JPS62115036A - フイルム及びその製造方法 - Google Patents

フイルム及びその製造方法

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JPS62115036A
JPS62115036A JP25382185A JP25382185A JPS62115036A JP S62115036 A JPS62115036 A JP S62115036A JP 25382185 A JP25382185 A JP 25382185A JP 25382185 A JP25382185 A JP 25382185A JP S62115036 A JPS62115036 A JP S62115036A
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JP
Japan
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film
dope
optically anisotropic
present
poly
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JP25382185A
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English (en)
Inventor
Takashi Fujiwara
隆 藤原
Shigemitsu Muraoka
重光 村岡
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分骨) 本発明は、ポリ(P−フェニレンテレフタルアミド)〔
以下、PPTAと称する〕からなるフィルム及びその製
造方法に関し、さらに詳しくは、透明で、フィルムの長
尺方向(以下、MD方向と略す)および幅方向(TD方
向)共に優れた機械特性を示し、かつ低い灰分含有量の
故に耐熱性及び電気絶縁性にすぐれたPPTAフィルム
及びそれを得る製造方法に関するものである。
(従来の技?1f) PPTAは、特に優れた結晶性や高い融点を有し、また
剛直な分子構造の故に、耐熱性で高い機械的強度を有し
ており、近年、特に注目されている高分子素材である。
またその光学異方性を示す濃厚溶液から紡糸された繊維
は高い強度およびモジュラスを示すことが報告され、既
に工業的に実施されるに到っているが、フィルムへの応
用例の提案は少なく、災用化例も未だ知られていない。
PPTAの有する問題点としては、その有用な高分子量
のプリマーは有機溶媒に難溶であり、歳硫m等の燗機の
強酸が溶媒として用いられねばならないということが挙
げられ、これを回避するために、例えば特公昭56−4
5421号公報では、[i配位性芳香族ポリアミドの芳
香核にハロゲン基を導入した単位と、PPTA以外の芳
香核に置換基をもたない芳香族ポリアミドを共重合する
ことにより有機溶媒に可溶とし、それからフィルムを得
ようとする試みがなされている。しかし、これはモノマ
ーが高価なため、コストが高くなる上に、折角の直線配
位性芳香族ポリアミドの耐熱性や結晶性を損なう欠点が
ある。
一層、特公昭59−14567号公報には光学異方性を
有する芳香族ポリアミド溶液をスリットから短い空気層
を介して凝固浴中に押出す方法が開示されているが、こ
の方法では、MD方向の機械的強度のみ強く、それと直
交するTD方向の機械的強度は&趨に弱く、裂けやすい
ものしか得られなかった。
このように単に芳香族ポリアミげの光学異方性ドー7°
を押出し、そのまま凝固させただけでは、吐出方向に過
度に配向するために、フィブリル化しやす(TD方向に
弱いものとなってしまうため、これを改良しようとする
フィルム製造方法が種々検討された。
例えば特公昭57−35088号公報には、光学異方性
を有する芳香族ポリアミド溶液を、リングダイから押出
し、°インフレーション法を用いてドープの状態で2軸
方向に同時流延させた後、湿式凝固させることにより等
方性のフィルムが得られるとしている。しかし、この方
法では均一な厚みの透明フィルムを得るのは難しく、機
械的強度殊に引裂強度も低いという欠点がある。
また特公昭59−5407号公報、特開昭54−132
674号公報では、直線配位性芳香族ポリアミドの光学
異方性または光学等号性のV−プを、ダイ中で押出し方
