JPS6219660B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は明るい可視光線を含む輻射熱を放出す
る高温輻射ヒータを用いた電気ストーブに関す
る。

従来の技術 第１の従来例（特開昭58−142128号公報）を第
４図に示す。第４図において、１は本体、２は反
射板、３はランプヒータ、４は赤外線を透過する
材料、たとえば耐熱ガラスから成る透光板で、そ
の前面はたとえば四角錘状をなす凹凸状に形成さ
れている。

そして、ランプヒータ３に通電するとその熱線
は透光板４中を透過した後、凹凸状をなす透光板
４の前面で屈折されて室内に拡散放射され、した
がつてランプヒータ３を目視した場合でも目に与
える刺激は緩和されるという作用をする。

また、透光板４によつてランプヒータ３が覆わ
れているので、指や可燃物が直接ランプヒータ３
に触れることがなく安全であること、凹凸状をな
す透光板４の前面で光が拡散放射され、斜めから
見たときも透光板４の全面が輝き、美しく見える
ともに暖かいという効果が期待できる。

また第２の従来例として、実開昭56−15590号
公報に示されるようなものがある。

すなわち、第５図に示すように横長のヒータ１
１の背面に反射板１２、そして前面に赤外線を反
射する四角形のセル状構造体１３をそれぞれ設
け、ヒータ１１からの赤外線をセル状構造体１３
の四角形の反射板により反射しながら通過させる
ものがあつた。

さらに第３の従来例として、実開昭49−21959
号公報に示されるようなものもある。すなわち、
第６図に示すように横長のヒータ２２の背面に反
射板２３、そして前面にメタルラス製の菱形の孔
をもつ保護網２４をそれぞれ設け、ヒータ２２か
らの熱線を保護網２４の孔の内側面で反射し、採
暖方向へ放射させるものであつた。

発明が解決しようとする問題点 ところが、前記第４図に示す第１の従来例の場
合、現在はこのような構成で用いる透光板に適し
た材料がないという問題がある。すなわち、耐熱
ガラスは一般に波長が２，７μ以上の赤外線の透
過率が悪いため電気ストーブの暖かさが減少して
しまうのである。

次に第５図に示す第２の従来例の場合、ヒータ
１１から出た赤外線は確かにセル状構造体１３に
より反射されることとなり、暖かさをあまり減少
させるものではないが、セル状構造物１３の上面
に当たつたものは下方へ、下面に当たつたものは
上方へと互いに反対方向に反射されるだけで、本
質的に輻射の分布を変化させるものとはなつてお
らず、また反射面が４面であることからきらめき
が少なく、また透視するヒータの形状がはつきり
見え、全面が明るいヒータ部とすることができな
いので暖かさの視覚効果があまり得られなかつ
た。さらに四角形状のセル構造物１３は斜め方向
からの力に弱く、不用意に触れたときに変形して
不体裁となる問題がある。

第６図に示す第３の従来例の場合、ヒータ２２
から出た赤外線は保護網２４の孔の内側面で反射
され、赤外線の輻射分布は改善されるものである
が、メタルラス製であることから、孔の内側面で
きらめきある反射が得られなく、また暖かさの視
覚効果があまり得られなかつた。

本発明はこのような従来の問題点を解消するも
のであり、暖かさを減少させることなく、不必要
な暖かさの分布を防止し、面状に輝く美しい電気
ストーブを提供するものである。

問題点を解決するための手段 本発明の電気ストーブは、直管でかつ明るい可
視光線を含む輻射熱を放射する高温輻射ヒータ
と、その後方の反射板と、前記ヒータの前方にそ
のヒータを覆うように設けられたアルミ製ハニカ
ム部材とを備え、前記ヒータの輻射熱が前記ハニ
カム部材の各セル部の６つの壁面に反射しながら
セル空間を通過する構成としたものである。

作 用 本発明の電気ストーブは、上記の構成であるか
ら、直管型の高温輻射ヒータから放出される明る
い可視光線と赤外線を含む全エネルギーはハニカ
ム部材を通過し、その通過時に各セル部の６つの
壁面での反射により全方向に美しく輝き六角セル
を通して見る高温輻射ヒータの形状がぼやけて見
え、したがつて熱源部が面状に明るく見え、視覚
的暖房効果を上げる。

さらに各セル部６つの壁面、すなわち、光軸に
対して傾斜した壁面の反射により熱線の分布が変
化することとなる。

実施例 以下、本発明の一実施例の電気ストーブを図面
を参照して説明する。第１図および第２図におい
て、５は本体、６は反射板、７は明るい可視光線
と赤外線を放出する直管型の高温輻射ヒータ、８
は高温輻射ヒータ７を覆うようにヒータ７の前方
に設けられたアルミ製ハニカム部材である。

