JPS6219126Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、例えば耕耘作業と同時に防除作業、
施肥作業又は播種作業等を複合的に行なうための
作業機器を搭載可能にしたロータリ作業機に関す
る。

従来、耕耘作業と防除、施肥又は播種作業とを
同時に行なう場合、夫々独立して使用可能な作業
機器として製作し、ロータリ作業機に各作業機器
を連結して複合作業を行なつている。

このように各作業機器をロータリ作業機とは別
個に形成すると、その作業機器の製作費が高くな
るばかりか、トラクタから直接又はロータリ作業
機を介して動力伝達するための構成が複雑にな
り、また、耕耘作業と時間的に略同時に行なわね
ばならない作業では、作業機器の構造に無理が生
じたりすることがある。

この問題点は、２種の作業機器をロータリ作業
機上に搭載することによつて解決するが、一方の
作業機器がロータリ耕耘の伝動ケースから巻掛伝
動手段を介して動力を得るものである場合、２種
の作業機器を単一の支持体の同一平面上に設ける
と巻掛伝動手段の張力調整が困難であり、また、
別個の支持体に取付けると、部品点数が多くなり
且つ取付け位置関係が複雑になる等の新しい問題
が発生する。

本考案は、このような種々の問題点を総て解決
したものであり、その特徴とするところは、伝動
ケース１６の両側の円筒状支持アーム１７から１
対の支持体３６，３７を立設して１対の作業機器
１２，３８を支持し、前記伝動ケース１６に動力
取出装置３１を設け、この動力取出装置３１と第
２作業機器３８との間に巻掛伝動手段を設けたロ
ータリ作業機において、 前記支持体３７は第２作業機器３８を単独で支
持する搭載部３７ｂと、この搭載部３７ｂから上
方へ延設されて支持体３６と協働で第１作業機器
１２を支持する延長部とを有し、且つ支持体３７
は巻掛伝動手段の張力を調整可能にすべく支持ア
ーム１７に対してその周囲方向に位置調整自在に
取付けられている点にある。

尚、本考案における作業機器とは、防除作業
機、施肥作業機又は播種作業機等の１つの完全な
作業をする機器を意味するだけでなく、例えば、
防除作業機における薬液貯蔵用のタンク、散布用
ポンプ、施肥機における肥料用タンクと送風機等
の夫々についても意味する。

また、本考案における動力取出装置は、伝動ケ
ース内部に設けて伝動ケースから動力取出軸を突
出したもの、伝動ケースの側部に設けたもの等を
含む。

以下、本考案の実施例を図面に基いて説明す
る。

第１図乃至第４図において、Ｔは農用トラクタ
で、その車体１の後上部には左右１対のリフトア
ーム２を有する作業機昇降用油圧装置３を搭載し
ている。４は後輪、５はフエンダ、６は座席であ
る。

トラクタＴには、トツプリンク７と左右１対の
ロアリンク８から成る３点リンク機構９を介し
て、ロータリ作業機１１を昇降自在に装着してお
り、このロータリ作業機１１には複合作業機器と
して、例えば防除作業機１２を搭載している。

ロータリ作業機１１はロータリ機枠１３、耕耘
部１４、カバー１５等を具備している。機枠１３
は中央上部に位置する伝動ケース１６と、この伝
動ケース１６の両側に溶着された左右１対の円筒
状支持アーム１７（サポートアーム）と、各支持
アーム１７の外端から下方に設けられた動力伝達
ケース１８及び側部フレーム１９等を有する。ま
た、伝動ケース１６の上部にはトツプリンク７と
連結されるトツプマスト２１が溶着され、左右支
持アーム１７にはロアリンク８に連結されるロア
リンク取付け用ブラケツト２２が設けられてお
り、このブラケツト２２には前ゲージ体（輪又は
ソリ）２３が配置されている。

耕耘部１４は動力伝達ケース１８及び側部フレ
ーム１９の下端部間に支架された爪軸２５と、こ
れに設けられた多数の耕耘爪２６とを有する。

カバー１５は上部カバー２７と後部カバー２８
とを有し、後部カバー２８には均平圧調整機構２
９が設けられている。

前記伝動ケース１６には動力取出装置３１が設
けられており、動力取出軸３２は装置３１から後
方へ突出している。トラクタＴのPTO軸３３の
回転はユニバーサルジヨイント３４を介して伝動
ケース１６に伝達され、動力伝達ケース１８を介
して爪軸２５を駆動すると共に、動力取出軸３２
から動力が取出される。

防除作業機１２は支持アーム１７上に支持体３
６，３７を介して搭載された薬液タンク３５（第
１作業機器）、支持体３７に装着された液送ポン
プ３８（第２作業機器）、カバー１５の後方上部
位置に横架された噴霧管３９等を備えており、噴
霧管３９は取付枠４０を介してロータリ機枠１３
に支持されている。

前記支持体３６は第３図に示すように、ブラケ
ツト２２の後端にボルトを介して固定されるもの
で、平板部３６ａの上部に固定用アングル材３６
ｂを溶着して形成されており、バンド４２を介し
て薬液タンク３５を装着している。薬液タンク３
５の重心は支持体３６，３７の中間よりも支持体
３６側に有り、従つてその重量の多くは支持体３
６に加わつており、支持体３６は主要支持体とな
り、支持体３７は補助支持体となつている。両支
持体３６，３７によつて薬液タンク３５はロータ
リ作業機１１の真上に搭載される。

補助支持体３７は半円筒状の取付け部３７ａ
と、平坦な搭載部３７ｂと、延長板３７ｃを介し
て取付けられた固定用アングル材３７ｄとを有
し、取付け部３７ａと共に伝動ケース１６及び動
力取出装置３１の近傍で支持アーム１７に挾持固
定するための半円筒状取付け金具４５を含む。