向と直角の方向に機械的に剪断力を与えることにより、
押出し時に押出し方向とその直角方向の2軸方向に配向
させる提案をしているが、ダイの構造が複雑で、工業的
実施上の難点がある。
さらにJLAppl、Polym、Sci、vol、 
’17、屋8、P。
2965〜2985(1982)には、PPTAの光学
異方性−一層をリングダイより油塗布した円錐状のマン
げシル上に押出すことにより、2軸配向したフィルムを
得ることが提案されているが、このフィルムは、機械的
強度が等方向であるものの低く、ドラフトをかけた場合
、MD方向の機械的強度は高いが、TD万方向それは著
しく低いという欠点がある。
特公昭57−17886号公報には、直線配位性芳香族
ポリアミドの光学異方性ドープを凝固直前に、光学等方
性となるまでIIO熱した後、凝固させることによって
、透明で機械的物性が等方向であるフィルムを得ること
が記載されている。この方法は、従来の光学異方性ドー
プの活用により品性行目を得んとする大刀の概念に逆ら
った独創的なものであり、これにより光学異方性ドープ
の極端な1軸配同性の緩和と同時に、光学異方性ドープ
の液晶rメイン[14造がドープを押出した後も残り、
そのまま凝固して不透明なフィルムとなってしまうこと
を回避することに成功している。
しかし、特公昭57−17886号公報をはじめ、硫酸
系溶媒のげ−プからフィルムを製造する方法においては
、硫酸等の溶媒、或いはこれらを中和した塩の洗浄除去
を経済的に行うことが困難であり、殊に特公昭57−1
7886号公報に記載された方法によって緻密なPPT
Aフィルムをつくった場合は一層この困難が増すことが
認められた。そして、フィルムに残留する酸や垣の除去
が完全でないと、成る種の用途、例えば耐熱性や電気絶
縁性の厳しく要求される用途には充分でないことが判明
した。即ち、このような特別な用途には、特公昭57−
17886号公報に一般的に開示された方法でつくった
フィルムでは、残留灰分量の点で必ずしも満足できるも
のではないことが見出された。
(発明が解決しようとする問題点) かかる技術的現状に鑑み、 本発明はすでに工業的生産が開始されているPPTAを
用いて、耐熱性及び電気絶縁性の顕著に教養されたPP
TAフィルム及びその製造方法を提供せんとするもので
ある。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは、耐熱性や電気絶縁性のすぐれた良質のP
PTAフィルムを得るべく特公昭57−17886号公
報の方法の改良について、鋭意研究を重ねた結果、次の
知見を得た。
即ち、特公昭57−17886号公報の方法に従ってP
PTAフィルムをつくる時、支持面上に光学異方性ドー
プを流延しt−sh、これを光学等方化したのちに凝固
させる方法を採用し、この方法において、凝固後のフィ
ルムの洗浄を特別な方法及び条件の組み合せで行うこと
で残留する無機物(酸又は塩)を飛躍的に少なくするこ
とが出来、これによって耐熱性や電気絶縁性のすぐれた
フィルムができることまた、乾燥工程において一般に収
縮がおこるが、これを制限して行わないとフィルムの平
面性及び透明性が少し劣ることがわかった1本発明者ら
はこれらの知見上もとに、更に研究を重ねて本発明とし
て完成させたものである。
本発明の第1は、対数粘度が3.5以上の実質的にポリ
(P−)ユニレンテレフタルアミド)よりなるフィルム
であって、全ての方向の引張伸度が8%以上であり、か
つ灰分が0.03重量%以下であることを特徴とするフ
ィルムである。
本発明の第2は、対数粘度が3.5以上のポリ(P−フ
ェニレンテレフタルアミ)’)、!:、95fj量チ以
上の硫酸とから実質的になる光学異方性ドープを、光学
異方性を保ったまま支持面上に流延し、吸湿又は/及び
加熱により該ドープを光学等方性に転化したのち凝固さ
せるフィルムの製法において、凝固後のフィルムをアル
カリ水溶液で処理し次いで40℃以上の温水で超音波の
照射下に洗浄し、かつフィルムの収縮を制限した状態で
乾燥することを特徴とするフィルムの製造方法である。
本発明に用いられるPPTAは実質的にで表されるポリ
マーであり、従来公知の/Ji?ラフエニレンジアミン
とテレフタロイルクロライドから、低温溶液重合法によ
り製造するのが好都合である。
本発明のポリマーの重合度は、あまり低いと機械的性質
の良好なフィルムが得られなくなるため、6.5以上、
