JPH043917Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は自動二輪車等の鞍乗型車両の冷却構
造、詳しくは、フエアリング等で包囲される閉鎖
的空間に配置された気化器およびエアクリーナ等
に中空筒状のメインフレームを介して走行風を導
く冷却構造に関する。

（従来の技術） 自動二輪車にあつては、一般に、ヘツドチユー
ブから一対のメインフレームを下傾かつ左右に拡
開させて後方に延設し、これらメインフレーム間
に気化器およびエアクリーナ等のエンジンに付随
する機器を配置する。そして、近年の自動二輪車
は、メインフレーム等にフエアリングあるいはカ
ウル等のカバー部材を設け、空気抵抗の低減が図
られる。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら、上述のような自動二輪車にあつ
ては、気化器およびエアクリーナ等の前方側がフ
エアリングによつて包われるため、走行時に充分
な走行風を導くことができないという問題点があ
つた。

この考案は、上記問題点に鑑みてなされたもの
で、メインフレーム間でフエアリング等で包囲さ
れる閉鎖的空間に配置されたエンジンの付属機器
に充分な走行風を導くことができる自動二輪車の
冷却構造を提供することを目的とする。

（課題を解決するための手段） この考案はヘツドチユーブから一対のメインフ
レームを下傾かつ左右に拡開させて後方に延設
し、該メインフレーム間に前記ヘツドチユーブの
直後位置でエンジンと接続した気化器およびエア
クリーナを配設するとともに、前記エンジンの前
方にフエアリングを配置した自動二輪車におい
て、車体進行方向に向かつて開口する開口部を前
記フエアリングに形成するとともに、前記一対の
メインフレームを中空筒状に構成し、該メインフ
レームに前記気化器およびエアクリーナの近傍で
内側に向かつて開口する排出口を設けるととも
に、その中空内部を、冷却風導入筒を介して前記
フエアリングの開口部に連通させたことを要旨と
する。

（作用） この考案にかかる自動二輪車の冷却構造によれ
ば、フエアリングの開口部から取り込んだ走行風
を中空筒状の左右一対のメインフレームに導入
し、該メインフレームに設けた排出口から気化器
およびエアクリーナに導く。このため、それら吸
気系に充分な走行風を案内して吸気の充填効率を
向上でき、また、エンジンを効果的に冷却でき、
さらに、メインフレーム自体も冷却されてメイン
フレームの周囲の温度上昇も可及的に抑えること
ができる。そして、冷却風をフエアリングの開口
から冷却風導入筒で直接的にメインフレーム内に
導入することができるため、冷却風を効果的に取
り込むことができる。

（実施例） 次に本考案の好適一実施例を添付図面を参照し
つつ詳述する。

第１図は自動二輪車１の側面図で、フレーム２
前端のヘツドチユーブ３を介して前輪４を支持す
るフロントフオーク５を操向自在に支持し、フレ
ーム前部下位にはエンジン６を、又上位には燃料
タンク７を各搭載し、フレーム後下位には後方に
後輪８を支持するリヤフオーク９を枢着延設し、
燃料タンク７の後方にはシート１０を設ける。

エンジン６は側面視Ｖ型の水冷式多気筒エンジ
ンで、前後の気筒６ｂ，６ｂ間のＶ型谷間には気
化器１１が設けられ、この上にエアクリーナ１２
が設けられている。そして前気筒６ａの前上方に
はラジユエータ１３が設けられ、これはヘツドチ
ユーブ３から垂下されたダウンチユーブ２ａに取
付支持され、更に車体前部を覆う如くフエアリン
グ１４が付設され、Ｖ型谷間、即ち気化器１１の
部分は走行冷却風が通りにくく、エンジンの熱や
ラジユエータの温風が滞流する虞れがある。

以上において、フレーム２０のメインフレーム
を第２図乃至第４図の如く構成する。

メインフレーム２０はヘツドチユーブ３から後
方且つ若干下傾し、更にヘツドチユーブ３から左
右外方に膨出する左右のメンバ２１，２２からな
り、メンバ２１，２２は本実施例では角パイプを
採用した。左右のメンバ２１，２２の先端部２１
ａ，２２ａは夫々対向する内壁を切欠２１ｂ，２
２ｂし、切欠端縁２１ｃ，２２ｃを溶接して一体
化し、溶接部２０ａの後端から左右外方、且つ後
方に延出され、分岐部２０ｂにヘツドチユーブ３
を溶接する。そして溶接部２０ａを備える先部２
０ｃの先端面を開口し、冷却風導入筒２０ｄを形
成する。

ヘツドチユーブ３から左右外方に膨出し、且つ
後方に延びる左右のメンバ２１，２２の対向する
内壁２０ｄ，２２ｄには内側方に突出し、Ｖ型谷
間の間に気化器１１およびエアクリーナ１２の近
傍で指向性をもたせる如く冷却風排出口２３，２
４を前後に離間して夫々に設け、排出口２３，２
４は周りに突枠状部２３ａ，２４ａを備える。以
上の冷却風導入筒２０ｄは前方を向き、フエアリ
ング１４の前面の開口１４ａに開放され、図示し
ていないが端面を網等で塞いでも良い。

以上において、走行風は開口１４ａから直接的
に冷却風導入筒２０ｄに取り入れられ、この冷却
風導入筒２０ｄを経てヘツドチユーブ３の部分で
メインフレーム２０の左右のメンバ２１，２２内
に分岐され、この中をダクトとして後方に流れ、
排出口２３，２４から左右のメンバ２１，２２の
内側方向に噴出する。これを矢印で示し、この部
分に臨む気化器１１および気化器１１の上方のエ
アクリーナ１２に走行風が導かれる。このため、
エアクリーナ１２および気化器１１には充分な風
量の走行風が供給され、吸気の充填効率を向上で
きる。

（考案の効果） 以上で明らかな如く本考案によれば、冷却風導
入筒によつて走行風をフエアリングの開口から直
接的に導入するため、気化器およびエアクリーナ
に充分な風量の走行風を供給して充填効率を向上
でき、またメインフレーム自身も効果的に冷却さ
れ、その周りの温度上昇を可及的に抑えることが
できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は自動二輪車の側面図、第２図はフレーム要部の
斜視図、第３図は同横断平面図、第４図は同分解
斜視図である。 尚図面中２はフレーム、３はヘツドチユーブ、
６はエンジン、１１は気化器、１２はエアクリー
ナ、１４はフエアリング、１４ａは開口部、２
１，２２は左右のメンバ、２０ｄは冷却風導入
筒、２３，２４は排出口である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ヘツドチユーブから一対のメインフレームを下
   傾かつ左右に拡開させて後方に延設し、該メイン
   フレーム間にエンジンを配置するとともに、該エ
   ンジンに接続する気化器およびエアクリーナを前
   記ヘツドチユーブ直後のメインフレーム間に配設
   し、前記エンジンの前方にフエアリングを配置し
   た自動二輪車において、 車体進行方向に向つて開口する開口部を前記フ
   エアリングに形成するとともに、 前記一対のメインフレームを中空筒状に構成
   し、該メインフレームに前記気化器およびエアク
   リーナの近傍で内側に向つて開口する排出口を設
   けるとともに、その中空内部を、冷却風導入筒を
   介して前記フエアリングの開口部に連通させたこ
   とを特徴とする自動二輪車の冷却構造。