補助支持体３７は取付け部３７ａと取付け金具
４５とを支持アーム１７を挾んで対面させ、両者
をボルト締結することにより、支持アーム１７に
挾持固定される。従つて、補助支持体３７はボル
トを緩めることにより、支持アーム１７に対して
長手方向摺動自在であり且つ円周方向（前後方
向）角度調整、即ち周囲方向位置調整自在であ
る。

液送ポンプ３８は搭載部３７ｂにボルト等を介
して載置固定されており、搭載部３７ｂに対して
前後左右に位置調整可能にしておくことが好まし
い。この液送ポンプ３８の軸４６にはプーリ４７
が設けられており、前記動力取出軸３２に設けた
プーリ４８との間にＶベルト４９が掛けられてい
る。これらのプーリ４７，４８及びＶベルト４９
はスプロケツト及びチエーン等に代えても良く、
巻掛伝動手段を介して動力取出軸３２の回転が液
送ポンプ３８に伝達されればよい。

アングル材３７ｄは前記アングル材３６ｂと同
一であり、バンド４２を介して薬液タンク３５を
支持している。このアングル材３７ｄと延長板３
７ｃとは搭載部３７ｂより上方へ突出した延長部
となつていて、巻掛伝動手段の張力を調整するた
めに補助支持体３７の周囲方向位置を調整する際
に、この延長部を持つて回動すると力が入れ易く
容易に調整ができるようになつており、また、こ
の延長部が前述の如く薬液タンク３５の支持を兼
ねている。

取付枠４０の取付け部４０ａはブラケツト２２
にボルトを介して取付けられており、一方の取付
部４０ａはブラケツト２２を挾むようにして、主
要支持体３６の平板部３６ａと共締めされてい
る。

第５図乃至第７図は補助支持体の変形例を示し
ており、補助支持体５１の取付け部５１ａは主要
支持体３６のそれと同様に平板状に形成されてお
り、ブラケツト２２に２本のボルト５５を介して
締結される。５６は巻掛け伝動手段のカバーであ
る。取付け部５１ａには２個のボルト孔５２が形
成されており、ブラケツト２２には２本の円弧状
の長孔５３，５４が形成されている。２本の長孔
５３，５４は支持アーム１７の中心よりの距離ｄ
１，ｄ２が異なつており、距離ｄ１，ｄ２が同一
の場合よりも長く形成でき、且つブラケツト２２
に長孔５３，５４を設けていることにより、補助
支持体５１は支持アーム１７の円周方向（ロータ
リ作業機の前後方向）に回動可能になり、支持ア
ーム１７に対する角度調整ができるので、動力取
出軸３２とポンプ軸４６の平行度、プーリ４７，
４８及びＶベルト４９の直線度を調整即ち、動力
取出装置３１に対する第２作業機器の位置調整が
でき、この直線度の許容範囲が広ければ、Ｖベル
ト４９のテンシヨン調整のために作業機器の角度
を換えることもできる。

尚、主要支持体３６を取付けるブラケツト２２
にも長孔５３，５４を形成して、主要支持体３６
も前後角度調整可能にして、第１・第２作業機器
を共に位置調整自在に構成することも可能であ
る。

以上詳述した本考案によれば、支持体３７は第
２作業機器３８を単独で支持する搭載部３７ｂ
と、この搭載部３７ｂから上方へ延設されて支持
体３６と協働で第１作業機器１２を支持する延長
部とを有し、且つ支持体３７は巻掛伝動手段の張
力を調整可能にすべく支持アーム１７に対してそ
の周囲方向に位置調整自在に取付けられているの
で、巻掛伝動手段の張力調整をする際には、延長
部を持つて支持体３７を周囲方向位置調整するこ
とができ、調整は力が入れ易く容易にでき、且つ
その延長部を第１作業機器１２の支持にも有効利
用することができ、巻掛伝動手段の張力調整を可
能にした上に少ない支持体で２種の作業機器１
２，３８の支持が可能になる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は本考案の実施例を示してお
り、第１図は全体の側面図、第２図は全体の背面
図、第３図は要部の分解斜視図、第４図は第２図
の−線断面図、第５図乃至第７図は補助支持
体の変形例を示しており、第５図は側面図、第６
図は背面図、第７図は斜視図である。 ９……３点リンク機構、１１……ロータリ作業
機、１２……防除作業機、１３……ロータリ機
枠、１６……伝動ケース、１７……支持アーム、
２２……ブラケツト、３１……動力取出装置、３
５……薬液タンク、３６……主要支持体、３７…
…補助支持体、３７ｂ……搭載部、３８……液送
ポンプ、４６……軸、４７，４８……プーリ、４
９……Ｖベルト、Ｔ……トラクタ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 伝動ケース１６の両側の円筒状支持アーム１７
   から１対の支持体３６，３７を立設して１対の作
   業機器１２，３８を支持し、前記伝動ケース１６
   に動力取出装置３１を設け、この動力取出装置３
   １と第２作業機器３８との間に巻掛伝動手段を設
   けたロータリ作業機において、 前記支持体３７は第２作業機器３８を単独で支
   持する搭載部３７ｂと、この搭載部３７ｂから上
   方へ延設されて支持体３６と協働で第１作業機器
   １２を支持する延長部とを有し、且つ支持体３７
   は巻掛伝動手段の張力を調整可能にすべく支持ア
   ーム１７に対してその周囲方向に位置調整自在に
   取付けられていることを特徴とする作業機器搭載
   可能なロータリ作業機。