JPS6213910Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動二輪車のラジユエータの外側を覆
うように設けられるラジユエータカバーの取り付
けを改良したラジユエータ装置に関する。

自動二輪車を水冷式エンジンを搭載した場合ラ
ジユエータを付設する必要があり、ラジユエータ
を付設した場合自動二輪車ではこれが外側に表れ
るためカバーで被覆し外観性を高める必要があ
り、又外からラジユエータを保護するためにもカ
バーが必要である。ラジユエータはコアが走行方
向前面に位置せしめて冷却風を採り入れるためサ
イドカバーで側面を覆うこととなる。

ところでラジユエータを燃料タンク前部に付設
した場合、上記側面を覆うカバーは従来では燃料
タンクやラジユエータ本体にラバーブツシユ等を
介して剛に結着しているが、カバーは板材でスペ
ースマスも大きく、車体振動等によつてカバーも
振動し、多少とも結着部に余計な力が働く等の不
都合が生じる虞れがある。

本考案者等は以上の如きラジユエータカバーの
取付支持における不都合に鑑み、これを改善すべ
く本考案をなしたもので、本考案の目的とする処
は、上記ラジユエータカバーの一部を燃料タンク
に直接的に剛に取付支持するとともに、該カバー
の他の部分をゴムバンド等でラジユエータに弾性
的に拘束しつつ連結せしめる如くし、板状体のカ
バーの振動を上記自由支持部で逃げて吸収せし
め、カバーの取付支持部への余計な力の働くのを
防止し、カバーの取付支持の簡単化と確実化、取
付支持部の耐久性向上、延いてはカバーの耐久性
向上を図るとともに、ラジユエータを車体に弾性
的に支持させて、ラジユエータの耐久性をも図る
自動二輪車のラジユエータ装置を提供するにあ
る。

次に本考案の好適一実施例を添付図面に従つて
詳述する。

第１図は自動二輪車の外観側面図で、自動二輪
車１はフレーム２の前端部にヘツドチユーブ３を
備え、フロントフオーク６の上部に結着した上下
のブリツジ４，５を該ヘツドチユーブ３に操向自
在に枢着し、フロントフオーク６の下部で前車輪
７を支持する。トツプブリツジ４上にはハンドル
８を付設するとともに、フレーム２のヘツドチユ
ーブ３から斜め後下方に延設したダウンチユーブ
２ａでエンジン９を搭載保持するとともに、ヘツ
ドチユーブ３から後方に延出されたメインフレー
ム２ｂ上に燃料タンク１０を搭載している。ダウ
ンチユーブ後下端から斜め上方に起設されたリヤ
フレーム２ｃ下部にはリヤフオーク１１を枢着し
て後方に延出し、リヤフオーク１１の後部で後車
輪１２を支持するとともに、リヤフオーク１１後
部とフレーム間にはリヤクツシヨンユニツト１３
が介設され、又燃料タンク１０の後方にはシート
１４が付設されている。

フレーム２のヘツドチユーブ後方のメインフレ
ーム２ｂとダウンチユーブ２ａの前部には補強材
としてのスチフナープレート２ｄが溶接等で架設
され、ヘツドチユーブ３と燃料タンク１０の前面
との間には充分の空間を設け、フレーム２の前部
左右の該空間内で燃料タンク１０の前面には左右
に分割されたラジユエータ本体１５，１６を配設
する。本体１５，１６は縦長の略方形をなし、こ
れの上部間のフレーム２ｂ上で燃料タンク１０の
上部前面には冷却水注入用のキヤツプ部１７が設
けられる。ラジユエータ本体１５，１６は各下部
内側面にラバーブツシユ１８を介設して車体側で
あるダウンチユーブ２ａの両側にボルト、ブラケ
ツト１９を介して結着する。一方、本体１５，１
６の上部内側面は、スチフナープレート２ｄの両
外側面に固設したブラケツト２０に本体１５，１
６から延出した取付ステー２１をラバーブツシユ
２２を介してボルト・ナツト２３で結着し、これ
を第４図で拡大して示し、ラジユエータ本体１
５，１６は燃料タンク前部において車体側に防振
構造により取付支持されている。

