JPS6215063Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 考案の技術分野 この考案は、ダブルテンシヨンクラツチを有す
る移動農機において、クラツチの切換え操作を行
なうクラツチ操作装置に関するものである。

考案の技術的背景とその問題点 従来、ダブルテンシヨンクラツチの切換え操作
を行なうクラツチレバーはハンドルに固定された
クラツチケースに設けられており、さらに、クラ
ツチケース内にはクラツチレバーの回動操作によ
り択一的に回動される一対の回動体が設けられて
いる。そして、一方の回動体には低速側テンシヨ
ンアームに連結されるワイヤーが連結され、他方
の回動体には高速側テンシヨンアームに連結され
るワイヤーが連結されている。しかして、クラツ
チレバーの回動中心は一対の回動体の中間に位置
するため、クラツチケースの幅が大きくなり、薄
型化を図ることができない。また、クラツチレバ
ーの回動中心を前後及び左右に回動自在な球状支
点とするとともに回動体を回動自在に軸支するシ
ヤフトを別個に設けなければならず、部品点数が
ふえ、構造が複雑になつている。

考案の目的 この考案は、このような点に鑑みなされたもの
で、部品点数の削減及び構造の簡略化を図るとと
もにクラツチケースの薄型化を図りうる移動農機
のクラツチ操作装置を得ることを目的とするもの
である。

考案の概要 この考案は、一端が低速側テンシヨンアームに
連結されるワイヤーの他端が連結される回動体
と、一端が高速側テンシヨンアームに連結される
ワイヤーの他端が連結される回動体とをクラツチ
ケース内に設け、これらの回動体をクラツチレバ
ーの軸部に軸心回りに回動自在に軸支するととも
にクラツチレバーを軸部の軸心方向に移動自在に
設け、一対の回動体の互いに対向する縁部に軸部
の軸心方向に沿つた略Ｕ字形の切欠きを形成し、
軸部にいずれか一方の切欠きに択一的に係合する
係合凸部を設け、クラツチレバーを軸部の部心方
向に移動させて係合凸部をいずれか一方の切欠き
に係合させるとともにクラツチレバーを軸部の軸
心回りに回動させることによつて一方の回動体を
一体的に回動させ、その回動体に連結されている
ワイヤーを引いてクラツチの切換え操作を行な
い、クラツチレバーの軸部を回動体を軸支するシ
ヤフトとして用いることにより部品点数の削減及
び構造の簡略化を図り、また、一対の回動体を近
接させて配置することによりクラツチケースの薄
型化を図りうるように構成したものである。

考案の実施例 この考案の一実施例を図面に基づいて説明す
る。地表を走行する移動農機１の棒状のハンドル
２にはクラツチケース３が固定されており、この
クラツチケース３には略90゜に屈曲した軸部４を
有するクラツチレバー５が軸部４の軸心回りに前
後方向回動自在及び軸部４の軸心方向に沿つて左
右方向スライド自在に設けられている。前記軸部
４には回動体である二個の筒体６，７が遊嵌され
ており、これらの筒体６，７は互いに対向する縁
部を擦り合う状態に近接して配置されている。そ
して、前記筒体６，７の互いに対向する縁部には
前記軸部４の軸心方向に沿つて略Ｕ字形をした切
欠き８が形成され、また、前記軸部４には前記切
欠き８のいずれか一方に択一的に係合する係合凸
部であるピン９が固定されている。なお、前記軸
部４の端部にはクラツチレバー５を常時右方向に
付勢するスプリング１０が外嵌されている。

前記筒体６，７には放射方向に突出するアーム
１１が固定されており、アーム１１の先端部には
左右方向の軸心を有するピン１２によつて揺動ア
ーム１３の一端が回動自在に連結され、さらに、
一方の揺動アーム１３の他端には低速側テンシヨ
ンアーム（図示せず）に連結されるワイヤー１４
の一端がピン１５により回動自在に連結され、他
方の揺動アーム１３の他端には高速側テンシヨン
アーム（図示せず）に連結されるワイヤー１６の
一端がピン１５により回動自在に連結されてい
る。

このような構成において、ニユートラル時には
第２図に示すように左右の筒体６，７の切欠き８
が同一線上で向き合つており、ピン９はスプリン
グ１０の付勢力によつて筒体６の切欠き８に係合
した状態に維持されている。そして、この状態か
らクラツチレバー５を軸部４の軸心回りに前方へ
回動させると、ピン９と切欠き８との係合により
筒体６も軸部４の軸心回りに一体的に回動する。
そして、第３図及び第４図に示すように筒体６の
アーム１１が後方へ回動することによつてワイヤ
ー１４が引つ張られ、低速側のクラツチが繋が
る。また、第２図に示した状態からクラツチレバ
ー５を左方向にスライドさせてピン９を筒体７の
切欠き８に係合させ、その状態からクラツチレバ
ー５を前方へ回動させることによつてワイヤー１
６が引つ張られ、高速側のクラツチが繋がる。

このようにして、低速側と高速側とのクラツチ
の切換えが容易に行なえ、しかも、筒体６，７を
軸部４に軸支することによつて部品点数の削減が
図れ、さらに、クラツチレバー５に回動支点を用
いる必要がなく構造が簡単になる。さらに、クラ
ツチケース３は筒体６，７を並設しうる横幅があ
ればよく、クラツチケース３の薄型化を図れる。

なお、図示しないが、クラツチレバー５を前方
に回動させて所定の変速位置に位置させた場合は
係止機構によつて位置を固定されるものである。

考案の効果 この考案は、上述のようにワイヤーを介して低
速側及び高速側のテンシヨンアームに連結される
一対の回動体をクラツチレバーの軸部に軸支した
ことにより、部品点数の削減及び構造の簡略化を
図ることができ、また、一対の回動体を互いに近
接させて配置することができ、したがつて、回動
体等を収納するクラツチケースを薄型構造とする
ことができる等の効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示すもので、第１
図は全体の側面図、第２図はニユートラル状態の
クラツチケースを拡大して断面にした平面図、第
３図は低速側変速状態のクラツチケースを拡大し
て断面にした平面図、第４図はその縦断側面図で
ある。 ３……クラツチケース、４……軸部、５……ク
ラツチレバー、６〜７……筒体（回動体）、８…
…切欠き、９……ピン（係合凸部）、１４……ワ
イヤー、１６……ワイヤー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. クラツチレバーの軸部をクラツチケース内に位
   置させて軸心回りに回動自在および軸心方向に移
   動自在に設け、前記軸部に一対の回動体を前記軸
   部の軸心回りに回動自在及び互いに近接させて軸
   支し、一端が低速側テンシヨンアームに連結され
   るワイヤーの他端を一方の前記回動体に連結する
   とともに一端が高速側テンシヨンアームに連結さ
   れるワイヤーの他端を他方の前記回動体に連結
   し、前記回動体同志の互いに対向する縁部に前記
   軸部の軸心方向に沿つた略Ｕ字形の切欠きを形成
   し、前記軸部に前記切欠きのいずれか一方に択一
   的に係合する係合凸部を設けたことを特徴とする
   移動農機のクラツチ操作装置。