JPS6215083Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は自動車におけるブレーキブースタの
取付構造、詳しくはブレーキブースタを車室内に
配設し、ブレーキペダルに連動させて取付けるべ
くしたブレーキブースタの取付構造に関する。

一般に大形自動車などにおいては、そのエンジ
ンルームに、入力に対して出力を増大させるべく
したブレーキブースタを配設し、該ブースタを前
記ブレーキペダルの踏込操作により作動させて、
確実に自動車の制動を行なうべくしている。

ところで小形自動車にあつては、そのエンジン
ルームが狭いため、該エンジンルームに前記ブー
スタを設けることが困難である。

しかして小形自動車に前記ブースタを設ける場
合には、前記エンジンルーム以外の車室側に設け
る必要がある。このとき前記ブースタを、車室内
におけるブレーキペダル取付部の上部空間を利用
して取付けることが考えられるが、前記ブースタ
は普通断面円形状とされて嵩高いために、前記空
間の最上部に取付けるとしても、ブースタの円周
一部が下方に突出して、前記ペダルを踏込操作す
るのに必要な空間を一部専有し、ペダルの踏込操
作に悪影響を与えることになる。

本考案は以上のごとき問題に鑑みて考案したも
ので、ブレーキペダルの踏込操作に影響を与える
ことなく、該ペダル取付部の上部空間を有効利用
して、ブレーキブースタを取付けるべくしたもの
である。

さらに詳しくは、ペダル軸を支持するペダルブ
ラケツトの側方に、前記ブレーキペダルの取付位
置より外方に延びるブースタ保持ブラケツトを固
定する一方、前記ブレーキブースタをほぼ長円形
として、前記ブースタ保持ブラケツトに、前記ブ
ースタの長軸側が水平となるごとく取付けると共
にブレーキブースタを、前記ブレーキペダルに、
該ペダルを固定した筒軸を介して連動させたこと
を特徴とするものである。

以下本考案にかかるブレーキブースタの取付構
造を図面の実施例によつて説明する。

図中１はエンジンルームと車室とを画成するダ
ツシユパネル、２は前記車室内に設けたインナー
パネルで、上部に計器類を取付けるべくしてお
り、前記ダツシユパネル１とインナーパネル２と
により囲まれる空間３の上部に、クラツチペダル
４とブレーキペダル５とを支持する断面コ字形の
ペダルブラケツト６を固定している。

しかして本考案は、前記空間３内で前記ブラケ
ツト６の側方部に、ブースタ本体７ａの前後両側
に入力ピストン７ｂとマスターシリンダ７ｃを設
けたブレーキブースタ７を次のごとくして取付け
るのである。

即ち、前後方向に延びる基片８ａと、該基片８
ａの前端から外側方に直交状に延びる中間片８ｂ
と、この中間片８ｂの先端から前記基片８ａと平
行に前方に延びる先端片８ｃとから成る概略階段
形状のブースタ保持ブラケツト８を形成し、該ブ
ラケツト８の基片８ａを前記ペダルブラケツト６
に、複数のボルト９により固定する。

そして前記ブレーキブースタ７の本体７ａを、
長軸Ｄと短軸ｄをもつ長円形状に形成し、このブ
ースタ７の本体７ａを前記保持ブラケツト８の中
間片８ｂに、長軸Ｄ側を水平とし且つ短軸ｄ側を
垂直方向に向けて一体に取付けると共に、前記ブ
ースタ７の入力ピストン７ｂを前記中間片８ｂか
ら前方に突出位置させるのである。

また前記ペダルブラケツト６と前記保持ブラケ
ツト８の先端片８ｃとの間に、ペダル軸１０を両
持状に支持させ、該ペダル軸１０の前記ペダルブ
ラケツト６から外側方に突出する端部に、前記ク
ラツチペダル４を取付けると共に、前記ペダル軸
１０における前記ペダルブラケツト６の他側方
で、該ブラケツト６と前記保持ブラケツト８の先
端片８ｃとの間には、筒軸１１を遊嵌合させ、該
筒軸１１の前記ペダルブラケツト６よりの位置
に、前記ブレーキペダル５を取付ける。

さらに前記筒軸１１のほぼ中間位置には、上方
に延びる突杆１２を一体に設け、この突杆１２の
上端部にコ字形の連結金具１３を連結ピン１４を
介して回動自由に取付けると共に、該金具１３を
前記ブースタ７の入力ピストン７ｂに連結させ
て、前記ブレーキペダル５の踏込操作に伴なう筒
軸１１の回動により、前記突杆１２及び連結金具
１３を介して前記ブースタ７を作動させるべくな
すのである。

本考案は以上のごとく構成したもので、自動車
の制動時には、ブレーキペダル５の踏込操作によ
り筒軸１１を回動させて、ブレーキブースタ７の
入力ピストン７ｂを押しつけ該ブースタ７のマス
ターシリンダ７ｃから入力以上の高出力を出力し
て、自動車の制動を行なうのである。このとき前
記ブースタ７は、ダツシユパネル１とインナーパ
ネル２とにより囲まれる車室側空間３の上部、つ
まりブレーキペダル５の取付部空間上部に保持ブ
ラケツト８を介して配置しているが、該ブースタ
７は長円形状となし、これの長軸Ｄ側が水平とな
るように、前記ブラケツト８に取付けており、従
つて前記ブースタ７が下方に大きく突出すること
がなく、該ブースタ７は前記空間３の上部にコン
パクトに収納保持されるのであり、しかして前記
ブースタ７を前記空間３に配置しても、前記ペダ
ル５の踏込操作を阻害することがないのである。

以上説明したごとく本考案にかかるブレーキブ
ースタの取付構造では、ブレーキブースタをほぼ
長円形となし、これの長軸側が水平となるよう
に、ブレーキペダル取付部空間の上部に配設すべ
くしたから、前記ブースタをブレーキペダルの踏
込操作に影響を与えることなく取付けることがで
き、換言すれば前記ブースタを設けるにも拘わら
ず、ブレーキペダルの良好な踏込操作ができるの
である。しかも前記ブースタは、車室側のブレー
キペダル取付部空間に配置するため、該空間を有
効利用できるばかりか、ブレーキブースタを従来
困難とされた小形自動車にも搭載できるに至つた
のである。

また本考案では、ブレーキペダル取付部周辺の
基本構造を変更することなく、ブースタ保持ブラ
ケツトを追加し、かつ筒軸の一部を変更するだけ
で、ブレーキブースタを簡単に自動車に搭載でき
るのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかるブレーキブースタの取
付構造を示す側面図、第２図はその一部切欠平面
図、第３図は同正面図である。 ５……ブレーキペダル、６……ペダルブラケツ
ト、７……ブレーキブースタ、８……ブースタ保
持ブラケツト、１０……ペダル軸、１１……筒
軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ブレーキブースタを車室内に配設し、ブレーキ
   ペダルと連動するごとく取付けるブレーキブース
   タの取付構造であつて、ペダル軸を支持するペダ
   ルブラケツトの側方に、前記ブレーキペダルの取
   付位置より外方に延びるブースタ保持ブラケツト
   を固定する一方、前記ブレーキブースタをほぼ長
   円形として、前記ブースタ保持ブラケツトに、前
   記ブースタの長軸側が水平となるごとく取付ける
   と共にブレーキブースタを、前記ブレーキペダル
   に、該ペダルを固定した筒軸を介して連動させた
   ことを特徴とする自動車におけるブレーキブース
   タの取付構造。