JPS6216487Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、収納ケースとかロツカーといつた家
具に関し、さらに詳しくは家具の構成部材たる壁
部材を、家具の構成部材たる本体部材に取付ける
ための改良に関する。

従来のこの種家具の壁部材の取付構造にあつて
は、壁部材をビス等の固定具によつて本体部材に
取付けているのが普通である。

したがつて、家具等の外周を構成する壁部材の
表面に固定具が露出されて固定具によるひつかゝ
りが生じて安全上好ましくなく、外観体裁が悪く
なり、また逆に、固定具を壁部材の表面に露出し
ない箇所に用いれば、どうしても固定具による取
付作業が困難になるといつた不都合があつた。

本考案は、上記の点に鑑みてなされたもので、
壁部材を本体部材にビス等の固定を用いることな
く確実に取付け得て、固定具でのひつかゝりによ
る危険を防止し家具等の外観体裁の良好化及び取
付作業の容易化を図りうる、家具を提供するもの
である。

次に、その一実施例を第１図〜第４図について
説明する。

この実施例は、本考案を便所内等に好適に設備
される温風器付の収納ケースに適用した例に関す
るものである。

すなわち、第１図及び第２図に示す収納ケース
において、１は本体部材たるケース本体、２はケ
ース本体１の上面部を覆う天井体、３はケース本
体１内の上部位に水平に固定支持される第１棚
体、４はケース本体１内の下部位に水平に固定支
持される仕切板たる第２棚体、５は天井体２と第
２棚体４との間のケース本体１前面部分を開閉自
在に覆う扉体、６は第２棚体４より下方のケース
本体１前面部分を覆う壁部材たる壁体、７はケー
ス本体１と第２棚体４と壁体６とで囲まれた空間
内に収納配置される公知の温風器であり、前記各
構成部分は天井体２、扉体５は合成樹脂製で、ケ
ース本体１、棚体３，４、壁体６は板金製とされ
ている。

ケース本体１は、平行状に対峙する一対の側壁
８，８及び両側壁８，８に垂直な後壁９並びに各
側壁８の後端縁と後壁９の各側端縁間を45度の傾
斜角をなして連結する一対の連結壁１０，１０を
備えた横断面形状が略コ字状となる形状に折曲成
形されている。各壁８，９，１０の上端縁部分は
各々内方へＬ字状に折曲されて天井体２取付用の
取付部８ａ，９ａ，１０ａに構成されており、各
側壁８の前端縁部分は各々内方へコ字状に折曲さ
れて柱部８ｂに構成されている。

天井体２は、その平面形状をケース本体１の横
断面形状に略一致させた形状とされていて、その
底面部の前端縁部を除く周端縁部と前記各取付部
８ａ，９ａ，１０ａの下位にもたらした取付板１
１の前端縁部を除く周端縁部とを前記各取付部８
ａ，９ａ，１０ａの水平部分を介在させた状態で
ビス１２，１２…により締付固定させることによ
り、ケース本体１の上面部に被冠状に取付けられ
る。なお、天井体２の上面部の周端縁部２ａは若
干立上り状に形成されていて、上面部に物を置い
たときにおいて、この物が不測に上面部から滑り
落ちないように工夫してある。また、天井体２の
前面部２ｂは前方から後方になるにしたがつてし
だいに高くなるように傾斜状に形成されていると
共に、この前面部２ｂには温風器用のスイツチ１
３が取付けられていて、スイツチ１３の入り切り
状況を容易に視認できると共にスイツチ操作が容
易にできるように工夫してある。さらに、天井体
２の各側面部には把手部１４が形設されていて、
収納ケースの持ち運びを容易ならしめるように工
夫してある。

第１及び第２棚体３，４は、何れも平面形状が
ケース本体１の横断面形状に略一致した形状とさ
れており、その周端縁部分は若干下方へ折曲され
て周壁部に構成されており、この周壁部の前面部
３ａ，４ａの下端縁部分は内方へ折曲されて係止
部３ｂ，４ｂに構成されている。

