JPS62134031A - 栽培補助具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は植物の栽培時にその根部に適用して便利な栽培
補助具に関するものである。

［従来の技術］ 従来より植物体生産分野においてひろく行なわれている
栽培技術の一つ植物体の生育過程で移植を繰り返しつつ
その主根および太根を短く切りつめるというものがある
が、これは残った主根および太根部分からの側根および
細根の充分な発生、発達を期待して行なわれるものであ
る。　このようにして側根および細根の充分に発達させ
てある植物体では植えかえ時の活着率が高くなるばかり
でなく開花、結実までに要する時間が短縮され、樹姿も
整う等の種々の効果が得られるのであり集約栽培に適し
た性状を示すようになることはよく知られるところであ
る。

本発明は、実際には植物体の主根および太根を切りつめ
ることなく植物体の生育過程においてこれらの根部に適
用してその後に充分な本発明に特有の主根および太根切
りつめの様効果を効率よく得ることのできる新規の栽培
補助具を提供しようとするものである。　また本発明は
本願と同一発明者の発明に係る先の出願である昭和５７
年特許願第２１０６４３号、昭和５８年特許第１２８５
６号および昭和５９年特許願第１１０９２４号等に記載
の技術に関連するものである。

［発明が解決しようとする問題点］ 一般に、栽培補助具の備える結紮穴中に時間の経過とと
もに肥大する植物体根部は、結局その結紮縁による相対
的な結紮を受けることになるのである。

ところで、対象とする植物の種類にもよるが、その生育
過程における根部の断面形状は栽培補助具まの中央部に
ある結紮穴のように必ずしも円形、略正多角形状等の規
則的なものとは限らないのであり、ある一箇所における
結紮状況をみても結紮縁と根部のあいだに不規則な間隔
を残しつつ結紮を開始することになってしまうのである
。　このことは結局、結紮部の各部位ごとに結紮効果の
発現に遅連を生じさせてしまうことになるのであり、こ
のような場合では結紮部以上の根部よりの側根および細
根の満遍ない発生、発達を促して所期の健全な根系の形
成を期待することはできないのである。

上記問題点の解決のために種々の研究がなされたのであ
るが、その結果最も有効で一般的な解決方法としてはく
さび状なす結紮縁の先端部を少しく早願となしてある程
度の幅をもたせること、またはくさび状なす結紮縁の少
なくとも先端部に沿って該結紮縁を構成する素材より柔
軟度合いの高い素材よりなる結紮補助部材を付設するこ
と等が極めて有効であることが判明した。

本発明は特に前者の解決策の改良に関するものであり、
このように結紮縁先端部に幅をもたせた場合では結紮穴
中に肥大する根部の圧力によりその栽培補助具自体が破
壊されることが往往にしてあったのである。　本発明は
結紮穴中に肥大する根の破壊力に容易にうちかちさらに
は効率よく結紮効果を得ることのできる栽培補助具を提
供しようとするものである。

［問題点を解決するための手段］ 本発明の栽培補助具（１）はその結紮穴（１６）の内側
面を、平行に互いに交わることのない断面くさび状なす
２以上の結紮縁（４）（４′）（４″）…とそれらの各
間に位置する凹溝（５）（５′）…とで構成したことを
特徴とする環状体でありこれは多くの場合において該凹
溝底部より該結紮縁先端部までの距離を（ｋ）とし、ま
た対象とする植物体根部の篩部（１９）の厚さ（ｔ）と
するとき関係式　ｈ≒ｔ　または　ｈ＞ｔ　を満足する
ものである。

また、上記本発明の栽培補助具（１）は多くの場合にお
いて取り付け等の便を考慮して半環状の部材（２）（３
）をそれらの結紮縁（４）（４′）（４″）…側を内に
、それぞれの両端部に設けてある相互結合手段を利用し
て相互に結合してなるものである。　ここに相互結合手
段は具体的にはボルト、ナット類（１２）（１２′）お
よび／または嵌合、係合等手段を利用したものである（
第１図参照）。

