JP3178125B2 - 自動車用ペダル装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、自動車用ペダル装置、
例えば、ペダルとブースタとを軽量且つコンパクトに一
体化させるのに有用な自動車用ペダル装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】ブレーキブースタとブレーキペダルと
を、ブレーキブースタを車体に取付ける前に、予め一体
化即ち組立体とする試みがある。この試みは、自動車の
組立ラインの簡素化に役立つ。

【０００３】この試みの一つが、英国公開特許第 2,23
5,263号明細書に開示される。この例は、ブレーキブー
スタの前方ハウジングにブレーキマスタシリンダを支持
させ、ブレーキブースタの後方ハウジングを自動車のダ
ッシュボードに固定するもので、その後方ハウジング
に、ブラケットを固定し、このブラケットにブレーキペ
ダルを支持させるものであるが、より詳述すると、ブラ
ケットとブレーキペダルの支持点をブレーキペダルの回
転中心とし、ブレーキペダルの一端にブラケットに固定
させたダンパーを設け、且つブレーキペダルの適所をブ
レーキブースタのプッシュロッドの一端に直接固定する
構造のものである。

【０００４】

【本発明が解決しようとする課題】前述した公知例は、
ブレーキブースタとブレーキペダルとをユニット化させ
てはいるが、ブレーキペダルが、ブラケットに枢支され
ることもあり、ダッシュボードのかなり乗員側へブレー
キペダルが張出し、大型化する欠点を示す。それ故に、
本発明は、前述した従来技術の不具合を解消させること
を解決すべき課題とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、前述した課題
を解決するために、基本的には、ブースタのプッシュロ
ッド用のダストブーツの側部にペダルを配する手段を用
いる。

【０００６】具体的には、本発明は、ブースタの前方ハ
ウジングの開口端に径方向外方に延出するよう設けたフ
ランジと、該フランジに固定され且つペダルの一端を枢
支するブラケットと、ブースタのプッシュロッド用ダス
トブーツの側部を通るペダルとプッシュロッドとを連結
する部材とを有し、ペダルと連結部材を結合させるクレ
ビスピンの位置が、プッシュロッドの軸心より側外方に
ずれている自動車用ペダル装置を提供する。

【０００７】

【作用】ペダルを、ブースタのプッシュロッド用ダスト
ブーツの側部を通したので、ペダルの乗員側へ張出しが
なく、コンパクト化可能となる。ペダルへの踏力は、連
結部材を介してプッシュロッドに効率よく伝達され、踏
力の損失はない。

【０００８】

【実施例】自動車用のペダル装置に１は、ブレーキブー
スタ２と、該ブレーキブースタ２の前方ハウジング３の
開口端のフランジ４に固定されたブラケット５と、一端
をブラケット５に且つ中間部をブレーキブースタ２のプ
ッシュロッド６に支持されたペダル７とを有し、このペ
ダル装置１は、予め組立てられユニット化される。尚、
ブレーキブースタ２にマスターシリンダ８を、予め、固
定させておいても良い。即ち、マスターシリンダ８をユ
ニット化の一構成品としてもよい。

【０００９】マスターシリンダ２の前方ハウジング３の
開口端のフランジ４は、半径方向外方に張出し形をな
し、このフランジ４の前方に、ダイアフラム９の縁を支
持する後方ハウジング１０が位置する。後方ハウジング
１０の中央部から後方へと、プッシュロッド１６を覆う
円筒状のダストブーツ１１が延出する。前方ハウジング
３の後方部の離間した複数個の突片１２を、前方ハウジ
ング３の穴１３に挿入した後プレス成形することで、後
方ハウジング１０を前方ハウジング３に固定する。

【００１０】ブラケット５は、ブレーキブースタ２のフ
ランジ４にボルト１４止される三本脚部１５と、中央部
の後方へ断面コの字状に延出する本体部１６とよりな
る。ブラケット５を、ブレーキブースタ２の後面中央上
方部のフランジ４に、ボルト１４をブラケット５の脚部
１５を介して締結することでブレーキブースタ２へ固定
する。本体部１６の対向壁間にボルト１７を貫通させ、
対向壁間であってボルト１７にスリーブ１８を貫挿させ
る。このスリーブ１８の外周面に、ブレーキペダル７の
一端を固定させ、ブレーキペダル７を、このスリーブ１
８と共にボルト１７まわりに前後に揺動自在とさせる。