そして、第１及び第２棚体３，４は、夫々、次
のような取付手段を介してケース本体１に取付け
られる。

すなわち、ケース本体１の各柱部８ｂの上下部
位に、各々第１及び第２棚体３，４の一端部たる
前端部が係合されうる第１及び第２係合切欠１
５，１６が形成されている。なお、この各第１及
び第２係合切欠１５，１６は、水平方向において
各柱部８ｂの内側面部の一部及び後面部の全部を
切欠いた形状とされている。そして、第１及び第
２棚体３，４は、夫々、その前端部の両側端部を
前記第１及び第２係合切欠１５，１５及び１６，
１６に係合させた上、その周壁部の後面部３ｃ，
４ｃをケース本体１の後壁９にビス１７，１７…
により固着させることによつて、その前面部３
ａ，４ａを除く周壁部をケース本体１の各壁８，
９，１０に密接させた状態で、水平に固定支持さ
れる。なお、後述するように、少なくとも前記第
２棚体４は、壁体６をケース本体１に取付けた後
において上記の如く取付けられる。

また壁体６は、ケース本体１の両側壁８，８の
間隔に一致せる巾を有し、且つケース本体１に前
記した如く取付けられたときの第２棚体４の上面
高さに一致する高さを有する矩形状の前壁部６ａ
を備えている。前壁部６ａの両側端縁部分は夫々
後面側方向へコ字状に折曲されて取付柱部６ａ，
６ｂに構成されており、また前壁部６ａの上端縁
部分は後面側方向へ倒立Ｌ字状に折曲されて上壁
部６ｃに構成されており、更にこの上壁部６ｃの
下縁部分は後方へ水平に折曲されて被係止部６ｄ
に構成されている。なおこの被係止部６ｄの左右
巾は、ケース本体１の両柱部８ｂ，８ｂの対向間
隔よりも若干狭く設定されている。さらに、前記
前壁部６ａの上端寄りの部位には矩形状の窓孔６
ｅが形成されており、この窓孔６ｅの上下端縁に
は夫々後方へＬ字状に折曲された取付部６ｆ，６
ｆが連設されている。

次に、このように構成された壁体６のケース本
体１への取付構造について説明すると、まず壁体
６は、これとケース本体１の対向部間つまり壁体
６の両取付柱部６ｂ，６ｂとケース本体１の両柱
部８ｂ，８ｂとの間に介設された係合手段によ
り、前記第２棚体４に向う方向つまり上の向きへ
のみ移動可能にケース本体１に係合支持される。

すなわち、前記係合手段は、壁体６の各取付柱
部６ｂ，６ｂの後面部の上下部位に、下方へ折れ
曲がる倒立Ｌ字状の第１及び第２フツク１８，１
９を突設し、ケース本体の各柱部８ｂ，８ｂの前
面部の上下部位つまり前記第２係合切欠１６より
若干下方部位及び柱部８ｂの下端寄りの部位に、
前記フツク１８，１９の上下長さより若干長寸な
第１及び第２係合長孔２０，２１を形成して構成
されている。

したがつて、各第１及び第２フツク１８，１９
を各々、ケース本体１の各第１及び第２係合長孔
２０，２１に挿入し、下方に動かせて係合させる
ことによつて、壁体６がケース本体１の両柱部８
ｂ，８ｂに接当した状態で所定の取付位置に係合
支持される。

この状態においては、壁体６は、上の向き以外
には何ら移動されない状態で支持されている。

そして、このように壁体６をケース本体１に支
持させた後、該壁体６の移動可能な側に、壁体６
に対して垂直方向に配されるところの前述の第２
棚体４の一端部を配して、該第２棚体４を前記し
た如き取付手段を介してケース本体１に取付ける
と、壁体６の一部である後方へ張出し状の被係止
部６ｄが、第２棚体４の前端部つまり係止部４ｂ
でもつて下方へ押圧状に係止され、このことによ
つて前記壁体６の上の向きへの移動は阻止され
る。

このようにして、壁体６は、前記係合手段及び
第２棚体４によつて、ケース本体１にビス等の固
定具を用いることなく確実に取付けられるのであ
る（第３図及び第４図参図）。なお、壁体６の上
壁部６ｃの上面と第２棚体４の上面とは面一状に
一致されている。

また、扉体５は、その上下面部の側端に形成さ
れた孔若しくは凹部５ａ，５ａ（上方のもののみ
図示）に、天井体２の前壁部２ｂの下面に突設せ
るピン２２及び壁体６の上壁部６ｃの上面に突設
せるピン２３に嵌入させることにより、天井体２
と壁体６との間のケース本体１の前面部分を開閉
自在に覆うべく取付けられる。

