JPS62201400A - 感度補償放射線像変換シ−ト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は放射線像変換シートに関し、更に詳細には感度
補償放射線像変換シートに関する。

〔従来の技術〕

放射線像変換シート（以下変換シートという）は、医療
診断を目的とするＸ線直接撮影、間接撮影、透視等の医
療用放射線撮影や物質の非破壊検査を目的とする工業用
放射線撮影などの種々の分野における放射線撮影におい
て、撮影系の感度を向上させるためにＸａ写真フィルム
（以下「フィルム」と略称する）に密着して使用される
か又はＸ線を可視光に変換したものを光学系を介してフ
ィルム撮影させるものであり、基本的には紙やプラスチ
ック等の支持体と該支持体の片面に設けられた螢光体層
とからなるものである。螢光体層は放射線励起によって
高輝度の発光を示す螢光体を結合剤樹脂中に分散したも
のから構成される。この螢光体層表面（即ち支持体側と
は反対の面）は一般に酢酸セルロース、セルロースアセ
テートフチレート、ポリメタクリレートまたはポリエチ
レンテレフタレート等からなる透明保護層により保護さ
れている。また、変換シートには支持体と螢光体層との
間に光反射層や光吸収層を設けたものもある。放射線撮
影を行なう際には、透明保護層を介して螢光体層とフィ
ルムとが対向する様に変換シートとフィルムとを密着さ
せる。一般に変換シートはフィルムの両面に密着配置さ
れ、この状態でカセツテと称する取枠内に保持し撮影が
行なわれる。

上述のように放射線像を画像として得るために銀塩感光
材料からなる乳剤層を有する放射線写真フィルムと変換
シートとを組合わせた方法は、放射線写真法といわれて
いる。それに対して近年銀資源の枯渇等の問題から銀塩
を使用しないで放射線像を画像化する方法が望まれるよ
うになった。

銀塩を使用しない放射線像変換方法の１つとして、輝尽
性螢光体く放射線を照射した後、可視光線および赤外線
から選ばれる電磁波で励起すると発光を示す螢光体、こ
こで放射線とはＸ線、α線、β線、Ｔ線、高エネルギー
中性子線、電子線、真空紫外線、紫外線等の電磁波ある
いは粒子線をいう。）からなる放射線像変換パネルを利
用するものがある（米国特許第３．８５９．５２７号）
。該方法は、被写体を透過した放射線を該パネルの輝尽
性螢光体に吸収せしめ、しかる後膣パネルを可視光線お
よび赤外線から選ばれる電磁波（以下「励起光」と称す
る）が走査し、輝尽性螢光体中に蓄積された放射線像を
輝尽発光として時系列化して取り出し、これを電気的に
処理して画像化するものである。

ところで、最近では胸部Ｘ線写真による肺ガン等の胸部
疾患の診断においては的確な診断のため肺野部のみなら
ず胸椎や心臓に重畳した気管や気管支の部分の観察をも
併せて行なう必要性が増している。ところが、従来の一
般の変換シートは感度が全面一様であり、同一条件でＸ
線照射を受けた時に螢光体層から発せられる螢光量が全
面においてほぼ一様となり、フィルムの感度もまた全面
一様であるため、この様な撮影系にて胸部の単純撮影や
断層撮影を行なった場合、１枚のＸ線写真により肺野部
と胸椎や心臓に重畳した気管や気管支の部分との同時観
察を行なうことは困難である。

即ち、胸部の各臓器に対するＸ線の透過率が大きく異な
るため、Ｘ線写真においては胸椎部、心臓部、肺野部の
順に黒化度が高くなり、写真の濃度域はかなり広い範囲
にわたっている。従って、肺野部の観察に適正な写真黒
化度が得られる様なＸ線露光条件で撮影を行なうと、胸
椎及び心臓でのｘｉ吸収のためにこれら臓器の部分の写
真黒化度が不足し、これら臓器に重畳した気管や気管支
が写らず、その観察が行なえない。逆に、気管や気管支
の観察に適正な写真黒化度が得られるＸ線露光条件で撮
影を行なうと、肺野部の写真黒化度が過多となり、その
観察が不可能となる。

このため、従来は肺野部と気管や気管支の部分とのそれ
ぞれについて適正な黒化度の写真が得られる様に肺野部
と気管や気管支とにそれぞれ最適なＸ線露光条件で複数
枚のＸ線写真を撮影するか、あるいは造影剤を用いた気
管支造影法を併用することにより、胸部Ｘ線写真を観察
して胸部疾患の診断をすることが行なわれていた。しか
しながら、複数枚のＸ線写真撮影を行なうことは患者に
対する被曝線量を多くすることになるので好ましくはな
く、また気管支造影Ｘ線撮影は患者に対して苦痛を強い
ることになり更に単純撮影に比べて数倍の時間と経費を
要するという問題がある。

