JPS62142005A - 稠密六方晶金属板の冷間圧延方法 - Google Patents

稠密六方晶金属板の冷間圧延方法

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JPS62142005A
JPS62142005A JP28517685A JP28517685A JPS62142005A JP S62142005 A JPS62142005 A JP S62142005A JP 28517685 A JP28517685 A JP 28517685A JP 28517685 A JP28517685 A JP 28517685A JP S62142005 A JPS62142005 A JP S62142005A
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rolled
roll
oil
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Yoshio Oike
大池 美雄
Masato Fukuda
正人 福田
Sumihiko Tanaka
田中 純彦
Toyokazu Sano
佐野 豊和
Akio Okamoto
明夫 岡本
Seiji Ban
伴 誠二
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Kobe Steel Ltd
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、Ti、Ti合金、Zr、Zr合金の様に結晶
構造が稠密六方晶である金属板の冷間圧延方法に関し、
特にオイルピットが殆んどなく表面品質の良好な同金属
板を生産性良く製造する方法に関するものである。
[従来の技術] 金属板の冷間圧延においては焼付防止の為圧延油の使用
が必須とされるが、反面圧延油を供給し過ぎると、圧延
ロールと被圧延材の間が流体潤滑となり、高圧の圧延油
と接する被圧延材の自由表面に凹凸(所謂オイルピット
)を生じることが知られている。殊に前記稠密六方晶金
属の様に結晶方位によって変形抵抗が著しく異なる金属
では、変形抵抗の低い方位の結晶か容易に変形する為オ
イルピットが発生しbく、例えばTi冷延板においては
該ピットの深さが十数ミクロンに達することも稀ではな
い。このオイルピットは最終製品の表面精度を著しく阻
害するので、圧延工程で発生するオイルピットを如何に
小ざくするかということが、この種の稠密六方晶金属板
の冷間圧延における重要な課題となっている。そしてそ
のオイルピットの許容限界は製品の用途によっても異な
るが、深さにして1〜2μm以下であることが要求され
ることも少なくない。
一方、オイルピットの発生を防止する為に潤滑性の悪い
圧延油を使用すると、圧延ロールと被圧延材の間が境界
潤滑となりオイルピットの発生は抑えられるが、ロール
バイトにおける摩擦係数が上昇して圧延荷重が増大する
と共に被圧延材がロールに固着する。そしてこの様な状
態で圧延を継続すると、ロールに対する被圧延材の局部
的な固着が進行して所謂焼付きが発生する。圧延工程で
この様な焼付きが発生するとロールバイト部での摩1察
係数は急6ケに上昇し、圧延の続行が不可能になる。更
に焼付きが発生するとロールの表面精度が悪くなり冷延
板の表口精度も著しく低下する為圧延ロールの再研削が
必要になる。即ち圧延初期の固着は焼付きの原因になる
と考えられており、従来は圧延初期から極力固着が抑制
される様な圧延操業が行なわれてきた。また圧延製品の
表面精度に犬きく影暮する最終仕上げパスにおいては、
圧延ロールに焼付現象が発生した場合はもとより、固着
だけが生じている場合でも圧延操業を直ちに中断し、圧
延ロールを研磨仕上げロールと交換して操業を再開する
と共に、被圧延金属の固着した圧延ロールを研削補修工
程へ送っている。
[発明が解決しようとする問題点] この様な状況であるから前述の様な稠密六方晶金属板の
冷間圧延においては、オイルピットをできるだけ抑制し
得ると共に焼付きを生じない様な潤滑油の開発及び操業