また、本発明の栽培補助具（１）は上記の各構成に加え
て、必要に応じて、半環状の部材（２）（３）のそれぞ
れの上下面に概ね半月状の部分隔壁（１３）（１３′）
（１４）（１４′）を貼着等して付設してなり、それぞ
れの両端部に設けてある相互結合手段を利用して相互に
結合したときには該部分隔壁はその結合体の上下面に完
全な隔壁を形成して結紮穴（１６）中に該上下隔壁には
さまれる結紮空間（１７）が形成されるものである（第
３図参照）。ここに部分隔壁（１３）（１３′）（１４
）（１４′）は本栽培補助具の根に対する支持機能をも
果すものであり、薄いプラスチクス板が使用されること
が多い。

また、本発明の栽培補助具（１）は上記の各構成に加え
て、必要に応じて、より効果的に利用できるように少な
くとも結紮縁（４）（４′）（４″）…の先端部に沿っ
て、適用個所根部断面形状の結紮穴（１６）の平面形状
へのより効率のよい補正を考慮して該結紮縁を構成する
素材より柔軟度合いの高い素材よりなる結紮補助部材（
１５）（１５′）（１５″）…を付設するものである。

　ここに結紮補助部材はプラスチクス成型物を嵌着した
り、あるいは熔融プラスチクスを塗布したりして付設さ
れることが多い。　そして、結紮穴（１６）の平面形状
は一般的には円形、略正多角形が多いが特にこれらに限
定されるものではない。

また、本発明の栽培補助具（１）はしばしば土壌中の毛
細管を完全に切断することのない多孔質素材でつくられ
るが、必要に応じて結紮時における外界との水分等の授
受を考慮して凹溝底部より部材（２）（３）中を貫いて
外側に通じる複数の細孔（１８）を有するものである。

そしてここに、以上栽培補助具（１）の主要部を構成す
る素材について述べるならば、各部材（２）（３）およ
びボルト、ナット類（１２）（１２′）ともセラミクス
、金属、プラスチクス等より選択されることが多いが前
述した本発明の構成と相俟って結紮穴（１６）中に肥大
する根部の破壊力によく打ちかつことができるものであ
ればなんでもよい。　部材（２）（３）の製造について
いえば、プラスチクスまたはセラミクス素材を用いた場
合はそれらの両端部に設けられた相互結合手段を含めて
一体的に成形されることが多いが、特に後者の場合には
さらに焼結工程を経るのが一般的である。　また、金属
素材の場合には切削または鋳込みによって、両端部に設
けられた相互結合手段を含めて一体的に成形されるのが
一般的である。

［作用］ 本発明の栽培補助具は以上の構成であるから、とくに複
数部材を組み立ててなる場合には植物体を掘り上げるこ
となく、必要部分の根部を露出させるだけで容易にその
根部を結紮穴中に捕捉して装着することが可能であり、
その後時間の経過とともに結紮穴中に肥大するその根部
はほぼ同時に、平行し互いに交わることのない複数のく
さび状結紮縁により相対的に結紮されることになるので
ある。　そしてさらに相対的結紮がすすんだときにはそ
の根部の、本発明の栽培補助具に対する破壊力は急速に
増大するのであるが、凹溝底部より結紮縁先端部までの
距離（ｋ）と、対象とする植物体根部の篩部の厚さ（ｔ
）との関係は、ｈ≒ｔまたは　ｈ＞ｔ　としてあるため
にその破壊力は直接栽培補助具内側面全面に及ぶことな
く、その根部はくさび状に鋭くとがった複数の閉曲線な
す結紮縁により支えられることとなり篩部は徐除にでは
あるがほぼ完全に破壊される（普通木部は堅くなかなか
破壊されない）のであり、結果として本発明の栽培補助
具は容易にその破壊力にうちかち所期の目的を達成する
ことができるのである。

また、各部材の上下面に付設された半月状の部分隔壁は
各部材を組み立てたときにそれぞれ合わさって、栽培補
助具の根に対する支持機能をも有する上下隔壁となるの
であるが、これは結紮に関与するものではなく結紮穴中
への土壌の流入を阻止して結紮部に結紮空間を形成する
ためのものであり、土壌が凹溝中へ侵入して（ｋ）の値
を小さくし根部の本発明の栽培補助具に対する破壊力が
異常に増大するのを防止するのである。