ラジユエータ本体１５，１６の各外側面にはラ
ジユエータカバー２４，２４が配設され、カバー
２４は合成樹脂等で形成され、本体１５，１６の
前方のヘツドチユーブ３下部の両側から燃料タン
ク１０の前部左右迄本体１５，１６の各外側を覆
う如くその外形を設定する。カバー２４は左右で
対称形状をなし、後部に通気孔２４ａを備え、前
部内側に本体１５，１６の直線的な外側面１５
ａ，１６ａとカバー２４の内側面２４ｂとの間の
隙間を埋めるように導風板を兼ねるリブ２４ｃが
各付設され、カバー２４は上部２４ｄが内側に折
曲されて本体１５，１６の上面を覆い、且つ外観
性の点と燃料タンクの側面形状と合せるべく高さ
方向の中間部が各対称的に外側方に膨出している
ため、内側面２４ｂと本体外側面１５ａ，１６ａ
との間に隙間が生じ、これをリブ２４ｃで埋め、
ラジユエータ本体１５，１６前面に風を供給し、
又板状のカバー２４の剛性をリブ２４ｃにより高
める。そして左右のカバー２４，２４の上部２４
ｄ，２４ｄ間でキヤツプ１７前方には導風板２５
を付設して本体１５，１６の上部前方空間の上面
を塞ぎ、導風板２５は下面に垂下した左右の脚片
２５ａ，２５ａを既述の本体１５，１６の上部結
着部と共通して結着し、即ち第３図及び第４図の
如くラバーブツシユ２２の外側面に脚片２５ａ，
２５ａ下端部を当て、ボルト２３を通してラジユ
エータ本体と共締結着する。

ところでラジユエータカバー２４の取り付けは
次の如く行う。

即ち、カバー２４，２４の後端部上下二点を燃
料タンク１０の左右の両側板１０ａの上下にビス
２６で結着する。タンク１０の両側板１０ａの上
下に第５図で示される如く内方への膨出部２７を
成形し、成形時にナツト２８を埋設し、一方カバ
ー２４の後端部上下に取付凹座２９を成形し、こ
れの外側からビス２６をワツシヤ３０を介して通
し、ナツト２８を介してカバー２４を燃料タンク
１０に結着する。

カバー２４，２４の前部下端には爪片３１を各
垂下突設し、ラジユエータ本体１５，１６の下面
には爪片３２を各垂下突設し、各爪片３１，３２
は左右方向の略同一箇所に付設し、向い合う爪片
３１，３２間にゴムバンド３３を掛け回して係止
する。このようにゴムバンド３３の如き弾性部材
でカバー２４，２４の下端を自由状態としつつ拘
束する如く弾性的に係止する。尚カバーを実施例
ではラジユエータ本体に係止したが、爪片をフレ
ーム側に設け、これに係止しても良い。

以上において、エンジン振動、走行時の振動、
衝撃等はフレームを介して燃料タンク１０に伝搬
され、ラジユエータ本体１５，１６にも伝搬され
る。燃料タンク１０や本体１５，１６はラバーマ
ウント等の防振取付構造を採用しているとしても
振動は伝搬され、タンク１０、本体１５，１６に
両端を取付支持したカバー２４にも伝搬され、振
動する。ところでカバー２４は板状でスペースマ
スも大きく、且つタンク１０や本体１５，１６と
は固有振動数が異り、カバー後端部はタンクに既
述の如く剛に結着されているため振動は板状体で
あることと併せて増幅されるが、前端が上記の如
く自由状態としつつラジユエータに弾性的に係止
して連結されているため、前端の振動はゴムバン
ドの如き弾性体を引張しつつ吸収され、カバー全
体の振動を抑制、吸収し、且つかかる取付構造に
よつて前端の連結部には余計な力が働かず、又剛
の結着部にも余計な力が働かない。このようにカ
バーは防振的に取付支持されつつ取付部を保護
し、且つ確実に取付支持を行う。従つてカバーの
振動に起因する結着部への余計な力の作用、これ
に起因する結着部の劣化を防止し、カバー結着部
の保護、結着部の耐久性向上、延いてはカバーの
耐久性向上を図り、更にはゴムバンド係止等によ
るためカバーの取付も簡単化する。またラジユエ
ータは弾性部材を介して車体へ支持されているた
め、その車体との結着部は弾性部材により十分保
護されると共に、走行時の衝撃力に対しても、ラ
ジユエータ自身が揺動することによつて十分保護
される。更に該ラジユエータとそのカバーとの連
結部は自由度の大きい弾性的係止状態となつてい
るため、ラジユエータが揺動してもそのカバーに
は揺動は伝わりにくく、ラジユエータの揺動に対
してカバーは十分保護される。

本考案はこのように多大の利点を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は自動二輪車の側面図、第２図は同要部拡大図、
第３図は第２図３−３線断面図、第４図はラジユ
エータ本体取付部の拡大断面図、第５図はカバー
と燃料タンク取付部の拡大断面図、第６図はカバ
ーと本体との関係を示す模式的平断面図である。 尚、図面中１は自動二輪車、１０は燃料タン
ク、１５，１６はラジユエータ、２４はカバー、
２６〜３０は剛の取付部、３１〜３３は弾性自由
取付部である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 燃料タンク前部にラジユエータを取付支持する
   ようにした自動二輪車において、前記ラジユエー
   タを車体に弾性体を介して支持させ、且つこのラ
   ジユエータのカバーの一部を燃料タンクに剛に取
   付支持させるとともに、ラジユエータカバーの他
   の部分を弾性体を介してラジユエータに連結した
   ことを特徴とする自動二輪車のラジユエータ装
   置。