JPS621636Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はヒートポンプ式ルームエアコンに係
り、特に除霜制御の改善を志向したヒートポンプ
式ルームエアコンに関するものである。

従来のヒートポンプ式冷凍サイクルは、一般に
第１図に示すように、圧縮機１、吐出パイプ２、
四方弁３、四方弁３の弁素子３ａ、室内熱交換器
４、減圧器５、室外熱交換器６、吸込パイプ７、
室内フアン８、室外フアン９、圧力スイツチ１
０、弁素子３ａを移動させる四方弁コイル１２、
室内フアン８を駆動する室内フアンモータ１３、
室外フアン９を駆動する室外フアンモータ１４な
どより構成されている。

そして、従来の一般的な暖房時の制御として
は、四方弁コイル１２に通電し、四方弁３の弁素
子３ａを第１図の実線で示す位置に設定し、圧縮
機１により冷媒を第１図の実線矢印のように圧縮
機１→吐出パイプ２→四方弁３→室内熱交換器４
→減圧器５→室外熱交換器６→四方弁３→吸込パ
イプ７→圧縮機１の順序に流し、室内フアン８、
室外フアン９を回転させてヒートポンプ運転を行
なう。室外熱交換器６に、ある程度着霜し、ヒー
トポンプ能力が低下して来た場合には、室内フア
ンモータ１３、室外フアンモータ１４、四方弁コ
イル１２への通電を同時に遮断し、四方弁３の弁
素子３ａを第１図の破線の位置に移動させ、冷媒
を同図の破線矢印のように流して除霜運転を行な
い、室外熱交換器６に付着した霜を溶かす方法を
とつていた。このときの、四方弁３、室内フアン
８、室外フアン９の通電状態を第２図に示す。第
２図において、１６は四方弁の通電状態、１７は
室内フアンの通電状態、１８は室外フアンの通電
状態をそれぞれ示す。

しかしながら、この従来の除霜制御方法には次
のような欠点があつた。

すなわち、室内熱交換器４の中には室内フアン
８によつて冷却され、凝縮した多量の液冷媒があ
り、その液冷媒が除霜時に四方弁３の切換と同時
に圧縮機１に戻るため、圧縮機１の信頼性に対
し、好ましくない影響を与えると共に、圧縮機１
の吐出ガス冷媒の温度及び圧力が低下し、除霜時
間が長くなる欠点があつた。

本考案は、上記した従来のヒートポンプ式ルー
ムエアコンの除霜制御方式の欠点をなくし、圧縮
機の信頼性を高めると共に、除霜時間を短縮し
た、より快適なヒートポンプ式ルームエアコンの
提供を、その目的とするものである。

本考案のヒートポンプ式ルームエアコンに係る
特徴は、ヒートポンプ運転から除霜運転に切換え
る四方弁を備え、この四方弁の切換えを制御する
とともに、該四方弁の切換え前に、圧縮機を運転
した状態で室内フアンを停止もしくは減速させる
制御系を備えたヒートポンプ式ルームエアコンで
あつて、除霜運転に入る直前に、圧縮機の運転を
継続したままで、室内フアンの回転を停止あるい
は減速し、圧縮機の吐出圧力が高くなり過ぎない
許容範囲内で、室内空気との熱交換を少なくおさ
え、室内熱交換器内の冷媒をできるだけガス成分
の多い状態にした後、四方弁を切換えて除霜運転
に入るようにしたものである。

以下、本考案を第３図に示す一実施例にもとづ
いて述べる。

第３図は、本考案の一実施例に係る電気配線の
ブロツク図であり、１１は圧縮機モータ、１１ａ
は圧縮機モータ用スイツチ、１２は四方弁コイ
ル、１２ａは四方弁コイルスイツチ、１３は室内
フアンモータ、１３ａ，１３ｂ，１３ｃは室内フ
アンモータ用スイツチ、１５はこれらのスイツチ
の開閉を制御するための制御系に係る制御ブロツ
クを示す。なお室内フアンモータ用スイツチ１３
ａ，１３ｂ，１３ｃは必要に応じてフアンモータ
１３の回転数を変えられるようにするため設けた
ものであつて、１３ｃは低回転用スイツチであ
る。