条件の設定に主眼を習いて改良研究が進められているが
、オイルピットを抑制しようとすると焼付きが発生し、
焼付きを防止しようとするとオイルピットが発生し易く
なる、という不具合いな傾向がある為、オイルピットと
焼付きをどちらも満足のいく程度まで改善することは至
難のことであると考えられていた。本発明はこうした実
情のもとで、稠密六方晶金属板を対象としてオイルピッ
トと焼付きの問題を同時に解消し、表面精度の良好な同
金腐板を生産性良く得ることのできる冷間圧延方法を提
供しようとするものである。
[問題点を解決する為の手段] 本発明は、表面に厚さ0,2μm以上の稠密六方晶金属
コーティングが施された圧延ロールを使用すると共に圧
延ロール人口側において被圧延材を冷却して稠密六方晶
金属板の冷間圧延を行なうところに第1の要旨を有する
ものであり、また表面に厚さ0.2μm以上の稠密六方
晶金属コーティングが施された圧延ロールを使用すると
共に、極圧剤をQ、l @量%以上含有するエマルショ
ン型圧延油を用いるところに第2の要旨を有するもので
ある。
[作用] 本発明で使用される圧延ロールの表面に形成される稠密
六方晶金属コーティングとは、めっきの様に表面の平滑
な単一層ではなく、例えば長さ及び幅が50μm以下の
単位で微細な凹凸を有する表面皮膜であり、この様な皮
膜は、圧延板と同種の稠密六方晶金属板を潤滑不良の状
態で圧延ロールに通し、該ロール表面に稠密六方晶金属
を万逼なく焼付かせることによって形成することかでき
る。即ち先に説明した様に稠密六方晶金属は極めて焼付
き易い特性を有しているので、例えば■潤滑剤を用いな
いで圧延ロールへ供給する、■潤滑性の悪い油(水を含
む)を用いて圧延する、■潤滑剤のかみ込み二を抑える
ことのできる低速圧延法を採用する、等によって圧延ロ
ールの表面に稠密六方晶金属を容易に焼付かせることが
できるが、この様にして焼付処理(即ち表面コーティン
グ処理)を施した圧延ロールを使用すると、通常の潤滑
剤を使用した場合でも圧延圧力を低下させ、オイルピッ
トや焼付きの発生を格段に低減することができる。
この様にコーティングロールを使用することによって圧
延の中期乃至後記の圧延圧力が低下する理由は必ずしも
明確にされた訳ではないが、バイト内で圧延材表面から
遊離する金属微粉末が潤滑剤と金属石鹸を生成し、これ
が境界潤滑領域での摩擦抵抗を低減させる為と考えられ
る。尚コーティングロールを使用した場合における低累
積圧下率領域での圧延圧力がやや大きい理由も明確では
ないが、バイト部での金属石鹸の生成は被圧延材の塑性
変形量と関係があり、多量の金属石鹸が生成される為に
はある程度の塑性変形量が必要であるとの説もあるとこ
ろから、圧延初期には被圧延材の塑性変形量が小さい為
十分な量の金属石鹸が生成しない為であろうと推定され
る。
またコーティングロールを使用することによってオイル
ピットが著しく抑制される理由は次の様に考えることが
できる。即ちオイルピットとは、前述の如くロールバイ
ト内に介在する高圧の圧延油により、ロール表面よりも
軟質の被圧延材表面が加圧されて凹凸を生じると考えら
れているが、コーティングロールでは、硬質のロール母
材と被圧延材の間に比較的軟質の金属コーティング層が
存在する為、このコーティング層が優先的に変形して被
圧延材の変形を抑制するものと思われる。
尚上記の様な諸効果を有効に発揮させる為のコーティン
グ層の厚さを明らかにすべく実験を行なったところ、0
.2μm以上の厚さがあればその効果を有効に発揮し得
ることが確認された。この厚さは、圧延ロールの表面全
体に均質な焼付ぎコーティング層を形成する為の下限厚
さを規定するものと考えることができる。即ち0.2μ
m未満の厚さのコーティング層を圧延ロールの表面全体
に均質に形成することは技術的に見て極めて困難であり
、ロール表面の一部に非コーテイング部が残って局部的
な焼付きやオイルピットを生じる恐れがある。コーティ
ング層の厚さの上限は特に存在しないが、厚ければ厚い
程性能が向上するという性質のものでもないので、コー
ティング層の形成作業性等を考慮して最も一般的なのは
