JP2018155367A - プロペラシャフト - Google Patents

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哲史 神野
Tetsushi Jinno
哲史 神野
拓未 大石
Takumi Oishi
拓未 大石
純平 角田
Jumpei Kakuta
純平 角田
智彦 山口
Tomohiko Yamaguchi
智彦 山口
今井 裕
Yutaka Imai
裕 今井
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Kyodo Yushi Co Ltd
Toyota Motor Corp
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Kyodo Yushi Co Ltd
Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】本発明は、スティックスリップをより効果的に抑制することができるプロペラシャフトを提供することを目的とする。【解決手段】互いに摺動自在に嵌合した雄スプライン軸1と雌スプライン軸2を少なくとも備えるプロペラシャフトであって、前記雄スプライン軸と雌スプライン軸のいずれか一方又は両方の軸のスプライン嵌合部表面上に形成されたナイロン樹脂の皮膜3a,3bと、前記雄スプライン軸と雌スプライン軸の間に配置されたグリース組成物と、を有し、前記グリース組成物は、ポリブテンを含む基油を含み、前記基油の40℃における動粘度が15,000mm2/s以上36,000mm2/s以下である、プロペラシャフトである。【選択図】図2

Description

本発明は、プロペラシャフトに関する。
自動車等の動力伝達部及び操舵機構部は、一般的に、軸方向の変位を吸収する機能を備えるプロペラシャフトを有する。プロペラシャフトは、通常、雄スプライン軸と雌スプライン軸とを嵌合させたスプライン部を有する。雄スプライン軸及び雌スプライン軸は、例えばホブ加工によってスプライン溝を形成することによって作製される。
前記雄スプライン軸及び雌スプライン軸の嵌合部には、伸縮軸の軸方向の摺動抵抗を軽減するために、グリースが塗布される。スプライン部のような摺動部材に用いられるグリースは、通常、基油を含有する。
例えば、特許文献1には、雄スプライン軸と雌スプライン軸のスプライン嵌合部表面にナイロン樹脂の皮膜を形成し、且つ、グリースに含まれる基油が合成炭化水素油と鉱油からなる群から選択される少なくとも1種の炭化水素油を含み、40℃において20mm/s以上の動粘度を有する、車両ステアリング用伸縮軸が開示されている。特許文献1には、スプライン軸の嵌合部の表面にナイロン樹脂の皮膜を形成し、さらに摺動部にグリースを塗布することにより、摺動抵抗が低減され、且つ耐摩耗性が向上すると記載されている。
特開2006−123820号公報
特許文献1に記載の伸縮軸では、招動抵抗の低減を目的として比較的低粘度(20〜200mm/s、40℃)の基油を用いたグリースが使用されている。しかし、低粘度の基油を用いたグリースではスプライン軸に加わるトルクが大きくなると、スプライン嵌合部に十分な油膜が形成されず、性能低下を引き起こす可能性がある。また、伸縮軸を長期に亘って使用した場合、嵌合部表面の皮膜が摩耗する可能性がある。皮膜が摩耗すると、面圧が低下するため、低粘度の基油を用いたグリースでは動スライド抵抗が低下する。その結果、いわゆるスティックスリップが発生し易くなる場合がある。
そこで、本発明は、スティックスリップをより効果的に抑制することができるプロペラシャフトを提供することを目的とする。
本発明の態様は、以下のように記述することができる。
(1) 互いに摺動自在に嵌合した雄スプライン軸と雌スプライン軸を少なくとも備えるプロペラシャフトであって、
前記雄スプライン軸と雌スプライン軸のいずれか一方又は両方の軸のスプライン嵌合部表面上に形成されたナイロン樹脂の皮膜と、
前記雄スプライン軸と雌スプライン軸の間に配置されたグリース組成物と、
を有し、
前記グリース組成物は、ポリブテンを含む基油を含み、前記基油の40℃における動粘度が15,000mm/s以上36,000mm/s以下である、プロペラシャフト。
