JPS6210378Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は障子の上框に取付けられる障子のはず
れ止めに関する。

障子のはずれ止めは、一般に竪框の上端に上下
調整可能に螺着されているので、その調整に際し
ねじの回転操作が面倒であつたり、また、ねじの
弛緩によりはずれ止めが落下し、その本来的機能
を喪失する等の欠点が指適されている。

本考案は上記事情に鑑みてなされたもので、は
ずれ止め係脱の操作が極めて容易に行い得ると共
に、長期間の使用においてその本来的機能を喪失
することのない障子のはずれ止めを提案するもの
である。以下に本考案を図示の一実施例にしたが
つて説明する。

本考案に係る障子のはずれ止めは、第１図ない
し第４図において、障子４の上框５に取付けられ
る本体１と、該本体に対し見込方向に摺動可能な
可動体２と、該可動体の摺動に伴つて回転する回
転体３とから構成され、後に詳説するように（第
８図〜第１０図参照）、可動体２を摺動させるこ
とにより回転体３が回転し、その凹欠溝部３１が
障子４と上枠６との間隔を狭めて障子４のはずれ
止め作用を行うことを要旨とするものである。

はずれ止め本体１は、さらに第５図に示すよう
に、中央部分に可動体案内溝１１を形成すると共
に、その溝底面に回転体円柱部３２の下端部分を
嵌装させるための嵌合部１２を穿設し、さらに本
体１の一側に鍔状の取付片１３を形成し、該片１
３の中央には可動体貫通孔１４が、また、両側に
は止めねじ１６用の孔１５，１５を穿設してい
る。なお、この本体１は、上框５に対し、予め該
框５に形成した切欠き５１に合わせて室内側から
取着される。

可動体２は前記本体１の案内溝１１内を見込方
向に摺動するものであつて、さらに第６図に示す
ように、その適所に楕円状の主孔２１と、該孔２
１に連通して形成される副孔２２とを有し、さら
に本例の場合、頭部２３を図示のように円弧状に
設けている。これらの孔２１，２２は後述の回転
体円柱部３２およびピン３３と係合するものであ
り、その中、主孔２１は円柱部３２に対し遊嵌孔
となつて何等物理的外力を付与することはない
が、副孔２２は、これに係合するピン３３に対
し、可動体２の摺動移動に伴い押圧力を付加する
こととなり、したがつて、回転体３は、円柱部３
２を中心として、前記押圧力に付勢される方向に
回転する。なお、可動体２の頭部２３が円弧状を
なしている場合は、障子の開閉により他方の障子
召合せ框の煙返しに頭部２３を当接させ、これに
より頭部２３を押込み、延ては回転体３を回転さ
せることが可能となる。

回転体３は、さらに第７図に示すように、上枠
レール６１のレール幅ｔよりも大きな溝幅Ｔを備
えた凹欠溝部３１を有し、また、前記主孔２１に
貫通係合する円柱部３２と、前記副孔２２に係合
するピン３３とを突設して成り、本例の場合、円
柱部３２およびピン３３を凹欠溝部３１の下方か
ら挿入してカシメ固着している。また、円柱部３
２の下端部３２ａをその上部たる主孔係合部３２
ｂよりも大径に形成して、可動体２との係合にお
いて回転体３単独では本体１から離脱し得ない構
造としている。なお、凹欠溝部３１の溝３４の深
さすなわち該溝部３１の上端面３５からの切欠き
深さ、および溝幅Ｔは、障子４のサツシに対する
着脱操作に鑑み、溝３４が容易に上枠レール６１
を呑込み得べく形成する。なお、第１１図は回転
体３の凹欠溝部３１の他の実施例を示す斜視図
で、この場合は該部３１における立上り部３１ａ
を一側にのみ形成した。該部３１をこのように構
成しても、本考案の目的が達成されることはいう
までもない。次に本案はずれ止めの上框５装着に
つき説明すると、まず、はずれ止め本体１に可動
体２を装着し、次いで回転体円柱部３２を下方か
ら本体嵌合部１２に嵌挿する。そのままの状態
で、上框切欠き５１に合わせて本体１を上框５に
装着し、予めピン３３を垂下突設した凹欠溝部３
１を、該ピン３３を可動体副孔２２に係合させつ
つ回転体円柱部３２に固着する。なお、本体１は
ねじ１６，１６で上框５に固着される。もつと
も、上述の上框装着は図示のように上框ウエブ５
２に本体１を載置するような位置関係の場合であ
つたが、該ウエブ５２よりも比較的上方に本体１
を設けるような場合は、例えば回転体円柱部３２
の嵌挿は凹欠溝部３１との固着と同時になすのが
好ましい。