0.2〜2μmの範囲である。また該コーティング層の
表面は0.2μm  max  (研削仕上げロールの
表面粗度と同程度)程度以上の粗さのものが好ましく、
この様に表面の粗いコーティング層とすることにより焼
付き及びオイルピットの抑制効果を一段と高めることが
できる。そしてこの様な表面粗度のコーティング層は、
先に説明した様に「潤滑不良状態で稠密六方晶金属板を
通す」ことによって容易に形成し得るもので、この様な
処理は圧延ロール成形工程の末期、或は冷延設備に組込
んだ後冷延開始までの任意の時期に行なうことができる
ところで上述の様に表面コーティング処理を施した圧延
ロールであっても、稠密六方晶金属板を長時間に亘って
高速で冷間圧延していると、コーティングの部分的な帯
状¥1111Itを示す場合がある。
この様にコーティングの創出ffが発生するとロール表
面のコーティングむらが被圧延材に転写されて被圧延材
の表面に一1IF状の光沢むらが生じる。圧延ロール表
面のコーティングむらは前述のコーティングを再形成す
ることにより短時間で修復可能であるが、被圧延材に生
じた光沢むらはたとえ後続の圧延ロールで冷間圧延して
も消し去ることが難しく、特に終期バス近くで発生した
光沢むらは最終製品上に明瞭に残存し表面不良品を発生
させる。本発明者等はこのコーティング層の’i!II
 頚を現象を解明するために種々の実験を行ない、コー
ティング層の剥離は圧延圧力が高いほど、又圧延速度が
速いほど発生頻度が高いという知見を得た。これは圧延
圧力が高いほどロール表面のコーティング層に作用する
剪断力が大きくなる為であり、また圧延速度が速いほど
圧延ロール通過時の加工発熱による熱の蓄積が大きくな
り温度上昇による圧延油の潤滑性低下が顕著になって(
る為であると考えられる。特に30m/分以下の低速圧
延であれば通常の圧下率(20%/パス以下)で強圧下
圧延を実施してもコーティング層の部分剥離は発生しな
いことから、温度上昇による圧延油の潤滑性低下が大き
く影響していると考えられる。
そこで本発明では、圧延油の潤滑性低下を防止する為に
、次の2つの手段のいずれか一方又は双方をとることと
した。
第1の手段は、圧延ロールの人口側における被圧延材の
冷却であり、これによって圧延ロール通過時の加工発熱
によって被圧延材温度が上昇しても到達温度は一定値以
下に抑えられ、該温度下では圧延油は良好な潤滑性を示
すことになる。即ち圧延ロールコーティング層の創部t
は圧延ロールを出た直後の被圧延材表面温度が80〜9
0℃以上になると発生し易くなる傾向があるが、被圧延
材は圧延中に圧延油の供給を受けて冷却されているのて
このことを考慮すると圧延ロール通過時には被圧延材及
び圧延ロールは100〜150℃以上に到達しており、
圧延油はかかる高温下に曝される結果潤滑性が低下する
。従って圧延ロールに入る前に被圧延材を十分に冷却し
て圧延ロール通過時の到達温度を下げてやれば圧延油は
適切な温度下で潤滑性を発揮することになり良好な潤滑
性が得られ、コーティング層の7!J i!!lfを防
止することができる。圧延ロールのJJ時の到達温度を
100℃以下に保つ為には、圧延速度、圧下率等によっ
ても異なるが、例えば圧延速度:200m/分。
圧下率 15%の場合、圧延機人口側における被圧延材
の温度を50℃以下に冷却してやれはコーティング層の
7す離を確実に防止することがてきる。尚圧延機には通
常複数の圧延ロールが設置されるが、コーティング層の
剥阻は圧延ロール全てに係る問題であるので上記被圧延
材の温度は各圧延ロール人口側において夫々所定温度以
下とする必要がある。従って被圧延材の冷却は先頭位置
から最後位に至る圧延ロールのうち必要のあるものの人
口側(見方を変えれば当該圧延ロールの1つ上流側に位
晋する圧延ロールの出口側)において適宜実施しなけれ
ばならない。
第1図は小型の可逆式2段圧延機を使用し、板厚L2m
m及び板幅250mmのTi板コイル(長さ約500m
)を7バスで冷間圧延したときの各バス毎の平均圧延力
と累積ひずみの関係を示したものである。尚使用した圧
延ロールの直径は160mmで、研削仕上げ加工を施し
