JPS6215353Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、台所や風呂場等からの汚水を下水道
に流す排水路の起点に設ける排水桝に関する。

従来より、台所や風呂場からの汚水は、臭気の
逆流を防止するために一旦Ｕ型トラツプ等を通過
させてから下水道に流すようにしている。しかし
ながら、臭気逆流防止用のＵ型トラツプは、野菜
屑やその他の固型物が底部に溜り易く、汚水の流
れに支障をきたすことが多々あるため、その都
度、配管に多量の水を流して詰つたものを押し流
すか、或はトラツプ上部のマンホール蓋を開け、
腕をトラツプ形状に沿つて曲げながら思いきり差
入れて詰つたものを取り除くかしなければなら
ず、いずれの作業も極めて煩わしいものであつ
た。

本考案は上記事情に鑑み、臭気の逆流を防止す
ることができると共に固型物の除去作業も簡単に
行なうことができる維持管理の容易な起点排水桝
を提供すべくなされたものであつて、桝内に、ポ
ケツト取付け台を設け、該ポケツト取付け台に、
流入管より流入する汚水を一旦溜めてオーバーフ
ローさせる有底筒状のポケツトを着脱自在に取付
け、流入管を桝側方より導入しその先端を該ポケ
ツト内に突入させたことを要旨とする、合成樹脂
製起点排水桝に係るものである。

以下、図面を参照しながら本考案起点排水桝を
詳細に説明する。

第１図は本考案起点排水桝の使用場所を示す配
管図であつて、図示のように本考案起点排水桝Ａ
は、台所Ｄや風呂場Ｂ等からの汚水をインバート
桝Ｉを経て合流排水するよう配管した排水管路Ｐ
の夫々の起点となる個所に埋設されるものであ
る。

このような本考案起点排水桝の一実施例として
は、第２〜３図に例示の如きものが挙げられる。

即ち、この起点排水桝は、合成樹脂製の桝本体
１とその上の高さ調節用の補助桝２（通称アジヤ
スター）によつて桝全体を形成し、この桝内に有
底筒状のポケツト３を取付けると共に、流入管４
の先端４１をこのポケツト３内へ突入させるよう
にしたものである。

桝本体１は、その側壁に排水管接続用のソケツ
ト１１を突設してあり、また該ソケツト１１の方
から反対側に向つて徐々に上り傾斜する底壁に
は、該ソケツト１１に通じる溝１２とこの溝１２
より一段高いポケツト取付け台１３を形成してあ
る。

補助桝２は桝全体の高さを調節するためのもの
で、桝本体１の上端開口縁に周設された嵌合溝１
４に嵌合載置して取付けてあり、この補助桝２の
上端開口縁にはマンホール蓋や他の補助桝を嵌合
するための嵌合溝２１を周設してある。斯る補助
桝２は、桝本体１の高さが大きい場合に省略でき
ることは云うまでもない。

ポケツト３は、合成樹脂等で別途形成した上げ
底式の有底筒状体で、底壁３１より下方の筒壁下
端部３２を桝本体１のポケツト取付け台１３に外
嵌して取付けてあり、従つてこのポケツト３を上
方に引くと、ポケツト取付け台１３より容易に取
外すことができるようになつている。この実施例
のポケツト３は、その筒壁の高さを一定にしてあ
るが、このポケツト３は後述のように、流入管４
から流入する汚水を一旦溜めてオーバーフローさ
せ、桝本体１の溝１２を経て排水管（不図示）へ
と流すものであるから、ポケツト内の汚水が溝１
２の方へ向つてオーバーフローするように、第４
図の如くポケツト３の上端を斜めに切断したり、
或は第５図の如く溝１２側の筒壁上端に切欠部３
３を形成したりして、溝１２側の筒壁３４の高さ
を反対側の筒壁３５の高さよりも小さくするのが
望ましい。また、この実施例のポケツト３は有底
の円筒状となしてあるが、筒形状については特に
制限はなく、例えば楕円筒、四角筒、更には第６
図の実施例に示すような溝１２のほぼ半分を囲む
三日月状の開口を有する変形筒など、自由な筒形
状とすることができる。特に第６図の実施例のよ
うな有底変形筒状のポケツト３′を取付けると、
流入管４の挿入角度をかなりの範囲にわたつて自
由に変えることができるので配管し易くなり、便
利である。なお、以上のようなポケツトは、この
実施例以外の適当な取付け手段によつて桝本体１
の側壁や補助桝２などに取付けるようにしても勿
論よい。

流入管４は、ソケツト１１のある方と反対側か
ら補助桝２を貫いて挿入し、エルボ４２によつて
Ｌ字状に曲接してあり、先端４１がポケツト３内
に突入するようにしてある。斯る流入管４は、補
助桝２を使用しない場合、ポケツトの筒壁より上
方にある桝本体１の側壁を貫いて挿入すればよ
い。

以上の如く構成された本考案起点排水桝によれ
ば、台所Ｄや風呂場Ｂなどから排出された汚水が
流入管４を通つてポケツト３に流入し、ポケツト
３内で一旦溜められ、余分の汚水がポケツトから
オーバーフローして桝本体１の溝１２を経て排水
管（不図示）へと流れる。従つて、流入管４の先
端４１は、常にポケツト３内の汚水中に没して水
封されるので、下水道からの臭気が流入管４を通
つて台所Ｄや風呂場Ｂなどに逆流することはな
い。また、野菜屑その他の固形物はポケツト３の
底に溜るが、これを除去する場合は、ポケツト３
を引き上げてポケツト取付け台１３から取外し、
ポケツト３内の固形物を手で簡単に取除くことが
できる。従つて維持管理が極めて楽である。更に
本考案起点排水桝は合成樹脂製であるから、従来
のコンクリート製の桝に較べれば、はるかに製造
が容易であり、軽量なために持運びが簡単で、施
工後すぐに使用することもできる。

このように本考案起点排水桝は多くの効果を奏
し、実用価値のすこぶる大きいものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案起点排水桝の使用場所を示す破
管図、第２図は本考案起点排水桝の一実施例を示
す平面図、第３図は第２図のＩ−Ｉ線断面図、第
４図及び第５図は夫々ポケツトの断面図、第６図
は本考案の他の実施例を示す平面図である。 図面の主要符号の説明、１……桝本体、１１…
…ソケツト、１２……溝、１３……ポケツト取付
け台、２……補助桝、３……ポケツト、４……流
入管、４１……先端、Ａ……本考案起点排水桝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 桝内に、ポケツト取付け台を設け、該ポケツト
   取付け台に、流入管より流入する汚水を一旦溜め
   てオーバーフローさせる有底筒状のポケツトを着
   脱自在に取付け、流入管を桝側方より導入しその
   先端を該ポケツト内に突入させたことを特徴とす
   る、合成樹脂製起点排水桝。