JPS6210006Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、例えばNC旋盤等において長尺の棒
材を加工するのに使用して最適な棒材供給装置の
送出機構に関する。

（従来の技術） 従来、上記送出機構の駆動には、重錘を使用し
たもの、カム又はスプリングとカムを組合わせた
もの、流体圧ピストンシリンダを使用したもの等
が一般的であつた。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、上記重錘を使用したものは、構
造的に比較的簡単であるが、高速回転には不適当
で、その他のものは、そのいずれもが多くの付属
機器を必要とするために構造的に複雑となり、高
価なものとなつていた。更に、いずれのものも、
棒材の送出作動力が直接作用し棒材は等速で移動
するため、この先端が主機の停止片に当接する時
に衝撃となつて機械やツール編成精度等に悪影響
を与えてしまうといつた問題点があつた。

本考案は上記に鑑み、構造的に比較的簡単で、
しかも棒材送出作動が円滑に行なえんものを堤供
することを目的としてなされたものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案は上記目的を達成するため、先端にフイ
ードフインガを装着した材送管の基端を回転自在
に支承するとともに主機主軸の中心線に沿つて前
後動自在に構成した送出ヘツドと、上記中心線に
直交する軸を回転中心として回転自在に支承した
クランクアームとを、連接棒の両端に夫々回転自
在に連結し、上記クランクアームの回転に伴つ
て、連接棒を介して送出ヘツドが前後動するよう
構成したものである。

（作 用） 而して、送出ヘツドとクランクアームと連接棒
で、いわゆる往復スライダクランク機構を構成
し、この構成によつてクランクアームの回転運動
を送出ヘツドの往復運動に変換し、これによつて
構造的な簡素化を図るとともに、この機構は両死
点においてスライダの速度は除々に減速して零と
なるため、これを利用して送出ヘツドのスピード
をその両移動端において除々に減速して零とする
ものである。

（実施例） 図面は本考案の一実施例を備えた棒材供給装置
の概略を示す正面図で、同図において、この装置
の右端は主機たるNC旋盤等の後端に近接してい
る。この主機主軸の後方に位置し、この主軸中心
線と平行して延長するよう梁体１が備えられてい
る。この梁体１は横断面が中空四角筒状で複数の
スタンド２により支持されている。

この梁体１の上面には複数の保持具３が立設さ
れ、この保持具３の頂部に備えられた蝶番状保持
部で、棒材振れ止め用のサイレントチユーブ４
が、その中心が主機主軸中心と一致するよう高さ
調節可能に挾持されている。また、この梁体１の
主機側上面には、フレーム５が固着され、このフ
レーム５の左右両端には、左ブラケツト５′と右
ブラケツト５″が垂直に上方に突出して備えら
れ、この両ブラケツト５′，５″に跨つて主機主軸
の中心線に平行に２本のガイドバー６が固着配設
されているとともに、このガイドバー６には、送
出ヘツド７が摺動自在に挿着されて、送出ヘツド
７がガイドバー６に沿つて前後動するよう構成さ
れている。

この送出ヘツド７には、主機主軸中心と同心位
置に配設した材送管８の基端がころがり軸受等の
軸受手段（図示せず）を介して回転自在に支承さ
れ、この材送管８の先端は主機主軸穴内に達し、
ここにフイードフインガ９が装着されている。ま
た、この材送管８は、送出ヘツド７の材送管８の
挿通部両側に配設したスラスト軸受及びこれに隣
接した固定リング１０によつて位置決めが行わ
れ、送出ヘツド７からの突出量が調節できるよう
構成されている。

上記梁体１の下面には、ブレーキモータ１１が
装着され、このブレーキモータ１１の近傍には、
梁体１の前後に貫通してウオームを固着したウオ
ーム軸１２が軸受を介して回転可能に嵌挿され、
このウオーム軸１２とブレーキモータ１１の軸の
後面への突出部には夫々プーリ（図示せず）が固
着され、両プーリ間にはタイミンングベルトが掛
渡されて、ブレーキモータ１１の回転に伴つてウ
オーム軸１２が回転するよう構成されている。

このウオーム軸１２の近傍には、梁体１の上下
に貫通してクランク軸１３が軸受を介して回転可
能に嵌挿され、このクランク軸１３には上記ウオ
ーム軸１２に固着したウオームと噛合うウオーム
ホイールが固着されて、ウオーム軸１２の回転に
伴つてクランク軸１３が回転するよう構成されて
いるとともに、このクランク軸１３の上端には横
断面正方形で棒状のクランクアーム１４の一端が
固着されている。

このクランクアーム１３の上面には、横断面逆
Ｔ字状の溝が、その長手方向に沿つて設けられ、
この溝の側方には軸心を起点として寸法目盛り線
と数値が刻印してある。この溝は、この中にクラ
ンクピン部材１５のＴ形頭部を摺動自在に挿入
し、このクランクピン部材１５の上部を螺着する
ことにより、これを任意の位置に固定するための
ものである。

このクランクピン部材１５の上端には、接手１
６の内部に穿設した穿孔を挿通して、接手１６が
水平方向に回転自在に支承され、この接手１６の
軸部の先端にはねじが刻設され、ここにターンバ
ツクル１７の一端が螺着されているとともに、こ
のターンバツクル１７の他端には連接棒１８の一
端が螺着され、これによつて連結棒１８としての
連結長さが調節できるよう構成されている。

