JPS6216156Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は内装変速ハブの変速操作具、詳しく
は、ハブ胴内に変速機構を備え、駆動体から伝わ
る動力を所定の変速比でハブ胴に伝えるごとくし
た内装変速ハブの変速操作具に関する。

従来、此種変速操作具として、内装変速ハブの
ハブ胴端部に取付ける筒部を備えた操作具本体
に、操作ワイヤの一端を固定する固定具をもち、
前記ハブ軸に移動自由に内装する変速ロツドと連
動的に係合する伝動体を枢着すると共に、前記本
体と伝動体との間に複数の凹入部と該凹入部の一
つに係合する係合体とから成る位置決め機構を設
け、操作レバーの操作により前記操作ワイヤを介
して前記伝動体を揺動させ、この伝動体の揺動に
より前記変速ロツドを移動させて、所定の変速を
行なうと共に、前記係合体を前記凹入部の何れか
一つに係合させて変速状態を維持するごとく構成
したものが知られている。

所が、従来の変速操作具における前記伝動体
は、略く字形に彎曲したベルクランクを用い、そ
の中間彎曲部を、前記ハブ軸と直交する横軸を介
して前記操作具本体に枢支して、前記ハブ胴側に
向かう一端に前記固定具を取付けるワイヤ固定部
を設け、ハブ軸の外方に向かう他端に前記位置決
め機構の位置決め部を設けているため、前記伝動
体のハブ軸軸端に対する外方への突出長さが長く
て、この伝動体が他物と衝突する危険性が高いば
かりか、操作具全体が大形となる欠点があつた。

本考案は以上の如き従来の欠点に鑑み考案した
もので、伝動体のハブ軸軸端に対する外方への突
出長さを短かくできると共に、全体をコンパクト
に形成できるようにしたのであつて、内装変速ハ
ブのハブ軸端部に取付ける筒部と、該筒部の一側
から半径方向外方に向かつて延びる支持部とを備
えた操作具本体の前記支持部に、前記ハブ軸に移
動自由に内装する変速ロツドと連動的に係合する
係合部をもつた伝動体を枢着し、この伝動体の枢
着側端部を前記ハブ軸の半径方向外方に延長し
て、該延長部の先端側を屈曲して前記伝動体と平
行な屈曲部を形成すると共に、前記屈曲部に、操
作ワイヤの一端を固定するワイヤ固定部を設け、
かつ、前記伝動体の前記ワイヤ固定部との対向側
部位に、複数の凹入部と該凹入部の一つに係合す
る係合体とから成る位置決め機構における位置決
め部を設けたことを特徴とするものである。

以下本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図は、ハブ胴内に高速、中速、低速の三段
変速を行ない得る変速機構を内装した内装変速ハ
ブのハブ軸端部に装着した例を示すものである
が、理解を早めるため、先ず前記内装変速ハブに
ついて簡単に説明する。

しかしてこの内装変速ハブＡは、これまでに提
案されているもので、一端部に駆動体８１の低速
用伝動爪８１１と噛合するごとく成したラチエツ
ト９１１とハブ胴８２のラチエツト８２１に噛合
するごとく成した高速用伝動爪９１２とをもち、
他端部に内面歯９１３をもつたリングギヤ９１
と、中間部にこのリングギヤ９１の内面歯９１３
とハブ軸８３の太陽歯車８３１とに噛合する遊星
歯車９２１をもち、一端部に前記駆動体８１の中
速用伝動爪８１２と噛合するごとく成したラチエ
ツト９２２とをもち、他端部にハブ胴８２のラチ
エツト８２２と噛合するごとく成した中低速用伝
動爪９２３をもつギヤ枠９２とから成る変速機構
９の前記リングギヤ９１とギヤ枠９２とをピン９
３により一体的に結合してハブ軸８３に対し軸方
向に移動可能とし、この変速機構９を、前記ギヤ
枠９２と前記ハブ軸８３に固定の球押え８４との
間に介装するリターンスプリング８５により常時
高速体制側に付勢し、この変速機構９の低速体制
側への移動を、前記ハブ軸８３の軸芯に移動自由
に内装してその一端を変速キー８６を介して前記
ギヤ枠９２の突部９２ａに係合させた変速ロツド
８７の移動をして行なわせ、駆動体８１からハブ
胴８２への動力伝達の経路を変更して変速するご
とく成したものである。