(2) 前記グリース組成物が、モンタンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、及びアマイドワックスからなる群から選ばれる少なくとも1種のワックスを含む、(1)に記載のプロペラシャフト。
本発明により、スティックスリップをより効果的に抑制することができるプロペラシャフトを提供することができる。
図1は、本実施例で使用した光干渉法超薄膜測定装置の模式的概略図である。 図2(a)は、プロペラシャフトの雄スプライン軸の横断面図であり、図2(b)は、同プロペラシャフトの雌スプライン軸の横断面図である。
上述の通り、本実施形態は、互いに摺動自在に嵌合した雄スプライン軸と雌スプライン軸を少なくとも備えるプロペラシャフトであって、前記雄スプライン軸と雌スプライン軸のいずれか一方又は両方の軸のスプライン嵌合部表面上に形成されたナイロン樹脂の皮膜と、前記雄スプライン軸と雌スプライン軸の間に配置されたグリース組成物と、を有し、前記グリース組成物は、ポリブテンを含む基油を含み、前記基油の40℃における動粘度が15,000mm/s以上36,000mm/s以下である、プロペラシャフトである。
本実施形態の構成により、スプライン軸の嵌合部における静スライド抵抗を小さく、かつ動スライド抵抗を大きくすることができ、その結果、スティックスリップを効果的に抑制することができる。
以下、本実施形態の構成要素について説明する。
[スプライン部]
本実施形態において、雄スプライン軸と雌スプライン軸のいずれか一方又は両方の軸のスプライン嵌合部表面上にナイロン樹脂の皮膜が形成されている(参照:図2)。このナイロン樹脂皮膜は、どちらか一方の軸のスプライン嵌合部表面に形成することができる。
ナイロン樹脂を設けることにより、面圧が下がり、嵌合部に油膜が形成され易くなる。その結果、静スライド抵抗を下げることができる。また、ナイロン樹脂を設けることにより、面圧が下がり、潤滑油としてのグリース組成物が流体潤滑領域で作用し易くなるため、動摩擦係数が大きくなる(参照:ストライベック曲線)。その結果、動スライド抵抗を上げることができる。
図2(a)は、プロペラシャフトの雄スプライン軸の横断面図であり、図2(b)は、同プロペラシャフトの雌スプライン軸の横断面図である。図2(a)では、雄スプライン軸1のスプライン部表面上にナイロン樹脂の皮膜3aが形成されている。図2(b)では、雌スプライン軸2のスプライン部表面上にナイロン樹脂の皮膜3bが形成されている。このナイロン樹脂の皮膜の厚さは、例えば、20μm以上500μm以下であり、40μm以上300μm以下であることが好ましい。
スプライン部の溝の深さは、例えば、1mm以上3mm以下であり、幅は0.5mm以上3.0mm以下である。溝は、ホブ加工など慣用の手段で形成することができる。
[グリース組成物]
本実施形態におけるグリース組成物は、ポリブテンを含む基油を含む。グリース組成物は、雄スプライン軸と雌スプライン軸の間のスプライン嵌合部に配置される。
<基油>
基油はポリブテンを含む。また、基油の40℃における動粘度は、15,000mm/s以上36,000mm/s以下である。
基油の40℃における動粘度を15,000mm/s以上とすることにより、潤滑油としてのグリース組成物の粘度が上がり、スプライン嵌合部に油膜が形成され易くなる。その結果、静スライド抵抗を下げることができる。また、グリース組成物の粘度が上がり、グリース組成物が流体潤滑領域で作用し易くなるため、動摩擦係数が大きくなる(参照:ストライベック曲線)。その結果、動スライド抵抗を上げることができる。また、ナイロン樹脂皮膜が摩耗して面圧が低下した場合でも、動摩スライド抵抗が増加する。
基油の40℃における動粘度を36,000mm/s以下とすることにより、グリース組成物が摺動により潤滑部から排除されてしまうことを低減することができる。
ポリブテンは、ポリ(n−ブテン)及びポリ(イソブテン)であり、ポリ(イソブテン)であることが好ましい。ポリブデンは、圧力粘度係数が高く、グリース組成物を容易に高粘度化することができる。