この連接棒１８の軸部は、上記ブラケツト５′
に穿設した横方向に延びる長穴を挿通して延長
し、この延長端は上記送出ヘツド７の下面に固着
した接合軸１９に、ピン２０を介して、水平方向
に回転自在に連結されている。

上記クランク軸１３の下端には、リミツトスイ
ツチ作動用のドツグ２１，２２が互いに反対方向
に突出して備えられ、このドツグ２１，２２に対
向するようにリミツトスイツチ２３，２４が梁体
１の下面に装着されている。また、梁体１の下面
にはコントロールボツクス２５が、梁体１の側面
には押ボタンスイツチパネル２６が、夫々固着さ
れている。

なお、加工用棒材２７はサイレントチユーブ４
の主機の反対側一端から、材送管８を通じてフイ
ードフインガ９に手扱いで圧入される。

次に、本実施例の作用について説明する。

新規に加工作業を開始する場合には、棒材２７
の外径に適合する口径のフイードフインガ９を選
択して材送管８の先端に装着し、所要送出し長さ
に応じてクランクピン部材１５の固定位置を決定
する。また、このクランクピン部材１５と送出ヘ
ツド７との位置関係、即ち連接棒１８としての長
さ及び材送管８の送出ヘツド７からの突出長さを
ターンバツクル１７を調節することにより決定す
る。この間の総合調整のための各部の動きは押ボ
タンスイツチパネル２６の中の押ボタンの手操作
による。

これにより段取りが整備され、加工しべき棒材
２７を挿入すると主機からの電気的指令でブレー
キモータ１１が起動し、この回転がプーリ及びウ
オームとウオームホイールによつて減速されてク
ランク軸１３に伝達されてこれを回転させ、この
回転に伴つてクランクアーム１４が水平回転し
て、主機の反対側にあつたクランクピン部材１５
が半円状に回転して主機側に移動し、この回転移
動に伴つて、連結棒１８を介して連結した送出ヘ
ツド７が主機の方向に前進し、この送出ヘツド７
に属するフイードフインガ９が前進して棒材２７
の送出を行う。

この動きに伴つてクランク軸１３の下端にある
ドツグ２１がリミツトスイツチ２３に接触して、
この作用でブレーキモータ１１の回転は停止し、
クランク軸１３の回転も停止する。この時、棒材
２７の先端は主機の棒材把持用チヤツクを過ぎて
停止片に当接しており、そこでチヤツクにより棒
材２７は緊締される。

ドツグ２１の接触で生じるリミツトスイツチ２
３の作用はタイマーを経てブレーキモータ１１を
再起動させる。これにより、クランクアーム１４
は再び回転し、この回転に伴つて、フイードフイ
ンガ９はチヤツクで緊締された棒材の外周を長手
方向に接しながら、上記とは逆に後退して原位置
に戻る。この時、移動端部に近付くとドツグ２２
がリミツトスイツチ２４に接触して、その作用で
ブレーキモータ１１は回転を停止し、フイードフ
インガ９も停止して主機からの次の指令を待つの
である。

なお、棒材２７の最後の一本の加工の時、フイ
ードフインガ９はその後退に際して棒材２７を把
持していないので、摩擦なしに容易に復帰する。
この場合だけ、図示しないが、後退の移動端にお
いて僅かな過動が生ずる手段が講じられ、この過
動を利用して送出ヘツド７に装着したドツグがリ
ミツトスイツチに接触して、その作用で棒材２７
の送出の終了を検知するよう構成されている。

（考案の効果） 本考案は上記のような構成であり、いわゆる往
復スライダクランク機構を利用して棒材を送出す
るものであるので、クランクアームの回転に伴う
送出ヘツドの直線運動の移動速度は、零から出発
して次第に速くなり、クランクアームが出発点か
ら90゜回転した時に最高速度となり、これを過ぎ
ると次第に遅くなり最後に零となり、この位置で
送出を停止する。従つて、棒材が主機の停止片に
当接する時は衝撃のない円滑な作用となるので、
機械及びツール編成精度に悪影響を及ぼすことは
ない。

しかも、従来のカム駆動方式やスプリングとカ
ムの組合わせ方式、又は流体駆動方式等に比べて
構造的に比較的簡単であり、従つて故障も少なく
なるばかりでなく製造コストを著しく低減するこ
とができるといつた効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を備えた棒材供給装
置の概要を示す正面図である。 １……梁体、４……サイレントチユーブ、６…
…ガイドバー、７……送出ヘツド、８……材送
管、９……フイードフインガ、１１……ブレーキ
モータ、１３……クランク軸、１４……クランク
アーム、１７……ターンバツクル、１８……連接
棒。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 先端にフイードフインガを装着した材送管の基
   端を回転自在に支承するとともに主機主軸の中心
   線に沿つて前後動自在に構成した送出ヘツドと、
   上記中心線に直交する軸を回転中心として回転自
   在に支承したクランクアームとを、連接棒の両端
   に夫々回転自在に連結し、上記クランクアームの
   回転に伴つて、連接棒を介して送出ヘツドが前後
   動するよう構成したことを特徴とする棒材供給装
   置の送出機構。