JPH07286188A - 継手用グリース組成物 - Google Patents
継手用グリース組成物Info
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Abstract
寿命の継手用グリースを提供する。 【構成】 基油と増ちょう剤とからなる基グリースに、
数平均分子量が1,000〜4,000の低分子量ポリ
エチレンを、基油100重量部に対し1〜5重量部配合
したことを特徴とする継手用グリース組成物である。 【効果】 本発明の継手用グリース組成物を歯車継手や
自在継手等に使用すると、高遠心力下でも増ちょう剤と
基油とが分離しにくく、グリースの洩れも少なく、摩耗
も起こりにくいので、歯車継手や自在継手等の寿命が向
上する。
Description
る歯車継手や自在継手等に用いる継手用グリースに関す
るものである。
く使用されているが、定期点検時に給油や給脂する以外
は補給できない構造であり、偏心、偏角(歯車継手:最
大傾斜角3°、自在継手:最大傾斜角9°)を吸収する
と共に、それに応じて潤滑面間のすべり運動を生ずるた
め、使用する潤滑材には高い極圧性と潤滑材の介入性が
要求される。
油や給脂間隔の延長が望まれているが、例え、前述の性
能を有するグリースを封入しても、歯車継手や自在継手
内部の封入グリースが徐々に漏洩するため、潤滑面が摩
耗したり割損する事故が頻繁におこり、大きな問題とな
っている。この損傷の原因であるグリースの漏洩は、グ
リースの増ちょう剤と基油とが分離することにより促進
されると考えられる。このため、グリースから基油が潤
滑面に供給されず潤滑効果が失われることになる。一
方、分離した増ちょう剤は、歯面に蓄積するので歯車の
スムーズな回転を妨げ、振動の原因となっている。(機
械の研究 第35巻 第11号(1983)69)。
継手用グリースが求められるようになった。この様なグ
リースとしては、遠心力によるシールの隙間からのグリ
ースの洩れや増ちょう剤と基油との分離が起こりにくい
性能と、ギヤ油レベルの極圧性や耐摩耗性が求められて
いる。更に、グリースの漏れや歯車の損傷が容易に分か
るという様な保守、点検のための作業性が良好な特性も
望まれている。
ースの漏洩が少なく、潤滑性のよい、長寿命の継手用グ
リースを提供することにある。
油と増ちょう剤とからなる基グリースに、数平均分子量
が1,000〜4,000の低分子量ポリエチレンを、
基油100重量部に対し1〜5重量部配合した継手用グ
リース組成物である。
レフィン、ポリブテン合成スクワラン等の合成炭化水素
系基油、二塩基酸ジエステル、ネオペンチルポリオール
エステル等のポリオールエステル系基油、アルキルフォ
スフェートエステル、アリルフォスフェートエステル等
の燐酸エステル系基油、ポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール、ポリエチレングリコールエステ
ル、ポリエチレングリコールエーテル等のポリグリコー
ル系基油や、ナフテン系鉱油、パラフィン系鉱油、芳香
族系鉱油、高度精製鉱油等の鉱油系基油等の基油の1種
類又は2種類以上の混合物を用いる事ができるが、安価
で高温特性及び低分子量ポリエチレンとの親和性が高い
点から、合成炭化水素系基油、鉱油系基油等の炭化水素
系基油又はこれを主成分とする基油が好ましい。
油中に分散し、ミセル構造をとって半固体状を呈する役
割を担う物であり、ナトリウム石鹸、リチウム石鹸、カ
ルシウム石鹸、カルシウムコンプレックス石鹸、アルミ
ニウムコンプレックス石鹸、リチウムコンプレックス石
鹸等の石鹸系や、ベントン、シリカエアロゲル、ナトリ
ウムテレフタラメート、ウレア、ポリテトラフルオロエ
チレン、窒化ホウ素等の非石鹸系を挙げることができ
る。これらのうち、ウレア系のものが特に高温、高遠心
力下でも耐分離性に優れる点で好ましく、特にトリアジ
ントリウレア等のトリウレア系の増ちょう剤が好適であ
る。
配合することにより、基グリースが得られる。本発明で
