JPS6159736B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、肢体不自由者や寝たきりの病人の行
動を介助するための介護装置に関する。

従来、肢体不自由者や寝たきりの病人が日常生
活で必要とする日用器具、例えば洗面器、便器お
よび浴槽などはユニツト化して配置されておら
ず、洗面、排便および入浴などをするにあたつて
は、ベツドなどから肢体不自由者あるいは病人を
車椅子に移乗させ、車椅子でそれらのある場所ま
で移動させ、必要な動作をさせた後、再度車椅子
でベツドまで移動して戻す必要があり非常に不便
である。また、たとえば入浴などにあたつては、
肢体不自由者や病人を人力あるいは吊上げ装置な
どを用いて車椅子から浴槽に移す必要があり、大
変な労力を必要とする。しかもこの場合、浴槽か
ら湯がはねたりして周返を広範囲に汚す惧れがあ
る。

本発明は、そのような事情に鑑みてなされたも
のであり、肢体不自由者や病人などがたとえば洗
面、排便および入浴などの日常生活を営むのに必
要とする日用器具をユニツト化してボツクス状の
ユニツト本体の中に配置することにより、極めて
少ない労力で介助し得るとともに介助に伴う周辺
の汚損をユニツト本体内部の限られた範囲内に止
め得る衛生的にも優れた前記介護装置を提供する
ことを目的とする。

以下、図面により本発明の一実施例について説
明すると、先ず第１図において、介護装置１は、
たとえば家屋の寝室に設置され、その寝室で寝て
いる肢体不自由者や病人などの日常生活に必要な
動作を介助するために用いられる。

介護装置１は、肢体不自由者などの座臥位置た
とえばベツド２の近傍に立設される支柱３と、該
支柱３の上部で支柱３の軸線まわりに回転自在に
支承される旋回アーム４と、該旋回アーム４の先
端部に回転自在に取付けられる屈曲アーム１６
と、該屈曲アーム１６の先端部に設けられる吊上
げ手段５と、該吊上げ手段５を昇降駆動させ得る
操作スイツチ１８と、吊上げ手段５の前記旋回ア
ームの旋回動作に伴う到達可能域にユニツトされ
て配置される複数の日用器具たとえば便器６、洗
面器７および浴槽８を収容するボツクス状のユニ
ツト本体９とを備える。

第２図および第３図を併せて参照して、寝室に
は便器６、洗面器７および浴槽８を収容するボツ
クス状の持ち運び可能なユニツト本体９がベツド
２に近接して設置され、便器６、洗面器７および
浴槽８はユニツト本体９内に固定的に配設され
る。またユニツト本体９のベツド２側に臨む側壁
には出入口１０ａが設けられ該出入口１０ａに開
閉自在に扉１０が取付けられる。また、ユニツト
本体９の内面には、肢体不自由者などの行動を容
易とするために、たとえば、上下２段の手摺り１
１が前記扉１０を設けた側壁を除く残余の各側壁
にそれぞれ取付けられる。

ユニツト本体９に近接した外部でしかも扉１０
の近傍において、寝室の床１２を貫通してコンク
リート床面１３に支柱３が強固に立設される。こ
の支柱３はユニツト本体９よりもわずかに低い程
度の高さに設定され、その上端部には、半径方向
外方に延びる旋回アーム４の基部４ａが軸受（図
示せず）を介して回転自在に支承される。この旋
回アーム４の長さは、支柱３から扉１０の中間位
置まで設定されており、ユニツト本体９のベツド
２側の側壁上部には旋回アーム４の出入りを許容
するための開口部１４が設けられる。

旋回アーム４の先端には、支柱３と平行な支軸
１５を介して屈曲アーム１６が枢支され、この屈
曲アーム１６の先端部には吊上げ手段５が設けら
れる。屈曲アーム１６は前記旋回アーム４同様開
口部１４から、また吊上げ手段５は前記出入口１
０ａからユニツト本体９内に出入り可能となつて
いる。吊上げ手段５は、フツク１７により屈曲ア
ーム１６に係合されたホイストであり、前記吊上
げ手段５に設けられてこれとともに移動し得る操
作スイツチ１８の操作により、ワイヤ１９に連結
されたフツク２０が昇降駆動される。このフツク
２０には、肢体不自由者などを吊下げるためのバ
ンド２１が係合される。

次にこの実施例の作用について説明すると、ベ
ツド２に寝ている肢体不自由者をたとえば入浴さ
せるにあつては、バンド２１を肢体不自由者に装
着するとともにフツク２０に係合し、操作スイツ
チ１８を操作して吊上げ手段５を駆動する。それ
によつて、身体が宙づりになつた状態で吊上げ手
段５の駆動を停止し、ユニツト本体９の扉１０を
開いて、旋回アーム４を旋回させながら肢体不自
由者をユニツト本体９内に誘導する。次いで、肢
体不自由者を浴槽８上の導くが、この際、屈曲ア
ーム１６が支軸１５のまわりに回動自在であるの
で、移動位置の微調整が可能である。また、屈曲
アーム１６を旋回アーム４の延長方向に延ばすと
アーム全体の長さが長くなるので、たとえば浴槽
８が旋回アーム４の旋回半径を越えた位置にある
場合でも、屈曲アーム１６が届く範囲内であれば
肢体不自由者を浴槽８を導くことができる。