ポリブテンの40℃における動粘度は、特に制限されないが、例えば、140,000mm/s以上180,000mm/s以下であり、150,000mm/s以上170,000mm/s以下であることが好ましく、155,000mm/s以上165,000mm/s以下であることがより好ましい。ポリブテンの40℃における動粘度が上記の範囲である場合、摩擦係数の変動を効果的に抑制することができる。なお、本明細書において、40℃における動粘度は、JIS K 2283に準拠した方法により測定される。
グリース組成物全量に対するポリブテンの含有量は、特に制限されないが、40質量%以上であることが好ましく、45質量%以上であることがより好ましい。また、グリース組成物全量に対するポリブテンの含有量は、特に制限されないが、80質量%以下であることが好ましく、70質量%以下であることがより好ましい。
基油は、ポリブテン以外のポリマーを含んでもよい。ポリブテン以外のポリマーとしては、特に制限はされないが、例えば、エチレン-α-オレフィンコポリマーやエチレン-プロピレンコポリマー、ポリメタクリレートに代表されるオレフィンコポリマー、スチレン-イソプレンコポリマーに代表されるスチレン系ポリマー、ポリイソブチレン、ポリイソプレンなどが挙げられる。ポリブテン以外のポリマーの40℃における動粘度は、例えば、10,000mm/s以上36,000mm/s以下である。ポリブテンにポリブテン以外のポリマーを組み合わせる場合、ポリブテン以外のポリマーは、ポリブテン100質量部に対して、50質量部以下であることが好ましく、20質量部以下であることがより好ましく、10質量部であることがさらに好ましい。
ポリマー以外の基油としては、鉱油及び合成炭化水素油からなる群より選択されることが好ましい。ポリマー以外の基油は、鉱油又は合成炭化水素油のいずれかから構成されていてもよく、両材料の混合物として構成されていてもよい。ポリマー以外の基油が鉱油及び合成炭化水素油の混合物として構成されている場合、鉱油及び合成炭化水素油の混合物100質量部のうち、鉱油が50質量部以上であることが好ましい。ポリマー以外の基油は、コストの観点から、鉱油のみからなることが特に好ましい。
ポリマー以外の基油(例えば、鉱油又は合成炭化水素油)の40℃における動粘度は、特に制限されないが、例えば、10mm/s以上500mm/s以下であり、50mm/s以上400mm/s以下であることが好ましく、80mm/s以上300mm/s以下であることがより好ましい。
ポリブテンにポリマー以外の基油(例えば、鉱油又は合成炭化水素油)を組み合わせる場合、ポリマー以外の基油の含有量は、ポリブテン100質量部に対して、20質量部以上であることが好ましく、25質量部以上であることがより好ましい。また、ポリマー以外の基油の含有量は、ポリブテン100質量部に対して、200質量部以下であることが好ましく、150質量部以下であることがより好ましく、100質量部以下であることがさらに好ましい。本実施形態における基油は、ポリブテンと鉱油との混合物であることが好ましい。
グリース組成物全量に対する基油の含有量は、特に制限されないが、50質量%以上98質量%以下であることが好ましく、60質量%以上95質量%以下であることがより好ましく、70質量%以上95質量%以下であることがさらに好ましい。
<増ちょう剤>
本実施形態におけるグリース組成物は、増ちょう剤を含むことができる。増ちょう剤は、特に限定されない。増ちょう剤の好ましい例としては、Li石けんや複合Li石けんに代表される石けん系増ちょう剤、ジウレアに代表されるウレア系増ちょう剤、有機化クレイやシリカに代表される無機系増ちょう剤、PTFEに代表される有機系増ちょう剤等が挙げられる。より好ましいものは、Li石けん系増ちょう剤またはウレア系増ちょう剤である。Li石けん系増ちょう剤の中では、ステアリン酸Liや12ヒドロキシステアリン酸Liが好ましい。これらは組み合わせて使用することが好ましい。ウレア系増ちょう剤の中では、下記式(1)で示されるジウレア化合物が好ましい。
−NHCONH−R−NHCONH−R (1)
(式中、Rは炭素数6〜15の2価の芳香族炭化水素基であり、R及びRは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素数6〜30のアルキル基、炭素数6又は7のアリール基、又はシクロヘキシル基である。)