好ましくは4.5以上の対数粘度η1nh(硫酸1oo
−にポリマー0.5gを溶解して30℃″’C’ 7m
定した値)を与える重合度のものが選ばれる。
本発明のフィルムは以下に述べる2つの要件を満たして
初めて目的を達せられるものである。
まず第1に、本発明のフィルムは、全ての方向の引張伸
度が8%以上である必要がある。8%より小さい伸度を
もつフィルムは裂けやすく実用的でないからである。引
張伸度は好ましくは10%以上である。これに対して、
特公昭55−14170号公報に記載された方法でつく
ったPPTAフィルムはMD万方向イ頓が晶々4〜6%
である上に、TD方向の伸度は1%未満できわめて裂り
やすい。
本発明のフィルムのもつ高伸度は、光学異方性のドープ
を支持面上に流延したのち、光学等方性に転化するとい
うプロセスと関連している。
本発明のフィルムは、第2に、灰分が0.03恵ft%
以下である必要がある、灰分の測定は通常の方法によっ
て行われ、好ましくは灰分は0,01 NN%以下、も
つと好ましくは0.005m1%以下である、何故なら
、灰分の多さQ工屯気絶縁性や耐熱性と非常に密接な関
連を有していることがわかったからである。例えば、灰
分殊に酸性の灰分が0.03重量千以上残留していると
、PPTA本来のすぐれた耐熱性が発揮されずに、高温
において、重合度や機械的性質の急速な低下がおこる。
本発明のフィルムとしては、史に以下のR%性を有する
ものが好ましい。
本発明のフィルムとしては、以下に述べるポイP数が1
個/震2以下のものが好ましい。このボイド数は次のよ
うに測定される。適当な大きさのフィルム片を、透過光
を用いた通常の光学顕微鏡により、100倍から400
倍の範囲の倍率で少なくとも異なった5視野について観
察し、その侵径が1μ以上の大きさのボイド数を数え、
フィルム表面1wIII+2当たりに換算する。1個/
ran”を超えるボイド数を有するフィルムは機i成約
物性に劣リ、透明性が低下することが多いばかりでなく
、フィルム表面の凹凸の精度にも影響する。
本発明のフィルムは、好ましくは、70%以上の光綿念
過率を有する。光#j透過率は次のように測定される。
通常の光電光度計(または分光光度計)の液体セルをセ
ットする場所にフィルムを張りつけ、600 nmの波
長の可視光線全選択し、その透過率を測定する。本発明
によるフィルムの重要な特徴のひとつはこの透明性にあ
る。
本発明のフィルムは、通常、その2度が1.370〜1
.405F/帰3の範囲にある。この密度の値は四塩化
炭素−トルエンを使用した音度勾配管法により30℃で
測定されたものである。この密度の範囲は、公知のPP
TA稙維のそれが1.46から1.46の範囲にあるの
に較べてかなり小さい値である。該密度が1.370未
満になると機械的物性が低下し、1.405を越えると
面配回性従って機械的性質の等方性の損なわれたフィル
ムとなる。
何れにしても、このように密度が小さいことから、軽く
て高強度のフィルムが得られることになる。
更に本発明のフィルムは、以下に述べるX線回折による
結晶配向角で定義される面配向性を持っているのが好ま
しい。すなわちフィルム表面に直角に入射したX線によ
る2θ中23°のピークに関する結晶配向角が30以上
である。
X線の入射はフィルム表面に直角に入射する場合(以下
、Tv方向と称する〕と表面に並行に入射する場合(以
下、Sv方向と称する)とに分けられる。
本発明のフィルムはTV方向からのX線により2θ中2
3°に大きな回折ピークを持つが、この2θ中23°に
おける結晶配向角が60以上であるのが好ましく、より
好ましくは70以上である。72θ中26°の結晶配向
角が30よりも小さいと、非常に裂は易いフィルムにな
ってしまうからである。
本発明のフィルムは、好ましくは、フィルム表面に並行
に入射したX線による2θ中18°のピークに関する結
晶配向角が60°以下である。これは、もし、この要件
が満足されたときには、フィルムの機械的性質例えば引
張強度や引張モジュラスが非常に大きくなるからである
結晶配回角の測定方法としては公知の方法が採用でき、
例えば次のような方法によって行われる。
所定の20の角度に計数管を置き、フィルムを180°
回転することにより、回折強度曲鰺を得る。なお、TV
においては、最高強度を中心とし、前後90°の間を回
転?る。この曲線の最高強度の、最低強度点間に引いた
