JPS6216866B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は自動車の車体におけるフロントサスペ
ンシヨン取付部と、ステアリングラツク取付部の
補強構造に関するものである。

従来の自動車にあつては第１図の模式図に示す
ようにフロア１、ダツシユアツパーパネル２に連
結したダツシユロアパネル３に対して各種重量が
過剰にかかることを防止するため、該ダツシユロ
アパネル３に中空部４を画成する断面略Ｌ字状の
ダツシユロアクロスメンバー５を固定し、その前
壁側にステアリングラツク取付ブラケツト６を固
着させ、且つ該ダツシユロアクロスメンバー５の
下面両側にフロントサスペンシヨン支持ブラケツ
ト７を固着した構造が用いられている。上記ダツ
シユロアクロスメンバー５は各種重量物の荷重に
耐えるようにその両側部分をエンジンルームの側
壁を形成するフードレツジネル８に連結固定する
か、又は図示しないダツシユサイドパネル或いは
フロントサイドメンバーの側部に連結固定してい
る。

ダツシユロアクロスメンバー５に対して上述の
如きフロントサスペンシヨン支持ブラケツト７を
固着するに際し、パツチ９を押し当ててボルト等
を用いて締結する手段が行われており、いわばサ
スペンシヨン支持ブラケツト７を固定する取付ボ
ルトまわりのみ局部的に補強した構造が通例であ
つて、他方においてダツシユロアクロスメンバー
５の前壁側におけるステアリングラツク取付ブラ
ケツト６は、該前壁に何等の補強もなしに直接固
定している現状にある。

しかしながらこのような従来の構造にあつては
フロントサスペンシヨンに対して、ダツシユロア
クロスメンバー５は、取付部分のみ局部的に補強
しているだけでステアリングラツク取付ブラケツ
ト６とともに、何れも剛性に欠けた支持構造とな
つていたため、強度的に完全とはいい難く、且つ
路面からサスペンシヨンを介して車体へ伝わる振
動がダツシユロアクロスメンバー５の振動とな
り、車室内へ騒音として伝達する欠点がある。

本発明は上記の如き従来のフロントサスペンシ
ヨン及びステアリングラツク各取付部の補強構造
に存する各種欠点を改良して、剛性の向上と防振
及び防音効果を具備した構造を得ることを目的と
するものであり、上記目的を達成するために中空
部下面のダツシユロアクロスメンバー両側のフロ
ントサスペンシヨン取付部間を一体に連結するレ
インフオースを設定し、更に該レインフオースに
前記ダツシユロアクロスメンバー前壁側のステア
リングラツク取付部とを連結固定する一対のブレ
ースを設けたことを特徴とする補強構造を提供す
るものである。

以下図面に示す実施例について説明すると第２
図乃至第４図において、符号５で示したダツシユ
ロアクロスメンバーには、両サイド側においてエ
ンジンルームの側壁部材例えばフードレツジ、ダ
ツシユサイドパネル、フロントサイドメンバー等
への固着部１０が形成してあり、且つ該ダツシユ
ロアクロスメンバーの下面１１両側にフロントサ
スペンシヨン支持ブラケツト（具体的にはサスペ
ンシヨンアームのガセツト）取付用孔１２が穿設
されていて一対のサスペンシヨン取付部５ａ，５
ｂが形成されている。更にダツシユロアクロスメ
ンバー５の前壁１３にはその両側にステアリング
ラツク取付部ブラケツト取付用孔１４を穿設して
一対のステアリングラツク取付部５ｂ，５ｂを形
成している。

次に１５はレインフオースを示しており、該レ
インフオース１５はダツシユロアクロスメンバー
の左右のフロントサスペンシヨン取付部５ａ，５
ａ間を一体に橋渡しして連結するように構成して
あり、ボルト取付孔１６が前記ダツシユロアクロ
スメンバー５に穿設した取付用孔１２と一致する
ように穿設してある。

