JPS6219783Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、天井面または壁面の裏側に配設さ
れた電気配線や各種の配管を点検するために天井
面または壁面に設けられる点検口に関する。

ビル等の天井裏に収められている配管、配線等
を点検するための開口部を形成する天井点検口に
は、大別すると、天井部開口に蓋体を直接装着す
るいわゆる目地タイプと称するものと、天井部開
口に固着される外枠の内部に内枠を装着して形成
される額縁タイプの二通りの種類が存在する。上
記目地タイプは、蓋体表面を天井面と同一の材質
で形成したり、あるいは同一の意匠を施すことに
より周囲の天井面との意匠的調和がとりやすいと
いう利点を有する反面、天井面の開口角部等が破
損しやすいなどの欠点を有するものであつた。し
たがつて、外枠のフランジにより天井面の開口角
部あるいは蓋体の端部を保護でき、かつ天井板の
板厚や材質に関係なく設置することができる額縁
タイプが近年、天井点検口の主流となつている。

しかし、この額縁タイプの天井点検口にあつて
は、上記フランジがステンレスあるいはアルミ材
等の構造材で形成されるので、表面処理により意
匠に多彩なバリエーシヨンを持たせることが困難
であり、多彩な天井面の意匠に対応できず、周囲
の天井面との意匠的調和がとりにくいという欠点
を有するものであつた。また、フランジが天井板
の材質と異なり、さらに天井点検口としての性質
上手を触れる頻度も天井板に比してはるかに高い
ことなどから、フランジ部のみ退色してくすみ、
全体的に老朽化した印象を与えるという欠点も指
摘されるに至つている。

以上のような状況の下で、上述した額縁タイプ
の天井点検口が有する固有の欠点を解消し、目地
タイプの天井点検口が有する利点を最大限発揮さ
せる方策が望まれていた。

一方、近年ビルの天井裏には空調、照明、防
災、給排水等の各種の設備機器類およびこれらの
配管、配線等が設置されるようになつたことに伴
ない、一棟当りに相当数の天井点検口が使用され
るに至つている。これら複数の天井点検口は、工
場により規格化されたものを使用するために外観
上は全て同一であるが、他面、各々の天井点検口
は、例えば空調機器の点検用として設置された
り、あるいは、その配管の点検用として設置され
る等、その用途を異にして設置されるものであ
る。したがつて各々の天井点検口をその用途によ
つて識別することは、点検作業の効率を高める上
で重要である。

しかし、上述したように、天井点検口に周囲の
天井面との意匠的調和を保ちつつ識別手段を持た
せることは、部品の共通化の要求に逆行し工場生
産に向きにくいという問題点を有するものであつ
た。

以上のような状況の下で、大量生産に向き、か
つ設置される天井面の意匠を考慮した上での識別
手段を有する天井点検口が望まれていた。

本考案は、以上述べたように、従来多用されて
いる額縁タイプの天井点検口に必須であるフラン
ジの有する外観上の否定的な作用を消し去るとと
もに、加えて該フランジに天井点検口の識別手段
を付加させ得るようにした天井点検口を提供する
ことを目的とする。

以下、この考案の実施例を添付図面に基づいて
説明する。

第１図に示す天井点検口は、四本の枠部材で方
形状に枠組され天井板１の開口部に取り付けられ
た外枠２と、四本の枠部材で方形状に枠組されヒ
ンジピン（図示していない）で外枠２の内側に軸
着された内枠３とで構成され、内枠３内には蓋板
４が取り付けられている。

また、上記点検口枠２，３を構成する枠部材の
天井面にあらわれる端部にはフランジが設けら
れ、各フランジの表面には図のような適宜の模様
を有するシート５が装着されている。

このシート５は、第２図に示すように、外枠２
の外方に突出したフランジ６および内枠３の内方
に突出したフランジ７の表面部に形成されたの凹
溝１１に着脱可能に装着されるものであり、その
材料としては、上記凹溝内に弾発的に嵌合するこ
とができるような剛性を有する材料、すなわちプ
ラスチツク板あるいは金属板が用いられる。そし
て上記シート５にはその一方の表面に適宜の模様
ないし色彩が施されるが、上記シート５に金属薄
板を使用する場合には、エツチングを用いても良
い。これらの模様や色彩は、天井面の模様や色彩
と調和するようなものが選定される。例えば、シ
ート５が天井面の模様ないし色彩と同一または類
似の模様ないし色彩を有する場合には、点検口枠
の端部を目立たなくすることができ、また、シー
ト５が天井面の模様または色彩と異なる模様また
は色彩を有する場合には、天井点検口とその周囲
との境界を明瞭にして見切効果を向上させること
ができる。さらに、天井点検口の用途によつてシ
ート５の模様または色彩を統一する場合には、天
井点検口を見ただけで、天井点検口の用途を識別
することができる。

尚、第２図においては、凹溝１１を蟻溝とした
ものを示したが、第３図に示すように凹溝１１の
両側を凹曲面に形成しても良く、また必要に応じ
接着剤を併用しても良い。

以上の各実施例は、シート５の表面に図のよう
な平面模様を施したものであるが、天井板１およ
び蓋板４が凹凸模様、例えば第４図および第５図
に示すように天井板１および蓋板４の下面に多数
の凹部１０を規則的に配置して形成した模様を有
する場合には、これと同一形状の凹部１０をシー
ト５に形成することにより、点検口枠のフランジ
６，７の表面と天井面との調和を図ることができ
る。

本考案は、以上説明したように、外枠および内
枠のフランジにシートを装着することにより、フ
ランジの地金部分がそのまま天井面に露出するこ
とがないので、周囲の天井面との意匠的な調和を
とることができる。また、上記フランジに装着す
るシートに施される色彩又は模様等を天井点検口
の用途によつて異ならせることにより天井点検口
に用途を表示する識別機能をもたせることがで
き、点検作業の能率を向上させることができる。
さらに、内枠及び外枠のフランジに形成した凹溝
を蟻溝状とするとともに、この蟻溝状の凹溝にシ
ートを着脱可能に装着するようにしたので、シー
トの退色等に対して、枠組を外すことなくシート
の交換を行うことができる上に、製品の装飾的価
値を左右するシートを天井点検口の最終製品工程
において装着することができるので、製造時にお
ける打痕、傷等の発生を防止することができ、か
つ工場における少品種多量生産の体制を保つたま
まで、天井点検口に様々の意匠的バリエーシヨン
を持たせることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案の一実施例に係る点検口を
配設した天井面の一部を示す。第２図は第１図の
線−に沿う断面図。第３図は、凹溝の変形例
を示す断面図。第４図は凹部を有するシートを付
着せしめた実施例の断面図。第５図は第４図の点
検口を配設した天井面の一部を示す平面図であ
る。 １……天井板、２……外枠、３……内枠、４…
…蓋板、５……シート、６……外枠フランジ、７
……内枠フランジ、１１……凹溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 四本の枠部材で方形状に枠組みされ天井板の開
   口部に固着される外枠と、該外枠の内側に装着さ
   れる方形枠体状の内枠と、該内枠内に取り付けら
   れる蓋体とを有するとともに、上記外枠および内
   枠の天井面にあらわれる端部にフランジを形成し
   てなる天井点検口において、上記両フランジの表
   面部に蟻溝状の凹溝を形成するとともに、該フラ
   ンジの凹溝に適宜の模様または色彩を有し、プラ
   スチツク板あるいは金属薄板からなるシートを弾
   発的に着脱可能に装着してなることを特徴とする
   天井点検口。