ベースラインに対する半分の’1ffi度を示す点に対
応する、回折写真における円弧長を度で表した値(すな
わち、最高強度のベースラインに対する50%の点に対
する角りを測定し、それを試料の結晶配向角とする。測
定に際し、フィルムは必要により何枚か重ねて回折強度
を測ることができる。
このようなPPTAフィルムを得る方法について説明す
る、 本発明の方法において、まずPPTAの光学異方性ドー
プを調製する必要がある。
本発明のPPTAフィルムの成型に用いるドープを、−
51裂するのに適した溶媒は、95重量%以上の濃度の
硫1である。95%未膚の硫酸では溶i’Jが困難であ
ったり、溶解後のドープが異常に高粘度になる。本発明
のドープには、クロル硫嘴、フルオロ硫酸、五酸化リン
、トリハロゲン化酢酸すどが少し混入されていてもよい
。硫酸は100重iit%以上のものも可能であるが、
ポリマーの安定性や溶解性などの点から98〜100ポ
歇蒼a度が好ましく用いられる。
本発明に用いられるドープ中のポリマー1度は、常温(
約20℃〜30′″C)またはそれ以上の温度で光学異
方性を示すJ度量上のものが好ましく用いられ、具体的
には約10重量%以上、好ましくは約12点m%以上で
用いられる。これ以下のポリマー濃度、すなわち常温ま
たはそれ以上の温度で光学異方性を示さないポリマー濃
度では、成型されたPPTAフィルムが好ましい機tt
n性質を持たなくなることが多い。ドープのポリマー1
度の上限は行に限定されるものではないが、通常は20
重量%以上、特に高いηinhのPPTAに対しては1
8重逝チ以下が好ましく用いられ更に好ましくは16重
iiチ以下である。
本発明のV−ゾには普通の添加剤、例えば、増輩剤、除
光沢剤、紫外線安定化剤、熱安定化剤、抗酸化剤、顔料
、溶解助剤などを混入してもよい。
ドープが光学異方性か光学等方性であるかは、公知の方
法、例えば特公昭50−8474号公報記載の方法で調
べることができるが、その臨界点は、溶媒の種類、温度
、ポリマー濃度、ポリマーの重合度、非溶媒の含有を等
に依存するので、これらの関係を予め調べることによっ
て、光学異方性P−プを作り、光学等方性ドープとなる
条件に変えることで、光学異方性から光学等方性に変え
ることができる。
本発明に用いられるドープは、成形、凝固に先立って可
能な限り不溶性のゴミ、異物等を濾過等によって取除い
ておくこと、溶解中に発生又は巻きこまれる空気等の気
体を取除い℃おくことが好ましい。脱気は、一旦ドープ
を調製したあとに行うこともできるし、11!#のため
の原料の仕込段階から一貫して真空(減圧)下に行うこ
とによっても達成しうる。P−ゾの調製は連続又は回分
て行うことができる。
このようにして調製されたドープは、例えばスリットダ
イにより光学異方性を保ったまま、支持面上に流延され
る。また、実験室的には、支持面上にドクターナイフで
流延できる。支持面として&工、ガラス、ステンレス、
タンタル、ハステロイ、フッ素樹脂などの材質の、また
はこれらや金、白金などの貴金属でコーティングされた
rラム、ベルト、板状物などからえらばれる。
本発明の機械的性質に優れた透明フィルAを得る方法を
工、ドープを支持面上に流延した後、凝固に先立ってド
ープを光学異方性から光学等方性に転化するものである
光学異方性から光学等号性にするには、具体的には支持
面上に流延した光学異方性ドーゾt−U固に先立ち、吸
湿させてドープを形成する溶剤の濃度を下げ、溶剤の溶
解能力およびポリマー濃度の変化により光学等方性域に
転移させるか、または加熱スることによりドープを昇温
し、ドープの損金光学等方性に転移させる或いは、吸湿
と加熱とを同時又は逐次的に併用することにより達成で
きる。特に、吸湿を利用する方法は、加熱を併用する方
法も含めて、光学異方性の光学等号化が、効率よくかつ
PPTAの分解をひきおこすことなく出来るので、有用
である。
ドープを吸湿させるには、通常の温度、湿度の空気でも
よいが、好ましくは、加温又は加温加湿された空気を用
いる。加湿空気は飽和蒸気圧をこえて霧状の水分を含ん
でいてもよく、いわゆる水蒸気であってもよい。ただし
、約45℃以下の過飽和水蒸気では、大きい粒状の凝縮
水を含むことが、多いので好菖しくない。吸湿は通常、
室温〜約180℃、好ましくは50℃〜150℃の加湿
空気によって行われる。
加熱による方法の場合、加熱の手段は特に限定されず、