は、この基グリースに、数平均分子量が1,000〜
4,000、好ましくは1,200〜2,500の低分
子量ポリエチレンを配合するが、この様なポリエチレン
としては、低分子量ポリエチレンの低酸化価型又は酸変
性したものが好ましく、市販品としては、例えば、粉体
の三井石油化学工業株式会社製のハイワックス220M
P、1105A等がある。なお、この配合量は、基油1
00重量部に対し、1〜5重量部である。
イソブチレン、ポリアルキルメタクリレート、ポリアル
キルアクリレート、ポリビニルアセテート、エチレン−
プロピレン共重合体及びスチレン−ジエン水素化共重合
体等のポリマーを添加しても差し支えない。
リースと低分子量ポリエチレンの他に、通常配合される
極圧添加剤、摩耗防止剤、酸化防止剤及び防錆剤等の各
種添加剤を配合することができる。ここで、好適な摩耗
防止剤としてはホウ素化合物等があり、極圧添加剤とし
ては硫黄系化合物、燐系化合物、有機金属系化合物等が
あるが、ホウ素系化合物と、ジアルキルジチオ燐酸亜
鉛、Mo−ジアルキルジチオカルバメート、硫黄−燐系
極圧添加剤等の極圧添加剤を併用するのが好ましい。
ム等のホウ酸塩、トリベンジルボレート、オルガノメル
カプトアルキルボレート(USP3303130号公
報)、トリベンジルボレートとエチレングリコールの反
応生成物(USP3400083号公報)、ボレートエ
ステルのホスフェートスルフォキサイドの付加化合物等
を挙げることができる。中でも、好ましくは、ホウ酸カ
リウム等のホウ酸塩であり、その配合量は、基油100
重量部に対し5〜10重量部の範囲がよい。
燐酸亜鉛は、(RO)2 PS2 −Zn−PS2 (OR)
2 (但し、Rはアルキル基)で示された化合物であり、
その配合量は、基油100重量部に対して0.1〜1重
量部の範囲がよい。
トは、(R2 NCS2 )2 Mo2 O x Sy (但し、Rは
アルキル基)で示される化合物であり、その配合量は基
油100重量部に対して0.1〜1重量部の範囲がよ
い。
脂、硫化テルペン、硫化オレフィン、サルファイド等の
硫黄系添加剤と亜燐酸エステル、燐酸エステル、燐酸エ
ステルのアミン塩等の燐系極圧剤とを混合したものであ
り、その使用量は基油100重量部に対し、0.01〜
5重量部、好ましくは0.1〜2重量部の範囲がよい。
なお、本発明においては、上記ジアルキルジチオ燐酸亜
鉛は、例え燐と硫黄を含んでも硫黄−燐系極圧添加剤と
はしない。
成分の他、必要により酸化防止剤及び防錆剤等の通常添
加される添加剤を配合することができる。酸化防止剤と
しては、2,6−ジ−t−ブチルパラクレゾール、4,
4’メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノー
ル)、4,4’メチレンビス(6−t−ブチル−o−ク
レゾール)等のフェノール系や、p,p’−ジオクチル
ジフェニルアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、フ
ェノチアジン等の芳香族アミン系の連鎖停止型酸化防止
剤や、硫化油脂、ベンジルサルファイド、ジアセチルサ
ルファイド等の硫黄系や、ジアルキルジチオ燐酸亜鉛、
ジアリルジチオ燐酸亜鉛等の硫黄、燐系の過酸化物分解
型酸化防止剤や、N,N’ジサリチリデン−1,2−ジ
アミノプロパン、ベンゾトリアゾール、2(n−ドデシ
ルジチオ)ベンズイミダゾール等の金属不活性型酸化防
止剤の各酸化防止剤の1種類又は2種類以上の混合物を
使用することができる。
フォネート等のスルフォネート系、N−アルキルトリメ
チレンジアミンジオレエート、脂肪族アミン−ナフテン
酸縮合物等のアミン系、各種ナフテン酸塩類、オレイル
ザルコシン等のアミノ酸誘導体、亜硝酸ナトリウム、ベ
ンゾトリアゾール類等の1種類又は2種類以の混合物を
適宜配合することができる。
歯車継手や自在継手等の集中給油用グリースとして好適
である他、軸受用グリース、ホイルベアリング用グリー