また、少なくとも結紮縁の先端部に沿って、該結紮縁を
構成する素材より柔軟度合いの高い素材を選択して付設
される結紮補助部材は、根部断面形状が結紮穴の形状と
著しく異なる場合でも、各部位により結紮力に強弱はあ
るものの一様に結紮し、その「強」の部位においては根
部中養水分等の移行を強く阻害し（結局この部分の肥大
は制御されることになる）、「弱」の部位においては根
部中養水分等の移行を弱く阻害して（結局この部分の肥
大は促進されることになる）結果として該結紮補助部材
は結紮穴内側面と相俟って結紮部における根部断面形状
を該結紮穴の形状に見合うように補正しつつ結紮を行な
うのである。

また、結紮穴平面形状が三角形、四角形等の、根部適用
個所の断面形状と極めて異なる栽培補助具を用いること
があるが、これはその各辺部と各角部において結紮効果
の発現に時間差を生じさせて、すなわち各辺部で強く養
水分等の移行を阻害すると同時に各隔部ではその分養水
分等の移行を活発にしてそこの活力を増進させておき、
その後徐徐に各隔部における結紮力が増大してきたとき
、各辺部に比較してより活力の大きいその隔部よりの側
根の発生、発達を促し、結局発根に方向性をもたせよう
とするものである。

［実施例］ 実施例１ 内側面を、２結紮縁とこれらに挟まれる１凹溝とで構成
した、両端部にボルト穴を有する固定耳を廷設してなる
平面形状「Ω」形のセラミクス製の部材の２個をそれら
の結紮縁側を内に、結紮穴中に植物体根部を捕捉して相
互に固定して使用した。　その後時間の経過とともに所
望の効果を得ることができた。

土壌のくずれやすいところでは、上下面にプラスチクス
薄板よりなる半月状の部分隔壁を貼着して備えた各部材
を用いて効果的であった。

また、植物体根部の断面形状と結紮穴の平面形状とが著
しく異なるところでは結紮縁部にプラスチクス製の結紮
補助部材を有するものを使用して効果的であった。　こ
こに使用条件は　ｈ≒ｔ　または　ｈ＞ｔで行なった。

実施例２ 内側面を、２結紮縁とこれらに挟まれる１凹溝とで構成
した、両端部に「■」形係合機能を付与してあるプラス
チクス製の射出成型物である部材の２個をそれらの結紮
縁側を内に、結紮穴中に植物体根部を捕捉して相互に固
定して使用した。　その後時間の経過とともに所望の効
果を得ることができた。

土壌のくずれやすいところでは、上下面にプラスチクス
薄板よりなる半月状の部分隔壁を貼着して備えた各部材
を用いて効果的であった。

また、植物体根部の断面形状と結紮穴の平面形状とが著
しく異なるところでは結紮縁部に該結紮縁より柔軟度合
いの高いプラスチクスでなる結紮補助部材を有するもの
を使用して効果的であった。　ここに使用条件は　ｈ≒
ｔ　またはｈ＞ｔ　で行なった。

実施例３ 肉厚の真銀製環の内側面を切削してそこに３結紮縁とこ
れらに挟まれる２凹溝を形成し、これら結紮縁に沿って
熱可塑性プラスチクスの熔融物を塗布して本発明の栽培
補助具を得た。

これは幼苗の植え付け時にその主根等に装着して使用し
て、その後に時間の経過とともに所望の効果を得ること
ができた。

土壌のくずれやすいところでは、上下面にプラスチクス
薄板よりなる隔壁を備えたものを用いて効果的であった
。

［発明の効果］ 本発明の栽培補助具は上述の構成であるから環状の一体
成形物の場合であっても、複数部材を組み立ててなる場
合であっても。従来のもののように厚さに比して直径の
異常に大きい偏平物である必要がなく（従来のものでは
ある程度以上直径を大きくしておかないと結紮部上部の
篩部が肥大してこれをのりこえて下部の篩部と融合して
しまい、結局栽培補助具は体内にとり込まれてしまい結
紮効果を得ることができなくなってしまうのである）、
厚さ（ｌ）をもたせても十分に破壊力に対処できるので
あり、そのために少ない材料で、強度の幾分劣るプラス
チクスのような従来の構造ではなかなか使用できなかっ
た素材でも十分に使用することができるのである。　本
発明の栽培補助具は従来のものが直径を大きくすること
によって解決してきた問題を、厚さ（ｌ）を大きくする
ことによって解決し得たのである。

本発明の栽培補助具で上下隔壁を形成してあるものでは
結紮部に土壌の流入するのを阻止して結紮空間わ形成し
、土壌が凹溝につまって（ｋ）の値を小さくするのを回
避してよく破壊から免かれるのである。