上記の如き加湿された空気を流延V−プに当てる方法、
赤外線ランプを照射する方法、誘電加熱による方法など
である。
支持面上で光学等号化された流延r−プは、次に凝固を
うける。
本発明において、ドープの凝固液として使用できるのは
、例えば水、約70重黛チ以下の希硫酸、約2031E
量S以下の水酸化ナトリウム水溶液およびアンモニア水
、約10mm%以下の硫酸す) IJウム、塩化ナトリ
ウム水溶液および塩化カルシウム水溶液などである。
本発明において、凝固液の温度はできるだけ低いのが好
ましく、通常15℃以下、より好ましくは5℃以下であ
る。何故なら、凝固浴温度の低い万が、フィルA内に生
成するざイVの量が少なくなり、透明性(光透過率)も
増大し、強度などの機械的性能も向上するからである。
なお、凝固浴温度の下限は特に限定されず、該凝固浴の
組成によって決まる融点(凝固点)までである。
凝固されたフィルムからの酸の除去およびその方法は本
発明において非常に重要である。何故なら、酸が残存す
るとフィルムの耐熱性や電気絶縁性が低下するし、また
酸の除去は特別な方法に従わなければこれを行うのが特
に0.05重量%以下になったときには困難だからであ
る。本発明において、酸の除去は、凝固後のフィルムを
凝固浴から取出してそのまま、或いは次いで水(約30
℃以下が好ましい。)で洗浄して、硫酸とPPTAの重
量比が約0.05〜1.5の状態のフィルムを、丁ず、
アルカリ水溶液で処理する必要がある。アルカリ処理す
る前のフィルムにおける硫酸とPPTAの重量比は、好
ましくは0.1〜1.0であり、またアルカリ水溶液は
好ましくは約5〜30℃である。アルカリ水溶液による
処理は硫酸の中和反応であり、中和熱によるフィルムの
温度上昇があるため、このように比較囚低い温度が好ま
しい。アルカリの種類は、特に限定されず、例えばカセ
イソーダ、カセイカリ、アンモニア、ピリジン、トリエ
チルアミン、炭酸ソーダ、水酸化カルシウムなどから任
意に選ぶことができる。またアルカリ水溶液の濃度も約
0,1〜30111i%程度から適宜えらんでよい。ア
ルカリ水溶液処理は、例えばアルカリ水溶液中でフィル
ムを走行させたり、アルカリ水溶液全噴霧したりする方
法で行われる。
フィルムをアルカリ水溶液で処理することにより、PP
TAと!i!固に水素結合を形成していた硫酸分子が、
相対的に自由に運動できるようになり、このことにより
、後の特別な洗浄工程と組み合わされてフィルム中の残
留灰分が顕著に効率的に少くなるものと信じられる。ア
ルカリ水溶液で中和処理されたフィルムは、次に40℃
以上の温水中で超音波の照射下に洗浄される。温水の温
度は好下しくに45〜70℃である。このように温水と
超音波照射を組み合わせることにより、中和された硫酸
塩(及びわずかに存在する可能性の考えられる硫酸やア
ルカリ)の拡散速度が大きくなり、かつPPTAのアミ
ド基へのこれらの化合物の配位・吸着力も弱くなり、洗
浄が効率化され、かつ徹底され、低い天分のフィルムに
することができる。
洗浄されたフィルムは、次に乾燥されるが、もし望むな
らば、乾燥前の湿潤フィルムを1万回又は2方向に1,
01〜1.4倍程度延伸することにより、フィルムの機
械的性質を向上させることができる。
乾燥は、緊張下、足長下または僅かに延伸しつつ、フィ
ルムの収縮を制限して行う必要がある。
もし、洗浄液〔例えば水〕の除去とともに収縮する傾向
を有するフィルムを、何らの収縮の制限を行うことなく
乾燥した場合には、ミクロに不均一な構造形成(結晶化
など〕が3こるためか得られるフィルムの光線透過率が
小さくなってしまう。
また、フィルムの平面性が損われたり、カールしてし:
f5こともある。収縮を制限しつつ乾燥するには、例え
ばテンター乾燥機や金属枠に挾んでの乾燥などを利用す
ることができる。乾燥に係る他の条件は、特に制限され
るものではなく、加熱気体(空気、窒素、アルtンなど
)や常温気体による方法、′電気ヒータや赤外線ランプ
などの輻射熱の利用法、誘電7IO熱法などの手段から
自由に選ぶことができ、乾燥温度も、特に制限されるも
のではないが、常温以上であればよい。ただし、機械的
強度を大にするためには、高温の万が好ましく、100
’C以上、さらに好ましくは200 ℃以上が用いられ
る。乾燥の最高温度は、特に限定されるものではないが
、乾燥エネルギーやポリマーの分解性を考慮すれば、5
00℃以下が好ましい。