ス、シャーシ用グリース等にも使用できる。
向上させるために、二硫化モリブデン、グラファイト、
硫化アンチモン等の固体潤滑材を添加する手法が、広く
用いられている。しかし、グリースの極圧性や耐摩耗性
は向上するが、グリースの色が黒色系に着色するので、
歯車の状態が確認しずらく、また汚れの原因となるとい
う問題が生じている。従って、これを使用せず、上記の
ホウ素化合物に置き換えることによって、固体潤滑材を
添加した場合と同様な極圧性や耐摩耗性を付与すると共
に、グリースの色を非黒色系、例えば黄色系に変えるこ
とができるので、上記の問題が解決され、汚れ防止の
他、作業性の向上にもつながる。
1に示す基油を用いて、表2に示す継手用グリース組成
物を得た。実施例1〜9のグリース及び比較例のグリー
スについて、歯車継手試験機(条件:継手両端の軸心の
偏角3°、回転数1200min-1、トルク20kg・
m、時間1hr)を用いて飛散量、摩耗量を測定するこ
とによりグリースの性能を評価した。飛散試験は、オイ
ルシールの径を小さくして回転による飛散が、発生しや
すくした継手よりどのくらいのグリースが飛散したかを
測定した。摩耗試験は、試験前後の歯車継手の内筒の重
量変化を測定した。1個の歯車継手にグリースをそれぞ
れ38±0.5gを封入して行った。また、比較例とし
ては、市販の鉱油リチウム石鹸極圧グリース(ポリイソ
ブチレン含有型)を用いた試験を行った。
の洩れの目安と考えられ、本発明のグリースを用いた実
施例は、飛散量が極めて少ないことから、継手用グリー
スとして極めて好適であることが分かる。表2の内筒摩
耗量から、本発明のグリースを用いた実施例は、グリー
スで問題となるフレッチング等による摩耗も起こりにく
く、機械寿命を延長することができ、継手用グリースと
して極めて優れていることがわかる。また、ホウ素化合
物を使用すれば、黒鉛等を使用した時のように、グリー
スの色が黒色にならないという効果もある。
心力下でもグリースの飛散量が小さく、摩耗量も低く抑
えることができる。本発明の継手用グリース組成物を歯
車継手や自在継手等に使用すると、増ちょう剤と基油と
が分離しにくく、グリースの洩れも少なく、摩耗も起こ
りにくいので、歯車継手や自在継手等の寿命も向上す
る。
配合することにより、基グリースが得られる。本発明で
は、この基グリースに、数平均分子量が1,000〜
4,000、好ましくは1,200〜2,500の低分
子量ポリエチレンを配合するが、この様なポリエチレン
としては、低分子量ポリエチレンの低酸価型又は酸変性
したものが好ましく、市販品としては、例えば、粉体の
三井石油化学工業株式会社製のハイワックス220M
P、1105A等がある。なお、この配合量は、基油1
00重量部に対し、1〜5重量部である。
Claims (2)
- 【請求項1】 基油と増ちょう剤とからなる基グリース
に、数平均分子量が1,000〜4,000の低分子量
ポリエチレンを、基油100重量部に対し1〜5重量部
配合したことを特徴とする継手用グリース組成物。 - 【請求項2】 基グリースに、ホウ素化合物、並びにジ
アルキルジチオ燐酸亜鉛、モリブデンジチオカルバメー
ト及び硫黄−燐系極圧添加剤からなる群より選ばれた1
種又は2種以上の極圧添加剤を配合した請求項1記載の
非黒色系の継手用グリース組成物。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8037794A JP3130427B2 (ja) | 1994-04-19 | 1994-04-19 | 継手用グリース組成物 |
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-
1994
- 1994-04-19 JP JP8037794A patent/JP3130427B2/ja not_active Expired - Fee Related
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