JPS6212857Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、エンジンのエアクリーナケース内に
収容されるエアクリーナエレメント装置、特に複
数枚のエレメント板よりなるクリーナエレメント
と、このクリーナエレメントを保形するようにそ
れと組合される保形枠とよりなるエアクリーナエ
レメント装置に関する。

従来、この種エアクリーナエレメント装置とし
て、二枚のエレメント板を、一端が開放された袋
状に結着してクリーナエレメントを構成して、そ
の袋状部に保形枠を挿入したものが知られている
が、このものは二枚のエレメント板間に保形枠挿
入口としての開口部があるため、両エレメント板
間のシール性が悪く、濾過すべき空気の一部が一
方のエレメント板を迂回して前記開口部に進入
し、他方のエレメント板によつてのみしか濾過さ
れず、濾過効率が低下する欠点がある。

本考案は、そのような欠点を解消した簡単有効
な前記エアクリーナエレメント装置を提供するこ
とを目的とする。

以下、図面により本考案の一実施例について説
明すると、第１図及び第２図は自動二輪車のエン
ジン用エアクリーナを示すもので、そのクリーナ
ケース１には、その一側壁に蓋板１′で通常閉鎖
されるエレメント装着口２が設けられ、その上壁
に一本の空気導入管３が、またその前壁にエンジ
ンの二連気化器（図示せず）に連なる二本の空気
導出管４，４がそれぞれ取付けられる。この二本
の空気導出管４，４は、各根部において共通の取
付フランジ５と共に合成樹脂、ゴム等を材料とし
て一体に成形され、その取付フランジ５をクリー
ナケース１前壁の開口部６に嵌込みにより取付け
られる。このように二本の空気導出管４，４を一
体に成形すると、両管４，４の分岐部が滑らかに
湾曲して、空気の流れを乱すことなく各管４，４
に空気を均等に分配することができる。

クリーナケース１の内面には、空気導入管３と
空気導出管４，４との間において相対面する前後
一対の案内突条７，８が突設されており、これら
案内突条７，８間に、エレメント装着口２より本
考案のエアクリーナエレメント装置Ａが挿入さ
れ、これによりクリーナケース１内は空気導入管
３に連なる入口室１０と空気導出管４に連なる出
口室１１とに区画される。

第３図及び第４図に示すように、エアクリーナ
エレメント装置Ａはクリーナエレメント１２及び
保形枠１３より構成される。

クリーナエレメント１２は、荒目のウレタンフ
オーム製で略矩形をなす第１エレメント板１２
ａ、細目のウレタンフオーム製でそれと同形状の
第２エレメント板１２ｂ、及び細目のウレタンフ
オーム製またはゴム製で通気窓１４を有する額縁
形のシール部材１２ｃを以上の順序で重合して、
これらの周囲をスポツト溶着１５及び接着１６に
より結着して構成される。その際、第２エレメン
ト板１２ｂとシール部材１２ｃ間には通気窓１４
の周縁に沿つて開口する割れ目１７を残存させ
る。また通気窓１４の一側には切欠１４ａが設け
られている。

保形枠１３は合成樹脂より一体成形されたもの
で、四辺形の一辺に湾曲辺を連結した形をなす枠
骨１３ａと、この枠骨１３ａの対向辺部を連結す
る十字形補強骨１３ｂと、枠骨１３ａの隣接辺部
を連結する斜め補強骨１３ｃとより構成され、枠
骨１３ａの湾曲辺部に対向する直線辺部には鈎形
に屈曲した摘子１８が突設される。また枠骨１３
ａは、その断面形状が保形枠１３の両外側方へ角
を向けた正方形に形成されている。

而して、保形枠１３は、クリーナエレメント１
２の通気窓１４を押し広げながらその割れ目１７
に挿入され、摘子１８のみを通気窓１４の切欠１
４ａより外側へ突出させる。かくして保形枠１３
はクリーナエレメント１２内に正しく挿入されて
該エレメント１２の所定形状を保持する。

こうして保形されたクリーナエレメント１２
は、クリーナケース１の案内突条７，８間に挿入
され、そして第１エレメント板１２ａを入口室１
０側の案内突条７に、またシール部材１２ｃを出
口室１１側の案内突条８にそれぞれの弾性を以て
密着させる。