本発明の方法によりフィルムを製造する上で、上記の工
程は、いずれも回分式に行われても連続的であってもよ
く、また全工程を通して連緯してフィルムを走行させつ
つ製造することも好ましい実施態様の1つである。また
任意の工程で油剤、識別用の染料などをフィルムに付与
してもさしつかえない。
(実施例) 以下に実施例および参考例CPPTAの製造例)を示す
が、これらの参考例および実施例は本発明を説明するも
のであって、本発明を限定するものではない。なお、実
施例中特に規定しない場合は重量部または重量%を示す
。対数粘度ηinhは98%硫m1ooyにポリマー0
.5 Jを溶解し、30”Cで常法で測定した。ドープ
の粘度は、B型粘度計を用いi rpmの回転速度で測
定したものである。フィルムの厚さは、直径2簡の測定
面を待ったダイヤルケゝ−ジで海定した。強伸度および
モジュラスは、定速伸長型強伸度測定機により、フィル
ム試料を100++mX10簡の長方形に切り取り、最
初のつかみ長さ30m、引張り速度30■/分で荷重−
伸長曲線を5回描き、これより算出したものである。灰
分は常法によって測定し、耐熱性は250℃の空気中に
1時間放置したときのMD方向の強度の保持率で表わし
、絶縁破壊電圧は、J工s  o2318にもとすいて
測定した。
参考例(PPTAの製造) 低温溶液重合法により、次のどと<PPTAを得た。特
公昭53−43986号公報に示された重合装置中でN
−メチルピロリドン1000部に無水塩化リチウム70
部を溶解し、次いでパラフェニレンジアミン48゜6部
を溶解した。8℃に冷却した後、テレフタル酸シクロラ
イド91.4部を粉末状で一度にDOえた。数分後に重
合反応物はチーズ状に固化したので、特公昭53−43
986号公報記載の方法に従って重合装置より重合反応
物を排出し、7Mちに2軸の密閉型ニーダ−に移し、同
ニーグー中で重合反応物を微粉砕した。次に微粉砕物を
ヘキシエルミキサー中に移し、はぼ等量の水を加えさら
に粉砕した後、濾過し数回温水中で洗浄して、110℃
の熱風中で乾燥した。ηinhが5,0の淡黄色のPP
’I’Aポリマー95部を得た。なお、iAなったηi
nhのポリマーは、N−メチルピロリドンとモノマー(
パラフェニレンジアミンおよびテレフタル酸ジクロライ
ド)の比、または/およびモノマー間の比等を変えるこ
とによって容易に得ることができる。
実施例1〜2及び比較例1〜2 ηinhが5.0のPPTAを99.7%の硫酸にポリ
マー濃度16.0チで真空下に溶解し、50℃で光学異
方性のあるドープを得た。このドープの常温における粘
度は14000ポイズであった。製膜しやすくするため
に、このドープをビーカーに入れ約70℃に保った。そ
の時もV−ゾは光学異方性を示し粘度は4000ポイズ
であった。このドープを60℃のガラス板上に、0−3
mの段差を有するドクターナイフで流延した。
ガラス板に、約70℃相対湿度約90チの空気を当てて
、流延げ一ゾを透明化(即ち光学等方性化)した。
次にガラス板を2℃に保たれた水の中に入れた。
約20秒後に、フィルムがガラス板からはがれた。
凝固フィルムの洗浄条件を1々変えて洗浄した。
洗浄の終了したフィルムを約100nX 15mのステ
ンレス製の2枚の枠に挾み、2006Cに保たれたエア
オープン中で足長乾燥した。その結果をまとめて第1表
に示す、なお、全てのフィルムについて対数粘度ηin
hは4.4〜4.9、光線透過率は75〜90%、密度
は1.68〜1−401! / cm3.2θ中18°
のSV結晶配向角は65〜45Qの範囲にあった。また
、第1表におい′″CMDはドクターナイフをひいた1
回を意味し、TD&’!、それと直角の1回を意味する
実施例6 7/ inhが5.5のPPTAポリマー’マー9.7
%の硫酸にポリマー濃度12.0%で溶解し、60℃で
光学異方性のあるドープを得たうこのP−プの粘度を幇
温で測定したところ、14500ボイズだった。製膜し
やすくするために、この−一層を約70’Cに保った。
また、真空下に脱気した。この場合も上記と同じく光学
異方性を有し、粘度は4200ボイズであった。タンク
からフィルターを通し、ギアポンプをへてダイに到る1
、5mの曲管を約70℃に保ち、03鴫X300簡のス
リットを有するダイから、鏡面に磨いたハステロイiの
ベルトにキャストし、相対温度約95%I2)約90℃
の空気を吹きつけて、流延ドープを光学等号化したのち
