JPS6213777Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は骨材用芯材、更に詳しくはFRPで表
面を加工する骨材用芯材に関する。

合成樹脂発泡体を芯材とし、該芯材の表面を
FRPで加工した骨材は種々の分野で幅広く利用
されている。例えば、合成樹脂製船舶の骨材とし
ては、硬質ポリウレタン発泡体またはポリオレフ
イン系樹脂、ビニル芳香族系樹脂およびポリオレ
フイン系樹脂にビニル芳香族モノマーがグラフト
したグラフト重合体から成る熱可塑性樹脂発泡体
（以下、PO発泡体という）を芯材とし、該芯材表
面をFRPで被覆加工した骨材が用いられてい
る。

本考案者らは従来技術にさらに改良を加え、施
工が一層容易で強度低下を伴うことなく、コスト
を低減させ得る形状を有するFRP加工骨材用芯
材を完成した。

即ち本考案は、ポリオレフイン系樹脂、ビニル
芳香族系樹脂およびポリオレフイン系樹脂にビニ
ル芳香族モノマーが少くとも一部グラフトしたグ
ラフト重合体からなる熱可塑性合成樹脂発泡体で
あつて、内部に空洞を有することを特徴とする
FRP加工骨材用芯材に関する。

第１図は、本考案によるFRP加工骨材用芯材
を船体等の本体に施工した一態様の模式的断面図
である。

芯材１の内部に空洞２を設けると、空洞内空気
によつて該芯材表面上でのFRP６の下塗り硬化
が早くなるばかりでなく、芯材に染み込んだ部分
も容易に硬化するので補強効果が得られると共に
施工時間は大幅に短縮される。また、空洞に相当
する量の芯材原料が節約できるため、製品コスト
が大幅に低減されるだけでなく、第１図に示す態
様においては本体３と芯材１との接触部５の面積
が狭くなるため、施工時の接着剤等の使用量も節
約できる利点がある。

空洞２の形状や大きさは特に限定的ではなく、
使用目的等に応じて適宜選定すればよい。一般的
には空洞があまり大きくなると十分な機械的強度
が得られず、逆にあまり小さくなると空洞を設け
ることによる前記の効果が損われるので好ましく
ない。この種の芯材の通常の用途に対しては芯材
の厚さを15mm以上にするのが好ましい。

本体３と芯材１との接合部４に曲面状裾部を形
成させると、該接合部を本体に接着させた時、芯
材と本体表面は裾部によつてなめらかに接続され
るので、従来の形状の芯材を使用した場合の様に
パテ塗りを行うことなくFRPを被覆することが
でき、施工工程が簡素化され、パテの硬化を待つ
ことなくFRPを被覆できるので施工時間の短縮
がはかれるばかりでなく、内部に空洞を有する芯
材の強度が補強される利点がある。

一方、本考案の芯材となるPO発泡体はFRPと
の接着性に優れ、衝撃に対して強く、復元性があ
り、ポリウレタンの様に粉状化することがない。
また、PO発泡体は金型を用いて所望の形状に発
泡成型できるので任意の形状の芯材を製造するこ
とができる。その上切削加工が容易であり、適度
のねばり気を有する為、粉末が生ぜず、かんな加
工もできるという優れた性質を有し、施工時にも
容易に曲げ加工でき曲面に対しても密着して接合
できるという優れた性質を有している。

PO発泡体は、ポリオレフイン系樹脂粒子およ
びビニル芳香族モノマーを水性媒体中に懸濁し、
これを重合して得られる粒子に発泡剤を添加し発
泡させて製造することができる。

ポリオレフイン系樹脂としては、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリイソブチ
レン、ポリブタジエン、塩素化ポリエチレン、エ
チレンもしくはプロピレンと他の単量体（塩化ビ
ニル、酢酸ビニル、メチルメタクリレートなど）
の共重合体、エチレン−プロピレンラバー、ブチ
ルゴム、スチレン−ブタジエンゴムなどを単独で
または混合して用いることができる。共重合体ま
たは混合物の場合、オレフイン成分が50重量％以
上であることが望ましい。