さらに好ましくは、Rがトリレンジイソシアネート又はジフェニルメタンジイソシアネートであり、特に好ましくは、Rがジフェニルメタンジイソシアネートである。
より好ましくは、R及びRは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素数6〜30の直鎖アルキル基であり、特に炭素数6〜18の直鎖アルキル基であり、とりわけ炭素数8の直鎖アルキル基である。
ウレア系増ちょう剤としては、Rがジフェニルメタンジイソシアネートであり、R及びRが炭素数8の直鎖アルキル基である式(1)の化合物であることが最も好ましい。
グリース組成物中の増ちょう剤の含有量は、増ちょう剤の種類に応じて適宜選択することができる。グリース組成物の混和ちょう度は、200以上440以下であることが好ましいため、増ちょう剤の含有量はこの範囲の混和ちょう度を得るのに必要な量であることが好ましい。グリース組成物中の増ちょう剤の含有量は、例えば、2質量%以上30質量%以下であり、好ましくは3質量%以上25質量%以下である。
<添加剤>
本実施形態のグリース組成物は、添加剤を含むことができる。添加剤としては、例えば、ワックスが挙げられる。ワックスは、モンタンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス及びアマイドワックスからなる群から選ばれる少なくとも1種のワックスであることが好ましい。本実施形態のグリース組成物では、基油の動粘度が高く、圧力粘度係数が高いポリマーであるポリブテンを使用しているため、静止時にスプライン嵌合部に油膜を形成させることができる。また、所定のワックスを含むことによって、静止時に形成された油膜が時間経過とともに薄くなることを抑制することができ、油膜がスプライン嵌合部に維持され易くなる。
モンタンワックスとしては、酸価が110〜160mgKOH/gの酸ワックス、非極性部と極性部分を併せ持つエステルワックス、モンタン酸のエステル化物及び水酸化カルシウムとのケン化物との混合である部分ケン化エステルワックス、モンタン酸のナトリウム塩及びカルシウム塩のケン化ワックス、エチレンオキサイドを付加したモンタンワックスなどが挙げられる。なお、酸価は、JIS K 2501.3に従って測定される。ポリプロピレンワックスやポリエチレンワックスとしては、重量平均分子量が4000〜20000の分岐を持たないものや、分岐を持つものがあり、高密度タイプや高分子量高密度タイプが挙げられる。
ワックスの含有量は、グリース組成物中、好ましくは1質量%以上15質量%以下であり、より好ましくは2質量%以上10質量%以下である。
これらのワックスは、グリース基油に溶解して冷却した後、ベースグリースに添加することによりグリース組成物に含ませることが好ましい。
本実施形態のグリース組成物は、必要に応じて、ワックス以外のあらゆる添加剤を含むことができる。ワックス以外の添加剤の例としては、アミン系若しくはフェノール系に代表される酸化防止剤、亜硝酸ソーダなどの無機不働態化剤、スルホネート系、コハク酸系、アミン系若しくはカルボン酸塩に代表される錆止め剤、ベンゾトリアゾールに代表される金属腐食防止剤、脂肪酸、脂肪酸エステル若しくはリン酸エステルに代表される油性剤、リン系、硫黄系若しくは有機金属系に代表される耐摩耗剤や極圧剤、酸化金属塩や二硫化モリブデンに代表される固体潤滑剤などが挙げられる。これらの添加剤の使用量は、グリース組成物中、例えば、0.1質量%以上20質量%以下であり、0.5質量%以上10質量%以下であることが好ましい。
<混和ちょう度>
本実施形態のグリース組成物の混和ちょう度は、使用目的に合わせて調整されるが、好ましくは200以上440以下である。潤滑部への流動性の観点からは、より好ましくは、250以上440以下である。なお、本明細書における混和ちょう度はJIS K 2220 7.により測定される60回混和ちょう度をいう。
<グリース組成物の調製>