たままのロールと、同ロールの表面に予めTiの固着コ
ーティング層(約1μm)を形成したロール(以下コー
ティングロールということがある)の2種類を使用し、
潤滑剤としては2%濃度の牛脂系エマルジョン潤滑剤(
中心粒径・5μm、鹸化価:180、粘度・60 cs
t/40℃)を用い、圧延速度は200m/分とした。
尚コーティングロールを使用した冷間圧延では各パスの
圧延ロールの出口側で被圧延材をスプレー冷却して被圧
延材を50’C以下にした場合と冷却を実施しない場合
について各コイルの圧延を行ないコーティング層の安定
性を調査した。
第2図及び第3図に冷延板表面の顕微鏡写真を示す。こ
れらの写真からも明らかな様にコーティングロールて圧
延した仮の表面を示す第2図(図面代用顕微鏡写真)に
はオイルビットが全く見られずイ夏れた表面精度か得ろ
打ているが、研削仕上げロールで圧延した仮の表面を示
す第3図(図面代用顕微鏡写真)には深さ8〜10μm
の著しいオイルピットか観察される。
また第1図からも明らかな様に、圧延初期の累積圧下率
が低いところでは、コーティングロールの方が研削仕上
げロールよりもひずみに対する圧延圧力か若干高く圧延
効率はやや低い。しかし研削仕上げロールでは、圧下率
の増加に伴なう被圧延材の加工硬化によって平均圧延圧
力は徐々に増大していくのに対し、コーティングロール
を使用した場合初期の圧延圧力は研削仕上げロールより
も若干高めであるが、それ以降は被圧延材の加工硬化(
累積ひずみ)か増大するにもかかわらず平均圧延圧力は
130 kg/ mm2以下で安定している。即ち通常
の冷間圧延法では、累積圧下率か高くなるにつれて圧延
圧力が単調に増加していく為、圧延末期の圧延圧力は極
めて大きくなるが、コーティングロールを使用した場合
は累(J″L圧下率が高くなっても圧延圧力は比較的低
い値で安定しているので、被加工材がリプε付ぎを起こ
したり圧延末期の圧延効率が極端に低下することなく玲
間圧延を最後まで円滑に遂行することができる。
第4図は上記被圧延材の冷却という手段を適用した圧延
装置を示す概略説明図である。被圧延材1は稠密六方晶
金属板コイルであり、コーティングロール2で圧延され
た後スプレー3から吐出される冷却水で50℃以下に冷
却され巻取機4に巻き取られる。尚5,5′は冷却水を
除去する為のワイパ、7.7′は圧延油噴射ノズルを示
す。冷却後巻取られた被圧延材は前パスとは逆方向に送
給され、コーティングロールで圧延され、出口側のスプ
レー3′で冷却され、これを繰り返すことによって所望
の板厚に仕上げられる。尚上記実施例では被圧延材が圧
延ロールを出た側で冷却を実施したが、人口側あるいは
両方で所望の温度以下まで被圧延材を冷却しても良いこ
とは言うまでもない。
次に第2の手段は、潤滑油として極圧剤を0.1重二%
以上含有するエマルジョン型圧延油を用いることであり
、これにより温度上昇に伴う圧延油の潤滑性低下を補い
コーティング層の剥離を防止することができる。即ち極
圧剤を添加しない圧延油の使用環境か100〜150℃
になると圧延油のZ閏滑性が急激に悪化するが、極圧剤
を添加した圧延油はこのような温度域でも良好な潤滑性
を発揮するのでコーティング層の!IJ IEItには
至らない。
かかる極圧剤としては、SP系、P系、S系。
CI系等の極圧剤を挙げることができるが、圧延後の除
去性、腐食性並びに当該温度域での極圧剤添加効果を考
慮するとsp系の極圧剤が最も望ましい。尚極圧剤の添
加口を0.1重二%以上としたのは、これ未満では極圧
剤の添加効果が十分に発揮されないからである。
第5図は小型の2段圧延機を使用し、板厚1.21及び
板幅250■のTi板ココイル長さ約500m)を7パ
スで冷間圧延したときの各パス毎の平均圧延力と累積ひ
ずみの関係を示したものである。尚使用した圧延ロール
の直径は160mmで、前記と同様研削仕上げロールと
コーティングロールの2種類を使用し、潤滑剤としては
SP系の板圧剤ZDTP (Zinc Di Th1o
 Phosphate)を2重量%添加した牛脂系エマ
ルジョン潤滑剤(中心粒径:5μm、鹸化価=180、
