JPS6217253Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は小形にして簡易軽量な感熱式印字装置
に関するものである。

従来のヘツドアツプ機構の概略図を第１図に、
ヘツドフレームの断面図を第２図に示す。第１図
と第２図において、１０１はプラテン、１０２は
サーマルヘツド、１０３はヘツドフレーム、１０
４はキヤリツジシヤフト、１０５はワイヤ、１０
６はワイヤ止め、１０７はヘツドアツプレバ、１
０８はヘツドアツプマグネツト、１０９はスプリ
ング、１１０は印字紙、１１１はローラ、の如く
構成されている。

印字するときは、サーマルヘツド１０２を印字
紙１１０に押しつけるために、キヤリツジシヤフ
ト１０４に溝を設け、ヘツドフレーム１０３に取
り付けたローラ１１１をこの溝に引つかけて、キ
ヤリツジシヤフト１０４のまわりのモーメントを
与えるようになつている。押しつけ圧力は、キヤ
リツジシヤフト１０４に接合されたヘツドアツプ
レバ１０７にかけられたスプリング１０９によつ
て発生する。サーマルヘツド１０２の送りはワイ
ヤ止め１０６によつてヘツドフレーム１０３に接
合されたワイヤ１０５を動かすことによつて行な
われる。サーマルヘツド１０２を復帰するときは
摩擦によるモータ負荷を低減させるため、印字紙
１１０からはなす必要がある。このときヘツドア
ツプマグネツト１０８によりヘツドアツプレバ１
０７が吸引され、キヤリツジシヤフト１０４を回
転させ、溝に引つかけられたローラ１１１により
サーマルヘツド１０２は回転して印字紙１１０か
らはなれる構造になつている。

従つて実用上キヤリツジシヤフト１０４の径が
大きくなりまた溝の精度がヘツド送りの摩擦抵抗
の増加や変動の原因になるという欠点をもつてい
た。さらにローラ１１１の位置がキヤリツジシヤ
フト１０４の回転中心に近いため、キヤリツジシ
ヤフト１０４の溝とローラ１１１の小さなガタで
も、ヘツド押し付け力及びヘツドアツプ量に大き
く影響し、それらの調整がむずかしいという欠点
も持つていた。以上によりコスト高になり重量も
増加するという状態であつた。

本考案の目的はこれらの欠点を除去するため、
ヘツドの押しつけ力を与える機構をヘツド送り機
構より分離した構造になつている。これにより機
構全体の重量低減および製作精度をゆるくするこ
とができる。またヘツドアツプの調節がしやすい
という利点を持つている。以下詳細に説明する。

第３図は本考案の実施例を断面図により示した
もの、第４図と第５図と第６図は、その斜視図を
部分に分けて示したものである。ここにおいて、
２０１はプラテン、２０２はサーマルヘツド、２
０３はヘツドフレーム、２０４はキヤリツジシヤ
フト、２０５はワイヤ、２０６はワイヤ止め、２
０７はヘツドアツプレバ、２０８はローラ、２０
９はレバーローラ、２１０はヘツドアツプマグネ
ツト、２１１はカムレバ、２１２はカムレバーガ
イド、２１３は印字紙、２１４はスプリング、２
１５はワイヤドラム、２１６はプーリ、２１７は
プーリスプリングの如く構成されている。

なお、印字するとき、ヘツドアツプレバ２０７
に取り付けられたスプリング２１４によつて与え
られた力は、キヤリツジシヤフト２０４を中心と
したモーメントとしてローラ２０８に伝えられ
る。ローラ２０８はヘツドフレーム２０３に取り
付けられていて、サーマルヘツド２０２を印字紙
２１３に押し付ける力をつたえる。サーマルヘツ
ド２０２の送りは、ワイヤ止め２０６によつてヘ
ツドフレーム２０３に接合されたワイヤ２０５を
ワイヤドラム２１５の回転で動かすことにより行
なわれる。ワイヤ２０５の張力はプーリ２１６に
かけられたプーリスプリング２１７により与えら
れる。キヤリツジシヤフト２０４とワイヤ２０５
の中心位置を適当に選ぶことにより、ヘツドアツ
プレバ２０７での押し付け力が与えられないとき
において、ワイヤ２０５の張力による復元力のた
めサーマルヘツド２０２が印字紙２１３より少し
ういた状態にしておくことができる。サーマルヘ
ツド２０２を復帰するときは、ヘツドアツプマグ
ネツト２１０の可動コアに接合されたカムレバ２
１１を右に動かすことによりレバーローラ２０９
を上昇させる。これによりレバーローラ２０９を
取り付けたヘツドアツプレバ２０７をキヤリツジ
シヤフト２０４を中心に回転させて、サーマルヘ
ツド２０２に加えられる押し付け力が除かれる。
するとワイヤ２０５の復元力によりサーマルヘツ
ド２０２は、ただちに印字紙２１３より少しうい
た状態に回転する。これによりサーマルヘツド２
０２の復帰時の摩擦抵抗は低減しヘツド送りが行
なわれる構造になつている。

