JPH0630466U - エアクリーナ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 エレメントの脱着が容易でしかもシールが十
分に確保されるエアクリーナを提供する。 【構成】 エレメントケース４のケース本体２側開口縁
の四周には外側に突縁８を形成し、突縁８には位置決め
用の水平係止部９を形成し、ケース本体２の開口端面１
５両側部にはエレメントケース４の突縁８が上方から挿
入される際にこれを案内支持するフランジ部１６を形成
し、エレメントケース４のカバー３側開口縁の四周と、
カバー３の開口端面２１の四周とには、エレメント５の
カバー３側に周設されたガスケット１３を挾持する挾持
構造２３（段部７，２２よりなる）を設け、さらにケー
ス本体２とカバー３にはケース本体２とカバー３とを開
閉自在に係合させる開閉係合手段２４と、ケース本体２
とカバー３とがエレメントケース４を挾持して閉止され
た状態に維持する閉止係合手段２５とを設けた。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、車両のエンジンルーム内に搭載され、ケース本体とカバーとの間 にエレメントが挟持されるエレメントケースを備えたエアクリーナに関し、特に 、エレメントの脱着とシールの確実性を改良したものに関する。

【０００２】

【従来の技術】

最近の車両のエンジンルームは、各種の補機類が設置される関係もあって、利 用できる空間が非常に少なくなっていて、エアクリーナの取付けスペースにも制 限がある。ところで、エアクリーナのエレメントは、目詰まりが発生するとその 交換が必要になるが、このときにカバーをケース本体から取外すだけの空間が確 保しにくいので、カバーを取外すことなく交換ができる構造が要請されている。 このような要請に答える技術として、例えば実公平２ー２１５８７号公報に開示 されたように、エアクリーナが車両のエンジンルーム内に横向きに搭載されてカ バーを左右に開閉する構造のものが知られている。

【０００３】 この公報に示されているエアクリーナは、エレメントのフランジ部が直接ケー ス本体とカバーとの係合面に挟持される構成となっている。この構成のエアクリ ーナでは、カバーを左右に開閉するだけでケース本体から取り外ずことなくエレ メントの脱着ができるという利点がある。しかしながら、実際には以下に説明す る技術課題があった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

すなわち、上記公報に開示されたエレメントの挟持および脱着構造では、単に エレメントのフランジ部を直接ケース本体とカバーとの係合面に挟持して脱着す るものなので、ケース本体とカバーとの係合面にエレメントを装着或いは離脱が 行ないにくいばかりかシール性が確実に行なえないという不具合があった。

【０００５】 この考案は、以上の問題を解決するものであって、エレメントの脱着が容易で しかもシールが十分に確保されるエアクリーナを提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案は、空気吸入部を有して車両のエンジンル ームに固定されるケース本体と、空気排出部を有して上記ケース本体に水平方向 に開閉自在に装着されるカバーと、これらケース本体とカバーとの間に挾持され てエレメントを保持するエレメントケースとを備えたエアクリーナにおいて、 前記エレメントケースのケース本体側開口縁の四周には外側に突設される突縁 を形成し、この四片の突縁のうち上部に位置する一片の突縁の上端にはケース本 体側に水平に延びる水平係止部を形成するとともに、ケース本体の開口端面の両 側部にはエレメントケースの突縁が上方から挿入される際にこれを案内支持する ために縦方向に延びた凹部を有する断面ほぼＵ字形のフランジ部を形成する一方 、エレメントケースのカバーの開口端面の四周とには、前記エレメントのカバー 側に周設したガスケットを挾持する挾持構造を設け、さらにケース本体とカバー にはケース本体とカバーとを開閉自在に係合させる開閉係合手段と、ケース本体 とカバーとがエレメントケースを挾持して閉止された状態に維持する閉止係合手 段とを設けてなることを特徴とする。

【０００７】

【作用】

以上の構成によれば、エレメントを保持したエレメントケースの突縁をケース 本体のＵ字形フランジ部の凹部に上方から挿入し、エレメントケースの水平係止 部がケース本体の上部に係止された後、カバーをエレメントケース側に閉止して 該カバーがエレメントのガスケットに当接するようにし、閉止係合手段によって ケース本体とエレメントケースとカバーとを係止するだけで、容易にエレメント を装着することができ、上記挾持構造によってシールも確実になされる。また、 閉止係合手段の係合を外してカバーをエレメントケースから離脱した後、エレメ ントケースを上方に引上げることによりエレメントを交換することも容易である 。

【０００８】

【実施例】

以下、この考案の一実施例を図面を用いて詳細に説明する。図１はこの考案の エアクリーナの一部を切り欠いた平面図、図２は同エアクリーナの一部を切り欠 いた側面図、図３は同エアクリーナのエレメントケースを示す斜視図、図４は同 エアクリーナのエレメントを示す斜視図、図５はエアクリーナの分解斜視図であ る。図において、１は車両のエンジンルーム内で例えば横向きに搭載されるエア クリーナ、２はエンジンルームに固定されるケース本体、３はケース本体２に対 して脱着可能とされるカバー、４はケース本体２に収装されるエレメントケース 、５はエレメントケース４に保持されるエレメントを示している。