本考案変速操作具は、以上の如く構成した内装
変速ハブＡの変速ロツド８７を操作するために用
いるもので、次に本考案操作具の実施例を図面に
基づいて説明する。

図示した変速操作具は、前記ハブ軸端部に取付
ける筒部１１と、該筒部１１の一側から半径方向
外方に向かつて延びる支持部１９とを備えた操作
具本体１の前記支持部１９に、前記ハブ軸に移動
自由に内装する変速ロツド８７と連動的に係合す
る係合部２３をもつた伝動体２を枢着し、この伝
動体２の枢着側端部を前記ハブ軸８３の半径方向
外方に延長して、該延長部２ａの先端側を屈曲し
て前記伝動体と平行な屈曲部２ｂを形成すると共
に、前記屈曲部２ｂに、操作ワイヤＷの一端を固
定するワイヤ固定部２１を設け、かつ、前記伝動
体２の前記ワイヤ固定部２１との対向側部位に、
複数の凹入部３と該凹入部３の一つに係合するボ
ール或いはロールなどの係合体４とから成る位置
決め機構における位置決め部２２を設け、前記伝
動体２を揺動させることにより前記変速ロツド８
７を移動させると共に、前記係合体４を凹入部３
の何れか一つに係合させる如く成したものであ
る。

しかして、前記伝動体２は、一端側に前記係合
部２３を設けた一枚の金属板により形成して、こ
の伝動体２の他端側を、前記ハブ軸８３の軸心と
直交する横軸５を介して前記支持部１９に揺動自
由に枢着するのである。そして前記位置決め部２
２の先端面に、該先端面の変速段位に相当する動
き量に合わせて前記凹入部３を上下方向に列設す
ると共に、この凹入部３の下方に前記係合部２３
を設けのであつて、第１図にあつては、列方向上
側に、高速段位に相当する凹入部３１を、中間
に、中速段位に相当する凹入部３２を、下側に、
低速段位に相当する凹入部３３をそれぞれ設けて
いる。

尚、伝動体２を支持する前記操作具本体１に
は、前記筒部１１に、前記ハブ軸８３端部に嵌合
する嵌合孔１２と、該嵌合孔１２と連通し、前記
変速ロツド８７端部を受入れる受入孔１３と、前
記嵌合孔１２の一側面から半径方向外方に貫通す
るねじ孔１４とをそれぞれ設けて、前記ねじ孔１
４に螺合する取付ねじ６により前記筒部１１を前
記ハブ軸８３端部に固定するごとく成すと共に、
前記支持部１９に、前記伝動体２を受入れる案内
溝１５と、該案内溝１５を横切る横孔１６と、前
記係合体４を挿脱自由に保持する保持孔１７とを
それぞれ設けて、前記案内溝１５を前記受入孔１
３に連通させる一方、前記横孔１６より上方位置
に、前記操作ワイヤＷを案内するアウター筒０の
受孔１８を設けて、この受孔１８にアウター筒０
の一端を支持するごとく成すのである。

そして、前記伝動体２を前記案内溝１５内に配
置して前記係合部２３を、前記受入孔１３に突入
する変速ロツド８７の端面に係合させると共に、
伝動体２の屈曲部２ｂを操作具本体１の外側に配
置して前記横孔１６に挿嵌する前記横軸５により
伝動体２を支持部１９に枢着し、前記ワイヤ固定
部２１に前記操作ワイヤＷの一端を固定具１０に
より固定するのである。

