JPS6219302Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、容器内の水を加熱して湯を沸す電気
湯沸し器において、外装部品を構成する注口と表
示板の取付装置に関するものである。

従来例の構成とその問題点 従来のこの種の電気湯沸し器は第１図〜第４図
に示すように構成されている。すなわち、図にお
いて、１は筒状の容器外胴で、その前面には導水
管２を有する表示板３を固定している。また容器
外胴１の上端開口部には注口４を固定し、かつ下
端には底板５を一体に装着している。６は注口４
に回動自在に取付けられた把手である。７は注口
４を開閉自在に被覆した上蓋で、この上蓋７は背
部７ａを支点とし、前面に設けたロツクつまみ８
を操作することにより、つまみ下部嘴部８ａが注
口溝部４ａに係止されて固定される。また上蓋７
には、容器９内の液体を外部へ吐出させるために
空気を容器９内へ圧送するポンプ（図示せず）を
内装している。

１０は容器９の上端開口部を閉塞する中蓋で、
この中蓋１０は容器９の内部と本体外部を連通さ
せる吐出パイプ１１を有している。１２は中蓋１
０と容器９の上端開口部を密閉をよくするために
設けた防水パツキングである。

また容器外胴１内に装備された有底の容器９
は、上端にフランジ部９ａを有し、容器パツキン
グ１３を介して注口４に支持されており、かつ底
部には容器取付金具１４を有し、この取付金具１
４をねじ等で底板５に固定することにより、容器
外胴１を注口４と底板５で挾持している。１５は
加熱用のヒーターで、このヒーター１５はサーモ
スタツト（図示せず）によりON−OFF制御され
る。

この場合、注口４と表示板３の関係は、第４図
に示すように、注口４の先端を表示板３にただ載
置しただけの構成であるため、上蓋７をセツト状
態で使用していくと、熱によつて注口４の先端が
上方へ変形していき、その結果、表示板３と注口
４の間１６に隙間が発生してくる。そして時間の
経過と共にその隙間は大きくなつてくる。また、
この傾向は、前記上蓋７のロツクつまみ８の下部
嘴部８ａによつて注口４の先端近傍が上方に引つ
ばられていることによつてより大きくなつてき
て、そして、これによつて中蓋１０が浮きあが
り、その結果、気密性が低下し、出湯量が低下す
るという問題があつた。このため、器体の外観正
面部において、非常に見苦しい状態となり、商品
価値を著しく低下させていた。

この対策として、注口４の先端と表示板３とを
ねじ等で固定することが考えられたが、この場合
は作業上、負担が大きくなつたり、ねじ頭を隠し
て外観上の対策をとる必要があり、したがつてそ
の構成が複雑になつてコストアツプになる等多く
の問題があつた。

考案の目的 本考案は上記従来の問題点を解消するもので、
簡単な構成にして、注口と表示板の間に隙間が発
生しない注口と表示板の取付装置を提供すること
を目的とするものである。

考案の構成 上記目的を達成するために本考案は、液体を収
容する有底筒状の容器と、この容器内に収容され
た液体を加熱する加熱装置と、前記容器の外周を
覆い、かつ上部の注口と下部の底板とにより挾持
された容器外胴と、この容器外胴に固定された表
示板とを備え、前記注口の先端部に鉤状の爪部を
設け、かつ表示板には前記鉤状の爪部が係合する
引掛部を設けたもので、この構成によれば、鉤状
の爪部と引掛部が係合するため、注口の先端部と
表示板との間の隙間の発生を確実に防ぐことがで
きるものである。

実施例の説明 以下、本考案の一実施例を第５図にもとづいて
説明する。この第５図において、４は注口で、こ
の注口４の先端下部には鉤状の爪部４ｂが設けら
れている。一方、容器外胴１には、前記爪部４ｂ
と対応した位置に設けられ、かつ爪部４ｂと係合
する引掛部３ａを有する表示板３を固定してい
る。

前記注口４と、容器外胴１を組み立てる場合
は、第３図に示す従来例と同様に、容器９のフラ
ンジ部９ａを容器パツキング１３を介して注口４
のフランジ４ｃ上に載置するように組み合わせ、
その後、第５図に示すように、前記注口４の爪部
４ｂの先端鉤部を、表示板３の引掛部３ａに引掛
けて注口４を容器外胴１にセツトする。その後、
第３図に示す従来例と同様に、容器９の底部の容
器取付金具１４をねじ（図示せず）で底板５に固
定し、容器外胴１を注口４と底板５で挾持してい
る。これによつて、加熱時に矢印方向に変形しよ
うとする注口４の動きを規制するとともに、表示
板３側に常に付勢されるため、注口４と表示板３
との間に隙間が発生することはない。

考案の効果 以上のように本考案によれば、注口の先端部に
設けた鉤状の爪部を表示板の引掛部に係合させて
注口の動きを規制するようにしているため、注口
と表示板との間に隙間が発生することはなくな
り、この結果、極めて簡単な構成にして、コスト
的にも安価にして得られ、かつ外観品位の優れた
出湯量の低下のない電気湯沸し器を提供すること
ができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の電気湯沸し器の斜視図、第２図
は同湯沸し器の上蓋の斜視図、第３図は同湯沸し
器の一部断面側面図、第４図は同要部の組立斜視
図、第５図は本考案の一実施例を示す電気湯沸し
器の要部組立斜視図である。 １……容器外胴、３……表示板、３ａ……引掛
部、４……注口、４ａ……鉤状の爪部、５……底
板、９……容器、１５……ヒーター。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 液体を収容する有底筒状の容器と、この容器内
   に収容された液体を加熱する加熱装置と、前記容
   器の外周を覆い、かつ上部の注口と下部の底板と
   により挾持された容器外胴と、この容器外胴に固
   定された表示板とを備え、前記注口の先端部に鉤
   状の爪部を設け、かつ表示板には前記鉤状の爪部
   が係合する引掛部を設けてなる電気湯沸し器の表
   示板と注口の取付装置。