この様な問題を解決するために、部分的に増感度の異な
る変換シート即ち感度補償変換シートを用いることがあ
る。従来、感度補償変換シートと゛しては、螢光体層の
厚さを部分的に変えて感度補償を行なうタイプのもの、
支持体と螢光体層との間に部分的に白色顔料等からなる
光反射層を設けその分の感度を向上させることにより感
度補償を行なうタイプのもの、発光輝度の異なる螢光体
を用いて感度補償を行なうタイプのもの、あるいは支持
体と螢光体層との間に部分的に黒色、青色または赤色等
の体色を有する着色剤からなる光吸収層を設けその部分
の感度を低下させることにより感度補償を行なうタイプ
のものが提案されている。

〔発明が解決しようとする問題点〕 しかしながら、これらのタイプの感度補償変換シートは
その製造技術上の問題から高感度部と低感度部との境界
線が明確になり易く、これを用いて撮影したＸ線写真に
おいては写真感度の急激に変化する境界線が現われ診断
に悪影響を及ぼし易い。また、これらのタイプの感度補
償変換シートは所望の仕様に合致したものを製造するの
が容易ではなく、更に１産において均質なものを多数製
造することも容易ではない。

そこでこれらの問題点を解決するために実公昭５５−１
０４２５号には支持体として台紙を用い、この台紙の印
刷等を行なうことにより感度を変える方式が提案されて
いる。しかし、このような一般に実施されているグラデ
ーション（ｇｒａｄａｔｉｏｎ濃淡ぼかし）方式の印刷
を台紙に施しても、台紙の印刷が行なわれないところと
印刷を開始したところとの境界が明瞭に写りこんでしま
い、臨床的に不都合であった。このため更に特開昭５８
−１６１９００号にて感度を異にする領域間の境界がは
っきり現われる不都合を除去するための方法が提案され
ている。しかるに該方法では最高２倍の感度比迄しか補
償が出来ず、又印刷を行なうにしても２度以上行なう必
要もあり、且つインクの配色、印刷位置などに種々の問
題があった。

そこで本発明は、以上の如き従来技術に鑑み、所望の感
度補償が容易に得られる感度補償変換シートを提供する
ことを目的とするものであり、更に均質な感度補償変換
シートを量産することを目的とするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

すなわち本発明は補償パターンを印刷した基板上に該補
償パターン印刷用インクを溶解する溶剤と保護層用樹脂
とを含む塗布液を適用して該インクを溶解するとともに
形成した保護層、該保護層上の螢光体層および該螢光体
層上の支持体層から構成される、保護層の光透過率を部
分的に変化させ、かつ補償パターン印刷の網点及び印刷
部分と未印刷部分の境界線をボカした感度補償放射線像
変換シートに関するものである。

以下本発明を詳説する。

本発明に用いられる「基板」としては、ガラス板、金属
板およびインクや保護層用樹脂液中の溶剤に侵されない
プラスチックシート等を挙げることができる。これら基
板は通常その表面が平滑なものであることが好ましい。

但し、所望により適度な凹凸（約２０μ以下）を持たせ
ることもできる。

保護層形成用塗布液は、樹脂を溶剤に溶解したものであ
る。ここで用いる樹脂としてはセルロースアセテートブ
チレート、酢酸セルロース、ポリビニルブチラール、塩
ビ酢ピコポリマー、ポリメチルメタクリレート、ポリウ
レタン等を挙げることができる。又、溶剤は上記樹脂及
び後述する補償パターン印刷用インクを溶解するもので
あって、つぎのような性能をもつことが好ましい。

（ａ）　　インクの成分である樹脂に対して適正な溶解
力、又は希釈力があり、所望の蒸発速度を有する。

ら）　インクに用いられている着色剤（染料、顔料）に
対して、結晶転移（色相変化、着色力低下）、凝集（ソ
ルベントショック、色わかれ、沈降、着色力低下）など
の悪影響を与えない。

そのような溶剤の例として、脂肪族炭化水素類（ミネラ
ルスピリット、石油ナフサ等）、芳香族炭化水素類（ト
ルエン、キシレン等）、アルコール類（エチルアルコー
ル、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等）、
ケトン類（アセトン、シイツブデルケトン、ジエチルケ
トン、メチルエチルケトン等）、エステル類（酢酸エス
テル、醋酸エステル等）、エーテル類（イソプロピルエ
ーテル、エチルエーテル、シエチルセロソルフ等）等を
挙げることができる。一般に“似たもの同志はよく溶け
る”という経験則もあるように、それぞれの樹脂の溶解
性パラメーターの値に近い溶解性パラメーター値をもつ
溶剤を選択することが好ましい。

