JPS6019188Y2 - 床排水用器具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は角型胴体内の一側壁と平行な角型封水部および
角型排水流下水路を形成した衛生設備に於ける床排水用
器具の改良に関する。

従来建築物のトイレ、浴室等の床排水用に用いられてい
た床排水用器具は、第１図の様なベルトラップ等が多く
用いられて来た。

それ等の構造は封水１の中に逆倒立状にした腕部２の周
縁部３を半ば迄投入させて固定されており、上部に覆設
した目皿部７Ａから流入した排水は腕部２の外縁に沿っ
て封水１の中に流入し、腕部２の周縁部３の下を（＞つ
て更に封水堰４の壁に沿って上昇し、封水壇上縁部５を
越えて排水管６内に流下する様に構成されていた。

しかしながら上記ベルトラップは排水トラップ部の流路
を同心円的に分割しているため、流路の間隔が狭く、異
物に依って非常に塞り易くそのため管理者は頻繁な清掃
作業を強いられるとか、清掃作業の繁雑さを免れるため
内部のトラック部の機械部品を取り外してしまい、その
ため排管内の臭気が逆流する結果となっていた。

また従来の床排水用器具におけるＳ、Ｐ型トラップは、
上記ベルトラップの様な欠点を是正するために採用され
たものであるが、トラップ部の流路狭搾は補正されたも
の、配管の状況に依ってはトラップ部が床面より非常に
下った位置に設けざるを得ない場合があり、この様な場
合トラップ内の沈殿物の清掃が非常に困難を伴うので改
良が望まれていた。

さらに従来のトラップは閉塞故障を起し易いとか或は封
水不足を起し臭気の逆流を招き易い等の欠点があった。

このような従来の床排水用器具が閉塞したり、封水不足
を起す一つの原因は封水壇上縁部に排水中に混入してい
る繊維状の物質が引掛り除々に堆積される結果招来され
る現象である。

この堆積現象は多量の水が床排水用器具内に投入される
場合には見られず少量の水が流される場合に著しい。

その理由は大量の水が投入された場合には封水壇上縁部
を越える水の層は十分な厚みを持っておりその中に含む
ゴミ等を押し流す十分な力を持っているに反し少量の排
水が投入された場合には水勢も弱く、封水壇上縁部を越
える水層は僅かな厚みしか持たず従って排水中に含有さ
れたゴミ、特に繊維状の物質は封水壇上縁部を十分越え
ることが出来ずその半ばは封水中に止まり、他の半ばは
封水壇上縁部の外に垂れ下る様な型となるこの様な状態
で時間が経過すると繊維状の物質は表面に耐着している
有機質等の作用で内壁に粘着しもはや後から流入した水
の力では洗い流すことは不可能となる。

一般に床排水用器具には大量の水が一時に投入される場
合よりも少量の水が長時間に渉って流れ込む場合が多い
ので前述の様な現象が起り易く、次々に流れ込んだ繊維
質の異物が封水壇上縁部を中心に累積して閉塞を起した
り或は繊維質に依る毛細管現象に依って封水の吸い出し
を引き起したりするのである。

本考案は上記の欠点を除去し、角型胴体部内を切込を切
設した仕切堰で区設すると共に堆積したゴミを除去する
バンドルを設けて、閉塞故障、封水不足、清掃作業の簡
易化および臭気の逆流を防止する床排水用器具を提供す
ることを目的とする。

以下、第２図ないし第９図を参照して本考案の一実施例
を説明する。

第２図は本考案の分解斜視図、第３図は本考案の縦断面
図、第４図は第３図および第５図のイーイ線における横
断面図、第５図および第６図は他の実施例の縦断面図、
第７図は第６図におけるローロ線における横断面図、第
８図は目皿部の平面図、第９図は、掻出バンドルの側面
図を示す。

本考案の床排水用器具は、排水が送り込まれる角型の目
皿部７と掻出バンドル７３と、上端が開口された角型の
胴体部８から形成され、この目皿部７には第３図の垂下
角型小径部９Ａおよび傾斜部９Ｂを有する排水誘導管が
一体成型されている。

上記目皿部７が挿設された角型胴体部８は第２図示のよ
うに内部を角型胴体部８の側壁８Ａと平行な仕切堰１０
によって角型封水部１１と角型排水流下水路１２とに区
設されており、この排水流下水路１２の端末には、排水
管１３が接続用ソケット１４により連結されている。

第５図は他の実施例で、上記封水部１１を上記角型胴体
部８の側壁８Ａより突設した縦断面図を示す。

上記角型胴体部８の内部は、側壁８Ａから水平に張出し
、その後垂直上方に折曲した断面」状の仕切堰１０を突
設させ、上記垂下角型小径部９Ａを浸設した角型封水部
１１と角型流下水路１２とを区設する 第６図は他の実施例で仕切堰１０を上記垂下角型小径部
９Ａに一体成型した縦断面図を示す。