本考案における冷凍サイクルの冷媒の流れは、
従来と同じであり、ヒートポンプ運転時には第１
図の実線、除霜時には同じ破線で示すように流れ
る。

しかして、本考案の要点は、除霜に入るとき
に、制御ブロツク１５により四方弁用スイツチ１
２ａ及び室外フアンモータ用スイツチ１４ａを開
く前に、室内フアンモータ用スイツチ１３ａ（ス
イツチ１３ａを使用し、１３ｂ，１３ｃを休止し
た場合）を開き、室内フアン８を停止させ、室内
熱交換器４内の液冷媒を出来る限り少なくした
後、四方弁用スイツチ１２ａ及び室外フアンモー
タ用スイツチ１４ａを開き、除霜運転に入るよう
にしたものである。このときのスイツチの通電状
態を第４図に示し、１６は四方弁の通電状態、１
７は室内フアンの通電状態、１８は室外フアンの
通電状態、１９は圧縮機の通電状態をそれぞれ示
す。

なお本実施例（第４図の通電状態のもの）で
は、除霜に入る前に、室内フアン８を停止する場
合について述べたが、完全に停止すると、停止時
間の設定によつては、圧縮機１の吐出圧力が高く
なり過ぎる場合がある。このような機種について
は、除霜に入る前に、室内フアンモータ用スイツ
チ１３ａを低回転用スイツチ１３ｃに切換えて、
室内フアン８を低速回転で回わした後、除霜運転
に入るようにしてもよい。

また、圧力スイツチ１０からの信号を制御ブロ
ツク１５に入れるように構成しておき、室内フア
ン８を停止して、吐出圧力が異常に早く上昇する
ような場合（たとえば室温が高い場合）、すなわ
ち、除霜信号が出ていて且つ圧力スイツチ１０か
らの信号が入つた場合、早めに四方弁３を切換
え、除霜運転に入れるようにしてもよい。

以上詳細に説明したように、本考案によれば、
除霜に入る際に、四方弁を切換える前に、圧縮機
を運転した状態で室内フアンを停止もしくは減速
せしめるように構成したので、室内熱交換器内の
冷媒を、液状冷媒が少なく、しかも温度、圧力の
高いガス状冷媒が多い状態にしてから除霜運転に
入るようになり、○イ圧縮機への液戻りが少なく、
該圧縮機の信頼性が向上し、○ロ圧縮機からの吐出
ガス冷媒の温度、圧力が高くなつて、短時間で除
霜が終了し、早くヒートポンプ運転へ戻るため、
在室者の快適性が向上する、という効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、ヒートポンプ式ルームエアコンの冷
凍サイクル構成図、第２図は、従来の除霜運転時
における四方弁、室内フアンおよび室外フアンの
通電状態図、第３図は、本考案の一実施例に係る
電気ブロツク図、第４図は、本考案の一実施例の
除霜運転時における四方弁、室内フアン、室外フ
アンおよび圧縮機の通電状態図である。 ３……四方弁、８……室内フアン、１２……四
方弁コイル、１２ａ……四方弁コイル用スイツ
チ、１３……室内フアンモータ、１３ａ，１３
ｂ，１３ｃ……室内フアンモータ用スイツチ、１
５……制御ブロツク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ヒートポンプ運転から除霜運転に切換える四方
   弁を備え、この四方弁の切換えを制御するととも
   に、該四方弁の切換え前に、圧縮機を運転した状
   態で室内フアンを停止もしくは減速させる制御系
   を備えたことを特徴とするヒートポンプ式ルーム
   エアコン。