JPS6210859Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本願は、自動販売乃至両替の機能を稼動させる
硬貨選別機に関する。

〈従来技術と問題点〉 従来、硬貨投入口から投入した硬貨を偽貨と正
貨との適宜選別して偽貨を返却通路を介して返却
口へ返却すると共に、正貨を正貨通路を介してキ
ヤツシユボツクス側に導びき、正貨通路の終端位
置に設けた検知器によつて正貨の通過を検知し、
その検知信号により物品の自動販売乃至両替の機
能を稼動させるようにした硬貨選別機において、
特に糸などに硬貨を取付けて投入口から投入し、
検知器を作動したのちに、糸などを引張つて硬貨
を再び投入口より取出す不正使用を防止する装置
は例えば実開昭52−36995号公報において公知で
ある。しかしながら上記した硬貨の不正使用を防
止する機能のほかに硬貨選別機が誤つて後方（正
貨通路側）に傾いた状態に取り付けられた場合に
生じる誤動作を防止する機能を具備した硬貨選別
機は存在しなかつた。そのため、硬貨投入口より
投入された偽貨を含む硬貨の殆ど全てが正貨通路
側に流入して誤動作を生ぜしめるという欠陥があ
つた。

〈考案の目的、構成及び作用〉 そこで本願は、自重により垂下して前後方向に
傾動自在のアームと、自重により垂下して前記ア
ームと90゜方向で傾動自在の作動部片とを用い、
これらの相互作用により上記した不都合を解消し
たものである。

以下図面に示す実施例に基づいてこの考案を説
明すると、硬貨選別機は、上部に硬貨投入口１
を、中央部に返却レバー２を、下部に返却口３を
それぞれ設けた前面板４の背面に、３枚の垂直板
を対向させることにより内部に返却通路P₁と、選
別通路P₂と、正貨通路P₃とを形成した枠体した５
を装置した構成から成つており、枠体５の側面上
部には投入硬貨の径を選択するクレードル６が、
また選別通路P₂の途中には偽貨を吸着するマグネ
ツト７が設けられている。

しかして硬貨投入口１から投入した硬貨が正貨
よりも小さい径の場合には、クレードル６と作用
することなくそのまま落下し返却通路P₁を通つて
返却口３に至り、また正貨とその径を等しくする
かそれよりも大き目の偽貨は、クレードル６に支
持されてその回転により選別通路P₂に導びかれる
が、その途中においてマグネツト７により吸着さ
れ、この吸着状態におかれた偽貨は返却レバー２
の操作により枠体５の一部を構成する開閉板５′
の開放により吸着を解除されて落下してこれも返
却通路P₁を介して返却口３に導びかれ、更に正貨
はクレードル６に支持されその回転により選別通
路P₂に導びかれた後、選別通路P₂の後端に連通さ
れた垂直下方に延びる正貨通路P₃を通つてキヤツ
シユボツクス（図示せず）に導入される。このと
き正貨通路P₃の終端位置に設けられた検知器８の
検知片８′が正貨によつて作動し、その検知信号
により物品の自動販売乃至両替の機能が稼動す
る。そのように構成された公知の硬貨選別機にお
いて、前記枠体５の正貨通路P₃を構成する後部側
面に、上端が枢軸９を介して前後方向（第３図に
おいて左右方向）に傾動自在に枢着されたアーム
１０と、上端の水平軸１１が支持部１２に支持さ
れて枠体５の側面方向（第３図において紙面と垂
直方向）に傾動する作動部片１３とがそれぞれ設
けられている。前記アーム１０はその下端部に錘
１４が設けられて自重により垂下状態に保持され
ると共に、下端に一体に設けられた垂片２０の先
端に設けた突出片２０′は前記正貨通路P₃の側面
に突設した窓１窓孔２１を介して該通路P₃内に突
出している。

また、前記作動部片１３は鋼線からなり、下部
には前記正貨通路P₃の側面上方部に穿設した第２
窓孔１５を介して該通路P₃内に出没する内向きの
邪魔片１６と、アーム１０方向に水平に延び前部
１８′と後部１８″との段差を形成する傾斜段部１
７を中間部に有した作用片１８とがそれぞれ設け
られ、この作動部片１３も自重により垂下状態に
保持される。

さらに前記アーム１０にはそれが垂直状態から
後方に傾いたとき、前記作用片１８と後部１８″
と作用して邪魔片１６を正貨通路P₃内に突出する
ように作動部片１３に傾動力を付与する押圧片１
９が設けられ、この押圧片１９は門型をなし、そ
の内部に作用片１８が挿通されている。

