JPS6220623B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はビデオテープレコーダに於ける磁気テ
ープの走行を高精度に行なわせるためのテープガ
イドローラーに関するものである。

ビデオテープレコーダにおける回転シリンダ付
近のテープは第１図に示すような構成によつて走
行するようになつている。

第１図において、１は下シリンダで、デツキに
固定され、円筒面にはヘリカルに段が設けられ、
段の縁３によつてテープ４の下端がガイドされ、
磁気テープ４が下シリンダ１上をヘリカルにまき
つけられて走行するようになつている。５は上シ
リンダであつて、下シリンダ１と同軸上を回転
し、磁気ヘツドが取付けられ、磁気テープ４上に
信号を記録再生する。６は固定軸であり、さらに
隣接するテープガイドローラ７と共にテープ４の
走行方向及び角度を規正するようになつている。
テープ４はできるだけテンシヨンを下げる必要が
あるから、テープガイドローラ７においては軸に
円筒を挿入し、この円筒がテープ４と共に運動し
て回転し、テープ４が著しい摩擦を受けないよう
になつている。

また、テープ４の下端は前記のように下シリン
ダ３の段の縁３によつて案内されるが、上端の位
置を規正するため、テープガイドローラ７におい
ては軸につば７′が設けられ、つば内面にテープ
上端が当つて走行するようになつている。

テープガイドローラ７において、回転する円筒
にふれがあるとテープ４の走行にムラを生じるの
で、数μ以下の回転精度とする必要がある。ま
た、円筒面に対し、つば７′の直角度が悪いと、
テープ４が走行した場合、上端の当りにムラがで
きるため規正が十分に行なわれないので、画質上
好ましくない。

第２図は従来のテープガイドローラーを示す。
ここで、８は軸であつて、樹脂製円筒９がそう入
され、円筒９の外面１０に磁気テープが接する。
円筒９はテープの走行に伴つてテープの走行速度
と同一の線速度を外面１０が有するように回転す
る。回転時の潤滑性は円筒９を樹脂で構成するこ
とによつて保たれている。さらに軸８の上端には
つば１１が圧入され、つば１１の下面１２に磁気
テープの上端が当つて、テープ位置が規正され
る。さらに軸８の下端にはつば１３が圧入され、
円筒１０がぬけ落ちないようになつている。また
軸８の下面にはねじ１４が設けられ、デツキに固
定される。

このような構成においては、円筒９が樹脂のた
め高精度に加工することが困難であり、軸８に接
する円筒９の内面１５と外面１０の同心度の狂
い、あるいは円筒９全体の真直度（曲り）の狂
い、内面１５、外面１０の真円度の狂い、などを
生じやすく、円筒９を高精度に回転させることが
困難であつた。また、つば１１は軸８に圧入され
ているため、下面１２と軸円筒面１６の直角度に
狂いを生じやすく、十分な磁気テープの上端の規
制が困難であつた。

本発明は以上のような欠点を解消し、高精度の
テープガイドローラを提供し、画質の良好なビデ
オテープレコーダを実現するものである。以下本
発明の一実施例を第３図に従つて説明する。図中
第２図と同一部分には同一符号を付して説明を略
す。

第２図において、１６はつば付きの軸であつ
て、軸１６の小径部の円筒面１７、及びつばの軸
小径側端面１８には固定潤滑材１９が固着されて
いる。固体潤滑材１９は四ふつ化エチレン樹脂
（PTFE）、ポリイミド樹脂、ポリエチレン樹脂等
を母体とし、機械的強度、あるいは潤滑性を向上
せしめるため、ガラス繊維、セラミツク粉、二硫
化モリブデン、酸化鉛、等を適宜充てんする。軸
１６と固体潤滑材１９は一体化する必要がある
が、これには軸１６をインサートした金型中で固
体潤滑材１９を成形するが、軸受のPV値および
設計寿命から摩耗量のわずかな場合は、固体潤滑
材１９粉末を噴射塗布して加熱することによつて
皮膜を作るようにしたり、あるいは固体潤滑材１
９の溶液を噴射し皮膜を作成する等の方法もとり
得る。

このようにして一体に成形した軸１６および固
体潤滑材１９を円筒研削し、固体潤滑材１９によ
つて形成されているつばの軸小径側端面２０、及
び小径部円筒面２１を仕上げる。端面２０、円筒
面２１はアンギユラカツト形の円筒研削等の手段
でチヤツキングを外すことなく同時に加工される
から、相互の直角度は確保できる。

さらに軸１６上には、金属より製作された筒２
２がそう入される。筒２２の材料としてはステン
レス鋼等が用いられ、従来例の樹脂と異り、粘弾
性的性質を有しないため剛性が高く、内面２３、
外面２４の同心度、及びそれぞれの真円度、円筒
度は高精度に確保される。同心の加工においては
外面２４をセンタレス研削後シユータイプ内面研
削盤によつて内面２３を加工する方法、あるいは
内面２３の研削後マンドレルを通して外面２４を
円筒研削する等の手段がある。このような構成に
よつて筒２２の回転精度は高精度となり、回転部
の潤滑性も固体潤滑材１９によつて従来のような
単なる樹脂を円筒構成材とするよりもより良好と
なる。

なお、以上はつばつき軸１６においてつばと軸
が一体に加工されている場合を示したが、固体潤
滑材１９の厚さが大で研削代の十分ある場合に
は、つばを軸に圧入する方式でもよく、つば端面
と軸の直角度に狂いがあつても固体潤滑材１９表
面を研削することによつて以上の狂いを修正でき
る。

以上のように本発明によるテープガイドローラ
ーは高精度のローラの回転によつてテープの安定
な走行が可能となり、かつ磁気テープ走行面と、
テープガイドローラーのつばとの直角度が確保さ
れているので、テープ上端の規制も正しく行なわ
れ、高精度な磁気テープの走行が可能となり、画
質の良好なビデオテープレコーダを得ることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図はビデオテープレコーダのシリンダ部の
構成を示す斜視図、第２図は従来のテープガイド
ローラーの断面図、第３図は本発明の一実施例に
おけるテープガイドローラーの断面図である。 １６……つば付き軸、１９……固体潤滑材、２
２……金属円筒。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ つばを有する軸を備え、上記つばの小径側端
   面、および小径部円筒面に固体潤滑材をコーテイ
   ングし、上記小径部円筒面に内面および外面の同
   心度の確保された金属筒を相互が滑動するように
   そう入し、上記金属筒外面および上記軸のつばの
   小径側端面に接して磁気テープが走行するように
   したテープガイドローラー。