JPS621196B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は縦長の冷凍室と、この冷凍室よりも内
容積が大きめな冷蔵室を併設する如く中仕切壁を
一体成形した内箱と外箱間に発泡断熱材を充填す
る冷蔵庫の箱体形成方法に関するものである。

従来のこの種冷蔵庫の箱体形成方法を第１図〜
第３図に示す一実施例で説明すると、１は冷蔵庫
本体、２は外箱、３は一枚の合成樹脂板を真空成
形等により中仕切壁４を含む冷凍室５と上記冷凍
室５の内容積よりも大きな内容積を有する冷蔵室
６を一体に成形した内箱である。しかしてこの内
箱３の周縁フランジ部３ａは先の外箱フランジ２
ａに重合し、この重合部に於いては、後述する発
泡断熱材の原液注入時、原液が洩れないよう設計
されている。７，７は外箱２の背面部に設けられ
た注入口である。この注入口７，７の設けられる
位置は第３図に示す如く、冷凍室５、冷蔵室６と
外箱２の側壁間が作る空間の真上である。

８，８は発泡断熱材の注入ノズルである。９は
上記注入ノズル８より注入される発泡原液（イソ
シアネート、ポリエーテル、助剤等よりなる原
液）を示す。この原液９は図にも示す如く２つの
注入口８，８より原液の状態で注入され、冷蔵庫
開口縁側に傾線で示す如く流した後発泡させるよ
うにしたものである。

１０は上記発泡原液が発泡し形成する独立気泡
を有する発泡断熱材を示す。通常上記発泡断熱材
１０が外箱２と内箱３間を充填する順序は、空間
の直線部を充填した後矢印に示す如く横方向に進
出して行くので空間１１，１２，１３より立上つ
てくる発泡断熱材１０は第２図で示す如く、冷蔵
庫背面に縦列にあけられた空気抜孔１４，１５付
近で合流し余分なものはこの孔１４，１５から溢
れ出す。１６，１７は上記空気抜孔１４，１５を
通して外気中の水分が発泡断熱材１０中に侵入す
るのを防止すべく貼付されたシール材例えばテー
プである。

従来かかる構成を有する断熱材の箱体成形方法
に於いては次の如き欠陥があつた。

(1) 注入口７，７より発泡原液を注入し外箱内箱
間を完全に発泡断熱材で充填しようとすると、
注入口７，７より注入された原液が第３図の傾
斜線部９で示す如く均一に冷蔵庫本体１の前縁
開口縁側に回るのをまつて発泡を開始させなけ
ればならない。これにより通常であれば30秒〜
60秒位の間で発泡を開始する原液の発泡開始時
間を大幅に遅らせる必要があり、粘度の低い原
液の状態にある時間が長くなるため外箱と内箱
の重合部より洩れ易く、洩れ防止や洩れた発泡
断熱材の処理のため原価高となる欠陥があつ
た。

(2) ２つの注入口７，７より発泡断熱材を充填す
るようにしたものにあつては冷蔵庫の両側壁部
の空間は十分に原液が充填されるが、中仕切壁
部には上記空間程十分に原液が充填されるもの
かどうか判からず製品の安定性に欠けていた。

(3) 両側壁及び中仕切壁部より立上がつてくる発
泡断熱材の合流点を第２図に示す如く、縦列に
あけた孔１４，１５付近とした場合この部分を
シールするために使用するテープ等の貼付作業
に時間を要する等の欠陥があつた。

本発明は、冷凍室と冷蔵室と中仕切壁を一体に
形成した内箱に外箱を組合せて形成した冷蔵庫箱
体と、上記箱体の背面でかつ縦方向中央部の両側
壁に対向して設けられた第１の注入口と、上記中
仕切壁に対向して設けられた第２の注入口と、上
記箱体の背面上下部に設けられた空気抜孔とから
なり、上記箱体の開口面を下側に向けた状態で上
記第１の注入口より発泡断熱材を上記冷凍室と冷
蔵室の内容積の割合で注入する工程と、その後上
記第２の注入口より発泡断熱材を注入する工程と
からなるようにしたものである。

以下本発明の詳細を第４図〜第５図に示す一実
施例で説明すると、２１は冷蔵庫、２２は外箱、
２３は一枚の合成樹脂板を真空成形等により中仕
切壁２４を含む冷凍室２５、冷蔵室２６を一体に
成形した内箱である。尚上記冷凍室２５の内容積
は冷蔵室２６の内容積より小さく形成されてい
る。２７は形成された発泡断熱材、この発泡断熱
材２７は最初原液の状態でノズル２８より注入さ
れたものが発泡し形成するものである。２９は冷
蔵庫背面中央部に設けられた注入口で、この注入
口２９は第４図に示す如く冷蔵庫の側壁に対向す
る冷蔵庫背面の上部と中仕切壁に対向する上部に
設けられている。３０はノズル中央より注入され
た原液を示す。この原液３０は最初冷蔵庫の側壁
に対向する注入口２９ａ，２９ｂより注入され、
注入口２９ａ，２９ｂよりの注入が終了した時点
で注入口２９ｃより中仕切壁中に注入されるもの
である。

即ち冷凍室２５の内容積が冷蔵室２６の内容積
より小さいことより当然注入口２９ａより注入さ
れる時間はノズル径を同じにすれば注入口２９ｂ
より注入される時間よりは短かいので、注入口２
９ｂの原液の注入が終了しない内にノズル２８ａ
が中仕切壁上部の注入口に移り注入を開始するも
のである。こうすることにより、冷蔵庫前面開口
縁部にはほぼ均一に原液が斜線の如く充填され、
ほぼ同時期に発泡を開始し、各空間を十分に発泡
断熱材が充填するものである。又この時の発泡順
序としては、原液が中央から第５図でいえば上下
方向に流れた後発泡を開始するので発泡終了時点
は第５図に示す空気孔３１の位置となる。従つて
この部分のシール作業はテープ３２の如く貼付す
れば良いものである。

又上記注入口２９ａ，２９ｃ，２９ｂより注入
する原液の量は冷凍室２５、冷蔵室２６の内容積
の割合で注入すると上記の如き結果が得られるも
のである。

本発明によれば、冷蔵庫前面開口縁部に原液が
ほぼ均一に充填される。したがつて、原液は同時
期に発泡を開始し、箱体の空間を十分に発泡断熱
材で充填させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の冷蔵庫の正面図、第２図はその
背面図、第３図は従来の冷蔵庫の発泡状態を示す
図、第４図は本発明を備えた冷蔵庫の発泡状態を
示す図、第５図はその背面図である。 ２１……冷蔵庫、２２……外箱、２３……内
箱、２４……中仕切壁、２５……冷凍室、２６…
…冷蔵室、２７……発泡断熱材、２８……ノズ
ル、２９……注入口、３０……原液、３１……空
気孔、３２……テープ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 冷凍室と冷蔵室と中仕切壁を一体に形成した
   内箱に外箱を組合せて形成した冷蔵庫箱体と、上
   記箱体の背面でかつ縦方向中央部の両側壁に対向
   して設けられた第１の注入口と、上記中仕切壁に
   対向して設けられた第２の注入口と、上記箱体の
   背面上下部に設けられた空気抜孔とからなり、上
   記箱体の開口面を下側に向けた状態で上記第１の
   注入口より発泡断熱材を上記冷凍室と冷蔵室の内
   容積の割合で注入する工程と、その後上記第２の
   注入口より発泡断熱材を注入する工程とからなる
   ことを特徴とする冷蔵庫箱体の断熱材注入方法。