さらに、温風器７は、ケース本体１と第２棚体
４と壁体６とでもつて囲繞された空間内に収納配
置され、その前面部の上下４箇所をビス２４，２
４…により壁体６の上位の取付部６ｆ及び壁体６
の前壁部６ａの下端寄りの部位に取付けられる。
なお、温風器７の送風孔７ａは壁体６の窓孔６ｅ
に合致されており、送風孔７ａの周囲にはパツキ
ン２５が取付けられている。このパツキン２５
は、壁体６の取付部６ｆ，６ｆと温風器７の前面
部との間に挾圧状に介在されていて、温風器７の
送風孔７ａから送風された温風を、壁体６の窓孔
６ｅから確実に送風させるよう機能する。また、
窓孔６ｅにはガラリ２６がビス２７，２７…によ
り取付けられている。また、温風器７の電気コー
ド２８は、ケース本体１の柱部８ｂ内を通した
上、スイツチ１３を経て側壁８の上端切欠８ｃか
ら外方へ導かれている。また、図示していない
が、第１及び第２棚体３，４の上面前端縁（若し
くは上面の全周端縁）には、若干の立上り部を形
成しておくと、棚体３，４上に載せた物が滑り落
ちるのを防止できると共に、棚体３，４に濡れた
液体が温風器７へと落下することを防止し得て有
利である。

以上のように構成された収納ケースは、例えば
便所に設置しておくと、高血圧症の病人や老人等
にとつても快適に用を足すことができ、またトイ
レツトペーパー等の備品を収納しておくことがで
き、さらに第４図に示す如く便所壁Ｗのコーナ部
にもコンパクトに設置できるといつたような種々
の利点を有する。なお、第１図において、３０は
壁体６に取付けた銘板で、この銘板３０は壁体６
の表面に露出せるビス２４，２４のカバーとして
兼用されている。そして前記した壁体６の取付構
造によれば、壁体６のケース本体１への直接的な
取付けが、ビス等の固定具を必要としない係合手
段により、つまり壁体６の各第１及び第２フツク
１８，１９をケース本体１の各第１及び第２係合
長孔２０，２１に係合させることにより、極めて
簡単に行われる。

そして、このような係合手段による取付けによ
つては避けることのできない壁体６の上の向きへ
の移動を、格別の固定具を用いることなく、壁体
６に対して垂直方向に取付けられる第２棚体４の
存在を利用して阻止させ、もつて壁体６をケース
本体１に確実に取付けているのである。

したがつて、壁体６の取付けを、ビス等の固定
具を一切用いることなく行うことができ、壁体６
の表面にケース本体１への取付け用の固定具が露
出することがなくて、固定具によるひつかゝりが
生じないから安全面の点においても好ましく、ま
た外観体裁が悪くなる虞れは全く生じず、しかも
その取付作業を極めて簡単に行うことができる。
さらに、このような壁体６の取付け上の利点か
ら、結果的に、収納ケース全体の取付けが簡単と
なり、使用固定具の数も大巾に削減することがで
きる。

なお、本考案に係る壁部材の取付構造は前記実
施例に限定されず、次のようにしておくこともで
き、前記実施例同様の効果を奏しうる。

例えば係合手段は、第５図に示す如く、ケース
本体１の各柱部８ｂに上方へ折れ曲がるＬ字状の
第１及び第２フツク１８′，１９′を突設し、壁体
６の各取付柱部６ｂに第１及び第２係合長孔２
０′，２１′を形成して構成することもできる。ま
た第５図に示すものにおいては、第２棚体４の後
端部を、前記実施例の如くビス１７によつて固定
せず、ケース本体１の後壁９に固着せるＬ字状の
支持具３１でもつて受止め支持させている。この
ように、第２棚体４をケース本体１に取付けるた
めの取付手段は、少なくとも壁体６の上の向きへ
の移動を阻止すべく作用する第２棚体４の前端部
分を、上下移動不能に取付けておくようなもので
あればよいのである。

さらに、第６図及び第７図には、横断面ほゞコ
字状の本体部材たるケース本体１′とケース本体
１′の前面部を覆う壁部材たる壁体６′とケース本
体１′の上下面部を覆う蓋体３２及び固定部材た
る底体３３とからなる米櫃等の収納ケースに本考
案を適用した例が示されている。