【０００９】 直方体状のエレメントケース４は、図３に示すように、エレメントケース４に エレメント５が挿入される開口６（図中で上面であって、組付け時にはカバー３ 側に位置する）の開口縁四周に設けられた段部７と、この開口６の反対側の面の 四周に上記段部７と対向して外側に突設される突縁８と、この突縁８の四片のう ち組付け後にケース本体２側の上部に位置する一片（図中で右側の片）の端部が 外側に折り曲げられてなる断面ほぼＬ字状又はＵ次状（図３ではＵ字状のものを 図示）の水平係止部９と、この水平係止部９が形成される面側のエレメントケー ス４から突設される取手部１０とを備えている。エレメントケース４に保持され るエレメント５は、図４に示すように、直方体状の外枠１１の内部にジグザグ折 りされた濾過材１２を保持し、上記外枠１１のカバー３側の開口縁の四周にはゴ ムなどの弾性材料からなるガスケット１３が周設されており、前記エレメントケ ース４の開口６に外枠１１が挿入されると上記ガスケット１３がエレメントケー ス４の段部７に密に嵌合して位置決めされるよう構成されている。なお、図６に 示すようにガスケット１３の厚さは段部７からＡだけはみ出す厚さとされている 。

【００１０】 ケース本体２は、空気吸入部となる吸入管１４と、開口端面１５の両側部に形 成され、エレメントケース４の突縁８が上方からアプローチされて挿入される際 にこれを案内支持するために縦方向に延びた凹部を有する断面ほぼＵ字形のフラ ンジ部１６と、開口端面１５の上下部に形成されたフランジ部１７と、ケース本 体２を車両のエンジンルーム内に確実に固定させるために例えば４カ所に設けら れた取付台１８とを備えている。上記取付台１８には、それぞれゴムブッシュ１ ９等が嵌装され、このゴムブッシュ１９に取付用のボルトなどが挿通されてケー ス本体２を防振的にエンジンルーム内に固定させる構造となっている。

【００１１】 一方、カバー３は、空気排出部となる排出管２０と、開口端面２１の四周に形 成された段部２２とを備えている。上記段部２２は、エレメントケース４に設け られた前記段部７とともにエレメント５のガスケット１３を挾持する挾持構造２ ３を構成するものであり、エレメントケース４とカバー３とが組み合わされた際 に、段部７が段部２２の内側に密に嵌まり込むように構成されている。

【００１２】 さらに、ケース本体２とカバー３には、ケース本体２とカバー３とを開閉自在 に係合させる開閉係合手段２４と、ケース本体２とカバー３とがエレメントケー ス４を挾持して閉止された状態に維持する閉止係合手段２５とが設けられている 。

【００１３】 上記開閉係合手段２４は、例えば次のように構成されている。まず、ケース本 体２の下部には、カバー３の下部に向けて延伸する一対のヒンジバー２６が設け られ、これらヒンジバー２６の先端部にはヒンジ孔２７が穿設されている。また 、カバー３の下部には、上記ヒンジ孔２７に挿通可能な一対の支持片２８が下方 に向けて突設されている。

【００１４】 一方、前記閉止係合手段２５は、例えば次のような構成を持つ。すなわちケー ス本体２の上面には一対のクランプホルダ２９が設けられ、これらのクランプホ ルダ２９に、ばね鋼などの弾性材料よりなるクランプ３０の一端が保持されてい る。上記クランプ３０はカバー３の上部に延びてその他端には屈曲部３０ａが設 けられ、この屈曲部３０ａがカバー３の段部２２に係止されるようになっている 。

【００１５】 以上の構成において、図５に示すようにエレメントケース４の開口６にエレメ ント５の外枠１１を挿入してガスケット１３をエレメントケース４の段部７に奥 まで押し込み、エレメントケース４の突縁８をケース本体２のＵ字形フランジ部 １６の凹部に上方からアプローチして挿入し、エレメントケース４の水平係止部 ９がケース本体２の上部に係止された後、カバー３の支持片２８をヒンジバー２ ６のヒンジ孔２７に挿通し、該カバー３をヒンジバー２６を支点に回動させてカ バー３の段部２２がエレメント５のガスケット１３に当接するように閉止し、ク ランプ３０をカバー３の段部２２に係止するだけで、容易にエレメントケース４ をケース本体２とカバー３との間に挟持することができる。しかも、エレメント ５のガスケット１３がエレメントケース４の段部７とカバー３の段部２２とから 構成された挾持構造２３により挾持され、開閉係合手段を構成するヒンジバー２ ６と支持片２８との係合位置をガスケット１３の圧縮代Ａの面にできるだけ近付 けることにより、枠部７から前記Ａだけはみ出したガスケット１３が段部２２に より押圧されるため、ガスケット１３の圧縮時における変形を防止することがで き、エレメント５とカバー３との間が完全にシールされる。よって汚れた空気が 漏れてエンジンへ吸入されることがなくシールも確実になされる。また、水平係 止部９がケース本体２の上部に係止されるまでエレメントケース４を挿入する構 造なので、エレメント５が確実な位置に位置決めされる上、水平係止部９によっ て上方からのダスト、水等の遺物がエアクリーナ１内に侵入することが防止され る。