粘度:60cst/40℃、エマルジョン濃度=2%)
を用い、圧延速度は200 m7分とした。又コーティ
ングロールを使用した上記冷間圧延において、上記牛脂
系エマルジョン潤滑剤で極圧剤を添加しないものと添加
したものについて各5コイルを圧延しコーティング層の
安定性を調査した。
コーティングロールで圧延した板の表面にはオイルピッ
トが全く見られず優れた表面錆度が得られたが、研削仕
上げロールで圧延した板の表面には深さ8〜10μmの
著しいオイルピットが観察された。
また第5図をみると明らかな様に、コーティングロール
を使用した場合と研削仕上げロールを使用した場合の違
いは第1図と同様の傾向を示し、特にコーティングロー
ルを使用した場合の平均圧延圧力は、極圧剤を添加した
圧延油を使用したことにより120 kg/ mm2以
下の低い値で安定した。
ざらに極圧剤を添加しない場合と添加した場合の比較で
は、後者においてコーティング層の剥離は発生せず安定
して良好な表面品質の製品を得ることができた。これに
対し前者では5コイル中3コイルでコーティング層の部
分¥IJ 1111が発生し、殊に3コイル中2コイル
が6パス目、1コイルか5パス目でコーティング層が剥
難し、7パス圧延後の圧延材表面には帯状の光沢むらが
発生し、表面品質が不良となった。尚極圧剤を添加しな
い場合の平均圧延圧力は3〜4バス目位までは極圧剤を
添加した場合と殆ど差が認められなかったが、それ以降
のパスでは3〜10 kg/ mm2程度平均圧延圧力
が高くなる傾向が認められた。これは前期パスでは圧延
ロールにおける温度が比較的低いのに比べ、後期パスで
は圧延ロール通過時の温度が高くなる為極圧剤の添加効
果が発揮された為と考えられる。
上記の様に圧延ロールの表面に所定厚さのコーティング
層を形成しておき、且つこのコーティング層を安定して
保持する為に、圧延ロールの人口側で被圧延材を冷却す
るか及び/又は極圧剤を添加した圧延油を使用すること
により焼付き及びオイルピットを安定的且つ大幅に低減
させることができるが、圧延板の表面精度を更に改善す
べく研究を進めた結果、分散粒子の中心粒径(例えば第
6図に示す様なエマルション粒径分布におけるピーク位
置の粒子径)が5μm以下で且つ鹸化価が80以上であ
るエマルジョン型潤滑剤を使用すれは、極めて好ましい
結果が得られることを知った。
ちなみに第7図は、鹸化価の異なる種々の牛脂系油を分
散質とするエマルジョン型潤滑剤(濃度1%又は0.5
%)を使用した場合における、圧下率[ci”In(h
o/hi)]と平均圧延圧力(Pm)の関係を調べた実
験結果のグラフである。但し圧延条件は、ワークロール
径254 mm、圧延速度12m/分で1パス当たりの
圧下率10%とし、厚さ1.0mmの純Ti板を0.5
mm厚まで圧延した。第3図からも明らかな様に圧下率
の増大に伴なう平均圧延圧力の増加傾向は牛脂系油の鹸
化価によって著しく異なり、齢化価かτのものでは極く
僅かな圧下率でも圧延圧力は急激に高まり、圧延操業は
実質上困難になると考えられる。そして牛脂系油の鹸化
価が高くなるほど圧延圧力の増加傾向は小さくなるが、
圧延圧力は鹸化価が80のて閏滑剤を使用したときに観
測される圧力が実操業上の限界であり、80未満のもの
では圧延圧力が高くなりすぎて実操業が困難になる。そ
して80以上の牛脂系油を使用したものでは前記増加傾
向が比較的緩慢になると共に、平均圧延圧力は約170
 kg/mm2程度以下で頭打ちの状態となり、圧下率
を高めてもそれ以上に平均圧延圧力が増大することはな
い。これらの結果からも明らかな様に、圧延時の通板抵
抗を抑えて冷開通板を円滑に遂行していく為には、エマ
ルジョン型潤滑剤を構成する油性分散質として鹸化価が
80以上のものを選択すべきであることが分かる。
次に油性分散質の粒径が潤滑性能に与える影響を明確に
する為次の実験を行なった。即ち油性分散質として牛脂
系油(鹸化価180)を使用し、分散質の中心粒径の異
なるエマルジョン型潤滑剤(濃度1%)を用い、Ti板
(結晶粒径:約5μm)を200mmφの圧延ロールに
より200m/分の速度で1.0 mmtから0.5 