さらにクリーナケース１には、出口室１１にお
いて空気導出管４，４側の前室１１ｂとクリーナ
エレメント１２側の後室１１ｂとに仕切るように
フレームトラツプ１９が取付けられる。このフレ
ームトラツプ１９は、多孔鋼板よりなる扁平箱形
のトラツプ本体２０と、その内部に収納した金
網、スチール・ウール等の火止材２１より構成さ
れ、トラツプ本体２０の外周には取付フランジ２
０ａが形成されている。このフレームトラツプ１
９の位置でクリーナケース１は、空気導入管３に
連なる第１ケース１ａと空気導出管４，４に連な
る第２ケース１ｂとに分割され、両ケース１ａ，
１ｂの分割面間にフレームトラツプ１２の取付フ
ランジ２０ａが挾持される。

第２ケース１ｂは、エンジンのバツクフアイヤ
現象により侵入してくる火炎に耐え得る耐熱合成
樹脂（例えばガラス繊維等の難熱材入りナイロン
66）より成形され、第１ケース１ａは上記のよう
な火炎の侵入の惧れがないのでクリーナケースと
して従来一般に使用されている比較的廉価な合成
樹脂（例えばポリプロピレン、ナイロン６等）よ
り成形され、両ケース１ａ，１ｂは高周波溶着、
接着等により完全に接合される。溶着の場合に
は、両ケース１ａ，１ｂを同種材製とすることが
溶着強度を高める上に有効である。

尚、図中２２はドレーンパイプ、２３はバツテ
リ保持用ヒンジ板である。

次にこの実施例の作用を説明すると、エンジン
の運転中、その吸入空気は空気導入管３より入口
室１０に入り、クリーナエレメント１２、即ち荒
目の第１エレメント板１２ａ及び細目の第２エレ
メント板１２ｂを順次通過することにより効果的
に濾過されて出口室１１に移り、そしてフレーム
トラツプ１９を通過し、空気導出管４，４を通し
てエンジンの二連気化器に導かれる。

エンジンのバツクフアイヤ現象により、火炎が
空気導出管４，４を通して出口室１１の前室１１
ｂに侵入してくれば、その火炎は該室１１ａで減
衰され、さらにフレームトラツプ１９によりさえ
ぎられるので、クリーナエレメント１２を火炎よ
り保護しその焼損を防止することができる。この
とき、フレームトラツプ１９より下流側の第２ケ
ース１ｂ内面は侵入火炎にさらされるが、第２ケ
ース１ｂは前述のように耐熱材料製であるから、
侵入火炎に充分耐えることができる。

汚れたクリーナエレメント１２の清掃のために
これをクリーナケース１より取り出すには、蓋体
１′を外し、保形枠１３の摘子１８を撮んで引張
れば、保形枠１３と共にクリーナエレメント１２
を案内突条７，８間より引き出すことができる。

以上のように本考案によれば、重合結着された
複数枚のエレメント板の一側面に通気窓を有する
シール部材を結着すると共に、このシール部材と
エレメント板との間に前記通気窓の周縁に沿つて
開口する割れ目を残存させてなるクリーナエレメ
ントと、前記通気窓より前記割れ目に挿入されて
クリーナエレメントを保形する保形枠とよりエア
クリーナエレメント装置を構成したので、複数枚
のエレメント板間には隙間が全く存在せず、空気
流の迂回を確実に防止することができる。したが
つて空気を全エレメント板に通過させて効果的に
浄化することができ、また保形枠によるクリーナ
エレメントの保形が確実であつて、クリーナエレ
メント装置のクリーナケースに対する着脱を容易
に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は本考案のエアクリーナエレメント装置を装着し
たエアクリーナの縦断平面図、第２図は第１図の
エアクリーナの、蓋体の一部を取除いた状態での
側面図、第３図は本考案のエアクリーナエレメン
ト装置の斜視図、第４図はその装置の保形枠の斜
視図である。 Ａ……エアクリーナエレメント装置、１２……
クリーナエレメント、１２ａ，１２ｂ……第１、
第２エレメント板、１２ｃ……シール部材、１３
……保形枠、１３ａ……枠骨、１３ｂ……補強
骨、１３ｃ……補強骨、１４……通気窓、１７…
…割れ目、１８……摘子。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 重合結着された複数枚のエレメント板の一側面
   に通気窓を有するシール部材を結着すると共に、
   このシール部材とエレメント板との間に前記通気
   窓の周縁に沿つて開口する割れ目を残存させてな
   るクリーナエレメントと、前記通気窓より前記割
   れ目に挿入されてクリーナエレメントを保形する
   保形枠とより構成されたエンジン用エアクリーナ
   エレメント装置。