第３図にアルミ製ハニカム部材８の詳細を示
す。アルミ製ハニカム部材８は、薄いアルミ箔８
ａを多数はり合せ六角形のセル８ｂを多数形成し
たもので、その６つの壁面は光を受けて輝くよう
になつている。図中のｂはセル寸法、ｔはハニカ
ム部材の厚さであり、本実施例では、セル寸法ｂ
は約３mm、ハニカム部材の厚さｔ＝５mm、そして
アルミ箔８ａの厚さは約30μｍである。

また本実施例の高温輻射ヒータ７にはヒータ線
にタングステン合金を用い、外管に石英管を用
い、その内部に不活性ガスを封入し、ヒータ線温
度を1000℃〜1500℃にしたランプヒータが用いら
れている。したがつて、一般の大気雰囲気で用い
られる電熱線ヒータに比べて明るい光を出す。

本実施例は上記の構成であるから、高温輻射ヒ
ータ７から放出された明るい可視光線を含む赤外
線は、その一部はアルミ製ハニカム部材８のセル
８ｂを直進し、一部はセル８ｂの６つの壁面で反
射しながらセル８ｂを通過する。したがつて高温
輻射ヒータ７の前面に設けられたアルミ製ハニカ
ム部材８は全方向に美しく輝き、暖かい感覚を与
える。

またアルミ製ハニカム部材８の六角形のセル８
ｂを通して見る高温輻射ヒータ７はその形状が四
角セルの場合よりぼやけて見え、したがつて熱源
部が全面的に明るく、この点からも視覚的暖房効
果が向上する。さらに六角形のセル８ｂは斜方向
からの力を受けても変形しにくく、したがつてア
ルミ製ハニカム部材８の強度が大きくなる。

前記高温輻射ヒータ７は直管であるため、ハニ
カム部材８がない場合、可視光や熱線は高温輻射
ヒータ７の長手方向に不必要に広く放射される
が、ハニカム部材８はその六角形のセル８ｂの少
なくとも２つの面が前記長手方向の軸に対して傾
斜した関係をもち、長手方向の放射を抑制し、直
管型の高温輻射ヒータの方向性にとらわれない採
暖範囲を作り出すことができる。

さらに、ハニカム部材８がヒータ７のガードの
役目をし、人の指や可燃物がヒータ７に接触する
ことを防ぎ、また従来例の透光板４のような熱線
が透過する物体がないから、透過率が悪いために
生ずるエネルギーの減少もない。

発明の効果 本発明によつて次の効果を得ることができる。

(1) 高温輻射ヒータから放射される明るい可視光
によりアルミ製ハニカム部材の全面が美しく輝
き、また、高温輻射ヒータの形状がぼけて全面
あかるい熱源部を呈し、インテリア性を向上さ
せ、暖感覚を増す。

(2) 直管型の高温輻射ヒータの長手方向の不要な
輻射熱を防ぎ、直管型の高温輻射ヒータの方向
にとらわれない採暖範囲を作りだせる。

(3) アルミ製ハニカム部材は斜め方向の力にも強
く、強度が大きいことから変形等により不体裁
になりにくい。

(4) アルミ製ハニカム部材が高温輻射ヒータをガ
ードし、人の指や可燃物がヒータに直ちに接触
することを防止するので安全性が高い。

(5) 透過する物体がないから、透過率に起因する
エネルギーの減少がない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の電気ストーブの一
部切断正面図、第２図は第１図の平面断面図、第
３図はアルミ製ハニカム部材の詳細斜視図、第４
図、第５図、第６図はそれぞれ従来の電気ストー
ブの正面図である。 ６……反射板、７……高温輻射ヒータ、８……
アルミ製ハニカム部材、８ｂ……セル（部）。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 直管型で、かつ明かるい可視光を含む輻射熱
   を放射する高温輻射ヒータと、その後方に設けた
   反射板と、前記高温輻射ヒータの前方にその高温
   輻射ヒータを覆うように設けたアルミ製のハニカ
   ム部材とを備え、前記ハニカム部材は光を受けて
   輝く六つの壁面をもつ多数のセル部を有し、高温
   輻射ヒータの可視光を含む輻射熱が、前記ハニカ
   ム部材のセル部の壁面に反射しながらセル部空間
   を通過する構成の電気ストーブ。