また、本発明の栽培補助具で結紮縁に沿って結紮補助部
材を付設してあるものでは、根部断面形状の結紮穴形状
への補正を行ないつつ結紮を行なうため、その結紮部以
上の根部からは側根、細根の満遍ない発生、発達を期待
できるのである。

また、結紮穴平面形状が三角形、四角形等の、根部適用
個所の断面形状と極めて異なる栽培補助具を用いること
があるが、このときは結紮がすすむにつれて隔部より優
勢な側根が発生、伸長してくることになるのであり、結
局発根の方向を制御することが可能になるのである。

本発明は栽培補助具を用いて栽培し側根および細根の充
分に発達させてある植物体では植えかえ時の活着率が高
くなるばかりでなく開花、結実までに要する時間が短縮
され、樹姿も整う等の集約栽培に適した種々の効果が得
られるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の、複数部材をその両端部に設けてある
相互結合手段を利用して組み合わせてなる栽培補助具の
斜視図を示すものであり、その（イ）は部分隔壁を有す
るものの場合、その（ロ）は結紮補助部材を有するもの
の場合である。　第２図は第１図（イ）に示した本発明
の栽培補助具の分解説明図を示すものである。　第３図
は第１図のＡ−Ａ′に相当する部分での他の各種実施例
の断面図的説明図を示すものであり、その（イ）（ロ）
（ハ）（ニ）は２結紮縁・１凹溝タイプの各種の場合、
その（ホ）は３結紮縁・２凹溝タイプの場合である。　
第４図は本発明の栽培補助具の適用部位を示す樹木の模
式図であり、その（イ）に×印で示すようにほぼ垂直方
向に伸長した根に適用すると効果的である。　またその
（ロ）は×印部位での根り拡大断面図的説明図を示すも
のである。 １…栽培補助具　２、３…部材４、４′、４″……結紮
縁　５、５′……凹溝６、６′、７、７′…係合突起８
、８′、９、９′…固定耳１ ０、１０′、１１、１１′…ボル ト穴１２、１２′…ボルト、ナット類１３、１３′、１
４、１４′…部分隔壁１５ 、１５′、１５″……結紮補助部材１６…結紮穴　１７
…結紮空間１８…細孔　１９…篩部２０…木部 １８・・・細孔　１９・・・節部 ２０・・・木部 ｈ…凹溝底部より結紮縁先端部までの距離ｔ…篩部の厚
さ ｌ…栽培補助具の厚さ 特　許　出　願　人 野　本　恒　夫

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １　結紮穴（１６）の内側面を、平行し互いに交わるこ
   とのない２以上の結紮縁（４）（４′）（４″）…とそ
   れらの各間に位置する凹溝（５）（５′）…とで構成し
   たことを特徴とする環状の栽培補助具。 ２　凹溝底部より結紮縁先端部までの距離を（ｋ）とし
   、対象とする植物体根部の篩部の厚さを（ｔ）とすると
   き関係式ｋ≒ｔまたは ｋ＞ｔを満足する特許請求の範囲第１項に 記載の栽培補助具。 ３　部材（２）（３）をそれらの結紮縁側を内に、それ
   ぞれの両端部に設けてある相互結合手段を利用して相互
   に結合してなる特許請求の範囲第１項または第２項に記
   載の栽培補助具。 ４　上下面に部分隔壁（１３）（１３′）（１４）（１
   ４′）を付設してなる各部材（２）（３）をそれらの結
   紮縁側を内に、それぞれの両端部に設けてある相互結合
   手段を利用して相互に結合したときに上下隔壁間には結
   紮空間（１７）が形成される特許請求の範囲第１項また
   は第２項に記載の栽培補助具。 ５　各部材（２）（３）の両端部に設けてある相互結合
   手段はボルト、ナット類および１または嵌合、係合等手
   段を利用したものである特許請求の範囲第３項または第
   ４項に記載の栽培補助具。 ６　少なくとも結紮縁（４）（４′）（４″）…の先端
   部に沿って、該結紮縁を構成する素材より柔軟度合いの
   高い素材よりなる結紮補助部材（１５）（１５′）（１
   ５″）…を付設したことを特徴とする特許請求の範囲第
   １項、第２項、第３項、第４項または第５項に記載の栽
   培補助具。