上記保護層形成用塗布液を用いて形成される保護層の厚
さは、通常約３〜３０μであることが好ましい。

次に本発明に用いる「補償パターン印刷用インク」は前
記保護層形成用樹脂液を構成する溶剤に溶解するもので
あれば、市販の印刷インクをそのまま使用することがで
きる。特に蒸発乾燥型インクであることが好ましい。そ
のような印刷インクに用いられる樹脂の例としては天然
樹脂として、ロジン、七ラック、コーパル、タンフル、
ギルツナイト等、これらの誘導体として硬化ロジン、マ
レイン酸樹脂、フマル酸樹脂等、更には合成樹脂として
、フェノール樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂、石油樹
脂、テルペン樹脂、塩化ゴム、アルキッド樹脂、ポリア
ミド樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニール樹脂、塩化ビニ
ル・酢酸ビニル共重合樹脂、ポリビニルブチラール、ス
チレン樹脂、セルロースｍ導体としてニトロセルロース
、アセチルセルロース、セルロースアセテートブチレー
ト等挙げることができる。特に保護層への拡散性等を考
慮すると保護層を構成している樹脂と同系列の樹脂を用
いたインクを用いることが好ましい。

印刷インクの着色剤としては油溶染料、分散染料、有機
顔料、無機顔料等のインクビヒクルに溶解あるいは分散
するものであればいずれのものも使用できる。ただし感
度比を大きく取るためには例えばＣａＷＯｎ　を螢光体
とする場合４２０μｍ付近に吸収をもつ黄色系統の着色
剤が好ましく、ＧｄＪ。Ｓ：Ｔｂを螢光体とする場合５
５０μｍ付近に吸収をもつ赤色系統の着色剤を用いるこ
とが好ましい。

尚、本発明における「補償パターン」については特に制
限はな〈従来から公知のパターンをその用途に応じて適
宜選択することができる。

螢光体層の「螢光体」としては一般の変換シートに用い
られる螢光体をそのまま用いることができる。例えば、
放射線写真法に一般に使用されているＣａＷＯｎ、Ｂａ
５Ｏ＊：Ｐｂ、　（Ｃｄ、　Ｚｎ）　Ｓ　：　Ａｇ、　
Ｇｄ２（１２ｓ：Ｔ’ｂ。

Ｌａ２Ｏ２Ｓ：Ｔｂ等が挙げられる。銀塩を使用しない
放射線像変換方法の１つとして使用される輝尽性螢光体
としては、例えばＳｒＳ　：Ｃｅ、　Ｓｍ、　ＳｒＳ　
：Ｂｕ。

Ｓｍ、　　（Ｂａ、　Ｍｇ、　Ｃａ）　Ｆα：Ｂｕ等が
挙げられる。又、これらの螢光体は好ましくは約１〜３
０μの微粒子として使用される。

螢光体層形成用塗布液は上記螢光体と溶剤さらに樹脂か
ら構成される。ここで使用される樹脂は例ｔ　＋ｆ　硝
酸セルロース、酢酸セルロース、エチルセルロース、ポ
リビニルブチラール、塩ビ酢ピコポリマー、ポリカーボ
ネート、ポリメチルメタクリレート、ポリウレタン重合
体等を挙げることができる。又溶剤は上記樹脂を溶解す
るものであれば特に制限はない。

上記螢光体層形成用塗布液を用いて形成される螢光体層
の厚さは、通常約１００〜３００μである。尚前記螢光
体と樹脂（固型分）との重量比率は螢光体１００重量部
に対して樹脂２〜２０重量都の範囲とすることが好まし
い。

本発明に用いられる「支持体」は任意の適当な材料が用
いられる。例えば、紙、ポリエチレン被覆紙のような重
合体被覆紙、アルミニウム箔のような金属箔あるいは箔
−紙のラミネート紙、又は各種プラスチックフィルムと
して酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酢酸醋
酸セルロース、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレー
ト、塩ビ酢ピコポリマー、ポリエチレンテレフタレート
等から形成されたフィルム及びガラス板等を挙げること
ができる。

支持体の厚みは紙の場合には、約３００〜４００μ、プ
ラスチックフィルムの場合には約１００〜３００μが一
般的であり、これらは用途によって材質、膜厚を適宜選
択することができる。

次に本発明の放射線像変換シートの製造方法について説
明する。

基板上に適当な色彩のインクを用いて補償パターンを印
刷し、次いでインクを乾燥させる。さらにパターンを印
刷した該基板上に保護層用樹脂液をロールコータ−、ナ
イフコーター等の塗布機を用いて塗布し、乾燥させる。

