JPS6216292Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、連結片により多本数連結された止具
を、連続的に打ち込む空気、または電気式打込機
の止具の打ち出し構造に関するものである。

第１図に、打込機の全体図を示す。本体１の内
部に貯蔵された圧縮性流体は、トリツガ２の操作
により図示しない制御バルブ３を開閉し、本体の
駆動部４（図示しない）を動作させることによ
り、ピストン５を衝撃的に作動させ、射出口６内
の止具を打ち出す構造である。止具９は、本体１
の下部のマガジン７に連結片１０により集合体と
して収納され、給送部８により、本体の射出口６
位置に送られる。そして、打ち込む際、射出口６
内の止具９は、第２図に示すように、連結片１０
から一方の側に分離して打ち出され、打ち込み後
の連結片残部１１は、射出口６の壁側に設けられ
た開口部１２を通り、遂次、射出口６の外に送り
出される構造である。

従来、上記した止具の打ち出し構造は、第３
図、または第５図に示す構造が公知である。第３
図において、連結片１０に連結された止具９は、
射出口６内に設けられた頭部９ａが入るべき第１
の凹部１３と、連結片１０が入るべき第２の凹部
１４に配置され、打ち出し位置にセツトされてい
る。しかし、第３図に示すこの打ち出し構造によ
れば、ピストン打撃部５ａで止具９を打ち込む
際、止具９の頭部９ａが、射出口６内の第１の凹
部１３下の傾斜面１３ａに衝撃的に当たるため変
形してしまい、第４図に示すように、打込み後、
相手材１６の表面に頭部９ａの出張り等が生じ
て、仕上がり状態が悪いという欠点を有してい
た。

また、第５図に示す従来技術で、連結片１０に
連結された止具９は、射出口６内の凹部１５に連
結片１０を配置されており、打ち込む際、止具９
のみを分離、打ち出すため、止具９の頭部９ａは
くさび状となつている。しかし、第５図に示す構
造では、止具９の頭部９ａがくさび状のため、打
ち込む相手材の保持力が得られないという欠点を
有していた。

本考案は、上記した従来技術の欠点をなくし、
止具を打ち込み後の相手材の仕上がり状態を良く
し、打ち込み部材の保持力の低下しない止具を打
ち込む打込機とすることである。

本考案は、止具を射出口への給送中に、あらか
じめ止具の頭部のみを傾斜させる構造としたの
で、打ち出し時に、止具が変形しないように、か
つ頭部の大きい止具が打ち込むことができる。

以下第６図以降に、本考案から成る止具の打ち
出し構造の一実施例を示す。

第６図において、図示しない本体、出力バルブ
等は、第１図に示した構造と同じである。可撓性
を有する連結片１０に連結された止具９は、打ち
込み前位置では、給送部上面８ａに頭部９ａを配
し、軸部９ｂと連結片１０が給送部８の給送路８
ｂに収納されている。またピストン打撃部の中心
１９は、打ち込み前の止具中心２０に対して偏心
して配置され、射出口６には、打ち込み後の連結
片残部１１を射出口６の外に排出するための開口
部１２および連結片１０の入るべき凹部１５を有
しているのは、従来構造と同じである。また、給
送部上面８ａの射出口６側には、止具の打ち出し
前位置から打ち出し位置に向かつて漸変する傾斜
面１７と、打ち出し位置での平担部１８を有して
いる。

打ち出し前位置の止具９は、射出口６内の止具
を打ち込み後、第１図に示した給送手段等を使つ
て、射出口６に送られるが、このとき、止具９の
頭部９ａは、第６図に示した給送部の傾斜面１７
により、打ち出し前位置の止具中心２０に対して
傾けられ、第８図に示す射出口６内での止具中心
２１となる。即ち、止具の頭部９ａは、第７図に
示した傾斜面１７、平担部１８に軌跡１７ａを描
きながら連結片１０とともに射出口６に送られ、
止具の足部９ｃは射出口６の内壁に接する構造で
ある（第８図）。そして、図示しないトリツガの
操作により、第９図に示すように、ピストン打撃
部５ａが下降し、止具９の頭部９ａを打撃し、止
具９は打ち出し方向に移動し、止具の軸部９ｂ
は、連結片１０の片側１０ａを止具軸心２１の方
向に引き伸ばし、しいては片側１０ａのみに亀裂
を生じさせ、止具９を連結片１０から分離する構
造である。さらに、ピストン打撃部５ａが下降す
ると、第１０図に示すように、止具９が連結片１
０から完全に離れて相手材１６に打ち込まれ、連
結片１０は、凹部１５に片寄せられ、たとえ、止
具の頭部９ａが連結片１０の上端に衝突しても連
結片１０の可撓性から止具の頭部９ａに損傷はな
い。

また、本考案の打ち出し構造によると、頭部形
状の大きい止具を打ち込むことができ、従来技術
に示したように、頭部をくさび状とする必要はな
い。

以上のように本考案によれば、射出口内に位置
する連結片に連結されている止具を、打ち出し前
位置の止具連結片に対して傾斜させて打ち出す構
造としたので、止具の頭部に損傷がなく、しいて
は、打ち込む相手材の仕上がり状態を良くするこ
とができる。

また、止具の頭部を大きくすることができるの
で、打ち込み部材の保持力を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、打込機の全体を示す側面図、第２図
は、第１図のＡ−Ａ線断面図である。第３図、第
５図は、従来の打込機の止具打ち出し構造を示す
断面図で、第２図のＣ−Ｃ線断面である。第４図
は、第３図に示した打ち出し構造での止具の打ち
込み状態を示す縦断側面図である。第６図は、本
考案になる打込機の止具打ち出し構造を示す横断
平面図で、第１図のＢ−Ｂ線断面である。第７図
は、第６図のＤ−Ｄ線断面図である。第８図は、
第６図のＥ−Ｅ線断面図である。第９図、第１０
図は、止具の打ち出し過程を示し、その打込部の
縦断側面図である。 図において、１は本体、２はトリツガ、４は駆
動部、６は射出口、７はマガジン、８ｂは給送
路、９は止具、９ａは止具の頭部、１０は連結
片、１１は連結片残部、１２は開口部、１７は傾
斜面、Ｆは進行方向、Ｇは直角方向である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 圧縮気体、電気等を動力源として止具を打ち込
   むための駆動部と、該駆動部を制御するトリツガ
   を有する本体と、連結片により多本数の止具が連
   結されている止具集合体を収納するマガジンと、
   止具を打ち出す射出口と、前記マガジンと射出口
   の間に止具を送る給送路と、前記射出口内で、連
   結片の止具のみを分離、打ち出し、打ち込んだ後
   の連結片の残部を射出口の外に連続的に送り出す
   開口部とを有する打込機において、前記給送路の
   進行方向に対して傾斜している傾斜面を射出口近
   傍に形成し、該傾斜面で連結片の止具の頭部のみ
   を射出口への給送中に、進行方向に対して直角方
   向にずれるよう構成して成る止具打ち出し構造。