【００１１】ブレーキペダル７は、図２に示す如く、ブ
レーキブースタ２の円筒状のダストブーツ１１の側方
に、このダストブーツ１１を逃げるようにして配され、
次いで、ブレーキブースタ２の軸心を通る垂直面に戻さ
れる。即ち、ブレーキペダル７は、ダストブーツ１１を
逃げる、云い換えれば、ダストブーツ１１との干渉を避
ける屈曲部１９を有す。ブラケット５は、ゴム製ストッ
パ２０を有し、ブレーキペダル７の後方への位置を規制
する。

【００１２】ブレーキブースタ２のプッシュロッド６
と、ブレーキペダル７とは、Ｌ形連結部材２１を介して
結合される。プッシュロッド６にＬ形連結部材２１の一
片の一端をボルト２２で固定し、他の片２３を、ブレー
キブースタ２のダストブーツ１１の側部に沿って前方へ
延在させる。ブレーキペダル７の屈曲部１９を、Ｌ形連
結部材２１の他の片２３に、クレビスピン２４を用いて
固定する。この結果、ブレーキペダル７のスリーブ１８
を中心とする前後への揺動は、Ｌ形連結部材２１を介し
て、ブレーキブースタ２のプッシュロッド６を往復動さ
せる。

【００１３】図示例では、ブレーキペダル７をダストブ
ーツ１１の一側に延出させ、ブラケット５のスリーブ１
８に支持させたが、仮想線で示す如く、ダストブーツ１
１の両側にブレーキペダル７を延出させ、ペダルの両持
ちを可能とさせてもよい。

【００１４】ブラケット５のブレーキブースタ２の前方
ハウジング３のフランジ４への取付けは、前方ハウジン
グ３が強度部材であることから、強固であり、ブレーキ
ペダル７への踏込み動作や、ブレーキブースタ２からの
プッシュロッド６を介しての反力に、ブラケット５が充
分に耐え、且つフランジ４とブラケットの脚部１５との
取付部を変形させることはない。このフランジ４は、
又、ブレーキブースタ２をダッシュボード２５に固定す
るのに利用される。

【００１５】ブレーキペダル７とブレーキブースタ２の
プッシュロッド６との結合を、Ｌ形連結部材２１を用
い、ブレーキブースタ２側へ即ちダッシュボード２５側
へ近付け、ブレーキペダル７の乗員側への張出しを抑制
させる。これは、ペダル装置１のコンパクト化に有効で
ある。

【００１６】

【効果】本発明では、ブレーキペダルのクレビス位置を
ブレーキブースタのプッシュロッドの軸心よりずらし、
その側方へ偏心させ、ブレーキペダルをブレーキブース
タに接近させたので、ブレーキペダル装置の小型化が可
能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一例の正面図である。

【図２】本発明の一例の側面図である。

【符号の説明】

２ ブレーキブースタ ３ 前方ハウジング ４ フランジ ５ ブラケット ６ プッシュロッド ７ ブレーキペダル ８ マスターシリンダ １０ 後方ハウジング １１ ダストブーツ １５ 脚部 ２１ Ｌ形連結部材 ２４ クレビスピン ２５ ダッシュボード

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ブースタの前方ハウジングの開口端に径
   方向外方に延出するよう設けたフランジと、該フランジ
   に固定され且つペダルの一端を枢支するブラケットと、
   ブースタのプッシュロッド用ダストブーツの側部を通る
   ペダルとプッシュロッドとを連結する部材とを有し、ペ
   ダルと連結部材を結合させるクレビスピンの位置が、プ
   ッシュロッドの軸心より側外方にずれている自動車用ペ
   ダル装置。
2. 【請求項２】 連結部材がＬ形をなす請求項１の自動車
   用ペダル装置。