この際基板上に印刷されたインクは上記樹脂液に含まれ
る補償パターン印刷用インクを溶解する溶剤によって溶
解され、かつ該樹脂液中に拡散し、最終的に層を形成す
る。

その結果印刷パターンの周辺がぼけた状態で部分的に着
色された保護層が形成される。次いでその上に螢光体層
形成用塗布液を所定量ロールコータ−、ナイフコーター
等の塗布機を用いて塗布し乾燥させる。このようにして
得られた螢光体層上に紙又はプラスチック等の支持体を
貼り合せて本発明の放射線像変換シートを得ることがで
きる。

また別の方法として、支持体層上にロールコータ−、ナ
イフコーター等の塗布機を用いて螢光体層形成用塗布液
を塗布し乾燥して螢光体層を形成する。次いで該螢光体
層上に前記と同様にして得た印刷パターンの周辺のぼけ
た状態で部分的に着色された保護層を貼り合せて本発明
の放射線像変換シートを（辱ることができる。

尚、基板上に形成された保護層を基板から剥離する時期
は適宜選択することができる。例えば保護層上に螢光体
層を形成する前でもよく、また保護層上に螢光体層及び
支持体層を形成した後でもよい。

〔実施例〕

以下本発明を実施例によりさらに説明する。

実施例１ 表面が平滑な厚さ２５０μのポリエチレンテレフタレー
トフィルム上に長さ３９ｃｍ、巾３　ａｍ、内３　ｃｍ
を網点サイズ６０線で、１００％〜０％のグラデーショ
ンした３００メツシユのシルクスクリーン版を使い、下
の配合インクを印刷した。次いでその上に下の配合保護
層樹脂液をナイフコーターにて塗布、乾燥した。次いで
その上に下の配合螢光体塗布液をナイフコーターにて塗
布、乾燥したのち、支持板より剥離し螢光体塗布重量５
０ｍｇンｃｒｌの螢光体シートを形成した。さらに該シ
ートをＰＥＴ２４０μ厚ベース上に熱プレス接着して本
発明の感度補償放射線像変換シートを得た。該シートに
ついてＸ線フィルム濃度曲線を求めた（第１図）。第１
図はグラデーション部がなめらかな曲線であり網点がボ
ケで平坦になったことを示している。

〔インク配合〕

酢酸綿　　　　　　　　　　　　　１２ｇＤＯＰ　　　
　　　　　　　　　　　　１ｇアセトン　　　　　　　
　　　　　８７ｇ顔料　ベンチジンエロー　　　　　０
．３ｇ〔保護層用樹脂液〕 酢酸綿　　　　　　　　　　　　　１２ｇＤＯＰ　　　
　　　　　　　　　　　　１ｇアセトン　　　　　　　
　　　　　８７ｇ〔螢光体塗布液配合〕 ＣａＷＬ　　　　　　　　　　　　　　１００　ｇ硝化
綿　　　　　　　　　　　　　　７ｇＤＯＰ　　　　　
　　　　　　　　　　３ｇ酢酸ブチル　　　　　　　　
　　　９０ｇ比較例１ 保護層用樹脂液に溶解しない下の配合のインクを用いた
他は実施例１と同様にして変換シートを得た。該シート
についてＸ線フィルム濃度曲線を求めたく第２図）。第
２図はグラデーション部がジグザグ状となり、写真上に
も網点がでていることを示している。

〔インク配合〕

ウレタン樹脂 ニラポラン５１２０　　　　　　　　２０ｇコロネー）
ＨＬ　　　　　　　　　　　　　２ｇ日本ポリウレタン
■製 ＭＥＫ　　　　　　　　　　　　　　　　７０ｇ顔料　
ペンチジンエロー　　　　　　０．３　ｇ〔発明の効果
〕 本発明の感度補償放射線像変換シートはグラデーション
部分の光透過率の変化がなめらかであり、かつ感度比も
比較的広範囲にとれる実用上極めて有効なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の放射線像変換シートについて求めたＸ
線フィルム濃度曲線であり、第２図は本発明以外の放射
線像変換シートについて求めたＸ線フィルム濃度曲線で
ある。 第１図 第２図 手続補正書 １□　、４６１・青・１９ヨ 特許庁長官　　宇　賀　道　部　　殿 ２、発明の名称　　　　感度補償放射線像変換シート３
、補正をする者 事件との関係　　出願人 名　称　　　化成オプトニクス株式会社４、代理人

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 補償パターンを印刷した基板上に該補償パターン印刷用
   インクを溶解する溶剤と保護層用樹脂とを含む塗布液を
   適用して該インクを溶解するとともに形成した保護層、
   該保護層上の螢光体層および該螢光体層上の支持体層か
   ら構成される、保護層の光透過率を部分的に変化させ、
   かつ補償パターン印刷の網点及び印刷部分と未印刷部分
   の境界線をボカした感度補償放射線像変換シート。