浴槽８上の適切な位置に導くことができたら、
操作スイツチ１８を操作して肢体不自由者を静か
に降下させれば良い。

入浴中には、浴槽８外に湯や石鹸泡等がはねた
りするが、浴槽８はボツクス状のユニツト本体９
内に設けられるので、該本体９内の限られた範囲
しか汚れる心配はない。

入浴後には、上述とは逆の操作をすることによ
り、肢体不自由者をベツド２に戻すことができ
る。また洗面あるいは排便時においても同様の操
作を行えばよい。

以上は、すべての動作の他人の助けを借りなけ
れば行なえない人のための動作について述べた
が、上半身の自由な人は操作スイツチ１８を操作
するとにより、上下方向の動作を自力で行うこと
ができる。この場合支柱３の途中に、その支柱３
のまわりを宙づり状態で移動するための案内部材
（図示せず）を設ければ上下方向のみならず、支
柱３まわりの動作も自力で行い得る。

また、支柱３は、ベツド２の近傍に立設される
必要はなく、ユニツト本体９の外部であれば便器
６、洗面器７および浴槽８の近傍に立設してもよ
く、たとえば車椅子でユニツト本体９の入口まで
来た人を、吊上げ手段５でユニツト本体９内に導
くような使い方も可能である。

しかも、前記ユニツト本体９は持ち運び可能で
あるから、所望の場所に設置することができて便
利である。

以上にように本発明装置は、介護を必要とする
人の日常生活に必要な、複数の日用器具を収容す
る持ち運び可能なボツクス状のユニツト本体９を
備えるので、それらの日用器具を用いて行う介助
をユニツト本体９内部で行うことができ、したが
つて介助に伴う周辺の汚損を該本体９内部の限ら
れた範囲内に止め得るから、極めて衛生的であ
る。しかも、ユニツト本体９は持ち運び可能であ
るで、所望の場所に設置できて便利である。

また、ユニツト体９の外部で前記日用器具の近
傍に立設される支柱３と、該支柱３の上部で支柱
３の軸線まわりに回動自在に支承される旋回アー
ム４と、該旋回アーム４に取付けられる屈曲アー
ム１６と、該屈曲アーム１６の先端部に設けら
れ、前記介護を必要とする人を吊上げる吊上げ手
段５と、該吊上げ手段５を昇降駆動させ得る操作
スイツチ１８とを備え、前記ユニツト本体９に
は、前記旋回アーム４および屈曲アーム１６の出
入りを許容するための開口部１４と、前記吊上げ
手段５が出入するための出入口１０ａとを設けた
ので、介護を必要とする人を吊上げて日用器具が
配置されているユニツト本体９の内部まで運ぶこ
とが極めて容易に行われ、その介護作業の労力が
低減される。

さらに、屈曲アーム１６は旋回アーム４の先端
部に回転自在に取付けられるので、介護を必要と
する人の移動位置の微調整が可能になるとともに
旋回アーム４の旋回半径を越えて移動範囲を拡大
することもでき、したがつてその介護範囲を広げ
ることができる。

さらにまた、操作スイツチ１８は吊上げ手段５
とともに移動可能であるので、上半身の自由な被
介護人は操作スイツチ１８により上下方向の移動
を自力で行うことができ、介護作業の省力化を図
ることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示すものであり、第
１図は横断面図、第２図は第１図の―線断面
図、第３図は第１図の―線視図である。 １…介護装置、３…支柱、４…旋回アーム、５
…吊上げ手段、６，７，８…日用器具としての便
器、洗面器、浴槽、９…ユニツト本体、１０ａ…
出入口、１４…開口部、１６…屈曲アーム、１８
…操作スイツチ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 介護を必要とする人の日常生活に必要な、複
   数の日用器具を収容する持ち運び可能なボツクス
   状のユニツト本体９と；該ユニツト本体９の外部
   の前記日用器具の近傍に立設される支柱３と；該
   支柱３の上部で支柱３の軸線まわりに回転自在に
   支承される旋回アーム４と；該旋回アーム４の先
   端部に回転自在に取付けられる屈曲アーム１６
   と；該屈曲アーム１６の先端部に設けられ、前記
   介護を必要とする人を吊上げる吊上げ手段５と；
   該吊上げ手段５とともに移動可能で且つ吊上げ手
   段５を昇降駆動させ得る操作スイツチ１８と；を
   備え、前記ユニツト本体９には、前記旋回アーム
   ４および屈曲アーム１６の出入りを許容するため
   の開口部１４と、前記吊上げ手段５が出入するた
   めの出入口１０ａとを設けたことを特徴とする介
   護装置。