ポリオレフイン系樹脂としては、エチレン−α
−オレフイン−ポリエン共重合体も用いることが
でき、α−オレフインとしてはプロピレン、ブテ
ン、ペンテン、イソプレン、ヘキセンまたはこれ
らの混合物、ポリエンとしては１，４−ヘキサジ
エン、１，５−ヘキサジエン、１，６−ヘプタジ
エン、２−メチル−１，４−ペンタジエン、１，
９−オクタジエン、６−メチル−１，５−ヘプタ
ジエン、９−エチル−１，９−ウンデカジエン、
１，４，７−オクタトリエン、エチリデンノルボ
ルネン、ジシクロペンタジエン、１，４−シクロ
オクタジエン、シクロヘキサジエンなどが挙げら
れる。而して、エチレン20〜80重量％、α−オレ
フイン20〜80重量％およびポリエン0.5〜20重量
％の組成からなる樹脂が好適に用いられる。

ビニル芳香族モノマーとしては、スチレン、α
−メチルスチレン、エチルスチレン、クロロスチ
レン、ブロモスチレン、ビニルトルエン、ビニル
キシレン、イソプロピルキシレンなどのモノマー
またはこれらの混合物、あるいはこれらと共重合
しうる単量体（メチルメタクリレート、ジビニル
ベンゼン、ジアリルフタレート、アクリロニトリ
ル、エチレングリコールジメタクリレート、ビニ
ルトリエトキシシランなど）の混合物であつてビ
ニル芳香族モノマーを50重量％以上含有したもの
などを例示することができる。

ポリオレフイン系樹脂粒子とビニル芳香族モノ
マーの使用割合は前者20〜80重量％および後者80
〜20重量％が好ましい。

重量は、ベンゾイルパーオキシド、ｔ−ブチル
パーベンゾエート、ラウロイルパーオキシド、ｔ
−ブチルパーオキシ−２−エチルヘキサネート、
ｔ−ブチルパーオキシドなどの過酸化物またはア
ゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバ
レロニトリルなどのアゾ化合物の１種または２種
以上を触媒として用い、加温して行う。

重合系には必要ならば架橋剤および架橋促進剤
を添加してもよい。

架橋剤としては、ジ−ｔ−ブチルパーオキシ
ド、ｔ−ブチルクミルパーオキシド、ジクミルパ
ーオキシド、α，α−ビス（ｔ−ブチルパーオキ
シ）−ｐ−ジイソプロピルベンゼン、２，５−ジ
メチル−２，５−ジ（ｔ−ブチルパーオキシ）ヘ
キシン−３、２，５−ジメチル−２，５−ジ（ベ
ンゾイルパーオキシ）ヘキサンまたはｔ−ブチル
パーオキシイソプロピルカルボネートなどを、ま
た架橋促進剤としてはジビニルベンゼン、ポリエ
チレングリコールジメタクリレート、トリアリル
シアヌレート、ジアリルフタレート、１，３−ブ
タジエン、１，２−ポリブタジエンもしくは１，
４−ポリブタジエンなどのビニル系化合物、キノ
ンジオキシム類またはビスアミド類などを挙げる
ことができる。

得られた樹脂粒子に、常法に従い水性懸濁液中
でプロパン、ブタン、ペンタン、塩化メチル、ジ
クロロジフルオロメタンなどの発泡剤を加圧下に
含浸させて発泡性合成樹脂粒子を製造する。

得られた発泡性粒子を所望の形状および大きさ
の金型内で発泡させて本発明の芯材を成形するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による骨材用芯材を施工した場
合の模式的断面図である。 １は芯材、２は空洞、３は本体、４は本体と芯
材との接合部、５は本体と芯材との接触部、およ
び６はFRPを示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ ポリオレフイン系樹脂、ビニル芳香族系樹脂
   およびポリオレフイン系樹脂にビニル芳香族モ
   ノマーが少なくとも一部グラフトしたグラフト
   重合体からなる熱可塑性合成樹脂発泡体であつ
   て、内部に空洞を有することを特徴とする
   FRP加工骨材用芯材。 ２ 芯材が15mm以上の厚さを有する第１項記載の
   芯材。