JPH0119465Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、チユーニングツマミに連動するギヤ
にラツクを噛合せ、そのラツクにより指針を横行
させるように構成したダイヤル装置に関するもの
である。

従来例の構成とその問題点 従来、無線機器のダイヤル装置は、ダイヤルロ
ープによる駆動がもつとも多く、その為にダイヤ
ルシヤーシにダイヤルロープをガイドするローラ
を複数個ローラ軸とともに圧入して固定し、かつ
バリコンを駆動させる為にあらかじめ準備された
スプリング付きダイヤルロープを引廻すことによ
り、ダイヤル装置を構成していた。しかしなが
ら、ダイヤルロープの長さのバラツキによる駆動
力の不安定さがあり、かつローラ及びローラ軸を
圧入して固定するために作業性が低下する等の多
くの問題を有していた。

考案の目的 本考案は上記従来の問題点を解決するもので、
簡単でしかも作業性が良く、駆動力の安定したダ
イヤル装置を提供することを目的とするものであ
る。

考案の構成 本考案のダイヤル装置は、横行可能に支持され
た指針と、この指針が先端に結合されたラツク
と、シヤーシに相対向して平行に設けられてお
り、上記ラツクを上記指針の移動方向に対し平行
移動するように案内する直線部および上記直線部
に連続し上記ラツクを略円弧状に湾曲して移動さ
せるように案内する湾曲部とを有する内外２つの
案内用リブと、上記湾曲部における内側の案内用
リブに形成した切欠きと、この切欠きの中央部分
に対向するように上記シヤーシに突設した支柱
と、上記ラツクに噛合するように上記支柱に回転
可能に支持され、チユーニングツマミの回転操作
力が伝達される原動ギヤとを備えたことを特徴と
するものである。

かかる構成によれば、上記内外２つの案内用リ
ブにて案内されるラツクはその湾曲部において強
制的に湾曲させられ、もとに復帰しようとする剛
性反力が作用しているので、上記湾曲部の内側の
案内用リブに切欠きを設けることにより、その切
欠き方向に上記ラツクが復元する。したがつて、
上記ラツクと上記原動ギヤとは上記湾曲部の切欠
き方向に作用する上記ラツクの剛性反力により噛
み合わされ、バツクラツシユの少ない駆動伝達を
実現することができ、伝達精度を大巾に高めるこ
とができる。

実施例の説明 第１図および第２図は本考案の一実施例を示し
ており、図中、１は前キヤビネツト、２は上記前
キヤビネツト１に結合され一体化される後キヤビ
ネツト、３は上記後キヤビネツト２内に突設した
ボス２ａ，２ｂに取付けられたシヤーシであり、
後述する原動ギヤを軸支する支柱３ａと、後述す
る指針駆動用のラツクを摺動可能なように挾み込
む案内用リブ３ｂ，３ｃ，３ｄを有している。４
はバリコンギヤであり、プリント基板１２に半田
付けされたバリコン９にビス１１によつて結合さ
れている。上記プリント基板１２は上記後キヤビ
ネツト２に設けた１対のリブ１３ａ，１３ｂ間に
挿入されることにより上記後キヤビネツト２内に
保持されている。５は上記シヤーシ３に設けた案
内用リブ３ｂおよび３ｄと３ｃの間に摺動可能な
ように保持された帯状のラツクであり、その先端
に結合片５ａが１体に形成されている。６は上記
シヤーシ３に設けた支柱３ａに回動可能なように
挿入され、かつ上記支柱３ａに締め付けたネジ１
４にて抜け止めされた原動ギヤであり、上記ラツ
ク５のギヤ部５ｂに噛合されるギヤ部６ａと、上
記バリコンギヤ４に噛合されるギヤ部６ｂを有し
ている。７はチユーニングツマミであり、上記原
動ギヤ６に同軸的に設けた複数の弾性係止片６ｃ
によつて上記原動ギヤ６に同軸に取付けられてお
り、上記原動ギヤ６との間に設けた摩擦部材１０
によつて摩擦的に結合されている。そして、上記
チユーニングツマミ７は上記前キヤビネツト１に
設けた透孔１ａから外部に突設されている。８は
上記シヤーシ３の端部に設けたスライダー部３ｅ
に横行可能なように取付けられた指針であり、そ
の後端に設けた凹所８ａに上記ラツク５の先端に
設けた結合片５ａが圧入されることにより、上記
ラツク５に結合されている。