すなわち、ケース本体１′の各側壁８′の前端縁
部分は内方へＬ字状に折曲されて柱部８′ｂに構
成されており、壁体６′の各側端縁部分も内方へ
Ｌ字状に折曲されて取付柱部６′ｂに構成されて
いて、壁体６′はケース本体１′の両柱部８′ｂ，
８′ｂ間に嵌入されている。そして、この両者
１′，６′の対向部間には、各柱部８′ｂに突設せ
る倒立Ｌ字状の第１及び第２フツク１８″，１
９″と各取付柱部６′ｂに形成せる第１及び第２係
合長孔２０″，２１″とからなる係合手段が介設さ
れていて、壁体６′は下の向きへのみ移動可能に
係合支持されている。さらに、床体３３は、その
前端部分を両柱部８′ｂ，８′ｂに形成せる係合切
欠１６′，１６′に係合させると共にその後端部を
ケース本体１′にビス１７′止めさせて、ケース本
体１′に取付けられており、この床体３３の前端
部をして、前記壁体６′の下の向きへの移動を阻
止させているのである。なお、蓋体３２は、蝶番
３４を介してケース本体１′に取付けられ、収納
ケースの開閉を行う。

このように、本考案に係る家具の壁部材は、そ
の端部に、棚体４、床体３３等の何れかの仕切板
の一端部が配されて、仕切板が本体部材に取付け
られるあらゆる形式の家具に好適に適用しうるの
である。尚、壁体と天井体の構成においても適用
できる。例えば、前記各収納ケースを横倒しにし
た状態で用いた如き形状の家具等にも適用でき
る。この場合、壁部材の係合手段による左または
右の向きへの移動を側壁体、棚体等の仕切板で阻
止させるのである。また、係合手段は、前記の如
くフツク１８，１８′，１８″，１９，１９′，１
９″と係合長孔２０，２０′，２０″，２１，２
１′，２１″とで構成されるものに限定されず、例
えばフツクとフツクとを係合させるようなものと
しておいてもよい。

何れにしても、以上の説明から明らかなよう
に、本考案の家具は、壁部材を直接的には係合手
段を介して本体部材に係合支持させ、この係合手
段によつてなお避けることのできない一つの向き
への壁部材の移動を、格別の固定具によらず家具
において必要構成部材である天井体、棚体、床体
等の仕切板を利用して阻止したものであるから、
ビス等の固定具を一切使用してなくても、壁部材
を本体部材に確実に取付けることができると共
に、従来の如き壁部材と仕切板とを個別にビス等
で本体部材に取付けるものと比べて壁部材の取付
けを遥かに簡単且つ迅速に取付けることができ
る。しかも壁部材の表面に固定具が露出せず、固
定具によるひつかゝりが生じないから安全面の点
においても好ましく、また外観体裁を良好とする
ことができる、極めて実用的価値大なるものであ
る。

したがつて、本考案の家具を組立てる場合、ビ
ス等の固定具が大巾に削減され、家具の組立の省
力化、容易化に大きく寄与できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第４図は本考案の一実施例を示したも
ので、第１図は家具たる温風器付の収納ケースの
斜視図、第２図は同分解斜視図、第３図は第１図
の−線に沿つて断面した壁部材の取付構造を
示す縦断左側面図（切欠部の断面は第４図の−
線に沿う）、第４図は第３図の−線に沿つ
て断面した横断底面図であり、第５図は他の実施
例を示す第３図相当の縦断左側面図であり、第６
図は更に他の実施例を示す縦断右側面図（断面は
第７図の−線に沿う）、第７図は同横断平面
図（断面は第６図の−線に沿う）である。 １，１′……ケース本体（本体部材）、４……棚
体、３３……床体（仕切板）、６，６′……壁体
（壁部材）、６ｂ，６′ｂ……取付柱部、８ｂ，
８′ｂ……柱部（対向部）、１６，１６′……係合
切欠、１７，１７′……ビス（取付手段）、１８，
１８′，１８″，１９，１９′，１９″……フツク、
２０，２０′，２０″，２１，２１′，２１″……係
合長孔（係合手段）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 本体部材と該本体部材に取付ける壁部材との対
   向面部間に、壁部材を上下左右何れか１つの向き
   にのみ移動可能に係合させる係合手段を介設し
   て、この係合手段により壁部材を本体部材に係合
   支持させると共に、該壁部材の移動可能な側には
   壁部材に対して垂直方向に配されるところの天井
   体、棚体、底体等の何れかの仕切板の一端部を配
   して、該仕切板を本体部材に適宜の取付手段を介
   して取付けることにより前記壁部材の移動を阻止
   させたことを特徴とする家具。