表1及び表2に示した増ちょう剤、基油及び添加剤を用い、実施例及び比較例のグリース組成物を調製した。具体的には、基油、ステアリン酸リチウム及び12ヒドロキシステアリン酸リチウムを容器中で混合し、撹拌しながら昇温及び冷却して、リチウムベースグリースを得た。得られたリチウムベースグリースに、基油に溶解して冷却したワックスを場合によって加えた。得られた混合物を、3本ロールミルで混練し、所定の混和ちょう度(試験方法JIS K2220 7.)になるように調製した。
<評価>
「EHL膜厚測定」
・試験方法
滑り接触部に形成されるグリースの膜厚を、図1に示す光干渉法超薄膜測定装置を用いて測定した。測定では、直径19.05mmの鋼球を、荷重20N、25℃の下でガラスディスクを接触させ、鋼球を固定し、ガラスディスクを回転させることで純滑り条件とし、速度を変えて膜厚を測定した。測定条件の詳細は下記に示す。
・測定条件
荷重:20N
最大面圧:0.5GPa
速度:1m/sから0.002m/sまで徐々に速度を落とし、回転を静止。
静止直後と静止10分後の最大油膜厚さを計測。
温度:25℃
鋼球:直径19.05mm、材質SUJ2
ガラスディスク:Silica+Chromium coated
「スティックスリップ評価」
雄スプライン軸の嵌合部表面にナイロン樹脂(膜厚300μm、商品名:RILSAN T、アルケマ社製)が形成されているスプライン構造を有するプロペラシャフトを使用して、実機での効果確認を行った。
評価手順は、初期に静スライド抵抗及び動スライド抵抗を計測した。
・静スライド抵抗計測
温度環境50℃下で回転するペラシャフトにトルクを負荷し、特定パターンでスプライン部を低速度で揺動させ、軸方向のスライド抵抗を計測した。
・動スライド抵抗計測
温度環境50℃下で回転するペラシャフトにトルクを負荷し、特定パターンでスプライン部を中〜高速度で揺動させ、軸方向のスライド抵抗を計測した。
なお、静スライド抵抗指標及び動スライド抵抗指標は、実施例1の静スライド抵抗値を基準(=1)として示した。なお、動スライド測定時のすべり速度は、段階的に変化させ、すベり速度8mm/sのデータで整理した。
スティックスリップ評価の判定は、以下の条件にて行った。
○:(静スライド抵抗指標−動スライド抵抗指標)<0
×:(静スライド抵抗指標−動スライド抵抗指標)≧0
※1について
鉱油:40℃における動粘度が180mm/sである鉱油
ポリブテンA:40℃における動粘度が160,000mm/sであるポリブテン(圧力粘度係数33)
※2について
モンタンワックス:クラリアントジャパン株式会社製 Licowax OP Flakes (酸価11mgKOH/g)
ポリエチレンワックス:クラリアントジャパン株式会社製 Licowax PE190
ポリプロピレンワックス:クラリアントジャパン株式会社製 Licocene PP7502
アマイドワックス:ライオン株式会社製 アーモスリップHTパウダー
<考察>
実施例1、4〜5および比較例1〜3の比較から、スプラインにナイロン樹脂の皮膜が必要であることがわかる。
実施例1〜3および比較例4の比較から、グリースの動粘度が15,000mm/s以上である必要があることがわかる。
実施例1〜3および実施例4〜9の比較から、グリースにワックスを配合することで静スライド抵抗を低減できることがわかる。
静スライド抵抗指標が動スライド抵抗指標より小さい場合、スティックスリップが抑制されることがわかる。

Claims (2)

  1. 互いに摺動自在に嵌合した雄スプライン軸と雌スプライン軸を少なくとも備えるプロペラシャフトであって、
    前記雄スプライン軸と雌スプライン軸のいずれか一方又は両方の軸のスプライン嵌合部表面上に形成されたナイロン樹脂の皮膜と、
    前記雄スプライン軸と雌スプライン軸の間に配置されたグリース組成物と、
    を有し、
    前記グリース組成物は、ポリブテンを含む基油を含み、前記基油の40℃における動粘度が15,000mm/s以上36,000mm/s以下である、プロペラシャフト。
  2. 前記グリース組成物が、モンタンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、及びアマイドワックスからなる群から選ばれる少なくとも1種のワックスを含む、請求項1に記載のプロペラシャフト。
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