mmt まで15%/1バスで冷間圧延したときのオイ
ルピット深さを比較した。結果は第8図に示す通りであ
り、中心粒径が5μm以下であるエマルジョン型潤滑剤
を使用するとオイルピット深さを1〜2μm以下に抑え
ることができ、特に中心粒径が3μm以下のものを用い
た場合のオイルピット深さは殆ど零(オイルピットなし
)となる。これに対し中心粒径が5μmを超えるエマル
ジョン型潤滑剤を使用した場合は、オイルピツト深さを
2μm以下に抑えることができない。第9図は上記で得
た圧延板の表面性状を抜粋して示す図面代用顕微鏡写真
であり、この図からも明らかな様に、中心粒径が5μm
以下(鹸化価は180)のエマルジョン型潤滑剤とコー
ティングロールを組合せて得た圧延板(純Ti板)の表
面精度は極めて優れたものであることが分かる。
[発明の効果] 本発明は以上の様に構成されており、表面に稠密六方晶
金属がコーティングされた圧延ロールを使用し、且つこ
のコーティング層を安定的に保持することによって高速
で長時間冷間圧延を行なってもオイルピットや焼付きが
なく表面精度の卓越した稠密六方晶金属圧延板を得るこ
とが可能になった。しかも圧延時の圧延圧力を低めに抑
えることができるので、ワークロールに過度の負荷がか
かる恐れもなく、操業性の良い冷間圧延を円滑に遂行す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は被圧延材の冷却を採用した場合の玲間圧延時の
累積ひずみと平均圧延圧力の関係を示すグラフ、第2図
はコーティングロールを使用したときの被圧延材表面を
示す図面代用顕微鏡写真、冷却を採用した実施例を示す
概略説明図、第5図は極圧剤添加圧延油を使用した場合
の累積ひずみと平均圧延圧力の関係を示すグラフ、第6
図は中心粒径の意味を説明する為の図、第7図は牛脂系
エマルジョン潤滑油の鹸化価の違いによる圧延性能の差
を示すグラフ、第8図は同潤滑剤の中心粒径とオイルピ
ット深さの関係を示すグラフ、第9図は潤滑油中心粒径
が圧延板の表面性状に及ぼす影響を示す被圧延板表面の
図面代用顕微鏡写真である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)表面に厚さ0.2μm以上の稠密六方晶金属コー
    ティングが施された圧延ロールを使用すると共に、圧延
    ロールの入口側において被圧延材を冷却することを特徴
    とする稠密六方晶金属板の冷間圧延方法。
  2. (2)中心粒径が5μm以下で且つ鹸化価が80以上で
    あるエマルジョン型圧延油を用いる特許請求の範囲第1
    項記載の稠密六方晶金属板の冷間圧延方法。
  3. (3)極圧剤を0.1重量%以上含有するエマルジョン
    型圧延油を用いる特許請求の範囲第1又は2項記載の冷
    間圧延方法。
  4. (4)表面に厚さ0.2μm以上の稠密六方晶金属コー
    ティングが施された圧延ロールを使用すると共に、極圧
    剤0.1重量%以上含有するエマルジョン型圧延油を用
    いることを特徴とする稠密六方晶金属板の冷間圧延方法
  5. (5)エマルジョン型圧延油は、中心粒径が5μm以下
    で且つ鹸化価が80以上のものである特許請求の範囲第
    4項記載の稠密六方晶金属板の冷間圧延方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0685496A1 (en) 1988-12-26 1995-12-06 Mitsui Petrochemical Industries, Ltd. Olefin copolymers and processes for preparing same

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JPS60250809A (ja) * 1984-05-24 1985-12-11 Kobe Steel Ltd 稠密六方晶金属板の冷間圧延方法

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