JPS6215118Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、上壁に燃料注入口を開口した、二，
三輪車における燃料タンク上残留燃料の処理装置
に関するものである。

一般に、二，三輪車にあつては車体上に搭載さ
れる燃料タンクの上壁に直接燃料注入口を開口
し、この注入口より注入ガン等により該タンク内
に燃料を注入するようにしているので、その注入
中に燃料タンクの上面に燃料が滴下することがあ
る。

本考案は前述のようにして燃料タンク上に残留
した燃料を、該燃料タンク、車体、その他の機器
を汚損することがないように常に燃料タンク下の
所定場所に案内流下させ、併せて燃料タンク自体
の強度を高めるようにした二，三輪車における燃
料タンク上残留燃料の処理装置を提供することを
目的とするものである。

そして上記目的を達成するために本考案は、上
壁に燃料注入口を開口した上部タンク半体と、こ
の上部タンク半体直下の下部タンク半体とより燃
料タンクを構成するとともに、そのタンク外周
に、前記両タンク半体間を結合する接合フランジ
部を設け、前記上部タンク半体の上壁に断面凸条
の隆起条を突設して、その隆起条により前記燃料
注入口の周りに、該燃料注入口周囲の残留燃料を
前記接合フランジ部に向けて流下させる燃料案内
路を形成し、さらに前記接合フランジ部の上面に
は、前記燃料案内路を流下した燃料を所定場所に
案内排出する案内溝を該フランジ部の周方向に沿
つて設けたことを特徴とする。

以下、図面により本考案をスクータに実施した
場合の実施例について説明する。

第１図において、スクータＳの車体フレーム１
の後部に、エンジンを含むパワーユニツト２が支
持されるとともに、その上部に燃料タンクＴ、さ
らにその前方にバツテリ３が搭載され、さらにそ
れらを覆う後部車体４上にシート５が搭載され
る。

次に第２〜４図を参照して前記燃料タンクＴの
構造を説明する。

燃料タンクＴは、上部タンク半体６の外周フラ
ンジ６ａと、その直下の下部タンク半体７の外周
フランジ７ａとを一体に衝合結着して構成されて
おり、その燃料タンクＴの外周には、前記両フラ
ンジ６ａ，７ａによつて、その全周に亘つて略水
平にのびる接合フランジ部８が形成され、その接
合フランジ部８の上面には複数個の取付孔９，９
…が穿設されるとともにその後半部には、後述す
るようにそこに流下した燃料をタンクＴ後端の所
定場所に導きその下方に流下させるための案内溝
１０が、該接合フランジ部８の周方向に沿つて形
成される。燃料タンクＴの上壁には燃料注入口１
１が開口され、この注入口１１は燃料キヤツプ１
２によつて閉じられる。燃料タンクＴ上壁の、燃
料注入口１１前方には、横方向にのびる断面凸条
をなす第１の隆起条１３が一体に突設され、さら
にその後方には直状部１４ａとＣ字状部１４ｂと
よりなる同じく断面凸条の第２の隆起条１４が一
体に突設され、前記第１の隆起条１３と第２の隆
起条１４の直状部１４ａとによつて直状の燃料案
内路１５が形成され、この案内路１５はその中央
より左右に向つて若干下方に傾斜しており、燃料
タンクＴ上に残留した燃料の一部はこの案内路１
５に沿つて第２図矢印に示すように前記接合フラ
ンジ部８上に落ちるようになつている。また前記
第２の隆起条１４のＣ字状部１４ｂと前記燃料注
入口１１との間には、該注入口１１を囲むように
断面凹状の第２の燃料案内路１６が形成される。
この第２の案内路１６は燃料タンクＴの後壁に向
つて若干下方に傾斜しており、燃料タンクＴ上に
残留した燃料の他の一部は、この第２の燃料案内
路１６に沿つて第２図矢印に示すように前記接合
フランジ部８上に落ちるようになつている。そし
て接合フランジ部８上の燃料は前記案内溝１０に
沿つて燃料タンクＴ下の所定場所に流下するよう
になつている。