約7分間ベルト上に保持してから、ベルトとともに、0
℃の20重−1%硫酸水溶液の中に導いて凝Il[8i
Iさせた。次いで凝固フィルムをベルトからひきはがし
、回転ローラーを介し℃約20“Cの水槽中を走行させ
て洗浄(滞留時間約3シナ)シ、次に1.5%のカセイ
ソーダ水溶液(約20℃ン槽を通しく滞留時間約1.5
分)、更に20℃の水槽中を通したのち、約60℃に保
持した温水槽で洗浄した。温水槽には超音波発振器をと
りつけ、約20分間フィルムが滞留するようにした。
温水槽から取出したフィルムをMD、TD両方回に5%
づつ湿浦状感で延伸し、更に約20℃の水をフィルムの
両面に噴霧して洗浄した。
フィルムをテンター乾燥機に入れ、定長で250℃の熱
風を使って乾燥した。
得られたフィルムは、45μmの厚み、5.2のηin
hをもつ℃いた。また、灰分は0.0.11重置多、強
度は31 h/ tta2(MD )及び28Kf/雪
2(TD)、伸度は30〜45%(MD−TDを15°
間かくで測定)、モジュラスは980 h/ws2(M
D)及び1060Kg/堰2(TD)であり、耐熱1!
14:91%、絶縁破壊電圧282Kv/■とすぐれて
いた。
(発明の効果) 本発明のフィルムは、実施例に示したように侵れた耐熱
性と電気絶縁性を示し、しかも市販のフィルムには見ら
れない高い強度と高いモジュラスで表される良好な機械
的性質を有する。
またこれらの特注のみならず、優れた耐候性、寸法安定
性、耐油性、耐圧性、強酸以外の耐薬品性、構造の緻密
性を有する。このため、本発明のフィルムは、高速回転
する゛2磁気器の絶縁材料や磁気テープ(各種磁気カー
ド、フロッピディス久ビデオテープ、オーディオテープ
、コンピュータチー7°など)フレキシブルプリント配
線基板、電子白板、熱転写プリンタベースフィルム、′
電線被覆材、濾過膜等に好適に使用することができ、さ
らにもうひとつの特徴である透明性に優れていることか
ら、包装材料、製版材料、写真フィルム等にも有用なも
のである。
特に本発明のフィルムは、その高い耐熱性、電気絶縁性
、難燃性、誘電率を活かして、電気絶縁フィルム、フレ
キシブルプリント配塚基板等に有用である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)対数粘度が、3.5以上の実質的にポリ(P−フ
    ェニレンテレフタルアミド)よりなるフィルムであつて
    、全ての方向の引張伸度が、8%以上であり、かつ灰分
    が0.03重量%以下であることを特徴とするフィルム
  2. (2)対数粘度が6.5以上のポリ(P−フェニレンテ
    レフタルアミド)と95重量%以上の硫酸とから実質的
    になる光学異方性ドープを、光学異方性を保つたまま支
    持面上に流延し、吸湿又は/及び加熱により該ドープを
    光学等方法に転化したのち凝固させるフィルムの製法に
    おいて、凝固後のフィルムをアルカリ水溶液で処理し、
    次いで40℃以上の温水で超音波の照射下に洗浄し、か
    つフィルムの収縮を制限した状態で乾燥することを特徴
    とするフィルムの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9858956B2 (en) 2014-07-28 2018-01-02 International Business Machines Corporation Conductive polymers for use in magnetic media

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US9858956B2 (en) 2014-07-28 2018-01-02 International Business Machines Corporation Conductive polymers for use in magnetic media
US11120827B2 (en) 2014-07-28 2021-09-14 International Business Machines Corporation Conductive polymers for use in magnetic media

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