このようにして本案はずれ止めは障子４に装着
されるが、その障子４をサツシに装着するのは次
の手順による。すなわち、回転体凹欠溝部３１の
溝３４の方向を予め上枠レール６１のレール方向
に一致させておき、その状態で該溝３４をレール
６１に呑込ませつつ障子４の上端部（上框５の上
方開口部）をレール６１に嵌合させる（第８
図）。そして障子４の下端部を下枠レール（図示
せず）に嵌合させる。このときの状態を示したも
のが第９図である。さらに、頭部２３を押込んで
可動体２を摺動させると回転体３が回転し、前述
した溝３４の方向と上枠レール６１のレール方向
が異なるので、凹欠溝部３１が障子４と上枠６と
の間隔を狭めることとなり（第１０図）、換言す
れば、この状態で障子４を持上げれば凹欠溝部３
１の上端面３５がレール６１の下端縁に当接する
ことになり、これにより障子４のはずれ止め作用
がなされる。なお、本例のように可動体２の頭部
２３が円弧状をなしている場合は、障子の開閉に
よつて頭部２３が押込まれることは前述した。ま
た、必要に応じ障子４をはずす場合は、可動体２
の頭部２３を手前に引いて溝３４をレール６１の
方向に合わせてなせばよい。

本考案に係る障子のはずれ止めは、以上説明し
たように、障子上框に取付けられる本体に、見込
方向に摺動可能な可動体を設け、さらに、該可動
体の摺動に伴つて回転する回転体を設け、該回転
体には上枠レールを呑込む凹欠溝部を形成して構
成するものであるから、障子のサツシ着脱に際し
可動体の出没操作のみで障子はずれ止めの係脱が
なされてすこぶる便宜であり、しかも従来のはず
れ止めのような本来的機能を喪失することある自
重落下の事態は全く生じないので、長期間の使用
によつても確実にはずれ止めの機能を発揮するも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案はずれ止めを示す外観斜視図、第
２図は同上分解斜視図、第３図は本案はずれ止め
を障子（上框）に装着した状態を示す斜視図、第
４図は第３図の−矢視断面図、第５図は本案
はずれ止めの構成要素たるはずれ止め本体を示す
図で、１〜４は順に、正面図、背面図、底面図、
１の−断面図、第６図は可動体を示す図で、
１は平面図、２は１の−断面図、第７図は回
転体を示す図で、１〜４は順に、正面図、平面
図、１の−断面図、分解状態を示す縦断面
図、第８図ないし第１０図は本案はずれ止めを装
着した障子をサツシ（上枠）に装着する手順を示
す縦断面図、第１１図は回転体の他の実施例を示
す斜視図である。 １……はずれ止め本体、２……可動体、２１…
…主孔、２２……副孔、３……回転体、３１……
凹欠溝部、３２……円柱部、３３……ピン、３４
……溝、４……障子、５……上框、６……上枠、
６１……上枠レール、ｔ……レール幅、Ｔ……溝
幅。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 下記(A)，(B)，(C)および(D)条件より成る障子のは
   ずれ止め。 (A) 障子４の上框５に取付けられる本体１と、該
   本体に対し見込方向に摺動可能な可動体２と、
   該可動体の摺動に伴つて回転する回転体３とか
   ら構成される。 (B) 可動体２は楕円状の主孔２１と、該主孔に連
   通して形成される副孔２２とを有する。 (C) 回転体３は、上枠レール６１のレール幅ｔよ
   りも大きな溝幅Ｔを備えた凹欠溝部３１を有
   し、さらに前記主孔２１に貫通係合する円柱部
   ３２と、前記副孔２２に係合するピン３３とを
   突設して成る。 (D) 可動体２を摺動させると副孔２２内のピン３
   ３が押圧され以て回転体３は円柱部３２を中心
   に回転し、溝３４の方向が上枠レール６１のレ
   ール方向と異なつて、すなわち凹欠溝部３１が
   障子４と上枠６との間隔を狭めて、障子４のは
   ずれ止め作用を行う。