバミン酸
モリブデンおよび特定の硫黄−リン系極圧添加剤を特定
量含存した極圧グリース組成物である本発明は高面圧に
おけるＦｊｔ＃係数が小さく、またギヤートモ−ターの
変速ギヤ面の潤滑に適用した場合の振動が少なくまたＣ
ＶＪ実機に適用した場合にも振動および摩耗を有効に防
止し得る事が判り、ここに本発明により当初の目的が達
成された事が確認された。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、基グリースに （Ａ）硫化ジアルキルジチオカルバミン酸モリブデンと
   、 （Ｂ）硫化油脂、硫化オレフィン、トリクレジルフォス
   フェート、トリアルキルチオフォスフェート、ジアルキ
   ルジチオリン酸亜鉛からなる群から選択された１種また
   は２種以上の組合せよりなる硫黄−リン系極圧添加剤 が必須成分として含有れ、かつ（Ａ）成分の含有量が０
   ．５〜１０重量％、（Ｂ）成分の含有量が０．５〜１０
   重量％であることを特徴とする極圧グリース組成物。