上記角型胴体部８の内部は、この内部に挿設された垂下
角型小径部９Ａの側壁に一体成型されたほぼ断面Ｕ字状
の仕切堰１０により角型封水部１１と角型排水流下水路
１２とに区設される。

上記各仕切堰１０は上縁１０Ａの中央にＵ型、■型、じ
型の切込部１０Ｂを切設し、水流が一個所に集中するよ
うに構威し、排水中の微異物を十分押し流す。

また上記仕切堰１０に依って仕切られている角型胴部８
の水平断面の面積は第４図示および第７図示のように略
封水部２／３．排水流下水路１／３の割合となっており
、この封水部１１の中に略１／３の断面積を持つ上記排
水導管９の垂下角型小径部が挿入されている。

従って角型胴部８内の水平断面は排水導管９、封水部１
１の排水導管９に占有されない流路流下水路１２の各々
角型を有す部分に依ってほぼ１７３ｇ３つ・に分割され
ている。

これらの水路は角型胴体部８の側壁と平行な仕切堰１０
で区設されてものであるからその形状は前述の如く、上
記角型胴体部８の側壁８Ａと平行な角型断面をなし、従
来のベルトラップ等の同心円的分割に依る狭い水路と比
較すると各水路は十分な広さを持っているので流入する
ゴミ、土砂等によって閉塞されることがなく、流路内の
（層線抵抗値も従来の製品と比較して大巾に減少させる
ことができるので流体力学的）排水の運動も非常に合理
化され、この種の床排水用器具に必要な自浄的機能も十
分満足することができる。

更に本考案を長期使用した場合、角型目皿部７から落下
した一部小さなゴミ７８等は、排水用誘導管９の傾斜部
９Ｂに堆積する。

この場合、上記清掃用の掻出バンドル７３のブレード７
６を上記角型目皿部７の切溝７２に差込み、該掻出バン
ドル７３を上記切溝７２に沿って、上記傾斜部９Ｂを掃
く要領で移動させれば、傾斜部９Ｂに堆積した上記ゴミ
７８は排水誘導管９の垂下角型小径部９Ａに落下し、角
型封水部１１を径て排水流下水路１２に排出される。

なお、上記掻出バンドル７３は角型目皿部の切溝に挿入
し、若干回動して該掻出バンドル７３を引上げれば容易
に上記角型目皿部と排水誘導管の嵌着が解除できる。

以上記載したように本考案によれば、トラップ部の閉塞
故障、繊維状物質の堆積現象による封水不足、清掃作業
の簡易化および臭気の逆流等を防止し、常にトイレの衛
生環境を良好に保全できる極めて優れた床排水用器具が
得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の排水器具の縦断面図、第２図は本考案の
分解斜視図、第３図は本考案の縦断面図、第４図は、第
３図および第５図のイーイ線における横断面図、第５図
は本考案の他の実施例の縦断面図、第６図は他の実施例
の縦断面図、第７図は第６図のローロ線における横断面
図、第８図は、目皿部の平面図、第９図は掻出バンドル
の側面図を示す。 １・・・・・・封水、２・・・・・・腕部、３・・・・
・・周縁部、４・・・・・・封水部、５・・・・・・排
水壇上縁部、６・・・・・・排水管、８・・・・・・角
型胴体部、９・・・・・・排水誘導管、１ｏ・・曲仕切
堰、１１・・・・・・角型封水部、１２・・・・・・角
型排水流下水路、７１・・・・・・中心孔、７２・・・
・・・切溝、７３・・・・・・掻出バンドル、７４・−
−−−一軸、７５・・・・・・バンドル、７６・・・・
・・ブレード、７７・曲・底面。

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）排水を流出させる垂下角型小径部および傾斜部と
   を有する排水誘導管を一体成型した目皿部と、この目皿
   部が上端開口部から挿設された角型胴体部、この角型胴
   体部の内部に上記角型胴体部の側壁と平行に形成された
   角型封水部および角型排水流下水路とを備え、上記垂下
   角型小径部を上記角型封水部に浸設した床排水用器具。
2. （２）上記角型封水部および角型排水流下水路は、上記
   角型胴体部の側壁から突設された仕切堰で区設されたこ
   とを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記載の床
   排水用器具。
3. （３）上記角型封水部および角型排水流下水路は、上記
   垂下角型小径部に一体成型された仕切堰で区設されたこ
   とを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記載の床
   排水用器具。
4. （４）上記仕切堰はその上縁部の中央に切込を切設した
   ことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第２項又は第
   ３項記載の床排水用器具。