１７は一対のブレースを示しており、ダツシユ
ロアクロスメンバー前壁１３のステアリング取付
部５ｂ，５ｂへの取付片１８とレインフオース１
５への取付片１９が設けてあり、ブレース１７を
溶接することによつてダツシユロアクロスメンバ
ー５の前壁１３とレインフオース１５とを強固に
連結する機能を有している。

第３図はステアリングラツク取付ブラケツト２
０とその押え金具２１の分解斜視図であつて、同
図の場合車体のブロント側から見た状態を示して
いる。

即ちステアリングラツク取付ブラケツト２０と
押え金具２１との間の前述のダツシユロアクロス
メンバー５の前壁１３におけるステアリングラツ
ク取付部５ｂが位置し、ステアリングラツク取付
用穴１４と一致するボルト穴２２を設けてあつて
図示しないボルトとナ鶴ト２３を用いてステアリ
ングラツク取付ブラケツト２０を前壁１３に固着
する。

第４図は上記の構成要素、即ちダツシユロアク
ロスメンバー５、レインフオース１５、ブレース
１７，１７、ステアリングラツク取付ブラケツト
２０，２０を一体に結合した状態を示す斜視図で
ある。尚図示上、ダツシユロアパネル３は省略し
てある。

かかる構造により、従来フロントサスペンシヨ
ンアームの取付部分のみ局部的に補強した例とは
異なり、自動車の車巾方向に延設して且つ左右の
サスペンシヨン取付部分を一体化して支持するレ
インフオース１５を装備したことによつて前記サ
スペンシヨン取付部の剛性を極端に上げることが
できて強度が増大し、且つ路面からサスペンシヨ
ンを介して車体へ伝わる主として左右方向の振動
に対しての防振効果とそれに伴う防音効果が万全
となる。

更に上記レインフオース１５に加えてブレース
１７を装備したことによつてダツシユロアクロス
メンバー５の前壁１３の支持安定性及び路面から
サスペンシヨンを介して車体へ伝わる主として上
下方向の振動に対しての防振効果とそれに伴う防
音効果が万全となる。

又、ダツシユロアクロスメンバー５の前壁１３
に取付けたステアリングラツク取付ブラケツト２
０に及ぼす外力が、ブレース１７を介してレイン
フオース１５に伝達する構造である為、前壁１３
自体の振動を防止し、車体に及ぼす防振効果はよ
り完全となる。

以上の如く、本発明は自動車の左右のフロント
サスペンシヨン取付部間を一体に連結するレイン
フオースと、該レインフオースとダツシユロアク
ロスメンバー５のステアリングラツク取付部を連
結するブレースとを設定した補強構造であり、上
記補強構造によつてサスペンシヨン及びステアリ
ングラツクの両取付部の強度、剛性が上昇し、大
きな防音振効果が得られるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の自動車におけるダツシユロアク
ロスメンバーまわりの補強構造を示す模式図、第
２図は本発明に係る補強構造の要部を示す分解斜
視図、第３図はステアリングラツク取付ブラケツ
トと押え金具の分解斜視図、第４図は第２図と第
３図に示した構成要素を一体に結合した状態を示
す斜視図である。 ５……ダツシユロアクロスメンバー、５ａ……
サスペンシヨン取付部、５ｂ……ステアリングラ
ツク取付部、１３……前壁、１５……レインフオ
ース、１７……ブレース、２０……ステアリング
ラツク取付ブラケツト、２１……押え金具。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ダツシユロアパネルの下方隅部において該ダ
   ツシユロアパネルとの間に中空部を画成する断面
   略Ｌ字状のダツシユロアクロスメンバーを取り付
   けて、該ダツシユロアクロスメンバーの前壁の両
   側にステアリングラツク取付部を形成し、該ダツ
   シユロアクロスメンバーの下面両下側にフロント
   サスペンシヨン取付部を形成した構造において、
   ダツシユロアクロスメンバーの下面内側に両フロ
   ントサスペンシヨン取付部間を連結するレインフ
   オースを設け、該レインフオースとステアリング
   ラツク取付部とを連結固定する一対のブレースを
   設けたことを特徴とする車体補強構造。