ここで、上記指針８を駆動させる指針駆動用ラ
ツク５を挾み込む案内用リブ３ｂ，３ｃ，３ｄは
第３図に示すように外方の案内用リブ３ｃが支柱
３ａを中心にして湾曲しており、かつ内方の案内
用リブ３ｂ，３ｄ間に原動ギヤ６の支柱３ａを中
心に切欠かれている。よつて、この案内用リブ３
ｂ，３ｃ，３ｄに前記指針駆動用ラツク５を挿入
し、チユーニングツマミ７と摩擦的固定された原
動ギヤ６を前記シヤーシ３の支柱３ａに挿入する
と、上記原動ギヤ６のギヤ部６ａが上記ラツク５
のギヤ部５ｂに噛合せることができる。

以上の様に本実施例によれば、ダイヤルシヤー
シ３に設けたラツク案内用リブ３ｂ，３ｃ，３ｄ
の外方を湾曲させると共に、前記案内用リブ３
ｂ，３ｃ，３ｄの内方を原動ギヤ支柱３ａの近傍
において切欠くことにより、第３図に示す様に指
針駆動用ラツク５と案内用リブ３ｃとの間に指針
駆動用ラツク５の剛性によつてスキマａが発生
し、かつそこには常にラツク５の剛性反力Ｐが作
用している為、シヤーシ３の支柱３ａに原動ギヤ
６を挿入させることで原動ギヤ６のギヤ部６ａと
指針駆動ラツク５のギヤ部５ｂを噛合させると、
ラツク５と原動ギヤ６は密着し、常に前記スキマ
の関係はａ＞ｂとなり、精度の高い伝達を得るこ
とができる。

考案の効果 以上のように本考案のダイヤル装置は、横行可
能に支持された指針と、この指針が先端に結合さ
れたラツクと、シヤーシに相対向して平行に設け
られており、上記ラツクを上記指針の移動方向に
対し平行移動するように案内する直線部および上
記直線部に連続し上記ラツクを略円弧状に湾曲し
て移動させるように案内する湾曲部とを有する内
外２つの案内用リブと、上記湾曲部における内側
の案内用リブに形成した切欠きと、この切欠きの
中央部分に対向するように上記シヤーシに突設し
た支柱と、上記ラツクに噛合するように上記支柱
に回転可能に支持され、チユーニングツマミの回
転操作力が伝達される原動ギヤとを備えるので、
上記湾曲部の切欠き方向には上記湾曲部にて強制
的に湾曲されたことに起因する上記ラツクの剛性
反力が常に作用し、上記ラツクは上記原動ギヤに
対し上記ラツクの剛性反力を利用して密着させる
ことができ、もつて構造簡単で精度の高い回転力
（駆動力）の伝達ができる利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のダイヤル装置の一実施例を示
す平面図、第２図は同装置の要部断面図、第３図
および第４図は同装置の要部の組立説明図であ
る。 ３……シヤーシ、３ａ……支柱、３ｂ，３ｃ，
３ｄ……リブ、４……バリコンギヤ、５……ラツ
ク、６……原動ギヤ、７……チユーニングツマ
ミ、８……指針。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 横行可能に支持された指針と、この指針が先端
   に結合されたラツクと、シヤーシに相対向して平
   行に設けられており、上記ラツクを上記指針の移
   動方向に対し平行移動するように案内する直線部
   および上記直線部に連続し上記ラツクを略円弧状
   に湾曲して移動させるように案内する湾曲部とを
   有する内外２つの案内用リブと、上記湾曲部にお
   ける内側の案内用リブに形成した切欠きと、この
   切欠きの中央部分に対向するように上記シヤーシ
   に突設した支柱と、上記ラツクに噛合するように
   上記支柱に回転可能に支持され、チユーニングツ
   マミの回転操作力が伝達される原動ギヤとを備
   え、上記湾曲部の切欠き方向に作用する上記ラツ
   クの剛性反力により上記ラツクと上記原動ギヤと
   を噛み合せるように構成したことを特徴とするダ
   イヤル装置。