【００１６】 そして、エレメント５を交換する際には、クランプ３０を外してカバー３をヒ ンジバー２６を支点に図１或いは図２中で左側に開いて開放した後、エレメント ケース４をその上面の取手部１０を持って上方に引上げ、上記組付けを行うだけ でよい。その際、カバー３の開放量は図６に示すようにエレメントケース４の段 部７がカバー３の段部２２から外れる程度でよいため、例えばカバー３の近くに 他の部品が配置されてカバー３を大きく開放することができない場合でも、エレ メント５を容易に着脱させることができる。この利点は、とりもなおさずエンジ ンルーム内スペースの有効利用につながる。

【００１７】 なお、ケース本体２とカバー３に設けた前記開閉係合手段２４および閉止係合 手段２５は、前述した態様のもののみに限らずに他の構成としてもよい。例えば 図７に示すように、ケース本体２とカバー３の下部からそれぞれ延出させたアー ム３１，３２をエレメントケース４の下方で回動自在に枢着させて開閉係合手段 ２４´を構成したり、ケース本体２とカバー３の上部にそれぞれ設けたブラケッ ト３３，３４間にボルト３５や蝶ネジ等を挿通させて閉止係合手段２５´を構成 するなどしても良い。

【００１８】 また、エレメントケース４を固定するためのＵ字形フランジ部１６は、ケース 本体２側に備えられているが、カバー３のエレメントケース４側開口端部に形成 してもよいことはいうまでもない。この場合、フランジ部１６にガスケット等の シーリング部材を設けることにより、エレメント５の下流側に位置する当該部分 から微細なダスト等が侵入することを防止できる。

【００１９】

【考案の効果】

以上の実施例によって詳細に説明したように、この考案によるエアクリーナに あっては、エレメントの着脱がエレメントを組込んだエレメントケースの突縁を ケース本体のＵ字形フランジ部に案内支持し、エレメントケースの水平係止部が ケース本体の上部に当接するまで挿入するのでエレメントは確実な位置に挿入さ れ位置ずれする恐れがないとともに、ダスト・水等の侵入を防止できる。エレメ ントケースを挿入した後、開閉係合手段を支点にカバーを閉止して閉止係合手段 を係止することにより、エレメントのガスケットがエレメントケースとカバーと に設けられた挾持構造により圧縮されてエレメントとカバーとの間が完全にシー ルされる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案のエアクリーナの一部を切り欠いた平
面図である。

【図２】同エアクリーナの一部を切り欠いた側面図であ
る。

【図３】同エアクリーナのエレメントケースを示す斜視
図である。

【図４】同エアクリーナのエレメントを示す斜視図であ
る。

【図５】同エアクリーナの分解斜視図である。

【図６】同エアクリーナの挾持構造を示す側面図であ
る。

【図７】同エアクリーナの開閉係合手段および閉止係合
手段の他の実施例を示す側面図である。

【符号の説明】

２ ケース本体 ３ カバー ４ エレメントケース ５ エレメント ７ 挾持手段２３を構成する段部 ８ 突縁 ９ 水平係止部 １３ ガスケット １４ 空気吸入部となる吸入管 １６ Ｕ字形フランジ部 １９ ヒンジバー ２０ 空気排出部となる排出管 ２２ 挾持構造２３を構成する段部 ２３ 挾持構造 ２４ 開閉係合手段 ２５ 閉止係合手段

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 空気吸入部を有して車両のエンジンルー
   ム内に固定されるケース本体と、空気排出部を有して上
   記ケース本体に水平方向に開閉自在に装着されるカバー
   と、これらケース本体とカバーとの間に挾持されてエレ
   メントを保持するエレメントケースとを備えたエアクリ
   ーナにおいて、 前記エレメントケースのケース本体側開口縁の四周には
   外側に突設される突縁を形成し、この四片の突縁のうち
   上部に位置する一片の突縁の上端にはケース本体側に水
   平に延びる水平係止部を形成するとともに、ケース本体
   の開口端面の両側部にはエレメントケースの突縁が上方
   から挿入される際にこれを案内支持するために縦方向に
   延びた凹部を有する断面ほぼＵ字形のフランジ部を形成
   する一方、エレメントケースのカバー側開口縁の四周
   と、カバーの開口端面の四周とには、前記エレメントの
   カバー側に周設したガスケットを挾持する挾持構造を設
   け、さらにケース本体とカバーには該ケース本体とカバ
   ーとを開閉自在に係合させる開閉係合手段と、該ケース
   本体とカバーとがエレメントケースを挾持して閉止され
   た状態に維持する閉止係合手段とを設けてなることを特
   徴とするエアクリーナ。