尚、図中１７はリヤフエンダ、１８は後車輪で
ある。

次に本考案の実施例の作用について説明する
と、注入ガン等により燃料注入口１１を通して燃
料タンクＴ内に燃料を注入する際には、燃料を僅
かながら燃料タンクＴ上に滴下させることがあ
る。この燃料は、第２図矢印に示すように第１，
第２の燃料案内路１５，１６に流れ込み、それら
の案内路１５，１６を流れて燃料タンクＴの左右
両側壁および後壁を伝わつて流下し、接合フラン
ジ部８上に落ちる。接合フランジ部８上の燃料
は、そこに形成される案内溝１０に沿つて後方に
流れ、その接合フランジ部８後端よりリヤフエン
ダ１７上に落ちる。

尚、上記実施例では本考案装置をスクータに実
施した場合を説明したが、これを他の二輪車、三
輪車に実施できることは勿論である。

以上のように本考案によれば、上壁に燃料注入
口１１を開口した上部タンク半体６と、この上部
タンク半体６直下の下部タンク半体７とより燃料
タンクＴを構成するとともに、そのタンクＴ外周
に、前記両タンク半体６，７間を結合する接合フ
ランジ部８を設け、前記上部タンク半体６の上壁
に断面凸条の隆起条１３，１４を突設して、その
隆起条１３，１４により前記燃料注入口１１の周
りに、該燃料注入口１１周囲の残留燃料を前記接
合フランジ部８に向けて流下させる燃料案内路１
５，１６を形成し、さらに前記接合フランジ部８
の上面には、前記燃料案内路１５，１６を流下し
た燃料を所定場所に案内排出する案内溝１０を該
フランジ部８の周方向に沿つて設けたので、燃料
タンクＴへの給油時において注入ガン等より燃料
注入口１１の周囲に滴下した燃料は、燃料案内路
１５，１６を経て接合フランジ部８上の案内溝１
０に達し、その溝１０をタンク周方向に沿つて流
下して所定場所に誘導され、従つて上記滴下燃料
を、その滴下位置や車体の傾斜方向に関係なく常
に所定場所に排出することができ、その排出燃料
の処理が容易であるとともに、燃料タンクＴ自体
やその周辺機器等の燃料による汚損を有効に防止
し得る。

またタンクＴ上壁の前記隆起条１３，１４はタ
ンクＴ上壁に対する補強リブとなつて、その上壁
の剛性アツプに寄与することができる。さらにタ
ンクＴ外周の接合フランジ部８上面に前記案内溝
１０を形成することによつて、該接合フランジ部
８の剛性も高めることができ、のみならず該接合
フランジ部８における接合面のシール性も向上す
る。しかもその接合フランジ部８が燃料排出路に
兼用されることによつて、タンクの構造が簡素化
される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置を装備したスクータの側面
図、第２図は燃料タンクの斜視図、第３図は、第
２図線矢視図、第４図は、第２図−線縦断
面図である。 Ｔ……燃料タンク、６，７……上、下部タンク
半体、８……接合フランジ部、１０……案内溝、
１１……燃料注入口、１３，１４……隆起条とし
ての第１、第２の隆起条、１５，１６……燃料案
内路としての第１、第２の燃料案内路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上壁に燃料注入口１１を開口した上部タンク半
   体６と、この上部タンク半体６直下の下部タンク
   半体７とより燃料タンクＴを構成するとともに、
   そのタンクＴ外周に、前記両タンク半体６，７間
   を結合する接合フランジ部８を設け、前記上部タ
   ンク半体６の上壁に断面凸条の隆起条１３，１４
   を突設して、その隆起条１３，１４により前記燃
   料注入口１１の周りに、該燃料注入口１１周囲の
   残留燃料を前記接合フランジ部８に向けて流下さ
   せる燃料案内路１５，１６を形成し、さらに前記
   接合フランジ部８の上面には、前記燃料案内路１
   ５，１６を流下した燃料を所定場所に案内排出す
   る案内溝１０を該フランジ部８の周方向に沿つて
   設けてなる、二，三輪車における燃料タンク上残
   留燃料の処理装置。