しかして例えば自動販売機の機体に選別機が正
しく取付けられているときは、第３図で示すよう
にアーム１０が鉛直の状態で垂下し、この状態に
おいては第５図実線で示すように押圧片１９が作
用片１８の前部１８′に位置し、作動部片１３は
邪魔片１６が正貨通路P₃内から脱出するように垂
下されている。従つて正貨は邪魔片１６に邪魔さ
れることなく通路P₃内を通過してアーム１０の下
端に設けられた突出片２０′に当接し、突出片２
０′は正貨の重量によつて通路P₃を横切るように
後方に移動し、これと一体になつているアーム１
０が枢軸９を中心として第３図の右方へ傾動して
正貨の通過を許容する。

この際このアーム１０の傾動に伴つて押圧片１
９が作用片１８の傾斜段部１７と接しながら作用
片１８の後部１８″と当接するので第４，５図鎖
線で示すように押圧片１９によつて作用片１８が
押圧され、これによつて作動部片１３は水平軸１
１を支軸として枠体５の側面方向に傾動し、邪魔
片１６が正貨通路P₃内に突出する。従つて該通路
P₃内に導びかれる後続の正貨は邪魔片１６に受止
められ正貨通路P₃への通過は阻止されることにな
る。そして突出片２０′を後方に傾動しながら正
貨通路P₃を通過した正貨は検出器８の検出片８′
を押圧してキヤツシユボツクスに導びかれると共
にアーム１０は正貨が突出片２０′の位置を通過
したのちその自重によつて垂下状態に復帰し、従
つて邪魔片１６も正貨通路P₃内から脱出して、次
の正貨の通過を許容するものである。上記におい
てもし不正行為により、正貨に糸などを取付けて
投入口１から投入した場合一旦は上述の如く、正
貨はアーム１０を傾動して検知器８を作用させる
が、アーム１０は正貨の通過を許容したのちは自
重によつて直ちに垂下状態に復帰するために糸な
どを引張つて正貨を引上げようとしてもアーム１
０の突出片２０′が正貨の上昇を阻止し（この場
合検知器８はONの状態のままにおかれている。）
従つて投入口１から取出されるのを確実に防止す
ることができる。

〈考案の効果〉 この考案は前記のように構成したことにより、
正貨通路内に突出している突出片は正貨の通過時
に正貨の重量によつて移動して正貨の通行を許容
し、かつ正貨が通過した時は自重によつて正貨通
路内に再び突出した状態に保持されるので一度通
過したのちの正貨の逆流は確実に阻止でき、しか
もこの考案によれば正貨が突出片と作用したとき
のアームの傾動を利用して作動部片を作動し、こ
れに設けた邪魔片を正貨通路内に突出するように
構成したので、後続の正貨が正貨通路を連続して
通過して場合に生じる誤動作及び硬貨選別機が正
常の状態に設置されず後方に傾斜した状態で設置
された場合に生じる誤動作も解消することができ
る利点を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本願の実施例を示すもので、第１図は正
面図、第２図は左側面図、第３図は右側面図、第
４図は−線に沿つてみた図、第５図は−
線に沿つてみた図である。 図中１は硬貨投入口、３は返却口、６はクレー
ドル、８は検知器、９は枢軸、１０はアーム、１
３は作動部片、１４は錘、１５，２１は窓孔、１
８は作用片、１９は押圧片、２０′は突出片であ
る。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 投入硬貨を正貨通路に導びく枠体の側面に、自
   重により垂下して前後方向に傾動自在のアーム
   と、自重により垂下して枠体の側面方向に傾動自
   在の作動部片とを配設し、前記アームの遊端側
   に、押圧片と、前記正貨通路の側面に穿設した第
   １窓孔を介して常態で正貨通路内に突出し、正貨
   の通過時にその重量によつて通路を横切る方向に
   移動する突出片とを設け、また前記作動部片の遊
   端側に、前記正貨通路の側面に穿設した第２窓孔
   を介して該通路内に出没可能であつて、前記突出
   片より所要距離上方に位置する邪魔片と、前記突
   出片の移動時に前記押圧片と作用して前記邪魔片
   を正貨通路内に突出させる作用片とを設けたこと
   を特徴とする硬貨選別機における硬貨の逆流防止
   装置。