従つてこの構造によればキヤリツジシヤフト２
０４は細くてよく、加工も容易になる。キヤリツ
ジシヤフト２０４とローラ２０８の位置がはなれ
ているため、押しつけ圧力も均一にしやすく、ま
たヘツド送りの摩擦も小さく、変動も少ないとい
う利点をもつている。

以上説明したように、本考案ではキヤリツジシ
ヤフトの重量低減および加工の容易化をはかるこ
とができる。またキヤリツジシヤフトを中心にし
て作用点であるヘツドの印字位置と比較すると、
ローラの位置がはなれているため、押し付け圧力
の均一化とヘツド送り時の摩擦負荷の低減・均一
化をはかることができるという利点がある。また
ワイヤの復元力でヘツドが印字紙からはなれるた
め、ヘツドアツプマグネツトによるレバーローラ
の上昇量は余裕を多く取ることができヘツドアツ
プ量の調整がしやすいという利点もある。

この実施例は印字ヘツドを復帰させるときにヘ
ツドアツプする機構について説明したが、紙送り
のときも紙送りの摩擦抵抗を減じる方法としてそ
のまま使用できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来のヘツドアツプ機構の斜視図、
第２図はそのヘツドフレーム部の断面図である。
第３図は本考案の実施例の断面図、第４図〜第６
図はその斜視図を部分に分けて示したものであ
る。 ２０１……プラテン、２０２……サーマルヘツ
ド、２０３……ヘツドフレーム、２０４……キヤ
リツジシヤフト、２０５……ワイヤ、２０６……
ワイヤ止め、２０７……ヘツドアツプレバ、２０
８……ローラ、２０９……レバーローラ、２１０
……ヘツドアツプマグネツト、２１１……カムレ
バ、２１２……カムレバーガイド、２１３……印
字紙、２１４……スプリング、２１５……ワイヤ
ドラム、２１６……プーリ、２１７……プーリス
プリング。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 印字ヘツド２０２及びローラ２０８が取り付け
   られ、しかも、円形断面のキヤリツジシヤフト２
   ０４を中心に回転可能と同時に該シヤフト上を走
   行可能に取り付けられ、外力が働かない場合は自
   重によりキヤリツジシヤフト２０４を中心にして
   前記印字ヘツド２０２がプラテン２０１に接触す
   る方向へ回転するよう構成されたヘツドフレーム
   ２０３と、 ヘツドフレーム送りを行わせるワイヤ２０５、
   ワイヤドラム２１５、プーリ２１６、およびスプ
   リング２１７と、 印字ヘツド２０２をプラテン２０１へ押しつけ
   る方向の押圧力を前記ローラ２０８にヘツドアツ
   プレバ１０７を介して与えるスプリング２１４
   と、 前記ローラ２０８への前記ヘツドアツプレバ１
   ０７の押圧力を解除する手段２０９〜２１２とを
   備え、 前記ワイヤ２０５は、所定の位置に固定された
   ワイヤドラム２１５と、移動可能なプーリ２１６
   との間にプーリ２１６を偏倚するスプリング２１
   ７により張設され、かつ中途で前記ヘツドフレー
   ム２０３に固定され、しかも前記押圧力が解除さ
   れたときにワイヤ２０５の張力によりヘツドフレ
   ーム２０３が重力に逆らつてキヤリツジシヤフト
   ２０４を中心にして印字ヘツド２０２をプラテン
   ２０１から離す方向に回転し、重力とつり合つた
   ところで印字ヘツド２０２とプラテン２０１との
   間に、所定の間〓を持つて印字ヘツド２０２が中
   立を保つ位置に該ワイヤ２０５が復元される位置
   関係で前記キヤリツジシヤフト２０４と平行に配
   置されていることを特徴とした印字装置。