又、前記位置決め機構の係合体４は、前記凹入
部３の何れか一つと対向する位置に設ける前記保
持孔１７に挿脱自由に保持させ、板ばねなどの弾
性体７により前記凹入部３側に押圧するのであ
る。尚、この係合体４と凹入部３は反対に設けて
もよい。

本考案は以上の如く構成するもので、前記操作
ワイヤＷとして、比較的線径が太く撓量の少ない
所謂プツシユプル式ワイヤを用い、この操作ワイ
ヤＷの牽引操作により前記伝動体２を第１図矢印
Ｘ方向に揺動させて、前記変速ロツド８７及び変
速機構９を前記リターンスプリング８５の力に抗
して移動させると共に、前記位置決め機構の係合
体４を凹入部３２又は３３に係合させて高速体制
から中速又は低速体制に変速するのであり、又前
記操作ワイヤＷを押出操作することにより前記伝
動体２を第１図矢印Ｙ方向に揺動させて、前記変
速ロツド８７及び変速機構９を前記リターンスプ
リング８５の力で移動させると共に前記位置決め
機構の係合体４を凹入部３１又は３２に係合させ
て、高速又は中速体制に変速するのである。尚、
前記伝動体２の揺動操作は、１本の操作ワイヤＷ
を押引操作することにより行なう他、２本の操作
ワイヤを用いて行なうごとく成してもよい。

以上の如く本考案は、内装変速ハブのハブ軸端
部に取付ける筒部と、該筒部の一側から半径方向
外方に向かつて延びる支持部とを備えた操作具本
体の前記支持部に、前記ハブ軸に移動自由に内装
する変速ロツドと連動的に係合する係合部をもつ
た伝動体を枢着し、この伝動体の枢着側端部を前
記ハブ軸の半径方向外方に延長して、該延長部の
先端側を屈曲して前記伝動体と平行な屈曲部を形
成すると共に、前記屈曲部に、操作ワイヤの一端
を固定するワイヤ固定部を設け、かつ、前記伝動
体の前記ワイヤ固定部との対向側部位に、複数の
凹入部と該凹入部の一つに係合する係合体とから
成る位置決め機構における位置決め部を設けたか
ら、前記ワイヤ固定部と位置決め部との動き方向
を同方向にできるし、しかも伝動体のハブ軸軸端
に対する外方への突出長さを短かくできるのであ
る。そのため伝動体が他物と衝突する危険性を小
さくできるし、しかも操作具全体をコンパクトに
形成できるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案変速操作具を内装変速ハブのハ
ブ軸端部に装着した状態を示す縦断正面図、第２
図は第１図−線拡大断面図、第３図は第１図
−線拡大断面図、第４図及び第５図は伝動体
のみを示すもので、第４図は正面図、第５図は側
面図である。 １……操作具本体、１１……筒部、２……伝動
体、２１……ワイヤ固定部、２２……位置決め
部、１９……支持部、２ａ……延長部、２ｂ……
屈曲部、３……凹入部、４……係合体、８３……
ハブ軸、８７……変速ロツド、１０……固定具、
Ｗ……操作ワイヤ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内装変速ハブのハブ軸端部に取付ける筒部と、
   該筒部の一側から半径方向外方に向かつて延びる
   支持部とを備えた操作具本体の前記支持部に、前
   記ハブ軸に移動自由に内装する変速ロツドと連動
   的に係合する係合部をもつた伝動体を枢着し、こ
   の伝動体の枢着側端部を前記ハブ軸の半径方向外
   方に延長して、該延長部の先端側を屈曲して前記
   伝動体と平行な屈曲部を形成すると共に、前記屈
   曲部に、操作ワイヤの一端を固定するワイヤ固定
   部を設け、かつ、前記伝動体の前記ワイヤ固定部
   との対向側部位に、複数の凹入部と該凹入部の一
   つに係合する係合体とから成る位置決め機構にお
   ける位置決め部を設けたことを特徴とする内装変
   速ハブの変速操作具。